採用コンサルティングとは?サービス内容から選び方まで徹底解説

採用コンサルティングとは、企業の採用活動における問題解決のため、個別の課題ヒアリングを元に解決策を提案することです。

「採用がうまくいかないけど、どうしてだろう?」と悩みを抱える企業にとって、プロの採用コンサルタントに相談するのは有効な手段と言えます。

少子化の影響もあり、優秀な人材の採用が年々難しくなっている時代において、自社の採用力を高め、企業の方から優秀な人材を獲得しに行くという攻めの姿勢が大切です。

この記事では、人事コンサルタントとして多くの企業の採用をサポートしてきた私が、採用コンサルティングを利用することで解決できる課題や実際のサービス内容、利用する際の注意点までを説明しています。

  1.  採用コンサルティングとは、採用活動の提案・支援を行うサービス
  2. 採用コンサルティングで解決できる課題
  3. 採用コンサルティングのサービス内容
  4. 採用コンサルティングと人材エージェントの違い
  5. 採用コンサルティングを利用するメリット
  6. 採用コンサルティングを利用する時の注意点
  7. おすすめの採用コンサルティング会社5選

このページを読めば、採用コンサルティングとは何か?が理解でき、自社の採用課題がコンサルによって解決が可能かどうかもわかるでしょう。

1. 採用コンサルティングとは、採用活動の提案・支援を行うサービス

採用コンサルティングとは、企業の採用活動全般について様々な提案や支援を行うサービスのことです。

採用コンサルティングではまず、企業の採用活動の課題について、人材採用のプロ(採用コンサルタントと呼ばれます)がヒアリングを行います。

そのヒアリングを通して「自社の採用課題が整理できていない」「挑戦したい施策はあるが、やり方がわからない」など企業の課題を把握したうえで、採用コンサルタントが、客観的な立場でアドバイス・実行のサポートを行います。

3章で詳しく説明しますが、具体的には以下のようなサポートサービスを提供します。

  • 採用戦略設計:ヒアリングを元に、採用計画全体を設計
  • 母集団形成:一定数の応募者を集める施策を提案
  • 採用選考支援:選考時のオペレーション支援
  • 内定者・入社後フォロー:内定辞退・早期離職を防ぐ施策を提案

3章「採用コンサルティングのサービス内容」にスキップ>>

採用計画全体の戦略を設計することから入社後のフォローに至るまで、企業の課題に合わせてカスタマイズしたサービスを提供するのが特徴です。

次の章では、採用コンサルティングが解決できる課題について具体的に説明していきます。

2.採用コンサルティングで解決できる課題

採用コンサルティングで解決できる課題は、大きく以下の5つです。

これらの課題を抱えている企業にとって、採用コンサルティングは多いに役立ちます。それぞれ順番に説明していきましょう。

2-1. 自社の採用課題が整理できていない

自社の採用課題が整理できておらず、本当の問題は一体何なのか、具体的に把握できていないという課題です。

採用コンサルタントは第三者の視点で客観的に問題を分析し、現状の課題を整理してくれます。

採用コンサルタントを活用するのであれば、まずは現状の採用活動がどうなっているのか、何に困っているのかを包み隠さず伝えてみましょう。

2-2. 何から手を付けていいか分からない

採用課題はある程度把握できているものの、何から手を付けていいか分からないという課題もあるでしょう。どの課題も重要に思えてしまい、優先順位がつけられない状態です。

これも先ほどと同様、採用コンサルタントに客観的に判断してもらうことで解決できます。

2-3. 挑戦したい施策はあるが、やり方がわからない

ダイレクトリクルーティングやサマーインターンなど、挑戦したい採用施策はあるものの、やり方が分からないという課題です。

昨今は採用サービスも多様化しており、どのサービスを選んでいいか分からないという困りごともあるでしょう。

採用コンサルタントに相談すれば、自社のニーズや採用目標に応じて、適切なサービスを選んで提案してもらうことも可能です。

サマーインターンなどのイベントに関しても、集客方法から内容の企画、当日のタイムテーブル設計まで提案してくれる場合もあります。

2-4. 採用スタッフが足りない

採用スタッフが不足しており、候補者への連絡や日程調整といったオペレーションが回っていないという課題もあるでしょう。

特に中小企業やベンチャーなど、人事の専任担当が不在だったり、兼任で行っていたりする場合に多い課題です。

採用コンサルティングの中には、採用オペレーションのアウトソーシング事業を行っていたり、そうした業者を紹介してくれたりするところもあります。

人手不足のために採用がうまくいかないという場合も、一度相談してみることをおすすめします。

2-5. 最新情報の収集ができていない

特に新卒採用は年々早期化・長期化していると言われており、常に最新の情報を収集し、採用活動に活かしていくことが重要です。

採用コンサルタントは最新情報や採用市場の状況にも詳しいため、情報収集のために採用コンサルに相談するというのも有効な手段といえます。

少子化で大卒者の人数が減り続けていること、2020年の新型コロナウイルスの流行もあり、就職活動のあり方も目まぐるしく変化しています。

特に最近では、説明会から最終面接まで全てオンラインで完結することも珍しいことではなくなってきました。

定期的に採用コンサルタントと会話し、最新情報を把握しておくことで、採用市場で遅れを取りにくくなると言えるでしょう。

3.採用コンサルティングのサービス内容

ここからは、採用コンサルティングが具体的にどんなサービスを提供してくれるのかを説明していきます。

それぞれ順番に説明していきます。

3-1. 採用戦略設計

採用コンサルタントは現状の課題を明確にし、優先順位をつけた上で何をしていくかという全体の戦略を提案します。

例えば、「どのような人材を」「いつまでに」「何名採用するか」という方針を決め、達成するためにどのようなスケジュールで採用活動を行うか、選考内容はどうするか等の全体設計を行います。

3-2. 母集団形成

応募者を一定数集め、母集団形成をするための施策を提案します。

採用における母集団形成とは
一般的には「自社(ある求人)に応募してくれる候補者の集団」を指します。会社が必要としている優秀な人材を採用するためには、この母集団を十分に集めた上で、選考によって絞り込んでいくことが必要です。

この時に重要なのが、やみくもに応募数を増やすのが目的ではないという点です。

採用要件を満たしていない人からの応募がいくらあっても内定には繋がりません。

そのため以下のポイントを考慮した上で求人募集を出したり、合同説明会に参加したりする必要があります。

  • 自社が求める人材にどうアプローチすればよいか
  • どんなアピールをするのが効果的か

採用コンサルタントに相談することで、求める人材がいそうな業界やポジション、年代、媒体に絞って募集をかけることができ、効果的な母集団形成を行うことができます。

3-3. 採用選考支援

採用コンサルタントは、選考をどう行えばいいのかの支援も行います。

例えば以下のサービスです。

  • 求める人物要件の設計
  • 面接マニュアルの作成
  • 面接官トレーニング
  • 採用オペレーションの代行
  • 面接代行

面接で何を聞けばよいのかといったことから、候補者との連絡日程調整、面接の代行まで行ってくれる場合もあります。

3-4. 内定者・入社後フォロー

内定者や入社後のフォローまで行ってくれる場合もあります。

新卒採用の場合は内定承諾から入社まで半年~1年程度時間が空いてしまうため、内定辞退のリスクは常に付きまといます。

内定辞退を防ぐための定期的なフォローアップ施策や、入社後の育成研修なども採用コンサルに依頼することで、せっかく採用できた人材を失うことなく、自社でしっかりと活躍してもらうことができます。

4.採用コンサルティングと人材エージェントの違い

採用コンサルティングと似たような業務を行うサービスに、人材エージェントがあります。

人材エージェントとは、人材を募集している企業に転職希望者を斡旋(紹介)する事業者のことです。転職希望者には無料でサービスを提供し、紹介先の企業から手数料・紹介料を得るというビジネスモデルです。

端的にいうと、

  • 企業に候補者を紹介するかどうか
  • 成果報酬制か、前払いか

の2つが大きく違います。

採用コンサルティング人材エージェント
主なサービス直接応募を増やすための施策など、採用活動全般についての提案を行う
⇒基本的に、候補者の紹介はしない
企業に候補者を紹介する
⇒社内選考を行い、確度の高い人材のみ紹介する
主な依頼目的抜本的な採用改善急な人材確保
報酬形態前払い制成果報酬制

4-1.企業に候補者を紹介するかどうか

人材エージェントは企業が求める人物像に合う人材を探し、企業に直接紹介します。

エージェント側で社内選考を行ってから紹介するため、企業側にとっては、募集条件に合った人材に絞って紹介してもらえるというメリットがあります。

一方で、採用コンサルティングは候補者の紹介ではなく、これまでの章で説明した通り、企業に直接応募してくる人材を増やす施策や、採用活動全体に対しての改善を提案します。

一般的には、急ぎの人員確保が必要な場合は人材エージェントに、長期的な視点で根本から採用活動を改善したい場合は採用コンサルティングに依頼するのが適しているといえます。

4-2.成果報酬制か、前払いか

人材エージェントは候補者を紹介してくれますが、紹介自体には料金は発生しません。

候補者が最終面接を通過し、入社することで初めて料金が発生します。これを成果報酬制といいます。

採用コンサルティングの場合、基本的には提供するサービス内容に応じて前払いで料金が発生します。

5.採用コンサルティングを利用するメリット

成果報酬型の人材エージェントと違い、採用コンサルティングは初期費用が大きくなりがちです。

それでも採用コンサルティングを導入するメリットを3点紹介します。

課題が明確になり、無駄な工数が減る

採用コンサルタントが第三者視点で客観的にアドバイスをしてくれることで、課題が明確になり、優先順位付けもできます。

その結果、重要なポイントに絞って改善していくことができるため、無駄な工数を減らすことができると言えるでしょう。

採用ノウハウが蓄積されることで、自社の採用力が上がる

プロの採用コンサルタントに並走してもらい、市場の状況や採用テクニックについて教わりながら採用活動を進めていくと、採用ノウハウがどんどん会社に蓄積されていきます。

その結果、自社の採用力が高まり、優秀な人が集まりやすくなるだけでなく、企業の方から優秀な人材を取りに行くこともできるようになります。

入社後の育成までフォローしてくれる場合もある

採用コンサルティングによっては、入社後の新人育成までをフォローしてくれるところもあります。

内定者研修や新入社員研修の企画や運営までサポートしている場合もあり、採用した後の育成も含めて長期的にフォローすることで、離職率の低下や社員の成長に繋がると言えるでしょう。

6.採用コンサルティングを利用する時の注意点

採用コンサルティングを利用するメリットについてご紹介しましたが、注意するべき点も3点あります。

それぞれ詳しく説明していきます。

6-1. コンサルに丸投げしない

最も重要なのは、採用コンサルティングに丸投げしないことです。

あくまでも主体は採用する側の企業であり、コンサルはそのサポートをしてくれる存在だと考えましょう。

丸投げしてしまうと、採用ノウハウを自社に蓄積していくことができず、コンサルなしでは採用活動ができない状態にもなりかねません。

あくまでも自社の採用力を高めるためのサポートととらえましょう。

後々活用できるよう、採用に関するデータの管理なども必ず自社で行える契約にすることもポイントです。

6-2. 余裕をもって依頼する

新卒採用の場合、学生が就職活動をする時期は決まっています。

学生の活動時期より早く計画を立て実行するためには、採用コンサルティングにも余裕をもって依頼することが不可欠です。

最近は早い人で大学3年生の4月頃からサマーインターンの準備を始め、外資系やベンチャー企業であれば12月には内定が出始めるため、そこで就活を終える人も多いのです。

この流れに乗り遅れないためには、3月頃にはその年の新卒採用計画を完成させておくのが理想です。

採用コンサルティングには、12月~2月頃に相談するのが良いでしょう。

6-3. 自社の課題に合わせて選ぶ

自社の課題に合わせて、その課題に対して最も大きく価値貢献してくれるコンサルを選ぶべきです。

なぜなら、採用コンサルティングはそれぞれ強みや得意分野が異なるからです。

初めて採用コンサルティングに依頼する場合は、まずは複数社と面談し、提案内容を比較検討した上で決定することをおすすめします。

7.おすすめの採用コンサルティング会社5選

おすすめの採用コンサルティングを5社紹介します。

コンサルティング会社選定の基準

  • サービス内容の幅広さ
  • 各社の課題に合わせた、手厚いサポートがあるか
  • 実績の多さ
企業対象特徴
株式会社マイナビ中途40年以上の採用支援実績
株式会社ネオキャリア新卒課題に合わせてオリジナルプランを提案
株式会社カケハシスカイソリューションズ新卒・中途経営方針に基づいた採用戦略を立案
マンパワーグループ株式会社新卒・中途採用代行サービスも提供
株式会社リスペクト中途マーケティング視点の採用支援が強み

順に紹介していきます。

株式会社マイナビ

株式会社マイナビは、40年以上にわたって人材業界で採用支援を行っている実績のある人材会社です。

採用活動に関わるすべての領域をワンストップでサポートしてくれるのが強みで、人材要件の調査から面接官トレーニング、新入社員の研修まで、一任することができます。

「採用要件もまだ確定していない」「採用した人材がすぐに辞めてしまう(選考時のミスマッチ)」など、採用にまつわる課題が山積している企業に最適です。

公式サイト:
https://hrd.mynavi.jp/service/service-23731/

株式会社ネオキャリア

株式会社ネオキャリアは、大手から中小企業まで、10,000社以上の幅広い顧客をサポートしてきた実績がある人材会社です。

同社では、新卒採用向けのコンサルティングサービスを行っています。

最大の強みは、コンサルティングサービスをパッケージで販売するのではなく、企業の課題に合わせてゼロからオリジナルで作り上げる点です。

「どうすれば優秀な学生を集められるのか」「自社を魅力的にアピールする方法が知りたい」という課題のある企業に最適です。

公式サイト:
https://www.neo-career.co.jp/service/newgradconsulting

株式会社カケハシスカイソリューションズ

株式会社カケハシスカイソリューションズは、「企業と人材の架け橋になる」をモットーに、新卒・中途採用支援を行う人材会社です。

同社の強みは、人事だけでなく経営陣にもヒアリングを行い、経営方針に基づいた採用戦略を立案してくれる点にあります。

中長期的な事業戦略を踏まえて、計画的に人材を採用したいという企業に最適です。

新卒:https://www.kakehashi-skysol.co.jp/newglad/5355.html
中途:https://www.kakehashi-skysol.co.jp/

マンパワーグループ株式会社

マンパワーグループ株式会社は、採用コンサルティングだけでなく、採用代行サービスも行っている人材会社です。

そのため、採用業務を全て委託することができます。採用業務の人手が足りていない企業や、採用のプロに全て任せてしまいたいという企業に最適です。

もちろん、予算や業務に応じて、採用媒体の手配管理や人材の選定など一部の業務のみ選択して任せることも可能です。

公式サイト:
https://www.manpowergroup.jp/client/serve/employ/

株式会社リスペクト

株式会社リスペクトは、マーケティング支援事業をメインに行うコンサルティング会社です。

マーケティング支援事業を通して培った視点で、独自の人材採用コンサルティングも行っています。

同社は、5年後、10年後の長期的な経営戦略にもとづいた採用戦略策定が特徴で、「企業の戦略実現にはどのような人材が必要か」といったところから採用計画の提案を行います。

マーケティング視点で、ターゲットにリーチするための採用プロモーションを提案してくれる点も、同社ならではの強みです。

公式サイト:
https://www.respect-pal.jp/business_field/recruit.php

8.まとめ

採用コンサルティングについて、実際のサービス内容から利用する際の注意点までをご紹介してきました。

採用に課題を抱えている企業は多いですが、どうしたら良いか分からず対策ができないという悩みはよく聞きます。

まずは一度採用コンサルティングに相談してみて、自社の課題が一体何なのか、採用コンサルによって解決できそうなものなのかを確認してみることをおすすめします。

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あなたの会社の採用活動がうまくいくよう祈っています!