自己都合退職で失業保険受給をするための全知識|コロナ禍での制度変更点も分かりやすく解説

自己都合 失業保険
  • 「失業保険を受け取る方法って難しくて良く分からない」
  • 「自己都合退職の場合は、結局いつからいくらもらえるの?」

と考えていませんか?

失業保険(失業手当)は、雇用保険被保険者証と離職票をハローワークに持参し、申請書類に必要事項を記入するだけで申請できます。

自己都合退職の場合、申請から手当を受け取るまでに3か月間の給付制限期間が定められていましたが、2020年10月1日の改正により、給付制限期間は2ヶ月間へと短縮されました。

従来よりも早いタイミングで失業手当を受け取れるようになっています。

【最新情報】
令和2年10月1日以降に離職された方は、正当な理由がない自己都合により退職した場合であっても、5年間のうち2回までは給付制限期間が2か月となります。

出典:厚生労働省

この記事では、前職を自己都合で辞める際自身で徹底的に制度を調べ上げ、きっちり失業保険を受給した経験を持つ私が、「自己都合退職で受け取れる失業給付金の総額・期間」や「受給時の注意事項」について解説していきます。

  1. 失業保険の手当額は離職前の給与の50~80%
  2. 失業手当の給付期間は90~150日
  3. 【2021年最新情報】失業保険制度の変更点
  4. 自己都合退社時の失業保険受給の流れ
  5. 失業保険の給付期間中にアルバイトは可能だが申請は必須
  6. 自己都合退職と思っていても、すぐに手当を受け取れるケースもある【要確認】
  7. 失業保険に関するよくある質問

すべて読めば、損をすることなく、スムーズに失業手当を受給できるでしょう。

1.失業保険の手当額は離職前の給与の50~80%

失業保険の手当額は、離職前の給与の50~80%ほどになります。

参考までに、離職前の給与と失業手当の目安金額をまとめました。

離職前の給与
(月収)
月々受け取れる失業手当
(目安)
15万円12万円
20万円14万6,640円
25万円16万6,320円
30万円17万9,220円
35万円18万5,310円
40万円19万9,980円
45万円22万5,000円

※CASIO『生活や実務に役立つ計算サイト』をもとに算出

上記はあくまで目安であり、離職時の年齢や給付率によって変動します。

失業手当の計算方法

失業手当を、1日あたりいくら受け取れるのか(基本手当日額)は、以下の式で算出されます。

失業手当額の計算式

基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率

賃金日額とは、離職前6ヶ月間のトータル給与額(賞与を除く)を180で割った金額です。離職前は1日あたりどのくらい稼いでいたのか、を意味します。

その賃金日額に、所定の給付率を掛け合わせた結果が、「失業手当受給期間中、1日あたりどのくらい手当を受け取れるか」を示す金額となります。

所定の給付率は、賃金日額によって50~80%の間で変動し、離職前の給与が低い人ほど、給付率は高く設定されています。

賃金日額給付率
2,574円以上、5,030円未満80%
5,030円以上、12,390円未満50~80%
12,390円以上50%

ただし、給付率は様々な要素が絡むため、厳密に求めようとするとかなり複雑になります。

さらに、基本手当日額の上限などは変更される場合があるので、実際にいくら受給できるのかは、申請時にハローワークで直接確認するのが確実です。

日額賃金を増やすコツ

失業手当のベースとなる日額賃金は、離職前半年間の賃金をもとに算出されるため、残業や休日出勤を増やすなどにより、離職前半年間の給与総額を増やすことで、失業手当の総額を増やせる可能性があります。

残業できるかどうかは職場次第ですが、もし柔軟に調整できそうであれば、「退職までの期間にできるだけ働いておく」ことも意識してみると良いでしょう。

2.失業手当の給付期間は90~150日

失業手当の給付期間は、雇用保険の加入期間によって、90~150日の間で変動します。

雇用保険加入期間1年未満1年以上、10年未満10年以上、20年未満20年以上
給付日数なし90日120日150日

端的に言うと、会社に勤めていた期間が長い人ほど、より長い期間、失業給付金を受け取ることができます。

ただ、退職後すぐに給付金を受け取れるわけではありません。

失業保険の受給には、まず申請後7日間の待期期間があり、自己都合退職の場合は、その後さらに給付制限期間が設けられます。

なお、給付制限期間や受給期間は、2020年の改正により一部変更がありました。

また、新型コロナウイルスの影響による退職の場合、自己都合でもすぐに手当を受け取れるよう制度変更も行われています。

そこで次章では、2020年以降に追加された特例や給付制限期間の変更について詳しく解説します。

3.【2021年最新情報】失業保険制度の変更点

本章では、2020年以降に行われた失業保険制度の変更点をまとめました。

雇用保険法の制度は随時見直しが行われているため、一度受給した経験がある方でも「以前と条件や日数が変わっている」という可能性があります。

申請前に確認しておきましょう。

3-1.給付制限期間が3ヶ月から2ヶ月へ短縮

自己都合退職の場合、失業保険受給のためには、待期期間(7日間)のあと、さらに給付制限期間が設けられます。

正当な理由のない自己都合退職の場合、給付制限期間は3ヶ月と定められていましたが、2020年10月の制度改正により、「給付制限期間が2ヶ月に短縮(5年間のうち2回まで)」されました。

変更前変更後
給付制限期間は3ヶ月原則として給付制限期間は2ヶ月

※過去5年間のうち、自己都合退職が2回以上ある場合は3ヶ月

※2020年9月30日以前の自己都合退職は、影響しない
参考:厚生労働省「失業等給付を受給される皆さまへ」より

従来までは、申請・待期期間のあとさらに3ヶ月間待たなければ失業手当は受給されませんでしたが、今回の改正により、以前より早いタイミングで手当を受け取れるようになりました。

ただし、回数制限が設けられていることからも分かるように、短期間で離職を繰り返す場合は、短縮の要件から外れてしまうので注意が必要です。

3-2.被保険者期間の算定に労働時間も考慮

2020年8月1日の改正によって、被保険者期間の算出に労働時間も考慮されるようになりました。

被保険者期間とは

雇用保険に加入していた期間のこと。失業保険受給のためには、離職日以前の2年間に、「被保険者期間」が12ヶ月以上あることが必要(改正により一部条件緩和)。

※週の所定労働時間が20時間以上、雇用見込み期間が31日以上ある場合、雇用保険に加入する義務が発生する。

従来、被保険者期間(何ヶ月間、雇用保険に加入していたか)は、「労働日数」をもとに算出していましたが、今回の改正ではあらたに「労働時間」も計算の対象となりました。

【被保険者期間1ヶ月としてカウントされる条件】

変更前変更後
月の労働日数が11日以上下記いずれかの場合

・月の労働日数が11日以上
・月の労働時間が80時間以上(新たに追加)

変更前の計算方法では、雇用保険被保険者の資格を満たしているにも関わらず、出勤日やシフトの影響でその月が被保険者期間としてカウントされない、ということもあり、結果として失業保険を受け取れないというケースも起きていました。

ですが、今回の改正により労働時間も計算対象となったため、「しっかりと働いていたのに失業保険を受け取れない」という事態は可能な限り回避できるようになりました。

3-3.新型コロナウイルス感染症の影響による諸条件の緩和

新型コロナウイルス感染症の影響で、失業した人などを対象に、失業手当受給の条件が一部緩和されています。

それぞれ詳しく解説します。

(1).給付日数の延長が可能となった

新型コロナウイルス感染症の影響により失業したと認められる場合に限り、失業手当の給付期間が最大60日延長される制度も新たに設けられました。

緊急事態宣言の期間と離職のタイミングによって、対象者が変わります。(※地域によって異なる)

【給付期間が延長される対象者】

緊急事態宣言対象者
発令前の離職すべての受給者
発令中の離職特定受給資格者、及び特定理由離職者
解除後の離職新型コロナウイルス感染症の影響により離職を余儀なくされた特定受給資格者及び特定理由離職者(雇止めの場合に限る)

※2020年4月、2021年1月の緊急事態宣言が対象
※参考:新型コロナウイルス感染症等の影響に対応した給付日数の延長に関する特例について

特定受給資格者、及び特定理由離職者とは

  • 特定受給資格者
    …倒産や解雇により離職を余儀なくされた人(会社都合退職となる)
  • 特定理由離職者
    …期間の定めのある労働契約が、更新を希望したにもかかわらず更新されなかったことにより離職した人
    …やむを得ない理由で離職した人(心身の障害、転居、婚姻などによる自己都合)

条件に該当する方は、最大60日間の給付期間延長が可能となります。

ただし、以下の条件に当てはまる場合、延長期間は最大30日です。

  • 35歳以上45歳未満で給付日数270日の人
  • 45歳以上60歳未満で給付日数330日の人

(2).受給資格の条件が緩和される特例が設けられた

従来まで、失業手当を受給するには、「離職日以前の2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あること」が必要でした。

ですが、2020年5月1日以降、特定の理由により離職した場合、「離職日以前の1年間に被保険者期間が6ヶ月以上あれば、受給資格を得られる」と変更されています。

受給資格を得られる条件

  • 本人の職場で感染者が発生したこと
  • 本人もしくは同居の家族が基礎疾患を有すること
  • 妊娠中であること、高齢であることを理由に、感染拡大防止や重症化防止の観点から自己都合離職した場合

この場合、仮に離職以前1年間6ヶ月しか雇用保険に加入していなかったとしても、失業手当を受け取れます。

また、基本手当の所定給付日数が手厚くなる場合もあります。

(3).給付制限なしで受給できる制度が設けられた

新型コロナウイルスの影響により退職した場合、自己都合退職であっても、特定理由離職者として給付制限なしで、すぐに失業手当を受け取れる特例措置も設けられました。

特定理由離職者になる条件

  • 同居の家族が新型コロナウイルス感染症に感染したことなどにより看護または介護が必要となったことから自己都合離職した場合
  • 本人の職場で感染者が発生したこと、または本人もしくは同居の家族が基礎疾患を有すること、妊娠中であることもしくは高齢であることを理由に、感染拡大防止や重症化防止の観点から自己都合離職した場合
  • 新型コロナウイルス感染症の影響で子の養育が必要となったことから自己都合離職した場合

4.自己都合退社時の失業保険受給の流れ

自己都合退職の際、失業手当を受給する流れは以下の通りです。

それぞれの工程でやるべきことを詳しく解説します。

ステップ1.雇用保険被保険者離職票を受け取る

まずは、失業保険の申請に必要な書類「雇用保険被保険者離職票」を受け取ります。

雇用保険被保険者離職票は、以下のような手続きを踏んで、会社から発行されますので、離職者がやるべきことは「離職証明書」の確認のみです。

雇用保険被保険者離職票受け取りまでの流れ

  1. 会社側が発行する「離職証明書」という書類を確認し、問題がなければ押印orサインをする
  2. 会社側はその離職証明書をハローワークに提出する
  3. ハローワークが「雇用保険被保険者離職票」を発行し、企業を経由して、離職者のもとへ届く

なお離職票は、2種類あります。

  • 離職票-1
    雇用保険被保険者番号などが記載
  • 離職票-2
    退職理由や直近給与などが記載

離職票は、退職してから10日~2週間後に届くのが一般的です。仕事を辞めてすぐに申請できるわけではないので注意しておきましょう。

ステップ2.ハローワークで求職の申し込みと失業手当の申請を行う

離職票を受け取ったら、ハローワークへ持参して、失業保険の申請を行います。

持っていくもの

  • 雇用保険被保険者離職票(-1,-2)
  • 個人番号確認書類
    …マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票
  • 身元確認書類
    …運転免許証、公的医療保険の被保険者証など
  • 写真(最近の写真、正面上半身、縦3.0cm×横2.5cm)2枚
  • 印鑑
  • 本人名義の預金通帳又はキャッシュカード

なお、失業保険の申請の際は、先に「求職申し込み」を行います。

失業手当の受け取りには、「就職の意思があること」が必須だからです。(言い換えると、働くつもりがない、あるいは何らかの理由で働けないという方は、失業手当を受け取ることができません)

申請を行うと、7日間の待期期間となります。

注意:待期期間中に就業しないように

申請手続きをした日(離職票の提出日)から7日間は、自己都合・会社都合退職問わず、待期期間となります。この間に(アルバイトを含む)就業をしないようにしましょう。※待機期間中に就業した場合、その分給付開始が後ろ倒しになってしまいます。

ステップ3.雇用保険受給者説明会に参加する

待期期間ののち、ハローワークで雇用保険受給者説明会に参加します。

雇用保険受給者説明会とは、失業保険制度や手続きの流れについての説明が行われる場です。

説明が終わると、失業保険受給に必要な書類である「失業認定申請書」と「雇用保険受給資格者証」が付与されます。

また、この段階で「一回目の失業認定日」が指定されます。(およそ4週間後の日時が指定されています)

ステップ4.失業認定日に求職活動の報告を行う(月に一度ペース)

雇用保険受給者説明会で指定された日時に、ハローワークを訪れ、「失業認定」を行います。

失業認定では、求職活動の報告を行います。「離職中でありながらも求職活動を行っていること」が、失業手当を受け取る条件だからです。

求職活動として認められること

  • ハローワークが行う職業相談、職業紹介、初回講習(雇用保険説明会)
  • 求人への応募(求人者との面接、応募書類の送付、筆記試験の受験など)
  • 事業所への募集に関する問い合わせ
  • 転職エージェントへの転職相談
  • 企業説明会等への参加
  • 就職支援講習・セミナーへの参加
  • 再就職に資する国家試験、検定等の資格試験の受験

原則として、月に二回以上の求職活動が必要です。

雇用保険受給説明会で受け取った「失業認定申請書」に就職活動の実施状況を記入し、一回目の失業認定日に、ハローワーク窓口へ提出します。

この時、「二回目の失業認定日」が指定されます。

※認定日にハローワークへ行くのを忘れてしまうと、失業給付金の受給が後ろ倒しになってしまうので注意しておきましょう。

ステップ5.失業手当の給付

二回目の失業認定日からおよそ5~7日後、指定の銀行口座に失業手当が振り込まれます。

また、これ以降は1ヶ月に一度、指定の「失業認定日」に出席し、その度に5~7日後手当が口座に振り込まれるという流れになります。

定期的にハローワークへ足を運ばなければならないので、忘れないように気をつけましょう。

5.失業保険の給付期間中にアルバイトは可能だが申請は必須

失業保険申請後の7日間の待期期間を過ぎると、アルバイト・パートが可能となります。

ただしアルバイトをした際は、「失業認定申告書」に、働いた日数や収入を記入し、申告しなければなりません。

また、アルバイトをすると、その分だけ結果的に手当が減額・繰り越しされます。

勤務時間変更点
1日4時間未満の勤務「内職または手伝い」と見なされ、収入額に応じて、手当額が減額される
1日4時間以上の勤務働いた日は支給対象とならず、1日分の手当が繰り越される
週に20時間以上の勤務で、雇用期間が31日以上雇用保険の加入対象となる。「就労」と見なされるので、失業保険の受給対象から外れてしまう。

就労の虚偽申告・無申告は厳禁!

アルバイトをしたのに申告しなかったり、虚偽の時間や収入を申告したりするのはNGです。

虚偽申告や無申告が発覚すると、それ以後の手当が貰えなくなるだけでなく、過去受給した給付金の三倍の額を返還するよう求められます。

6.自己都合退職と思っていても、すぐに手当を受け取れるケースもある【要確認】

「自己都合退職だから、給付開始まで2ヶ月待たないといけない」と思っていても、「特定受給資格者」に該当する方は、会社都合として扱われ、7日間の待期期間後すぐに支給が開始されます。

そしてこの「会社都合」と判断される条件は、解雇やリストラ以外にもあり、実は会社都合として処理されるケースもあるのです。

また、「特定理由離職者」に該当される方であれば、自己都合退職でも、給付制限期間はなくなります。

本章では、「特定受給資格者」「特定理由離職者」の該当条件をまとめました。自分がどれかに当てはまっていないか、申請前に確認しておきましょう。

特定受給資格者の該当条件

該当条件証明に必要な書類
倒産したて倒産手続の申立てを受理したことを証明する書類
業務停止命令の事実が分かる資料
大量雇用変動があった
(1ヶ月に30人以上、あるいは被保険者の三分の一を超える離職)
事業所が廃止された解散の議決が行われた議事録
事業所の移転で、通勤することが困難となった事業所移転の通知
事業所の移転先が分かる資料、及び離職者の通勤経路に係る時刻表
解雇された解雇予告通知書、退職証明書、就業規則
労働締結時の条件が事実と違っていた採用条件及び労働条件が分かる労働契約書や就業規則など
・賃金の三分の一を超える額が支払われなかった時期が、2ヶ月以上、または離職直前の半年間に3回あった労働契約書、就業規則、賃金規定、賃金台帳、給与明細書、口座振込日が分かる預金通帳など
賃金が85%未満に減額した労働契約書、就業規則、賃金規定、賃金低下に関する通知書など
・ひと月で 100 時間、又は 2~6月平均で月 80 時間を超える時間外労働が行われた
・行政機関の指摘にも関わらず対策が講じられなかった
タイムカード、賃金台帳、給与明細書など
の職業生活の継続のために必要な配慮なく、職種転換が行われた採用時の労働契約書、職種転換・配置転換の辞令(写)、賃金台帳、転勤の辞令(写)など
更新されるはずの労働契約が、更新されなかった労働契約書、雇入通知書、就業規則、契約更新の通知書、タイムカードなど
上司・同僚からのパワハラなどがあった特定個人を対象とする配置転換、給与体系等の変更があった場合には、配置転換の辞令(写)、就
業規則、労働契約書、賃金台帳など
直接もしくは間接に、退職するよう勧奨を受けた(早期退職優遇制度は除く)希望退職募集要綱、離職者の応募事実が分かる資料など
3ヶ月以上休業が続き離職した
(休業手当の支払が 3 か月以上連続していた場合)
賃金台帳、給与明細書など
会社が法令違反をしていた事業主の業務が法令に違反した事実が分かる資料

参考:特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準

上記に該当する人は、会社都合として扱われます。

本来失業手当の受給には、被保険者期間が12ヶ月以上(離職前2年間のうち)必要ですが、6ヶ月以上(離職前の1年間のうち)あれば、受給資格を得ることができます。

特定理由離職者の該当条件

該当条件証明に必要な書類
労働契約の更新を希望したものの、更新されなかった労働契約書、雇入通知書、就業規則など
体調の問題による離職
(体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退)
医師の診断書など
妊娠、出産、育児等により離職し、受給期間延長措置を受けた受給期間延長通知書など
家庭の事情が急変したことによる離職扶養控除等申告書、健康保険証、医師の診断書など
通勤不可能、または困難となった
(結婚に伴う転居、育児に伴う保育所利用、 事業所の通勤困難な地への移転など)
住民票の写し、保育園の入園許可書、事業所移転の通知など

参考:特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準

上記に該当する方は、自己都合退職でありながらも、給付制限期間なしで手当を受け取れます。

7. 失業保険に関するよくある質問

失業保険に関する質問をまとめました。

疑問点がある方は、ここで解消しておきましょう。

Q1. 会社都合退職なのに、自己都合退職にしてほしいと言われたらどうすれば良いですか?

会社から自己都合退職にしてほしいと言われても、一切応じる必要はありません。断固として拒否してください。

もし仮に申し出に応じて自己都合退職にしてしまうと、給付期間・金額の面であなたが大きく損をすることになります。

Q2. 失業認定日に急な体調不良になった場合は、どうすれば良いですか?

やむをえない理由と認められる場合に限り、失業認定日を変更してもらうことができます。

まずはハローワークに連絡し、事情を説明しましょう。その際、やむをえない理由を証明できる書類の提出を求められることもあります。

Q3.お得に失業手当を得るにはどうすれば良いですか?

金銭的なメリットを考えると、早めに就職して、再就職手当を受け取ることをおすすめします。

再就職手当とは

失業保険の給付期間中に再就職が決まった際、支給される手当のこと。支給残り日数が三分の一以上あり、かついくつかの要件を満たした場合に支給されます。

失業保険で当面は暮らしていこうと考えている方もいるかもしれませんが、必ずしも給付が終わるタイミングで就職できるとは限りません。

それよりも早めに就職して収入を安定させ、かつ再就職手当を受け取る方が、「給付金+再就職手当+給料」と、得られるお金を最大化できます。

なお、再就職手当の受給が可能となる条件は、以下の通りです。

  1. 待期期間を満了していること
  2. 失業手当の支給日数が3分の1以上残っていること
  3. 再就職した会社が前職とは関係ないこと
  4. 三か月の給付制限がある場合、一か月目はハローワークもしくは人材紹介会社の紹介で就職を決めること
  5. 再就職先で一年以上働く見込みであること
  6. 再就職先で雇用保険に加入していること
  7. 過去三年以内に再就職手当を受け取っていないこと
  8. 受給資格決定前から内定を貰ってた会社ではないこと

さいごに

自己都合退職の失業保険の基礎知識を紹介しました。

きちんと制度を把握した上で、手順通りに手続きを行いましょう。

あなたの退職後の人生がより明るいものである事を心から祈っています。