事例でわかるUターン転職で絶対に失敗しないための全知識

Uターン転職

Uターン転職を考えているものの、求人があるのか、都心での暮らしに比べてどんなメリット・デメリットががあるのかわからず、困っていませんか。

Uターン転職は、「地元だから」という漠然とした安心感を持って安易に転職すると、「入った企業が実はブラック企業だった…」「毎日、車通勤でキツイ」など取り返しの付かない失敗をしてしまうことがあります。

このページでは、Uターン転職で成功を収めるために知っておくべきポイントを、以下の流れに沿ってご紹介します。

  1. Uターン転職の4つのメリット
  2. Uターン転職の5つのデメリット
  3. Uターン転職がおすすめな人
  4. Uターン転職でいい求人を見つけるための2つのポイント
  5. 自治体のUターン転職へのサポートまとめ

このページをすべて読めば、Uターン転職をしたいと思っている人はもちろん、漠然とした不安を抱えている人も、自信を持って第一歩を踏み出していただけるはずです。

1. Uターン転職の4つのメリット

初めに、Uターン転職の4つのメリットを紹介します。

1-1. 渋滞や通勤ラッシュに遭いにくい

地方は東京近辺に比べて、通勤ラッシュや渋滞が少ないという特徴があります。

そのためひどい渋滞や通勤ラッシュを避けることができるほか、通勤時間を短縮することがで、精神的に余裕を持って暮らしやすくなります。

通勤ラッシュが精神的な重荷になっていることは、首都圏オフィスワーカー調査により明らかになっています。

通勤ストレスと満足度

この調査によると、通勤ストレスが高いほど、仕事とプライベートの満足度が低いことが判明しました。

参考:KOKUYO

また、東京近辺に比べて通勤時間が比較的短くてすむというのもメリットの一つ。

< 平均通勤時間(往復)>
・神奈川 1時間45分
・千葉  1時間42分
・埼玉  1時間36分

日本全国の平均通勤時間は、片道39分、往復1時間19分なので、東京近辺の通勤時間が比較的長いことが分かります。

参考:長谷工の住まい

交通網が発達しているからこそ、都心はどうしても通勤時間が長くなる傾向があるようです。

場所によっては、車通勤が当たり前のところも多いので、通勤に車を利用すること自体がなくなる可能性も。

渋滞や通勤ラッシュに悩まされずに済めば、今までよりも余裕を持って仕事に取り組めるかもしれません。

通勤ラッシュを苦に感じているなら、大きなメリットといえるのではないでしょうか。

1-2. 土地の文化や雰囲気になじみやすい

子供の頃から慣れ親しんだ土地で働けるため、文化の違いに戸惑ったり、雰囲気になじめずにストレスを感じることが、あまりありません。

知らない場所での仕事は不安が多いだけでなく、勝手がわからずに戸惑うことも多いもの。

また土地柄になじめず、ストレスを感じる場合もあります。

その点Uターン転職は、幼い頃から慣れ親しんだ土地で仕事ができるので、文化の違いや土地柄になじめずに、つらい思いをすることが少なくなるというメリットがあります。

今住んでいる土地にどうしてもなじめないなら、Uターン転職で心のゆとりを取り戻せるかもしれません。

1-3. 両親の近くで暮らせる

両親の近くで働けるため、老後も安心して面倒を見ることができます。

内閣府の発表によると、要介護認定を受けている65歳以上の第1号被保険者数は年々増加傾向にあります。

実際には、要介護認定を受けていなくても、「今後のことを考えて両親と一緒に暮らしたい」という思いを持っている人はたくさんいます。

都心に両親を呼ぶという方法もありますが、両親が「長く暮らしたところで一生を終えたい」と思っている場合、両親に転居を勧めるのも難しくなります。

Uターン転職によって両親の住む場所の近くで暮らすことができれば、介護の負担も軽くなりますし、何かあった時に、急に遠方の地元まで足を運ぶ必要がなくなります。

両親の老後の介護についての心配を緩和する、良い方法といえるのではないでしょうか。

また株式会社ビズヒッツが発表した「UIターン転職に関する意識調査」によると、Uターン転職をしてよかったこととして「家族の近くにいれる」という項目が最も多い結果となっています。

Uターン転職良かったこと出典:PR TIMES

両親だけでなく、自分の家族の満足度も上がるのであれば、これほどうれしいことはありませんよね。

1-4. 自治体のサポートを受けられる可能性がある

地域によっては、住居や就職先のあっせん・サポートを受けられる自治体があります。

新しい居住地や車の調達など、Uターン転職は何かと費用がかかるもの。

また、地元とはいえ離れた場所にあるので、職があるのかなど、不安に感じることも多いものです。

自治体の支援によって、こうした不安を払拭できるのであれば、ぜひ利用したいですよね。

より詳しい情報は、「自治体のUターン転職へのサポートまとめ」でご紹介します。

2. Uターン転職の5つのデメリット

この章では、Uターン転職の5つのデメリットを紹介します。

2-1. 希望に合った求人が見つかりにくい

東京近辺に比べて企業数が少ないため、地域によっては希望の職種・業種の求人が極端に少なかったり、全くなかったりする場合があります。

近年は国が地方創生に力を入れていることもあり、今後は少しずつ地方求人が増えていくものと思われます。

それでも都心に比べれば、求人数も職種・業種も少ないのが現状です。実際にUターン転職を経験した人からは、以下のような声も聞かれます。

Uターン転職・地方で就職する際に理解しておくべきこと
●求人数が少ない
●地方は収入が低い
●生活環境の変化
●一人での転職活動は大変

出典:Twitter

「実家がある」「地元だから勝手がわかっている」という安心感から、転職先を決めずに退職する人もいますが、地元だからといって安心は禁物です。

転職先を決めずに地元に戻ると、希望していた職種の求人がほとんどなかった…なんてことも。

転職前にはしっかり地元の情報をリサーチの上、できるだけ仕事を決めてから現在の企業を退社することをおすすめします。

2-2. 年収が比較的低い

残念ながら地方のほうが年収が低い傾向にあるため、就職先が見つかっても、年収が下がる可能性があります。

dodaよると、地方ほど年収が低いことが分かります。

地域別平均年収

出典:doda 平均年収ランキング

実際、以下のような体験談もあり、Uターン転職による年収ダウンは覚悟しなければならない現実の一つと言えそうです。

福岡へUターン転職を考えている場合はある程度年収ダウンは覚悟すべき。

例えば年収800万円東京で貰っていた方が、500〜600万円程になることはザラにあります。

参考:Twitter

一方、dodaが発表している「平均年収ランキング(47都道府県)」を見ると、トップ10には静岡や栃木県、滋賀県なども含まれています。

順位 都道府県 平均年収
1 東京都 444万円
2 神奈川県 430万円
3 千葉県 412万円
4 茨城県 408万円
5 埼玉県 406万円
6 静岡県 405万円
7 栃木県 403万円
8 愛知県 402万円
9 兵庫県 401万円
10 滋賀県 400万円

事前にこうしたデータをチェックしておけば、大幅な年収ダウンを回避できる可能性があります

Uターン転職成功の秘訣は、しっかり下調べを行えるかどうかにあると言えそうです。

2-3. 近所づきあいが面倒な可能性がある

ご近所付き合いが希薄な都心とは対照的に、地方には自治体や地域の活動などが活発なところもあります。

そのためご近所との濃い付き合いが求められることも。

ど田舎在住の者です。
地方都市かガチの田舎では全然違います。
ガチの田舎は訳の分からない団体に半強制的に入らされ面倒な近所付き合いも強制です。
地方都市であればそういうのは少ないので住むなら地方都市がお勧めです。

参考:Twitter

中には面倒だと感じるご近所様が近くに住んでいることも。

面倒と感じない人にとっては、それほど苦ではないかもしれませんが、ご近所付き合いなんてしたことがないという人にとっては、面倒に感じる要因になるかもしれません。

2-4. ブラック企業にあたる可能性が高くなる

もともとの企業数が少ないことに加え、都心よりも濃い人間関係が求められることや、外からの刺激が少なく、体質改善を図る機会があまりないことなどから、地方の企業にはブラック企業が多いと言われています。

「ブラック」と言われる内容もさまざま。

サービス残業やセクハラ、パワハラといったものだけでなく、地方特有のブラックな面を持つ企業も。

ちなみに私はなぜか給料が月1万から2万円引かれてたことがあるよ〜ん(今の職場ではないですw)

あと時給がどんどんマイナスされてたこともある 

田舎の、とくに家族経営の会社はブラック企業が多いからみんな気をつけるんだよ… 社会人1年目で失敗した私からの助言だ

参考:Twitter

せっかくのUターン転職も、ブラック企業に転職してしまっては台無しです。

ブラック企業を見分けるためのポイントについては、「Uターン転職でいい求人を見つけるための2つのポイント」で詳しくご紹介します。

2-5. 車通勤の場合が多い

電車網が発達している都心に比べ、地方は電車よりも車で通勤することのほうが多いという特徴があります。

会社によっては、電車ではなく車通勤を強制するところも。

夫の職場、コロナで車通勤ほぼ強制になった。山奥の企業の研究所。田舎特有の車を数台持つのが当たり前文化。

我が家は離れたエリアのため、比較的都会。車1台でもヒーヒー。

子供3人とこもっていて、何かあった時のセーフティーネットとして車を重宝していたのに、ないと困る。うっうっ

参考:Twitter

車の運転に慣れていない人や、長年車に載っていないペーパードライバー、そもそも免許を持っていない人にとっては、デメリットになる要素の一つと言えそうです。

3. Uターン転職がおすすめな人

Uターン転職のメリットとデメリットをお伝えしたところで、Uターン転職がおすすめな人を紹介します。

3-1. 年収がダウンしても生活のゆとりを優先したい人

ある転職エージェントの調査によると、香川県にUターン転職を経験した人の年収が全体で17%ダウンしたというデータがあります。

Uターン転職年収変化

出典;Regent 香川へのUターン・Iターン転職者の年収変化の実態

一方、Uターン転職に満足感を感じている人は、不満を感じている人よりも上回る結果となっています。

UIターン転職満足度

出典:PR TIMES

何に対して満足を感じるかは人それぞれですが、Uターン転職に成功している人の傾向として、年収が下がってもその他の部分で高い満足を得ていることが挙げられます。

そのためUターン転職は、年収ダウンは覚悟の上で、他に満足したいことがある人、または年収にはこだわらないという人におすすめだと言えそうです。

3-2. 地元にも働きたい仕事がある人

東京近辺に比べて企業数が少ないため、Uターン転職は職種や業種の選択肢がどうしても限られてしまいます。

そのためUターン転職は、地元に帰っても働きたい仕事につける人、もしくは業界や職種を問わず、求人を探している人におすすめだといえます。

実際に地元から東京近辺に就職を決めた人からよく聞かれるのが、「やりたい仕事が地元にない」という声です。

地元=北海道には帰りたい。でも、自分がやりたい仕事無い。結果、東京で働き、早10数年。

だから、地元北海道で頑張ってる人の話を聴けるのは、刺激になります。

参考:Twitter

地元に帰ったらやりたい仕事は無いし 何より恋愛の可能性は無くなる もう既に無いんだけど。

参考:Twitter

地元に戻りたいという気持ちがあっても、やりたい仕事がないので東京近辺で仕事をしている人は数多くいます。

同じようにUターン転職でも、やりたい仕事が見つからないという困難に直面することは多いでしょう。

こうした点に目をつぶっても、別の満足感を優先したい場合は、Uターン転職がおすすめだといえます。

3-3. 車通勤が苦ではない人

新・都道府県別統計とランキングで見る県民性の調査によると、自家用車の通勤率は地方に行くほど高くなっています。

車通勤が苦手でなければ、むしろ電車の通勤ラッシュに巻き込まれないというメリットがありますが、運転自体が苦手という場合は、Uターン転職では大きなネックになる可能性があります。

4. Uターン転職でいい求人を見つけるための2つのポイント

Uターン転職でいい求人を見つけるためポイントは、次の2つです。

4-1. 転職前にしっかり準備を

Uターン転職は都心での転職以上にしっかりとした事前準備が必要です。

地域によってはやりたい仕事の求人がなかったり、求人数自体が少ないところもあります。

厚生労働省の発表によると、全国の求人倍率は北陸・甲信越・中国地方を中心に多い傾向にあります。

都道府県別有効求人倍率

出典:GD Freak!

また求人倍率自体が高くても、前述のとおり自分の就きたい仕事があるかどうかはわかりません。

実際に、有効求人倍率が高くても、そのほとんどが一次産業や二次産業ということも珍しくありません。

Uターン転職は転居を必要とすることなどから、先々のライフスタイルにも大きな影響を及ぼします。

だからこそ、成功させるためには、事前に地元にどんな仕事があるのか、自分のやりたい仕事の求人があるのかをしっかりと確認した上で、転職計画を練るようにしましょう。

4-2. 地方に強い転職エージェントや転職サイトを活用する

当サイトが、500人を対象にした転職エージェントの評判に関するアンケートをもとに、以下2つの観点で、3社に厳選しました。

  • 「地方求人の量・質」:田舎であっても魅力的な良い求人を多く紹介してもらえるか
  • 「サポート体制」:職務経歴書・面接対策、キャリア相談、推薦状、メールの返信などのサポートができているか
  地方案件数 サポート体制
マイナビエージェント(総合1位)
パソナキャリア(総合2位)
doda(総合3位)

どのエージェントも登録自体は3分程度で、しかも無料で利用できます。

特に、田舎での転職だと、各エージェントによって持っている求人案件がバラバラなので、一旦すべてに登録して話を聞いてみるとよいでしょう。

マイナビエージェント|全ての人におすすめ

※マイナビのプロモーションを含みます。

マイナビ IT AGENT』は、丁寧なサポートがウリの20代向け転職エージェントです。

求人数だけではリクルートやdodaといった大手ほどではありませんが、首都圏の20代に焦点を当てれば1番の満足度(4.2/5.0点)を誇ります。

そのため、求人数が豊富な大手(例えば、『リクルートエージェント』や『dodaエージェント』など)と併用することをおすすめします。

※マイナビのプロモーションを含みます。

パソナキャリア|初めての転職やサポート重視ならおすすめ

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都道府県別のおすすめ地域特化型転職エージェント

地方へ転職したい場合に使うべき転職エージェントは、地域によって変わってきます。

各地域ごとに求人数・評判をもとに下記のように整理しました。

エリア 都道府県 おすすめ転職エージェント
北海道・東北
北海道
リージョナルキャリア北海道
ジョブキタ
青森県
なし
秋田県
岩手県
山形県
宮城県 ヒューレックス
福島県 なし
中部・東海
新潟県
リージョナルキャリア新潟
にいがた就職応援団キャリア
長野県
E-CURE
リージョナルキャリア長野
JACリクルートメント
富山県
ほくりくFIT転職
リージョナルキャリア富山
石川県
福井県
静岡県 リージョナルキャリア静岡
岐阜県 なし
愛知県 パーソネル
山梨県 なし
三重県 リージョナルキャリア三重
関西
滋賀県 なし
兵庫県
京都府 コトコト
奈良県
なし
大阪府
和歌山県
中国・四国
鳥取県 なし
徳島県
島根県
香川県
キャプラ転職エージェント
リージョナルキャリア香川
岡山県
キャプラ転職エージェント
リージョナルキャリア岡山
愛媛県 なし
広島県
キャプラ転職エージェント
リージョナルキャリア広島
高知県 なし
山口県
九州・沖縄
福岡県 アソウ・ヒューマニーセンター
大分県 なし
佐賀県
宮崎県
長崎県
鹿児島県
熊本県 リージョナルキャリア熊本
沖縄県 なし
「大手総合転職エージェント」に加えて、こちらも登録すると万全のサポートが得られるでしょう。
地域によっては、地域特化型の転職エージェントがないことがあるので、その際は、大手総合エージェントを複数利用して、求人の選択肢を広げることをお勧めします。

5. 自治体のUターン転職へのサポートまとめ

Uターン転職の4つのメリット」でもご紹介したとおり、自治体によってはUターン転職に対して補助制度を設けているところがあります。

ここでは地域別に、その一部をご紹介します。

北海道

道による移住サポート(北海道ふるさと移住定住推進センター)のほか、道外からのプロフェッショナルの転職をサポートする機関(北海道プロフェッショナル人材センター)が設けられています。

東北

青森県ではUターンやIターン希望者を対象に、転職支援マッチングを行っています。また移住の要件を満たすことで最大100万円の支援金を受け取ることができます。(東京圏から青森への移住・就業で、最大100万円を支給します!~あおもり移住支援事業~)。

北陸

新潟県糸魚川市では、市内に就職する人に対して、就職時に必要となる資金を低利で借りることができる「ふるさと就職資金貸付制度」なども用意されています。

近畿

和歌山県では40歳未満であることや、10年以上定住することなど一定の条件を満たせば、最大で250の奨励金が交付される制度があります(若者移住者暮らし奨励金)。

他にも和歌山県では、仕事や住まいの斡旋も積極的に行っています(和歌山県移住・定住大作戦)。条件に応じて、利用できる制度を賢く利用しましょう。

中国・四国

愛媛県ではオンラインで移住フェアを定期的に開催しているほか(えひめオンライン移住フェア)、空き家の斡旋なども行っています(e移住ネット)。

その他の自治体の補助制度に関しては、各自治体のサイトをチェックするか、自治体に電話で問い合わせしてみるのがおすすめです。

6. まとめ

Uターン転職は、転居を伴うほか、その後のライフスタイルにも大きな影響を与える、人生の一大イベントです。

後悔しないためにも、しっかり準備や調査を行った上で、本当にUターン転職すべきかどうかを判断した上で行いましょう。