外資系企業への転職は地獄って本当?激務かどうかの判断要素なども紹介

「外資系企業への転職は地獄って聞くけど本当?」「激務やブラックのイメージがあるけれど、実際はどうなの?」

上記のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

実は、外資系=地獄とは限りません。激務な企業も多いですが、そうでない企業も存在します。実際のところ、仕事の大変さは、業界・部門・本社とのコミュニケーション頻度・企業規模によって全く違います。

この記事では、元人事部で外資系の転職事情に詳しい筆者が、「外資系企業のリアルな実態」について分かりやすく解説していきます。また、激務の企業に入らないためにはどうすればよいのか等についても触れていきます。

  1. 外資系に勤務した人の体験談
  2. 外資系=地獄とは限らない|激務かどうかを左右する4つの要素
  3. 地獄のように忙しい外資系企業に転職しないための注意点
  4. 外資系企業に対するよくある4つの誤解

この記事を読めば、外資系企業の実態を把握できるでしょう。外資系への転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

1. 外資系に勤務した人の体験談

ネット上に投稿されている外資系企業経験者の声を紹介していきます。まずは、外資系で実際に激務を経験した人・非常に大変な思いをした人の口コミを見てみましょう。

口コミ・評判

 Nさん(外資系IT企業のプロジェクトマネージャー)
脳が痺れるほど仕事しました。ほとんど座っていて、ちゃんと食事もとっているのに低血糖症で目眩が起きそうなくらいです。
何が恐ろしいって、そのペースに半年ほどで慣れてしまって、当たり前になってしまったことです。
2021/1/31

出典:Quora

口コミ・評判

M さん(元医療機器事業ビジネスマネージャー)
20年ほど外資(米国資本)にいました。
電話会議など日本の時間とは無関係に行われるイベントや、日本とは異なるカレンダーで動いているところは、その前にいた日本企業とは違う意味での激務であったのかもしれません。最初の4-5年は自宅にいてもほぼ休みなしに仕事をしていた、或いは仕事のことばかり考えていた、というところはあります。。
2021/2/28

出典:Quora

外資系企業のイメージ通り、とにかく仕事に追われ続けることがあるようです。自宅でも心身が休まらないと、疲労が蓄積される一方です。

以下の方は、ご自身が勤めていた企業が激務だった理由を考察していました。

口コミ・評判

K さん(外資系IT企業の営業歳)
激務の定義にもよりますが、「22時以降も働くこと」や「土日も働くこと」は日常茶飯事で、理由は3つあるとおもいます。
1.外資だとアメリカと半日以上の時差があるので、夜に会議が入ることや土曜日の朝に本社から連絡がくることも多々あります。
2.大手日系だと長期間に複数人でやる仕事を、ベンチャー外資だと短期間に1人でやることもあります。結果、大量のタスクを一人で捌いて行かないといけないので、普通のレベルの人では就業時間内に仕事が終わりません。
3.本社と海外支社のコミュニケーションミスで本来1ヶ月かかるような仕事を、一週間で終わらせて欲しいと強制されることもしばしばあります。これは意外とよくあります。
2021/1/31

出典:Quora

時差の影響で、深夜や早朝に本社から電話がかかってくるようなケースも珍しくないようです。

口コミ・評判

M さん(外資系医療機器メーカーの日本法人立ち上げに営業として参画)

これは外資系特有なのかもしれませんが、入社してすぐ次々と人が辞めていって。人手が足りないから総務担当が経理を兼任することになり、給与振り込みが遅れたり、経費精算の金額を間違えたりする状態が1年近く続いたんです

いくら営業成績を上げろといっても、教えてくれる先輩がいるわけでもありません。やみくもに営業しているような状態で、スキルも身に付かない。安定しているから医療業界をと考えていたのに会社は不安定だし、転職しなきゃよかったと後悔することになりました

2020/8/5

出典:type

外資系と言っても経営基盤がしっかりしているとは限りません。特に日本に進出したばかりの企業の場合、人手不足になったり、会社が回らなくなったりするリスクも比較的高いです。

口コミ・評判

M さん
以前、友人の旦那さんが外資系にお勤めでしたが、社内での弱肉強食的な競争の厳しさに、精神的に疲れてしまい、数年で転職されました。
そこの会社では、他者との競争の前に社内での競争が激しく、社内にいる同僚は、一緒に仕事をする仲間ではなく、最初に倒すべきライバルという感じだったようです。
2016/1/28

出典:Yahoo知恵袋

外資系では、チームよりも個を重んじる傾向があります。日系企業の場合、「同僚は仲間」という感覚ですが、外資系の場合はそうではなく、競争が激化する背景があるようです。

ここまでの体験談を見る限り、外資系企業は激務で地獄のような働き方と言える環境のようですが、他にも経験者の声を調査してみると、「実際外資系はそこまで激務ではない」という口コミも見られました。

口コミ・評判

O さん(20歳)
外資系というとネガティブなイメージを持たれる事も多いですが今はそんな事ないです。外資に9年所属してますが20時には家に戻ってますし、弊社はリストラも一度もなく福利厚生も抜群です。世間のイメージとはかなりギャップがあるように感じます。外資系という言葉に惑わされずに飛び込んでみて下さい
2020/6/7

出典:twitter

また、マイナビ転職が外資系企業社員を対象に実施したアンケートでは、4人のうち3人が「業務が忙しいとは感じない」と回答しています。

マイナビ転職外資系企業のアンケート

73%は「忙しくない」と回答

出典:外資系企業にまつわるウワサ、それって本当? 外資系企業で働いている人に聞いた、メリット・デメリット

では、「激務である」「そんなに忙しくない」と答える人の違いは何なのでしょうか。次章では、外資系企業の忙しさを決める4つの要素について解説していきます。

2. 外資系=地獄とは限らない|激務かどうかを左右する4つの要素

結論から言うと、外資系企業の働きやすさは「外資系であること以外に要素」に大きく左右されます。具体的には以下の4つです。

2-1. 業界

激務かどうかは、業界によってある程度決まってきます。

具体的に言うと、金融(証券、投資銀行)業界やコンサル業界は相当激務です。プロジェクトの内容によっては深夜残業やタクシー帰りが発生し、睡眠時間の確保が難しくなります。

傾向としては、投資銀行は深夜残業の発生が多く、コンサルは休日出勤や自宅への持ち込み作業が多いと言われています。

以下は、外資系投資銀行に10年間勤めていた人の体験談です。

口コミ・評判

匿名 さん
最初の一年目で、オフィスに行かなかった日って2日しかなくて。土日も当然行きますし、休みにちょっと午前中だらだらしてたら電話きて『早く来い』 って言われたりとか。平日も2時3時は当然ですし徹夜も週1くらいでありますし。そんな感じの時間の使い方で、業務はエクセルでゴリゴリ分析したりきれいなプレゼンテーション作ったり。そういうようなところをもっぱらやってるわけです。
2020/11/23

出典:外資就活

2-2. 部門

同じ企業であっても、部門が違えば忙しさ・大変さも異なってきます。

例えば、戦略系やM&A系の部門は非常に激務ですが、一方でバックオフィス系の部門であれば、そこまで激務ではありません。

また、ポジションによっても働き方は変わります。

基本的には、役職が上がれば上がるほど、忙しさも増していきます。通常のプロジェクトに加えて、スタッフの育成やマネジメント業務などを行わなければならないからです。

そのため、通常のスタッフよりも、マネージャー以上のポジションの方が激務になります。日系企業と同じにように、「企業のどのポジションで働くか」で忙しさは変わります。

2-3. 本社とのコミュニケーション頻度

本社とのコミュニケーション頻度も、激務であるかどうかに大きく関わります。

外資系でありながらも日本国内でほとんど業務が完結するような企業は、ただ資本が海外にあるというだけで、特に日系企業との違いはありません。英語を使う機会も少ないでしょう。

一方で、本社とのやり取りが頻繁にある企業の場合は、激務になりやすいと言えます。

現地時間に合わせて会議が行われるので、時差の影響で夜遅くに会議が入ってしまうことも多いです。また、土曜日の早朝に本社から電話がかかってくることもあります。

さらに、本社とのコミュニケーションが上手く成立していないと、実現不可能な仕事がまわってくることもあり、1章で紹介した経験談のように「本来は1ヶ月かかるような仕事を1週間で終わらせてほしいと指示されること」もあります。

2-4. 企業規模

企業規模によっても、忙しさは変わってきます。

大手外資企業の場合は、比較的人数も多く、業務がしっかりと分担されている傾向があります。ゆえに、一人あたりの負担はそこまで大きくなりません。

一方、少数精鋭でビジネスをまわしている外資ベンチャーなどは、人数が数人~数十人しかいないケースもあります。このような場合、大量のタスクを一人で捌かないといけないので、どうしても深夜残業や休日出勤が多くなってしまうのです。

3. 地獄のように忙しい外資系企業に転職しないための注意点

この章では、「激務の外資系企業に入らないためにはどうすればよいのか」を解説していきます。

外資への転職を視野に入れている方は、しっかりと読んでおきましょう。

3-1. 企業研究を徹底する

気になる求人を見つけたら、その企業の研究を徹底的に行いましょう。下記項目について、しっかりと調査していきます。

  • 本社はどこの国か
  • どのような背景で日本に進出してきたのか
  • 募集している仕事内容
  • 労働条件
  • 社風

また、激務になりやすい企業は以下のような傾向が見られます。

  • 1. サービスを売る「労働集約型ビジネス」である
    設備や機材を投入して生産量を増やすという方法が取れない。
  • 2. セオリーのない新興ビジネス
    もっと他にアイディアがあるのではないか、もっとクライアントを満足させられるのではないか、とサービスの質を追究し続けることになるため、労働時間が長くなりやすい。
  • 3. 社外向けのプレゼンテーションが多い
    専門知識や分析したデータをまとめ、分かりやすい資料を作成し、どのような質問をされても大丈夫な状態に仕上げなければならないため、多くの作業時間が必要になる。

企業のホームページをチェックするのはもちろん、その企業に友人や知人がいれば、直接話を聞いてみるのがベストです。

元社員の口コミでリアルな経験談を収集

口コミサイトを活用するのもおすすめです。実際に働いている(働いていた)人たちの正直な口コミを見られるので、非常に参考になるでしょう。

代表的な口コミサイトは、以下の通りです。

ただし、古い情報が混ざっていたり、誇張した表現が使われていたりする場合もあります。基本的には実情を反映した口コミが多いですが、全てを鵜吞みにするのは避けましょう。

3-2. 年収や勤務地よりも「激務かどうか」を転職活動の軸にする

転職活動の軸を「激務かどうか」にすることも大切です。

転職活動の軸とは、次の仕事や職場を選ぶ際に重視したい要素のこと。軸を明確にしながら転職活動をすることで、自分が本当に希望する企業に出会いやすくなります。

例えば、「ワークライフバランスを充実させたい」という軸で転職活動をしている場合は、勤務地が自宅から近い、産休や育休の制度が整っている、有給休暇を取りやすい等の条件を満たした企業を探すことになるでしょう。

激務ではない外資系企業に入社したい方は、「激務かどうか」を転職活動の軸に据えましょう。

当然のことのようですが、意識しておかないと致命的な失敗を招きます。

転職活動を進めていくうちに「この会社の方が給料がいい…こっちの会社もネームバリューがあって気になる」と目移りしてしまい、いつの間にか「給料は良くて有名だけど、実際かなり激務の職場を選んでしまった」といったケースも珍しくありません。

企業研究を行いながら、月の平均残業時間が30時間以内の企業、年間休日が120日以上の企業などを探していくイメージです。

もちろん年収や仕事内容を軸にするのも良いことですが、それらを最優先にして転職活動を行うと、激務の企業に出会う確率が高くなってしまいます。

3-3. 外資系に強い転職エージェントに相談して内部情報を得る

転職エージェントを活用することも非常に大切です。

転職エージェントは、求人紹介から選考対策までトータルで支援してくれるサービスです。

転職希望者に求人を紹介する役割の他に、企業の採用担当者とやり取りをして、どういった人材が欲しいのかヒアリングするなど、採用の手伝いをする役割も担います。応募者と企業の仲介をするイメージです。

このため転職エージェントは、企業の内部事情(どういった背景で求人を募集しているのか・忙しさはどれくらいか)をリアルに把握しています。

「外資系企業が気になるけど、激務な環境は避けたい」という方は、転職エージェントに登録してみて、希望の残業時間内で働ける職場がないか相談してみると良いでしょう。

おすすめエージェントは以下の記事で詳しく紹介しています

外資系に強い転職エージェント・サイトおすすめランキング | 業界・目的別に一覧で紹介

4. 外資系企業に対するよくある4つの誤解

最後に、「外資系企業に対するよくある誤解」について解説します。

具体的には以下の4つです。

4-1. 「外資系=高給取り」ではない

「外資系に行けば稼げる」と考えるのは早計です。

外資系の平均年収は600万円~1,000万円が相場と言われており、確かに高め水準ではあります。

外資系専門の求人サイト「キャリアクロス」を見てみると、年収700万円以上の条件を提示している求人は全体の過半数を占めていました。(2021年9月時点)

日本の平均年収は443万円令和二年 民間給与実態統計調査より)なので、外資系企業に勤めれば日本の平均年収を上回る可能性は高いでしょう。

しかし、外資系企業は成果主義の会社が多く、結果を出せなかった場合給料は上がりません。むしろ年収がガクンと下がる可能性もあります。

そのため、外資系=高給取りとは必ずしも言えないのです。

4-2. 英語をほとんど使わない会社もある

英語をほとんど使わない外資系企業もあります。

上述したように、外資系でありながらも日本国内でほとんど業務が完結するような企業であれば、英語を使う機会は少ないでしょう。

また、同じ企業の中に、英語を多用する部署があったり、全く英語を使用しない部署があったりするケースも多いです。

先ほど紹介した外資系専門の求人サイト「キャリアクロス」で約2割の企業は必要な英語レベルを「無し」に設定しています。これはつまり、英語をほとんど使わないことを意味しています。

「英語を使う仕事がしたいから外資系に行こう」と考えるのも早計です。

4-3. 必ずしも長時間労働とは限らない

外資系企業であっても、長時間労働とは限りません。

2章で詳しく触れましたが、激務であるかどうかは、「外資系であること」以外の要素に大きく左右されます。

「業界」「部門」「本社とのコミュニケーション頻度」「企業規模」などの要素が絡み合って、忙しさや大変さが決まってくるわけです。

例えば、外資金融のM&A部門、外資コンサルの戦略系部門に勤務すれば、深夜残業や休日出勤の可能性は高いでしょう。

一方で、本社とのコミュニケーション頻度が少ない外資系企業のバックオフィス部門に勤務する場合は、定時で帰れることがほとんどかもしれません。

4-4. いきなりクビになることはない

「外資系企業ではいきなりクビになることがある」というイメージをお持ちの方も多いでしょうが、実はそんなことはありません。

外資系企業では、仕事で結果を出せない状態が続くと、退職勧奨される可能性があります。退職勧奨とは、企業が社員に対して退職を勧めることで一方的な解雇宣告ではなく、あくまでも企業と社員の話し合いにて自主退職を促すわけです。

退職勧奨を受けた場合、特別退職金などを受け取り転職するか、拒否して会社に残るかを選択するのが一般的です。

ただし、外資系であっても、仕事ができない等の理由により一方的な解雇を行うことはできません。日本で事業を行う場合には日本の労働基準法が適用されるからです。そのため、「成果を出さなければすぐにクビになる」「いきなりリストラされる」ということはないので、安心してください。

ただし、外資系企業は国内事業の動向により「日本撤退」となる可能性があります。この場合、採算の悪い部署は人員整理が行われることもあるので、この点は懸念点と言えます。

5. まとめ

元人事部で外資系の転職事情に詳しい筆者が、「外資系企業への転職は本当に地獄なのかどうか」を解説しました。

仕事の忙しさや大変さは、「外資系であること」以外にも、「業界」「部門」「本社とのコミュニケーション頻度」「企業規模」などの要素によって左右されます。

激務ではない外資系企業に転職したい方は、企業研究を徹底しながら、外資系に強い転職エージェントを活用してみてください。