5分で誰でもわかる転職エージェントを200%活かす使い方

「転職エージェントの存在は知っているけど、具体的な使い方がわからない」と感じていませんか?

実は、転職エージェントの担当者である「キャリアコンサルタント」は多くの担当候補者を抱えており、受け身の姿勢で任せていてはエージェントの良さをフル活用することは難しいです。

このページでは、現役転職エージェントの私が「どういう応募者に対して本気で動いているか」など自身の経験をすべて振り返った上で、自分に不都合になることも全て出し惜しみせずに、効果的なエージェントの使い方について以下のことをご紹介します。

  1. 転職エージェントを使う「利用の流れ」
  2. 「登録」「面談準備」の3つのポイント
  3. 「キャリアコンサルタントとの面談」の3つのポイント
  4. 「選考(書類〜面接)」の4つのポイント
  5. 内定時のポイント

この記事を読むことで、事前情報なしでエージェントを活用している方と比べて、2倍以上も圧倒的に有利に転職活動を進めることができるようになるでしょう。

1.  転職エージェントを使う「利用の流れ」

転職エージェントの流れは、一般的には以下の4つのフェーズで構成されます。

転職エージェントを使う流れとポイント

サービス内容を知らないが故に損なサービスを受けないよう、各フェーズで抑えるべきポイントを次章以降でご紹介していきます。

2. 「登録」「面談準備」の3つのポイント

エージェントとのファーストコンタクトである面談は、一般的に、担当のエージェントと直接会って話す機会は1〜2回程度です。

その数少ない貴重な面談を有意義な時間にするために、面談までの準備の段階で3つのポイントをお伝えします。

2-1. 複数エージェントに登録する

情報のブレをなくすため、複数エージェントに登録することがまずは重要です。

時間が許せば4社、大手エージェント2社と自身の行きたい業界に特化している中小エージェント2社の両方に登録し、話を聞いてきましょう。

複数登録すべき理由1. コンサルタントによりアドバイス内容が異なる

キャリアに正解はなく、年齢に対する考え方、求人や業界への理解の深さなど、各コンサルタントによって異なります。

アドバイス内容や求人への詳しさにも差が出てくるため、複数エージェントの話を聞くことで、自分の納得する道を探していきましょう。

大手のエージェントだと、人数も多いため、経験豊富な担当に当たるかどうかで満足度は大きく変わってくるでしょう。

その際は、遠慮無く担当の変更を依頼しても問題ありません。気まずさはあるかもしれませんが、ご自身の人生に関わることなので、妥協をしないことをオススメします。

複数登録すべき理由2. エージェントによって、保有求人が異なる

各エージェントによって、契約している企業が異なります。数という意味では、大手エージェントは圧倒的な求人を保有しています。

しかし、特化型の中小エージェントも、特化しているからこそ顧客に深く入り込み、独自の求人を保有している可能性もあります。

2-2. 事前情報を伝える

面談をするにあたり、事前に自分の情報をしっかりとエージェントに伝えることが重要です。

なぜならば、情報不足ですとコンサルタントも準備ができず、当日の面談が薄い内容で終わってしまう可能性が高いからです。

その状況を防ぐため、下記の実行をおすすめします。

履歴書・職務経歴書を事前に送付(活かせる経験、知識を伝える)

履歴書・職務経歴書がある状態とない状態では、コンサルタントが当日面談に持参する求人のマッチ度が全く異なります。

どういう事かというと、アドバイスする内容も、その場でヒアリングして考えるのと、事前に準備してくるのとでは雲泥の差がでてくるということです。

同じ会社でも営業、経営企画、経理、人事などで、今後のキャリアパスも当然異なってきます。

しかし、事前に情報があれば、コンサルタントも十分に準備して面談に臨むことができます。

もし事前に準備が難しい場合は、自身の経歴のポイントだけでも事前に共有しておきましょう。

例えば、下記の様な内容です。

・会社名、部署、役職:◯◯株式会社、経理部、係長

・業務内容:約10年間、一貫して経理を担当。直近3年間は係長として3名のマネジメントを経験。

・保有知識、スキル:連結決算、月次財務諸表作成、伝票処理(売掛金・買掛金・手形・請求)、予算・実績、決算処理およびデータ準備

職務経歴書の書き方は、「【見本付き】職務経歴書の書き方に関する全知識」を参考ください。

2-3. 希望を伝える

経歴とともに、自分の希望を伝えておくことも重要です。(事前にアンケートが送られてくることも多いので、書ける内容は記載し、返事を送りましょう。)

その情報を元に、コンサルタントは希望にあった求人を探して面談当日に持ってきてくれますし、もしその道に進むことが難しい場合、理由とたどり着くための情報も合わせて考えてきてくれることでしょう。

伝えるべき内容としては、下記3つの項目です。

(1). 今後どういった仕事につきたいのか

現職では大きな組織におり、ジョブローテーションで営業・経理・人事と2〜3年毎に部署異動を繰り返しており、コアとなるスキルが身についていないと心配をしております。そのため、30歳という節目の時期に一度自身のキャリアを見直してみたいと考えた次第です。将来的には経営企画で、会社全体の舵取りをしていきたいと考えていますが、そのために現時点でどの様な方向性で進めばいいのか、ご相談させてください。

(2). 希望勤務地

関東、関西、東京、大阪など。都道府県や関東、関西など、希望する範囲で構いません。

コンサルタントの提案にも影響しますので、理由も記載することをおすすめします。

(3). 希望年収

希望の年収とこのラインは切りたくないという最低希望年収の2つを送りましょう。

「現状600万円ですが、仕事内容に納得感があれば、550万円程度までの減少は構いません。」

3. 「キャリアコンサルタントとの面談」の3つのポイント

担当のコンサルタントと初めて対面で話す場の面談。

緊張される方も中にはおりますが、面談の目的は「自分のことを理解・整理してもらう場」です。

なぜならば、担当のコンサルタントに「理解されてない・整理されてない」と、今後の紹介案件も的外れな案件を紹介され、スタートから躓いてしまうからです。

そのスタートでいい関係を構築するために、外したくない3つのポイントをお伝えします。

ポイント1. 目的を明確化する

まず、面談に向かう前の準備です。

担当コンサルタントも流石に、「何も分からないし、気持ちも整理できていないけど、とりあえず相談にきました」では、何をお伝えすればいいのかわかりません。

短い時間を有効に使うためには、自分がこの面談で何を求めているのかを明確化しましょう。

下記の3つの観点で用意をしておくことができると思います。

  • そもそも考えがまとまっていないため整理したい。その情報が欲しい。
  • ある程度、方向性は決まっているが、希望の企業/業界へ行けるかどうかの可能性を知りたい。
  • 具体的な求人がどの様なものがあるかをしりたい。

ポイント2. 嘘はつかない

コンサルタントは面接官ではありません。基本的に常に「受かって欲しい」という気持ちで面談を行っています。

「これを言ったら変に思われるのではないか・・・?」「できない奴だと思われたりしないか・・・?」など不安に思われるかもしれませんが、それを受け止めてアドバイスをくれる方でなければ、こちらからお断りした方がいいでしょう。

過去の私の経験ですが、うつ病で3ヶ月休職していることを隠して転職活動を行い、内定まで進まれた方がおりました。

しかし、最後に直近3ヶ月分の給与明細と源泉徴収票を企業から要求され、そのタイミングで実は休職しているから提出できないと相談に来られたことがありました。

このタイミングで相談をされても、もう打ち手はありません。

残念ながら、内定は取り消されることとなりました。

もし事前に共有頂ければ、タイミングを見て企業と相談をすることもできていたことでしょう。

ポイント3. コンサルタントをやる気にさせる

担当するコンサルタントの心に火をつけることも重要です。

コンサルタントも人間ですので、好き嫌いもあれば、やる気に差が出てくることもあります。

そのため、手厚いサポートを受けるには、コンサルタントをやる気にさせる必要があります。

詳しいテクニックは「転職エージェントを本気にさせる!面談成功のための全知識」に具体的にご紹介してますのでご参考ください。

4. 「選考(書類〜面接)」の4つのポイント

選考の大まかな流れは下記のようになります。

選考の流れ

選考フェーズでは、情報やノウハウを持っているエージェントを最も活用すべきフェーズです。

そのための4つのポイントをお伝えします。

4-1. 最後に困らないための日程調整

面接を進める上で日程の調整は必須です。

なぜならば、内定が出てから大体一週間程度で入社するかどうかの回答をしなければならないからです。

例えば、第一希望のA社が一次面接の段階で、第二希望のB社で内定が出てしまったとします。

B社で回答期限を区切られてしまった場合、B社へ入社するか、B社を断ってまだ内定がでるかわからないA社に希望をかけるか、選択しなければなりません。

この様な状況にならないために、上手く調整をしてもらう必要があります。

注意点

複数のエージェントを使って進行している場合、敢えて早く進めて自社で意思決定してもらおうと考えるエージェントもいるため、エージェントにはどういう状態にしたいかの希望を伝え、自分でもチェックをしていくことが大切です。

4-2. 面接対策

面接対策もエージェントの腕の見せどころです。

しっかりと情報を得て、準備をしてから面接に臨めば、通過率は大幅に高まります。

中小エージェントでは、比較的対面で対策をしてくれますが、大手では担当人数が多いため、電話や大人数のセミナーでまとめて対応するということをしています。

ポイント:応募企業の営業担当と直接話せるようにお願いする

もし可能であれば、応募企業の営業担当の人と直接話せるようお願いしてみましょう。

なぜならば、一番企業の情報に詳しいのは、企業の窓口である営業の方です。

担当のコンサルタントの方は、面接全般のポイント(職務経歴書の話し方、志望動機の答え方など)には詳しくても、各企業の細かな情報までは知らないケースも多いです。

そのため、こちらから依頼しないと話す機会はほぼないため、もし担当のコンサルタントが心許ないと感じた場合、悪いことではないので思い切って頼んでみましょう。

4-3. 面接後、企業側のフィードバックを確認

面接終了後、必ずして欲しいことは、面接のフィードバック確認を依頼することです。

確認すべき点は下記2点です。

評価点

「豊富なマネジメント力と人脈に基づく営業力。人物的にも素直で謙虚で非常に高く評価をしております」

懸念点

特に重要なのは「懸念点」です。

なぜならば、次回の面接に向け、修正していくためです。自分の強みや志向を上手く整理しきれずに伝えられなかった際は、しっかりと準備をし直して次回に臨む必要があります。

これは直接応募した場合は聞くことができない、エージェント経由でお願いしたからこそ得れる情報です。自分では「上手くいった/出来が悪かった」と思っていても、意外と評価が違っていることも多いので、各面接の後には確認していきましょう。

「能力的には申し分ないのですが、今後何をしたいかの方向性がまだ定まっていない様に見受けられたそうです。次回面接までに、この会社に入り、何を実現していきたいのかを掘り下げて、具体的にお伝えできるようにご準備ください。」

※金融機関や外資企業の一部など、エージェントにも情報非公開の企業もあります。

4-4. 給与交渉は最終面接後

転職するかどうかの判断に重要な給与ですが、エージェントは給与の交渉事も行ってくれます。

タイミングは最終面接〜内定(条件面談)の間です。

内定後では、すでに企業の中では稟議が進んでしまい、給与の交渉が出来なくなってしまうので、最終面接後に早めにエージェントに現在の気持ちを伝え、交渉してもらいましょう。

ベストな状態としては、下記の2つの状態を作り出すことです。

  • 高評価で内定を勝ち取る
  • 応募企業の競合から複数内定を勝ち取る

(1). 高評価で内定を勝ち取る

大前提として、評価が高くなければ交渉の場に持ち込めません。

内定にも「高評価内定」と「ギリギリ内定」があり、当然交渉力が高まるのは「高評価内定」となります。

(2). 応募企業の競合から複数内定を勝ち取る

応募企業の担当者にも、年収を上げる根拠を与えなければなりません。

複数企業から内定を勝ち取れば、競争力が働き、年収が上がりやすくなります。

その時に重要なのが、情報をしっかりと伝えることです。

「◯◯社で◯◯◯万円位のオファーが出そうです。◯◯◯万円出れば弊社へ来て頂けるそうなので、なんとか許可してください」

上記のことを、企業の担当者が自信を持って上に掛け合えるようにすることが大切です。

何も情報がないと、エージェントも企業に伝えられず、企業の担当者も上へ掛け合うことができません。

5. 内定時のポイント

内定の出し方にも、下記2通りあります。

それぞれで注意点があるのでしっかり確認しておきましょう。

5-1. エージェント経由で内定通知書を受け取る場合

エージェント経由で内定通知書を受け取る場合、疑問点はエージェント経由で確認してもらいましょう。

なぜならば、内定通知書の記載内容も企業により様々だからです。

細かい内容まで記載されている場合は問題ないのですが、企業によってはほぼ年収とタイトルだけというものもあるため、注意が必要です。

もし、疑問点が複数あり心配な場合は、面談の設定を依頼しましょう。

5-2. 条件面談が設定され、人事経由で内定通知書を受け取る場合

条件面談が設定される場合は、直接人事から説明がされます。

同様に疑問点はしっかりと確認し、クリアにしましょう。

注意点として、説明は人事からされるため、業務上の質問がある場合、事前に確認事項をエージェント経由で伝えてもらい、人事から現場に確認しておいてもらう方が無難です。

場合によっては、現場の方の同席をお願いしてみましょう。

6. まとめ

いかがでしたでしょうか?

エージェントサービスも会社によってマチマチなので、最低限知っておいた方が良い、エージェントの使い方をお伝えいたしました。

ぜひ参考にしていただき、納得のいく転職活動をしてください。

転職活動の成功を心から祈っています。

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