50代で外資系企業への転職を成功させるには?求められるスキルなども紹介

50代で外資系企業への転職を検討中ですね。

50代でも外資系企業への転職を成功させている方は多いです。自分の市場価値を把握した上で、経験を活かせる業界の企業へ転職するなら、転職活動はスムーズに進むでしょう。

ただし、終身雇用ではないなど日系企業とは異なる点も多いので、外資系に転職する前には、外資系特有のルールや風習も頭に入れておきたいところです。

この記事では、元人事部で外資系の転職事情にも詳しい筆者が、「50代で外資系企業への転職を成功させる方法」について解説していきます。また、日系企業との違いや、求められるスキルなども紹介します。

  1. 外資系へ転職する50代に求められるスキル・経験
  2. 外資系企業への転職の最新情報
  3. 外資系企業の給料事情
  4. 外資系企業での転職活動注意点|実はあまり知られていない3つのこと
  5. 外資系で働く上で知っておきたいこと|日系企業との違い
  6. 外資系企業への転職を成功させる3つのポイント

この記事を読めば、外資系企業への転職のコツを掴めるでしょう。

1. 外資系へ転職する50代に求められるスキル・経験

外資系に転職する場合に求められるスキルや経験は、以下の通りです。

それぞれ簡単に解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

1-1. 業界・職種の実務経験

まず欠かせないのが、業界・職種の実務経験です。

そもそも外資系では、総合職採用ではなく職種別採用(スペシャリスト採用)が基本となるからです。

営業なら営業、人事なら人事、企画なら企画といった具合に、それぞれの職種におけるスペシャリストとして転職するのが一般的です。それぞれの分野での豊富な経験や高いスキルが求められます。

日系企業であれば「営業から人事に異動」といった配置換えが行われることが多いですが、外資系企業ではそういったことは行われません。

そのため、志望企業で募集している職種での実務経験は必須となります。

また、経験業界で転職するのも基本です。例えば、日系の自動車メーカーに勤務していたのであれば外資系の自動車メーカーへ、金融業界を渡り歩いてきたのであれば外資系金融へ、といったイメージです。ここをずらすと、一気に難易度が高くなります。

20年程のキャリアを活かし、これまでの業界・職種経験に軸足を置いて転職することになるでしょう。

1-2. ビジネスレベルの語学力

外資系企業で働くためには、ビジネスレベルの語学力(主に英語)も必要です。

もちろん英語を使わない企業も多く(取引先が国内企業ばかりというケースも多々ある)、必ずしも完璧な英語力が求められるわけではありません。しかし、急に上司が外国人になったり、本社と会議を行う機会があったりするので、ビジネスレベルの英語力があると応募できる企業の選択肢が広がります。

事実、外資系専門の求人サイト「キャリアクロス」に掲載されている求人のうち、6割以上が「ビジネスレベル以上の英語力」を応募条件としています。(4757件:ビジネス会話レベル・流暢・ネイティブを合算/2021年8月19日時点)

出典:careercross

ビジネスレベルの英語力は、TOEICであれば700点以上、TOEFLであれば76点以上、英検であれば準1級以上がひとつの目安と言われています。

実務で英語を使う会社に転職するならば、最低でもこのレベルの英語力が必要だと考えてください。

1-3. マネジメント経験

50代の転職では、マネジメント経験が求められるケースも多いです。日系企業におけるマネジメント経験とは、一般的に、「部下や後輩の管理業務に携わった経験」を指します。

例えば、部長や課長などのポジションで、チームを管理したり部下を指導したりした経験のことです。

必ずしも「マネジメント経験=管理職経験」ではなく、プロジェクトのリーダー的な立ち位置でチームを牽引した実績や、スタッフの教育経験、店舗の運営経験などもマネジメント経験の一種と言えます

また、自分のマネジメント経験を企業側に伝える際は、どのくらいの規模のチームでどのような役割を担っていたのかを、正確にアピールしましょう。

部下の指導がメインだったのか、予算管理や人事評価の裁量権まで与えられていたのかなど、なるべく具体的に伝えるようにしてください。

1-4. 多様性を受け入れる柔軟さ

外資系で働くには、多様性を受け入れる柔軟さも必要です。

日本と海外では、ビジネスシーンにおける様々な違いがあります。

日本の場合は「組織」や「協調性」を重んじる傾向があり、例えばチームの誰かが残業をしていれば、他の人も残って手伝ってあげるような職場もあるでしょう。

一方で海外の場合は「個」を重視するので、社員それぞれの仕事・役割が明確に線引きされています。自分の仕事は自分の仕事、他人の仕事は他人の仕事といったイメージです。

他にも、日本と海外では様々なビジネス文化の違いがあります。日系から外資系に転職する際には、そのようなビジネススタイルの変化を許容できる柔軟性が求められるでしょう。

1-5. 論理的思考能力

論理的思考能力(ロジカルシンキング)も欠かせません。

論理的思考能力とは、物事を体系的に整理し、筋道立てて考える力のことです。外資系企業では、最短で最高の結果を出すことが求められます。そのためには、直感的思考能力よりも論理的思考能力が必要になります。

日頃から、要点を的確に捉え論理的に分析し、分かりやすく伝える練習をしておきましょう。

2. 外資系企業への転職の最新情報

この章では、新型コロナウイルスの流行が、外資系の転職市場にどのような影響を与えているのかについて解説していきます。

2-1. コロナ禍による採用凍結は、2021年以降「回復傾向」に

コロナ禍は2021年も続いているものの、昨年と比べて外資系の求人数は増加傾向にあります。

2020年は、コロナ禍により、外資系の採用市場は大きな打撃を受けました。特に、コロナの影響が大きいヨーロッパやアメリカに本社を置く企業は、採用を凍結したり一時保留したりするケースが目立ちました。

しかし、ワクチンの接種なども進み、徐々にですが採用市場は回復に向かっています。完全に元の水準に戻るまではまだ時間がかかりそうですが、これからも求人数は増えていくことが期待されています。(参考:en world「グローバル人材に特化した人材紹介会社エンワールド・ジャパン株式会社が発行したホワイトペーパー」

2-2.しかし、 転職希望者の大半は足踏み状態→ライバルが少ない

採用は回復傾向にありますが、求職者側は、まだ足踏み状態にあるようです。

転職を保留する人や、様子見レベルで転職活動を行う人が増えている状況です。そのため、本格的な転職希望者の数は減少傾向にあり、転職活動における「ライバル」は例年と比べて少ないと言えるでしょう。「企業は採用活動を積極的に再開しているが、求職者は転職に消極的」という状況です。

また、転職希望者の志向にも変化が見られます。エンワールド・ジャパン株式会社の資料によると、大手志向や安定志向が薄れ、中長期的な成長が見込める企業や、自分のスキルを伸ばせる企業を好む人が増えているそうです。(参考:en world

コロナ禍の影響もあり、「自分のキャリアバリューを高めて将来に備えたい」というニーズが高まっているものと考えられるでしょう。

補足:業界ごとの違い

新型コロナウイルスの影響で市場が停滞した業界もあれば、そうでない業界もあります。

以下では、エンワールド・ジャパン株式会社のホワイトペーパーをもとに、コロナ禍における業界別の動向を簡単にまとめてみました。

ライフサイエンス業界全体で堅実な成長。求人数も例年並みをキープ。
IT
(クラウド、セキュリティ、EC等)
リモートワーク環境下でも業務への影響が少なく、採用・売上ともに順調な推移。
コンサルティング特にIT・デジタルコンサル領域が好調。市場全体を見ても回復傾向に。
製造業リモートワークへの移行が難しく、市場が停滞。
自動車グローバル大手メーカーの売上が減少したことで、業界全体が低迷傾向に。
B2C領域
(ラグジュアリー、小売店舗等※EC除く)
例年と比べ求人数は減少。業界全体の売上も減少傾向。
金融採用凍結や採用数低下が目立つ。外資系金融から日系金融への転職を考える人が増加傾向に。

参考:en word

3. 外資系企業の給料事情

外資系企業の年収は、600万円~1,000万円が相場です。ただ必ずしも高給が稼げるわけではないので注意しましょう。

もちろん企業や職種、ポジションによって異なりますが、日系企業と比べればやや高めの水準であると言えます。

先ほど紹介した外資系専門の求人サイト「キャリアクロス」を見てみると、約8,000件の求人のうち、年収700万円以上の条件を提示している求人は4,500件程度もあり、全体の過半数を占めています。

しかし、外資系では基本的に成果主義が採用されているので、結果を残せば給料はどんどん上がりますが、逆に言うと成果を出せなければ給料は上がりません。むしろ年収がガクンと下がる可能性もあります。

ちなみに、国税庁のホームページによると、日本における50~54歳の平均年収は737万円、55歳~59歳の平均年収は702万円です。外資系勤務の年収は、日本全体における50代の平均年収と同じくらいであるという前提でいた方が良いでしょう。

出典:国税庁

そのため、50代であれば、外資系に挑戦するにあたり、家族の理解を得ることは欠かせないでしょう。

4. 外資系企業での転職活動注意点|実はあまり知られていない3つのこと

この章では、外資系企業への転職活動において知っておきたいことを紹介します。

4-1. 採用までに時間がかかることがある

外資系の転職活動では、採用までに時間がかかることも多いです。半年~1年ほどかかることもあるので、その前提で転職活動を進めましょう。

日系企業の面接回数目安は2~3回ですが、外資系は企業によって5回以上も面接を行うケースがあります。

また、最終面接の結果連絡が遅い傾向にあります。早くても2週間、遅いと1ヶ月近く待たされることもあるようです。

4-2. 英語のレジュメが必要なことがある

外資系では、英語のレジュメを求められることも多いです。

レジュメとは、日本で言う履歴書と職務経歴書を合わせた書類のこと。決まったテンプレートはありませんが、以下の3つの形式のいずれかを使用するのが一般的です。

  • Chronological Resume
    (学歴や職歴を時系列で記載したもの)
  • Functional Resume
    (実績やスキルをまとめて記載したもの)
  • Combination Resume
    (ChronologicalとFunctionalをあわせたもの)

なお、レジュメはあくまでも「自分を採用するメリット」を伝えるための書類です。ゆえに、仕事に直結しない内容(生年月日、年齢、性別、家族構成、趣味や特技など)は記載する必要がありません。

4-3. 日本人と外国人とでコミュニケーションのマナーが異なる

日本人と外国人とでは、コミュニケーションのマナーが大きく異なります。そのため、採用担当者や面接官と話をする際は注意しなければなりません。

例えば、相づちです。日本では、相手の話をよく聞いているという意味合いで使われ、会話中に積極的に相づちを打っている人もいるでしょう。

しかし、海外の場合は、相手の意見に同意したり賛成したりする場合にのみ相づちを使います。そのため、外国人との会話中に相づちを打ち過ぎてしまうと、思わぬところで誤解が生じたり、不快感を与えてしまったりする可能性があります。

また、「沈黙」の捉え方にも注意しましょう。日本の場合、会話のペースは比較的ゆっくりです。何か質問された後に、多少の間をあけてから答え始めても、特に違和感はありません。答え始める前に、頭の中で自分の考えを整理しているわけです。

しかし、海外では、この数秒間の沈黙をネガティブに捉える傾向があります。考えを整理しているだけなのに、「理解できていないのかな」「何も考えていないのだろう」と判断されてしまいかねません。

ゆえに、外国人とコミュニケーションを取る際は、沈黙の時間をなるべく作らないようにしましょう。考えを整理したい時には、「Well…」「Let me see.」「Let me think.」のようなつなぎ言葉を使うようにしてください。

補足:リファレンスチェックを実施するケースも多い

外資系の場合、リファレンスチェック(経歴チェック)を実施する企業も多いです。

リファレンスチェックとは、転職希望者の人物像や勤務状況、スキルなどについて、前職の関係者に問い合わせること。書類や面接では分からない部分を確認するため、入社後のミスマッチを防ぐために実施されます。

そのため、自分の実績やスキルについて虚偽の報告をしていた場合、バレる可能性があります。当然不採用になってしまうので、嘘のアピールを行うのは止めましょう。

5. 外資系で働く上で知っておきたいこと|日系企業との違い

この章では、「外資系で働く上で知っておきたいこと」を紹介します。具体的には以下の4点です。

5-1. 終身雇用ではない

外資系企業には、終身雇用の概念が存在しません。

日系企業においても近年は終身雇用制度が崩壊しつつありますが、それでも「何か特別なことがない限りは定年まで勤め上げる予定」の人もまだまだ多いでしょう。

一方で、海外の場合、そもそも終身雇用という考え方はなく、キャリアアップのために転職を繰り返すのが自然です。日本に拠点を置く外資系企業も同様で、終身雇用・長期雇用を前提とした制度が整っているわけではありません。例えば、日系企業と違い、退職金制度はないケースがほとんどです。

5-2. 基本的に成果主義で、年功序列で収入は上がらない

上記でも軽く触れましたが、外資系企業では基本的に成果主義が採用されています。年功序列で収入が上がるわけではないので注意しましょう。

年齢・学歴・前職での経験などはほとんど考慮されず、どれくらいの成果を出したかで評価が決まります。結果を出せばすぐに昇進できますが、結果を出せないと後輩に追い抜かれたり、年下の上司のもとで働くことになったりします(30代でマネージャー役職というケースもあるので、そういった年代の上司ができる可能性がある)。

特に営業職などは、「ベース給+インセンティブ」で給与額が決まることが多いです。そのため、高給取りの人もいれば、そうでない人もいます。成果を出せないとインセンティブが上がらないので、収入は低くなってしまうでしょう。

5-3. 退職勧奨される可能性がある

外資系企業では、退職勧奨が行われるケースが珍しくありません。

「外資ではリストラが当たり前」「仕事ができなければクビ」といったイメージを持っている方もいるかもしれませんが、それは誤解だと言えます。

日本で事業を行う外資系企業には日本の労働基準法が適用されるので、仕事ができないからと言って一方的な解雇を行うことはできません。そのため、いきなりクビになることはないので、安心してください。

ただし、成果を出せない状態が続けば、退職勧奨される可能性があります。退職勧奨とは、一言で言うと、企業が従業員に対して退職を勧めること。一方的に解雇するのではなく、あくまでも企業と従業員の「話し合い」という形で、自主退職を促すわけです。

また、組織再編に伴い自分のポジションが消滅する場合や、所属部門が廃止になる場合にも、退職勧奨が行われることがあります。

5-4. さらなる転職を視野に入れておく必要がある

上述の通り、外資系には終身雇用の概念がなく、キャリアアップのために転職を繰り返すのが一般的です。

外資系企業への転職が決まっても、その企業で定年まで勤め上げる可能性は高くないでしょう。そのため、さらなる転職を視野に入れておく必要があります。

外資系に挑戦する方は、5年後、10年後のキャリアプランも考えておきましょう。また、次の転職のチャンスに備えて、専門スキルを高めておきましょう。

6. 外資系企業への転職を成功させる3つのポイント

最後に、外資系企業への転職を成功させるポイントを紹介します。具体的には以下の3つです。

6-1. 転職する目的を明確にしておく

まず、転職する目的を明確にしておきましょう。

目的・目標がはっきりすることで、仕事選びの軸が定まります。

例えば、「実力主義の環境下で自分の力を試してみたい」という思いがあるのなら、成果主義志向の強い人事制度を導入している企業、インセンティブの割合が高い企業などに挑戦してみてください。

また、「グローバルに活躍したい」のであれば、海外の人材とのコミュニケーションが活発な仕事、日本支社の中だけに留まらない仕事を探してみましょう。

6-2. 自分の市場価値を把握する

自分の市場価値を把握することも重要です。

自身のスキルや経験が客観的にどのように評価されるのか、チェックしておきましょう。

例えば、以下のような診断ツールを使ってみるのもおすすめです。

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6-3. 外資系に強い転職エージェントを利用する

外資系企業へ転職する際は、外資系に強い転職エージェントを利用することをおすすめします。

英語面接の対策や英文履歴書の添削など、様々なサポートを受けられるからです。専門知識を持ったエージェントが的確なアドバイスをくれるので、外資系転職が初めての方でもスムーズに転職活動を進められるでしょう。

また、独占案件や非公開求人を紹介してもらえるというメリットもあります。

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7. まとめ

元人事部で外資系の転職事情にも詳しい筆者が、「50代で外資系企業への転職を成功させる方法」について解説しました。

ぜひこの記事を参考にしながら、外資系企業と日系企業の違い、求められるスキルや経験などを頭に入れておきましょう。そして、外資系に強い転職エージェントに登録し、転職活動を上手く進めてみましょう。

年齢問わず、外資系企業への転職活動時に知っておくべきノウハウについては、『プロが教える外資系企業への転職で失敗しないための全知識』で解説しているので、参考にしてください。

また、50代全体の転職事情については『50代転職の厳しいリアル|すぐ決まる人といつまでも決まらない人の違いとは』で解説しています。

このページを参考にあなたの転職がうまくいくことを祈っています。