『介護職を辞めたい』と悩む新人向けに「辞めたい理由・具体的な対処法」を解説

介護 新人 辞めたい

新人介護士の中には、

  • 「入ったばかりだけど仕事辞めたい」
  • 「これから先続けていけそうにない」

と悩んでいる方も多いでしょう。

厳しい労働環境や人間関係の悩みから、仕事を辞めたいとお考えの新人介護士の方は多くいらっしゃいます。

ただ、すぐに辞めてしまうのは後悔の元となり得るため、自身が辞めたい理由を明確にし、転職するかどうか慎重に判断することが大切です。

そこで、本記事では多くの介護士転職をサポートしてきた私が、新人介護士が今の職場を辞めるべきか、踏み止まるべきかについて解説します。

  1. 介護士の早期離職者の約7割が「3ヶ月以内に退職」している
  2. 新人介護士が「辞めたい」と思う主な理由7選
  3. 多くの新人が辞める職場の特徴
  4. 今の職場を辞めたいと思ったらまずやってみるべきこと
  5. 次こそは失敗しない転職先の選び方
  6. 今の職場を辞めたい介護士におすすめの転職サイト
  7. 辞めるときの具体的な手順

この記事を読めば、新人介護士が仕事を辞めたい主な理由と、やめたいと思ったら取るべき行動が分かるでしょう。

1. 介護士の早期離職者の約7割が「3ヶ月以内に退職」している

新人のうちに介護士を辞める方は、実は珍しくありません。

事実、介護士の早期離職者の約7割が「3ヶ月以内」という非常に早い段階で退職しています

出典:厚生労働省

また、介護業界はそもそも早期離職者が多い業界であると言われており、事実「離職者の約4割は1年未満で退職」しています

2日で辞めたい(労働環境の悪さ、職場の閉鎖的な人間関係)

口コミ・評判

匿名さん
介護士を初めて一週間目の19歳です。 自分は何も資格を持たず初任者研修もまだですが、もう辛くて辛くて毎日辞めたいの一心です。 理由としては職場の雰囲気が好きになれない事。利用者様を好きになれない事。介護したいと思えない事。職場は常にピリピリしているため、分からないことを聞きに行っても怒られたり、メモをとってもやることを覚えられず、毎日毎日怒られます。辞めても、どこも同じだし、辛抱だと周りは励ましてくれますが、入って2日で辞めたいと思いました。。

出典:Yahoo知恵袋

1ヶ月半で限界を感じて辞めたい(重労働・精神的苦痛)

口コミ・評判

匿名さん
介護の仕事を始めて1ヶ月半くらいになりました!でも、仕事を辞めたいです。元から腰が痛いのですが、重い人を持つということで右腕だがずっと痛いんです。それプラス精神的なダメージがすごくてやめようかと思っています。

出典:Yahoo知恵袋

このように、仕事を辞めたいと感じている新人介護士の方は、多くいらっしゃるのです。

2. 新人介護士が「辞めたい」と思う主な理由7選

新人介護士が、仕事を辞めたいと思う主な理由を以下に挙げました。

  1. 人手不足により業務負担が大きい
  2. 給与が低すぎる
  3. 体力的にきつい
  4. 合わない上司がいるなど、人間関係の悩みがある
  5. 周りに相談できる相手がいない
  6. 教育体制が不十分で、自分のケアが適切か不安
  7. 施設の運営方針と合わない

では、それぞれ見ていきましょう。

2-1. 人手不足により業務負担が大きい

人手不足により仕事量が多いことは、新人介護士が辞めたいと思う1つの理由です。

事実、介護施設を対象にした調査では、66%の介護施設で人手が不足していると回答しており、中でも「訪問介護員」の雇用に関しては82.4%もの施設が不足を感じていました。(参考:平成29年度介護労働実態調査

人手が足りていない介護施設では、1人あたりの業務量が増えてしまいます。

そのため、入社直後から沢山の業務が降りかかってきて、余裕がなくなってしまう新人介護士の方も多くいらっしゃるのです。

2-2. 給与が低すぎる

新人介護士が「辞めたい」と思う理由として、給与が低すぎることも挙げられます

これは、基本給が低いことに加え、勤務年数が1年未満の新人は夜勤をすることができない場合が多いためです。

(補足)夜勤手当の相場

夜勤手当の相場は5,000~8,000円と言われています。新人のうちは夜勤で稼ぐことができないため、給与が低くなってしまいます。

厚生労働省によると介護士の平均基本給額は182,260円であり、中でも訪問系の新人介護士は特に給与が低くなるようです

基本給が低い上に夜勤ができないことは、新人介護士が「辞めたい」と思う大きな要因です。

2-3. 体力的にきつい

介護の仕事は重労働が多く、体力的にきついと言われる方も多くいらっしゃいます。

こんなに、介護が恐ろしく大変で自分の体力が奪われるとは正直思いもしませんでした。働きながら、自分も通院しながら両親の介護、諸々の手続き。ケアマネージャーや主治医に報告、連絡、相談の日々…きついです。

出典:Twitter

特に特別養護老人ホームなどの施設では、「移乗介助」で腰を酷使することが多く、腰痛を抱えている介護職員も少なくありません。

事実、介護職員のおよそ9割が腰痛を抱えていると言われています。

参考:社会福祉施設の介護職職員における腰痛の実態調査

(補足)考えられる転職先

今の職場で介護士として働くことが「体力的にきつい」と悩んでいる方は、身体介護が少ない「デイサービス」や、介護職を通して得たものを活かせる他職種に転職すると良いでしょう。

2-4. 合わない上司がいるなど、人間関係の悩みがある

合わない上司や同僚がいるなど、人間関係の悩みは仕事を辞めたいと思う根本的な原因です。

事実、介護職員が前職を辞めた理由の第一位が「人間関係に問題があったため」でした。

出典:介護労働実態調査

具体的には、以下の口コミから「新人指導者との関係性」に悩みを抱える人が多いことが分かります。

介護業界は新人に厳しい。

「オムツ交換がズレてる」「移乗介助が下手」「食事介助に時間かけすぎ」「コール対応が遅い」など、新人スタッフに完璧を求めすぎ。

あなたは初めからできた?たくさん失敗してきたはず。共感力が必要な介護職。利用者だけじゃなく、新人への共感も忘れないでいきたい。

出典:Twitter

加えて、施設の利用者と家族の要望が一致しないといった場合など、職場外の人との人間関係に問題が生じることもあります

このように、介護職は多方面とのコミュニケーションが発生する仕事であることから、人間関係の悩みを抱えやすく、辞めたいと思われる新人介護士の方は多いです

2-5. 周りに相談できる相手がいない

周りに相談できる相手がいないことから、孤立してしまう新人介護士の方もいらっしゃいます。

介護施設職員の平均年齢が47.7歳であることから、特に若年層の方は「周りに同世代がおらず悩みを聞いてくれる人がいない」という状況に陥りやすいでしょう。

日々の業務や給与の悩みついて気軽に相談することができないと、ストレスが増えていく一方です。

2-6. 教育体制が不十分で、自分のケアが適切か不安

人手不足の影響で教育体制が疎かとなってしまうと、新人である自分のケアが適切か不安に感じることもあるでしょう。

例えば以下のように上司が高圧的な職場では、新人介護士が萎縮してしまいます。

みんなのお母さん的な存在だと思ってた介護士さんが新人介護士さんにめちゃくちゃ厳しい指導してて震えた。
「はい、○○(←私)さんに声かけた理由は?」「何でそんな事も分からないんですか?18、19の若い子だったら分からなくてもいいけど、大人なんだから分かるでしょ?」とか言ってた。怖すぎる

出典:Twitter

その結果、新人介護士は自身のケアが適切かどうか不安になってしまう方もいるようです。

2-7. 施設の運営方針と合わない

介護施設の運営方針と合わないことから、辞めたいと感じている新人介護士の方も多いようです。

新人介護士が施設の運営方針に不満を抱えやすいケース

  • 効率を重視しすぎて適切な教育が行われていない
  • 新人介護士が困っていても管理職の人が助けてくれない
  • 風通しが悪く、現場の職員が意見を言えない

上記のように、職場の運営方針に不満を抱えながら働き続けると、多くのストレスが溜まってしまうでしょう。

運営方針自体を変えるのは難しいので、納得がいかない場合は転職をするのがおすすめです。

3. 多くの新人が辞める職場の特徴

多くの新人介護士が辞める職場の特徴は、以下の2つです。

それでは、1つずつ解説していきます。

3-1. 新人教育ができていない

まず、新人介護士が辞めやすい職場には「新人教育が十分にできていない」という特徴があります。

なぜなら、教育体制が整っていない職場では新人が以下のような問題を抱えてしまうからです。

  • 基本的なことを教わらないまま現場に出されるため、ミスを連発してしまう
  • 周りに相談できる人がいないため、職場で孤立してしまう

特に、十分な教育や研修が受けられないまま、現場に出されてしまい不安を感じる新人介護士も多いようです。
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事実、「介護労働安定センター」の調査では39.7%もの介護士が「利用者に適切なケアができているか不安である」と答えています。

このように、教育体制が十分に整っていない職場では、新人介護士がつまづいてしまうことが多く、離職率が高くなっています。

3-2. 人手不足で、一人あたりの負担が大きすぎる

人手不足により、1人あたりの負担が大きすぎることも、多くの新人介護士がやめる職場の特徴です。

事実、人手が少ない施設ほど離職率が高いというデータがあります。

 

出典:厚生労働省

中でも、身体介護が多く、肉体的負担が大きい特別養護老人ホーム(特養)の職員の75%は、人手が不足していると感じているようです。

人手不足となっている職場では一人当たりの負担が多く、労働環境が厳しいことから多くの新人介護士が辞めてしまいます。

4. 今の職場を辞めたいと思ったらまずやってみるべきこと

今の職場を辞めたいと思ったら、以下の4つの行動を取ってみると良いでしょう。

  1. 「辞めたい」と思った原因を突き止める
  2. 第三者に相談する
  3. 資格取得を検討する
  4. 転職を検討する

それぞれ解説していきます。

4-1.「辞めたい」と思った原因を突き止める

まずは、今の職場を辞めたいと思った原因を突き止めましょう。

というのも、別の職場へ転職すれば解決する問題もあるからです。

例えば「上司が厳しすぎる」という悩みは他の介護施設に移ることで解消される可能性があります。

したがって、まずは「辞めたい」と思った原因を突き止めてから、今後の方向性を決めることをおすすめします。

4-2. 第三者に相談する

「辞めたい」とお考えの新人介護士の方は、一度信頼できる第三者に相談してみることも大切です。

例えば身近にいる家族や友人、同僚などに相談される方が多いでしょう。

また、相談窓口を設けている施設や、以下のような公的機関も存在するため、それらを利用するという方法もあります。

東京都福祉人材センターの相談支援

福祉の仕事
なんでも相談福祉の仕事に詳しい専門の相談員が、福祉・介護の仕事に特有の悩みや将来に対する不安等の相談をお受けします。

こころスッキリ相談
臨床心理士・産業カウンセラー等が、職場の人間関係やこころの悩み等の相談をお受けします。面談も可能ですので、お気軽にお問合せください。

出典:東京都福祉保健局

第三者に今の職場への不満やこれからの転職について相談し、悩みを一人で抱え込んでしまわないことが大切です。

4-3. 資格取得を検討する

給与が低すぎることを理由に「辞めたい」と思われている方には、資格取得を検討することがおすすめです。

事実、資格の有無によって、介護職の平均給与は異なります。

参考:令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果

また、資格を保有していることで、転職をする時にも選考で有利となるでしょう。

かいご畑の「キャリアアップ応援制度」がおすすめ

介護福祉士になるには、実務経験と「実務者研修」の資格が必要です

そのため資格取得に資金を費やしたくない方は、かいご畑が無料で提供している「キャリアアップ応援制度を利用し、働きながら実務研修を受けることを検討してみると良いでしょう。

4-4. 転職を検討する

今の職場では解決できない問題であれば、転職を検討することがおすすめです。

ただ「同じような失敗をしてしまうのではないか」といった不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。

そこで次章では、失敗しない転職先の選び方について説明します。

5. 次こそは失敗しない転職先の選び方

次の転職先選びに失敗しないためには、以下の3点を意識すると良いでしょう。

  1. 離職者数を調べる
  2. 事前見学を行う
  3. 転職サイト使う

それでは解説していきます。

5-1. 離職者数を調べる

転職先を選ぶ際には、厚生労働省の介護サービス情報公表システム」を用いて離職者数を調べることを推奨します。

なぜなら当サービスを利用することで、離職率を計算することができ、新人介護士が辞めやすい職場であるか調べることが可能となるからです。

(補足)離職率の計算式

離職率(%) = (離職者数÷1月1日の常用労働者数)×100

あらかじめ調べておくことで、離職率が著しく高い職場を避けられるでしょう。

5-2. 事前見学を行う

面接に行った際には、職場の事前見学をさせてもらうことがおすすめです

事前見学では以下の項目を確認します。

  • 職員の言葉遣いが丁寧か
  • 職場が整理整頓されているか
  • 職員の制服に清潔感があるか

共用の場が散らかっていたり、職員の態度が高圧的であったりする場合は、応募を辞退することを検討されると良いでしょう。

5-3. 転職サイトを使う

転職サイトを使うことも、転職を成功させるための有効な手段です。

なぜなら、転職サイトには以下のようなメリットがあるからです。

転職サイトの利点

  • 「求人数・求人の質: ネットに載せたら応募者が殺到してしまう「非公開求人」を紹介してもらえる。
  • 内部情報: 働かないとわからない「人間関係」「職場環境」などの内部事情を教えてくれる。
  • テクニック(アドバイス): 履歴書・職務経歴書の作成(添削)など、採用されるためポイントを教えてくれる。

特に転職経験のない新人の方は、失敗しないためにも、プロのサポートを受けながら、働きやすい職場を探すことをおすすめします

次章では、数ある転職サイトの中から、利用者の満足度が高い転職サイトをご紹介します。

6. 今の職場を辞めたい介護士におすすめの転職サイト

本章では、今の職場を辞めたい新人介護士の方に、おすすめの転職サイトご紹介します。

6-1. (同業種) 介護士として他の職場で働きたい方

以下の3点を基準に、介護士として他の職場で働きたい方におすすめの転職エージェントを複数挙げました。

転職エージェントを選ぶ3つの基準

  • 求人の質・量:求人の量や質は十分かどうか
  • サポート力:コンサルタントからの手厚い転職支援を受けられるかどうか
  • 提案力:今の仕事を辞めたい介護士の方に合う求人を提案をしてくれるかどうか
転職サイト公開求人数サポート力提案力
1位レバウェル介護(旧:きらケア)
2万2,000件

4.2

4.0
2位かいご畑
9,800件

4.1

4.1
3位マイナビ介護
5万3,000件

4.0

3.8

それぞれのサービスについて詳しくご紹介します。

1位. レバウェル介護(旧:きらケア)

レバウェル介護

レバウェル介護(旧:きらケア)』は、「自宅から徒歩で勤務先に通いたい」「人間関係が良い職場がいい」といった一人ひとりのニーズに応えてくれる転職サイトです。

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(2). 保育助手:ジョブメドレー保育

ジョブメドレー保育

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(3). リクルートエージェント

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7. 辞めるときの具体的な手順

今の職場を辞める際の具体的な手順は、以下の通りです。

では、見ていきましょう。

7-1. 引き継ぎ資料を作成する

まずは、担当していた業務や注意事項についての引き継ぎ資料を作成すると良いでしょう。

具体的には、業務の流れや資料の保管場所などを記入します。

このような資料を作っておくことで、他の社員も安心して仕事をすることができます

7-2. 退職届を出す

次に、退職願を直属の上司に提出した後、退職届けを提出しましょう。

退職願が受理され、退職日が確定したら退職届けを直属の上司に手渡しします。

尚、メールで退職願いを提出するという施設も存在するため、就業規則を確認しておくことがおすすめです。

8. さいごに

新人介護士の方が仕事を辞めたいと思った時にすることと、おすすめの転職サイトをご紹介してきましたが、いかがでしたか。

まだ転職するか迷われている方も、以下の転職サイトに2~3社登録し、相談してみると良いでしょう。

新人介護士の転職におすすめの転職サイト

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