【産業保健師】未経験者の転職攻略法とおすすめの求人サイト

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未経験から産業保健師の転職は難しいって聞いたけど、実際どうなの?
産業保健師に転職するにはどうすればよいのだろう

未経験から産業保健師への採用は難しいと言われています。理由は産業保健師の求人が少なく、経験者が優遇されるからです。

しかし、必ずしも未経験で産業保健師になれないわけではありません。入念に対策をすれば、未経験から産業保健師に転職することは十分に可能です。

この記事では保健師の転職をサポートしてきた私が、未経験から産業保健師に転職する方法を解説します。

未経験から産業保健師に転職するコツがわかるので、ぜひ最後まで読んでみましょう。

1.未経験で産業保健師として採用されるのは厳しい

未経験から産業保健師の採用が難しい理由

未経験から産業保健師になるのが難しいのは、以下の3つの理由があるからです。

それぞれ見ていきましょう。

1-1.未経験歓迎の求人はわずか

産業保健師で未経験歓迎の求人は多くありません。

実際にマイナビ看護師の求人を集計すると、産業保健師の求人32件のうち、未経験歓迎は2件だけでした。

産業保健師の求人での実務経験有無に関するグラフ

※求人数:2023年10月更新

出典:マイナビ看護師

したがって求人が少ないなか、ほとんどの企業が経験者を求めているのがわかります。

1-2.パートや派遣がほとんどで正規雇用は難しい

未経験から正規雇用の産業保健師になるのは難しいです。

実際にグラフをみると、正規雇用で未経験を募集している求人が皆無なのがわかります。

産業保健師の求人での実務経験有無に関するグラフ

※求人数:2023年10月更新

出典:マイナビ看護師

未経験で産業保健師になるには、パートや派遣などの非正規雇用から始めるのが現実です。

1-3.募集は1~2名が多く倍率が高い

産業保健師の求人の多くが1〜2名の募集であるため、倍率が高いです。また知人の紹介で採用する場合もあることから、人脈を作ったほう方がいいでしょう。

なかには前任の産業保健師が休職・離職したため、人員の補充で募集することもあります。

日ごろから求人をチェックし、対策を立てることが必要です。

ここまでのまとめ

未経験から産業保健師に転職するのは、以下の理由で厳しいです。

  • 未経験歓迎の求人はわずか
  • パートや派遣がほとんどで正規雇用は難しい
  • 募集は1~2名が多く倍率が高い

未経験でも転職するには産業保健の勉強をして、スキルや資格を身に付けるのが重要です。

2.未経験から産業保健師への転職でおすすめの資格4選

未経験から産業保健師の転職でおすすめの資格

未経験から産業保健師への転職では、以下の4つの資格がおすすめです。

未経験者は武器になる資格があると、履歴書が通りやすくなります。

産業保健の知識を深めるためにも、取得を検討しましょう。

2-1.第一種衛生管理者(国家資格)

第一種衛生管理者は、労働環境の衛生面の改善や疾病の予防処置など、事業場の衛生管理をします。

産業保健師と業務内容が似ていて第一種衛生管理者を取得するのは、転職活動で評価されるでしょう。

保健師の資格がある場合、申請するだけで資格を取得できるためおすすめです。

詳しくはこちら≫労働管理教育センター

2-2.産業カウンセラー

産業カウンセラーは、自力でメンタルヘルスの問題を解決できるように援助する職業です。

産業保健師はメンタルヘルスケアに関する業務もおこなうため、産業カウンセラーの資格があると転職活動で評価されるでしょう。

なお、資格の取得や年会費は、以下のとおりです。

  • 養成講座:297,000円(税込)
  • 受験料:32,400円
  • 登録料(入会金):7,000円
  • 年会費:10,000円

取得して5年が経つと、更新が必要になるため注意しましょう。

詳しくはこちら≫一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

2-3.公衆衛生士

公衆衛生士は感染症や疫病の予防、蔓延防止のアドバイスで公衆衛生の普及をする職業です。

コロナ禍では、産業保健師が企業での蔓延防止を講じるなど大きな役割を果たしました。

したがって公衆衛生士の資格は、感染症に関する知識が身につくので転職で評価されるでしょう。

公衆衛生士も、資格を取得して5年後に更新する必要があります。

  • 受験料:9,350円(税込)
  • 登録手数料(任意、更新5年):16,500 円(税込)

詳しくはこちら≫NPO 先端医療福祉開発研究会

2-4.MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)

MOSはWordやExcelなど、officeのスキルを証明する民間資格です。

産業保健師は事務作業も多いので、MOSを取得すれば効率的に作業できます。パソコンに苦手意識がある方でも、取得できるためおすすめです。

科目数受験料
1科目10,780円
2科目21,560円
3科目32,340円

詳しくはこちら≫マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)

3.未経験から産業保健師になるのに必要な経験・スキル

未経験から産業保健師になるのに必要な経験とスキル

未経験から産業保健師になるには、下記の経験やスキルがあると評価されます。

それぞれ説明していきます。

3-1.行政保健師として特定保健指導を行った経験

特定保健指導とは、生活習慣病予防の検診で、発症リスクが高い方へ保健師がサポートすることです。

産業保健師は従業員の生活習慣病の予防をサポートするため、行政保健師で行った特定保健指導の経験が評価されます。

したがって産業保健師は未経験でも、特定保健指導の経験をアピールしましょう。

3-2.看護師になって3年以上の臨床経験

求人票には、3年以上の看護師の経験を記載している場合もあります。

理由は、工場に勤める産業保健師だと応急処置もするからです。

他にも配属された診療科の経験は、以下の項目で産業保健師の業務に活かせます。

診療科業務に活かせる項目
内科・糖尿病内科高血圧・糖尿病の方への健康指導
外科怪我の応急処置(パソコン作業による腱鞘炎、工場の事故対応など)
精神科社員のメンタルヘルスケア

転職活動ではどの場面で臨床経験を活かせるか、具体的にアピールしましょう。

3-3.コミュニケーション能力

産業保健師もコミュニケーション能力が重視されます。

理由は従業員だけでなく、同僚の産業医や人事・労務担当者と関わることが多いからです。

多様な役職の人にも関わるため、分かりやすく伝える力が求められます。

3-4.パソコンを使ったデータ分析能力

産業保健師には、パソコンを使ってデータを分析する能力が求められます。

なぜなら健康診断やストレスチェック評価、健康施策アンケートのデータを扱うからです。社員のデータを分析することや、健康施策の効果を調べるなど統計の知識が役に立ちます。

したがって、Excelを用いたデータ分析のスキルや統計学の知識があるといいでしょう。

3-5.マネジメント能力

産業保健師にも、マネジメント能力が求められます。

なぜなら、業務上の課題解決と進捗管理が重要だからです。また管理職に職場環境の改善を提案する時は、管理職の立場を理解しておくと提案が承認されやすくなるでしょう。

様々な役職の社員に関わるため、相手の事情を考慮できると働きやすいです。

3-6.情報収集能力

産業保健師は自ら情報収集をして、知識を増やすのが重要です。

なぜなら産業保健師は職場に1〜2人しかいなく、情報が入りにくい環境だからです。情報を入手しなくなると、最新情報がわからなく視野が狭くなります。

新型コロナウイルスが蔓延したときは、感染状況や治療ガイドラインの改正や法令など、状況を把握することが求められました。

したがって学会やセミナーで産業保健師の知り合いを作るなど、自発的に情報を入手していきましょう。

4.未経験から産業保健師になるための求人の探し方【4選】

未経験から産業保健師になるための求人の探し方

未経験から産業保健師になるために、以下のポイントをおさえて求人を探しましょう。

それぞれ説明します。

4-1.保健師が多く、規模の大きい企業の求人を探す

保健師が多く、規模の大きい企業の求人を探しましょう。

同僚の保健師がいるため、教育体制が整っているからです。他の保健師がいると、安心して初めての業務をこなせます。

したがって転職活動のとき時は、教育体制がどうなっているのか担当者に質問しましょう。

4-2.正社員職種、仕事にこだわりすぎない

正社員や仕事内容など、こだわりすぎないのもポイントです。

期間が決まった非正規の産業保健師を経験すれば、正規雇用の採用で有利になります

実績を評価されて業界でつながりができると、正規雇用への可能性も広がるでしょう。

企業勤務する看護師と接点を持つことが大切

口コミ・評判

Y・O さん(32歳)
私は現在企業の産業保健師として働いていますが、最初は契約社員でした。
そこから、産業保健師との接点をいくつか作り、そのおかげで誘いを受け、正社員として働けています。
今もたまに看護師を紹介してほしいという話を受けることがあり、いかに企業で働く看護師と接点を持つかがすごく大切だなと感じています。

出典:アンケート

4-3.eナースセンター・大学・人脈などネットワークを駆使して求人を集める

以下のネットワークを駆使して、求人情報を得るようにしましょう。

  • 企業で働いている保健師とつながり、情報を得る
  • 企業で働く保健師の知人・卒業生がいるか、母校の教員に相談する
  • eナースセンターや産業保健総合支援センターの支援を受ける
  • ハローワークに登録して情報を得る
  • 転職サイトのサポートを活用する

eナースセンターや産業保健総合支援センターでは、産業保健に関する情報を入手したり研修を受けたりできます。

未経験で産業保健の勉強をしたい方は、ぜひ利用してみましょう。

eナースセンター

各都道府県の公益社団法人看護協会が運営しており、看護職をサポートするための様々な事業を行う。無料で職業紹介や研修を受けることができ、地元の情報を集めたい方におすすめ。
詳しくはこちら≫eナースセンター

産業保健総合支援センター(さんぽセンター)

産業医や産業保健師などの支援や、事業者への健康管理の啓発を行うことを目的とし、全国47都道府県に設置されているサポートセンター。産業保健に関する相談や研修、情報の提供などを行う。
詳しくはこちら≫労働者健康安全機構(JOHAS)

4-4.転職サイトのサポートを活用する

求人情報を得るために、転職サイトの活用をおすすめします。

理由は、非公開の求人を保有しているからです。また選考の手続きや面接対策などのサポートも充実しているため、転職活動が不安な方に心強い味方となるでしょう。

多くの求人に触れるために、複数の転職サイトの併用をおすすめします。

5.【求人が見つかる!】未経験者向けおすすめ転職サイト3選

未経からら産業保健師の転職でおすすめの資格

求人の質や量、提案力・サポート力から、未経験におすすめのサイトは以下の3つです。

それぞれ説明します。

5-1.MCナースネット

MCナースネットのサイト画像

MCナースネット』は看護師・保健師向けの転職サイトです。

未経験歓迎の求人を多く保有しており、産業保健師の求人に関する特集も行っています。また単発・派遣の求人も多く、転職活動をしながら単発の仕事をすることも可能です。

産業保健師の転職は長期化しやすいため、おすすめの転職サイトです。

運営会社株式会社 メディカル・コンシェルジュ
対象地域全国
オフィス全国25箇所
公開求人数約1万5,000件
公式ページhttps://mc-nurse.net/

5-2.APOPLUS

APOLUSのサイト画像
APOPLUS』は保健師・看護師の転職に特化した転職サイトです。

医療機関だけでなく企業の求人情報も多く、高い転職の成功率を誇っています。

産業保健師の転職に関する専門チームがあり、ヒアリングから応募、面接、就業までバックアップしてくれます。

個別相談会や産業保健師セミナーも開催されているため、心強い味方となるでしょう。

運営会社クオールホールディングス株式会社
対象地域全国
オフィス全国10箇所
公開求人数約630件
公式ページhttps://www.kan54.jp/

5-3.M.STAGE

M.STAGEのサイト画像

M.STAGE』は産業保健のサポートを行っているサービスです。

扱う求人が企業から委託されたもので、多くの産業医と保健師の求人が紹介されています。また未経験歓迎の求人もあり、現役の保健師が転職をサポートします。

就職して間もない方や、産業保健活動をしたい方への研修会もあるため利用してみましょう。

運営会社株式会社エムステージ
対象地域全国
オフィス東京
公開求人数非公開
公式ページhttps://sangyohokensupport.jp/medical

6.経験やスキルをアピールして、未経験から産業保健師になろう

未経験から産業保健師への転職のまとめ

この記事では、未経験から産業保健師に転職する方法を紹介しました。

未経験から産業保健師への転職は狭き門なため、求められている経験・スキルをアピールすることが大切です。

転職サイトは求人や転職ノウハウなどを持っているため、ぜひ活用しましょう。

あなたの転職が上手くいくことを願っています。