コロナウイルスの影響により、「保健師」という職業をニュースで目にすることが増えました。
特に日本自治体労働組合総連合が発表した調査によると、コロナウイルス第5波の影響により、6割以上で保健師が時間外労働をしていたことが発表され、多くのメディアで取り上げられました(日本自治体労働組合総連合:「過労死ライン」を超える働き方の実態調査の結果公表について 自治労連が記者会見,2023年10月10日付.)。
また、過労死ラインとされる月100時間を大幅に超え、298時間の時間外労働をした保健師もいたといいます。
このようなニュースにより保健師の人材不足問題が浮き彫りとなりました。
このような状況の中で、保健師について深く理解している方は少ないのではないでしょうか?
今回は、私たちの健康を支える職業である「保健師」について詳しくご紹介します。
また、看護師から保健師へキャリアチェンジをご検討されている方へ向けて、保健師のやりがいや職場環境についてもご紹介します。
- 保健師とは?
- 保健師の種類と仕事内容
- 保健師になるには
- 保健師の働き方や就職・転職活動のリアル
- 看護師から保健師へのキャリアチェンジを成功させるには?
- 民間施設への入職を目指す保健師は看護師転職サイトを利用するがおすすめ
- 保健師の転職におすすめの看護師転職サイト3選
この記事を読めば、保健師の仕事内容や保健師へ転職する方法がわかります。
目次
1. 保健師とは?
保健師は、「保健師看護師助産師法」によると、「保健指導に従事することを業とする者」とされています。
具体的にはどのような仕事を行なっているのでしょうか?
こちらでは、保健師と看護師との違いや保健師の業務の主軸である「保健指導」について詳しくご紹介します。
1-1. 人々を健康な生活へ導く仕事
現代の日本は、生活習慣病やメタボリックシンドローム、メンタルヘルスなど健康に関する多くの問題を抱えています。
そのような問題を改善するため、人々の生活に寄り添い、相談にのり、対象者に合わせたアドバイスを行うのが保健師です。
2013年4月に厚生労働省は、保健師の保健活動の基本的な方向性として下記10項目を定めました。
- 地域診断に基づくPDCAサイクルの実施
- 個別課題から地域課題への視点及び活動の展開
- 予防的介入の重視
- 地区活動に立脚した活動の強化
- 地区担当制の推進
- 地区特性に応じた健康なまちづくりの推進
- 部署横断的な保護活動の連携及び協働
- 地域のケアシステムの構築
- 各種保険医療福祉計画の策定及び実施
- 人材育成
〔出典〕厚生労働省:地域における保健師の保健活動に関する指針.厚生労働省健康局長通知「「地域における保健師の保健活動について」(平成25年4月19日付健発0419第1号),2013.
このように地域における保健師の活動は、健康的なまちづくりに向けて住民と交流する以外にも、地域のケアシステムの構築など専門的な業務を行います。
(1)保健師と看護師との違い
保健師と看護師の大きな違いは、取得している国家資格です。
看護師業務を行うためには「看護師免許」を保有している必要があり、保健師は、「看護師免許」に加えて、「保健師免許」を保有している必要があります。
保健師は、人々が健康に生活するために予防を行う業務が主になります。
それに対して看護師は、ケガや病気を患った方のケアを行うなど、実際に治療を行う必要のある患者を対象に業務を行うという違いがあります。
(2)保健指導とは
保健指導とは、健康診断の結果から、主に生活習慣病の予備群となった対象者に対し、健康的な生活へ向けた行動変容を支援することを指します。
保健師としてこのような活動を行う際、2年ごとに業務従事者届を就業地の都道府県知事に提出しなければいけないという決まりがあるなど専門性の要する活動です。
(3)保健指導の目的とは
保健指導の第一の目的は、生活習慣病を予防することです。代表的な生活習慣病として、がんや脳卒中、心臓病があげられます。これらの病気は日本人の死因の上位をしめています。
発症の要因として、運動不足や食生活の乱れ、過度な飲酒、喫煙などがあげられます。
これらは、健康に対する正しい情報を取得し、行動に移すことによって改善されるため、その機会を与えることが保健師には求められています。
1-2. 保健師の役割と求められるスキル
保健師には以下の役割を行うことやスキルが求められます。
(1)カウンセリング
カウンセリングとは、保健師が相談者と信頼関係を築き、相談者が主体的になって問題解決できるように対応することです。
保健師は、観察・傾聴・確認・共感の4ステップを意識しながら相談を展開していきます。
相談者が自由に感情を出せるように心がけ、表に出された感情を否定しないことが大切です。相談者に安心感を与えることが必要不可欠になります。
(2)アセスメント
アセスメントとは、常に広い視野で時勢や地域をとらえ、科学的に情報収集し、地域全体 及び地域の人々の健康に関する数値を評価することです。
数値を評価することによって、今まで明らかになっていなかった健康問題を見出すことができます。保健師には分析能力が求められます。
(3)コーチング
コーチングとは、対象者が本来持っている能力や強み、個性を引き出し、目標実現や問題解決するために自発的行動を促す方法のことです。
主に保健師はコーチングのスキルを健康指導の場で活用します。
(4)ティーチング
ティーチングとは、知識や技術の少ない相談者に対して具体的な指示や助言を行い、知識や技術の獲得を促すことです。
生活習慣病の原因の一つとして、健康な生活に対する間違った認識をしていることや生活習慣を見直すことの重要性を理解していない場合があげられます。
このような場合にティーチングのスキルは効果的です。
(5)自己効力感を高める
自己効力感とは、自分が行動しようと思っていることや変えようと思っている生活習慣に対して、自分がどれだけできるかという自信や意欲のことをいいます。
生活習慣を改善するための行動を対象者が継続するためには自己効力感を高めることが有効であり、自己効力感を高めるためのサポートを行うことが保健師の役割です。
(6)グループワークの支援
グループワークとは、参加者の個性や価値観を尊重しつつ、話し合いや共同作業を行うことです。
健康教育の対象となる集団に、共通した健康課題がある場合や年齢または社会的特徴に共通性がある場合、グループワークを行うことが効果的とされています。
保健師は、対象者どうしが自由に発言できる雰囲気づくりを行い、グループの主体性を支援するファシリテーターのような役割を行います。
2. 保健師の種類と仕事内容
保健師の活躍の場は、市役所から一般企業まで多種多様です。
- 2-1. 行政保健師|地域密着で住民の健康をサポート
- 2-2. 産業保健師|企業の労働安全衛生に貢献
- 2-3. 病院保健師|医療現場の衛生や患者の退院後をサポート
- 2-4. 学校保健師|生徒・教職員の心身の健康を守る
こちらでは、勤務先に応じた保健師の業務内容の違いや魅力、やりがいについてご紹介します。
2-1. 行政保健師|地域密着で住民の健康をサポート
各都道府県や各市町村の公的機関で働く保健師を行政保健師とよびます。
具体的な勤務先として、保健所や地域包括支援センターがあげられます。
主な仕事内容は、医療・健康に関する業務と社会福祉に関する業務に分けることができます。
医療・健康に関する業務は、地域住民に対する健康検診や健康教室の開催などを行う健康促進をメインとしています。
社会福祉に関する業務は、母親との子育て相談や育児に関する情報提供を行うことや介護を要する家族と共に生活する方に対し負担軽減の提案を行なっています。
2-2. 産業保健師|企業の労働安全衛生に貢献
産業保健師は一般の民間企業に勤務しています。
企業により働き方はさまざまですが、職員の健康のための企画を提案し実行するなど主体性を持って仕事を行う場合が多いです。
また、長時間労働者や長期休職者との面談を行い、カウンセリングを行うことも重要な業務の一つです。
2015年に行われた「労働安全衛生法」(労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号))の改正により、労働者が50人以上いる事業所では、毎年1回ストレスチェックの検査を行うことが義務付けられ、産業保健師の活躍の機会が増えました。
第三者の視点から労働者の作業環境を整え、生産性向上のためサポートし、企業に貢献することができるためやりがいを持って仕事することができます。
2-3. 病院保健師|医療現場の衛生や患者の退院後をサポート
病院保健師とは、病院や民間のクリニック、訪問看護ステーションで勤務する保健師を指します。
病院で働くスタッフの健康管理をはじめ、現場の衛生や退院した患者のサポートを行なっています。
病院保健師は夜勤を行わない形態で雇用されることが多く、日中のみ働くことを希望している方におすすめの職業と言えます。
医療現場で働くことができるため、最新の情報を常に得やすい環境であることが魅力です。
2-4. 学校保健師|生徒・教職員の心身の健康を守る
学校保健師の勤務先は、主に学校の保健室です。
学校保健師は、生徒や教職員の健康管理や健康維持を目的に活動しています。
現在は、メンタルケアに力を入れている場合が多く、不登校や学校に馴染むことのできない生徒をはじめ、教職員のメンタルヘルスに対してもサポートを行い、教育の現場を支えています。
生徒や教職員の人間関係の悩みに寄り添い、ケアしながら信頼関係を築き頼られる存在になることで大きなやりがいを感じることのできる尊い職業です。
【最新情報】コロナ禍で保健師の役割・働き方はどのように変化した?
コロナウイルスの影響により、保健師の求められる機会が多くなりました。
コロナワクチンの摂取の促進をはじめ、実際に保健師が注射を行う場合もあります。
また、保健師の主な業務の一つである面談が全てオンラインになり、いつもと違う形でカウンセリングやコーチングを行うことが増え、働き方が大きく変わりました。
3. 保健師になるには
保健師は人々の健康を守る社会貢献度の高いやりがいのある仕事であり、保健師になるため多くの方が勉強しています。
具体的にはどのようなルートをたどることで保健師になることができるのでしょうか?
保健師として働くためには、看護師の資格と合わせて保健師資格を取得する必要があります。
保健師の国家資格の合格率は毎年80%をきることはありませんが、難易度がやさしいというわけではなく、入念な準備が必要となります。
こちらでは、保健師になる具体的な方法や就職・転職方法をご紹介します。
3-1. 保健師になるには国家資格が必要
保健師になるには、看護師免許に加えて保健師免許を取得することが必要不可欠になります。保健師国家試験の概要や受験の際に必要なことをまとめました。
(1)保健師国家試験を受験するために必要なこと
保健師国家試験を受験するためには、受験資格を得るため学校に通う必要があります。
受験資格を得る学校には下記のような2つのパターンがあります。
- 大学の看護学部で保健師コースを修了する
- 看護国家資格取得後に保健師養成コースを修了する
大学の看護学部で保健師コースを修了する場合は、高校卒業から保健師コースのある4年制の大学に入学し、看護師になるための勉強とともに保健師になるための勉強も行います。
この場合、看護師国家試験と保健師国家試験を同じ年に受験することになります。
保健師国家試験に合格しても、看護師国家試験に合格しない限り保健師として勤務することはできないため、注意が必要です。
看護師国家試験取得後に保健師養成コースを修了するには、看護課程のある大学や短期大学、看護師専門学校に入学し、看護師国家試験を取得した後、保健師養成課程のある4年制の大学の3年次に編入する場合と1年制の保健師養成学校に入学し保健師国家試験を受験する場合があります。
看護師国家試験とのダブル受験を行うよりも、保健師国家試験への対策を行う時間を確保しやすいというメリットがありますが、学費がかさんでしまうということが懸念されます。
(2)保健師国家試験の概要
保健師国家試験は、毎年2月中旬に行われます。
試験は、北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県の各会場で行われ、平均8000人前後の受験者が集まります。
例年合格率は、80%を下回ることはほとんどありません。
一般的に高い合格率と言えますが、難易度が低いというわけではなく、保健師養成課程における講義のレベルが高いため国家試験の合格率が必然的に高くなっていると言えるでしょう。
3-2. 【種類別】資格取得後の就職・転職活動の進め方
保健師の働き方は、勤務する機関によって多種多様です。
保健師国家試験に合格した後、どのように就職・転職活動を行うべきか種類別にまとめました。
どの保健師を目指す場合でも共通するステップは、情報収集を徹底することです。
目指す保健師の種類によって、効率的に情報収集できる媒体を見極めながら転職活動を進めましょう。
(1)行政保健師を目指す場合
行政保健師を目指す場合は、まずどの地域で働くのかを決める必要があります。
行政保健師は公務員としてその地域に密着して業務を行うため、採用試験を受ける地域選びは今後のライフプランを見通し、慎重に行いましょう。
勤務したい地域が決定した後は、その地域のホームページから応募を行い採用試験に備えます。
一般的に行政保健師の応募期限は、6月上旬です。期限に気をつけて準備を行いましょう。
(2)産業保健師を目指す場合
産業保健師の求人を探す場合は、転職エージェントの利用をおすすめします。
産業保健師は、企業ごとに業務内容が異なることが多いため、できるだけ多くの情報を手に入れる必要があります。
しかし、自分ひとりで多くの情報を手に入れるには、膨大な時間がかかってしまいます。
転職エージェントでは転職事情に詳しいキャリアアドバイザーが情報提供してくれるため、自分にピッタリ合う企業と出会うことができます。
転職エージェントを有効的に利用することが産業保健師転職への成功のカギとなります。
(3)病院保健師を目指す場合
病院保健師の求人は、転職サイトや転職エージェント、ハローワークなどで探すことができます。
特に地域に密着した病院で働きたいという方は、ハローワークでの検索が効果的です。
ハローワークは無料で求人を掲載することができるため、民間の転職支援サービスには掲載していない地元のクリニックや病院、訪問看護ステーションなどの求人を見つけることができます。
(4)学校保健師を目指す場合
学校保健師の就職先は、小学校などの一般的な教育機関の保健室の他に、保育園や幼稚園の保健室も考えられます。
公立の保育園や幼稚園の場合は公務員試験を受ける必要がありますが、私立の保育園や幼稚園の場合は運営する法人へ直接応募する必要があります。
私立では運営の方針によって採用基準が異なるため、どのような人材が求められているかというリサーチを徹底することが重要です。
4. 保健師の働き方や就職・転職活動のリアル
保健師は、地域の子どもからお年寄りまで多くの方の健康と幸せのために活動し、多くの方と接する機会があります。
人の一生に寄り添うことのできるやりがいのある仕事である一方で、保健師ならではの悩みを抱えている方もいます。
こちらでは、保健師ならではの働き方に対する悩みや就職・転職に関する実情を紹介します。
4-1. 保健師の働き方に関するリアル
実際に保健師として働く方の声をもとに保健師の働き方に関するリアルな事情をまとめました。
(1)産業保健師の働き方は企業によって大きく異なる
企業には企業独自の経営理念やルールがあるため、産業保健師の働き方は企業によって大きく異なります。
こちらは実際に産業保健師として転職を行なった経験のある方の声です。
企業によって合う合わないがあるため、できる限り情報収集を行いましょう。
(2)行政保健師は公務員ならではのしがらみに悩まされる
行政保健師は公務員として、各都道府県、各市町村で勤務しています。
公務員は地域に密着し、住民との距離が近く社会貢献の実感を得やすい分、公務員としての責任を感じストレスに感じ、悩んでいる方も多いです。
現在地方で行政保健師をしています。公務員ならではのしがらみが辛く、自身の体験から健康経営に携わりたいと思うようになりました。(一部抜粋)
公務員として働くことで安定を手に入れることはできますが、それがしがらみとなってストレスを感じてしまう方もいます。
就職・転職を行う前には必ず自分の中での優先順位を明確にすることが必要不可欠です。
4-2. 保健師の就職・転職活動に関するリアル
保健師は残業や夜勤が少なくプライベートとの両立がしやすいという魅力があります。
そのため看護師から保健師への転職を考えている方もいます。
しかし、実際に転職活動を行うと産業保健師への転職の厳しさを目の当たりにしモチベーションが下がってしまった方や、保健師としての経験がないため企業が求める求人条件に合わないなど問題を抱えているという方もいらっしゃいました。
(1)産業保健師の求人は少なすぎる
産業保健師は、産業医と異なり設置義務がないため、大企業などの従業員数の多い企業でしか求人を出していないという現状があります。
ジョブセンターに履歴書の添削、面接練習してもらいに行ってきた。相変わらず産業保健師の求人がなさすぎる。正直転職活動する前はこんな厳しいと思わなかった。モチベーション下がる。産業保健師になった先輩方すごいよ
求人数の少ない産業保健師で採用を獲得するには、いかに自分自身に付加価値をつけるかがポイントになります。保健師の中でもハードルの高い転職と言えます。
(2)保健師経験ありを求める求人が多い
企業は、保健師を求人する際、即戦力として活躍できる保健師経験ありを求める傾向にあります。
産業保健師って本当に経験者しか取らない感じがしてるけど、未経験から皆様どうやって経験者になってるの?
このように保健師として働きたくても未経験の場合、転職活動をスムーズに行うことができません。保健師の転職活動を成功させるためには、長期的な計画を立てることが必要です。
5. 看護師から保健師へのキャリアチェンジを成功させるには?
看護師から保健師へのキャリアチェンジを行う際、保健師免許を取得していない場合は免許取得が第一関門となります。
実際に看護師から保健師へのキャリアチェンジを成功させた方はどのように成功させたのでしょうか?下記に成功のポイントをまとめました。
5-1. 看護師として臨床経験を積んでから保健師になるのが定番
看護師として臨床経験を積んでから保健師になるのが定番となった背景として、産業保健師の求人には「看護師としての臨床経験3〜5年」を必須としている場合が多いことが要因の一つと言えます。
保健師として幅広く勤務先を選択したいと考えている方は看護師としての臨床経験のなかで、保健師に求められるカウンセリングやコーチングのスキルを高めることが必要です。
また一般社会同様、看護業界においても「一人前になるためには3年以上の職務経験」という考えが浸透しています。
特に看護師の場合、経験年数3年目といえば、業務遂行面で独り立ちできる頃合いの目安となっていることが一般的です。
医療現場では3年目頃からプリセプターとして新規入職者へのコーチングやメンタリングを担うことが主流です。
この点を見ても、やはり3年程度の業務経験が「一通りの業務を理解・経験している」ことのボーダーラインと見なされていることがうかがえます。
このような理由で保健師から看護師に転職をする際、30代以降で臨床経験のない看護師として働き始めることは難しいです。
そのため、はじめから保健師を志している方の中にもまず看護師として臨床経験を積み、いつでも看護師として働けるようなスキルを身につけた後に保健師になる方もいます。
5-2. 看護師として働きながら保健師の資格を取得する道もある
看護師から保健師への転職を希望している方の中には、そもそも保健師資格を持っておらず学校に通う必要があるという方もいるでしょう。
とはいえ日中は看護師としての勤務があるため通学はできず、かといって現職を辞めてしまうと生活に困ってしまうと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そのような方は看護師としての就労形態を見直す必要があります。その場合、夜勤専従の非常勤看護師がおすすめです。
夜勤専従の非常勤看護師は自分自身の生活に合わせてシフトを決められるため、比較的学業と両立しやすい就労形態です。
6. 民間施設への入職を目指す保健師は看護師転職サイトを利用するがおすすめ
民間における保健師の働き方は企業によって大きく異なるため、いかに多くの情報を手に入れることができるかによって転職の成功の有無が決まります。
このような状況の中で保健師へ転職する場合、看護師転職サイトを利用することをおすすめします。
6-1. 看護師転職サイトとは?
看護師転職サイトとは、看護師の求人を中心に求人を掲載するサイトのことです。
サイトによって、保健師、准看護師、助産師、ケアマネージャーを対応職種としているサイトもあります。
一般的にこれらのサイトは無料で使用することができます。
看護師転職サイトの仕組みは、上記画像のようになっており、求職者が入社するごとに、転職サイトは病院から、年収のおよそ18%ほどの仲介料を受けとっています(厚生労働省:医師・看護師に係る職業紹介に関するアンケート調査,2014.)。
そのため、転職サイトを無料で活用することができます。
6-2. 看護師・保健師が転職サイトを利用するメリット
転職では、活動準備から選考対策まで多くの時間や労力がかかります。
転職サイトを利用することで転職活動に割く時間や労力を大幅に軽減することができます。
特に医療機関などただでさえ緊張感のある職場で働く看護師や保健師の方は、転職活動へのモチベーションをキープするためにも転職サイトを有効活用しましょう。
(1)非公開求人で転職の選択肢を増やすことができる
転職サイトを活用する最大のメリットは、非公開求人情報を得ることができる点です。
非公開求人とは、ハローワークや一般的な求人サイトには公開されていない、転職サイトだけが保有している求人のことです。
比較的好条件のものが多く、条件にマッチした転職先を見つけることができます。
(2)転職のプロに相談することで希望条件が明確になる
転職サイトを利用することで、転職のプロであるキャリアアドバイザーと面談することができます。
キャリアの分岐点となる転職で失敗しないためにも、希望条件を明確にする必要があるため積極的に相談しましょう。
キャリアアドバイザーは数多くの転職希望者と面談を行なった経験から、的確なアドバイスや回答を行なうことができます。
転職のプロには「転職すべきかわからない」という転職初期段階の悩みから「コロナ禍の現在の状況で転職を行うべきかどうか」という不安まで、さまざまなことを相談することもできます。
(3)履歴書添削や面接練習などの選考対策が充実
転職サイトは、応募書類の添削を行なってくれます。
添削は、転職希望者の経歴や人柄を事前にヒアリングした後に行います。
多くの求人施設・事業所への入職を手がけてきたキャリアアドバイザーが添削を行うため、過不足なく書類を作成することができ、初心者でも安心して書類提出することができます。
また、キャリアアドバイザーと面接対策を行うことで好印象を与える答え方を習得することもできます。
(4)面倒な応募手続きや調整・交渉を代行してくれる
転職活動は、現職の勤務と並行しながら行う場合もあります。
その際、看護師は二交代制でシフトを組まれることが多いため、転職活動に向けた十分な時間をまとめてとることが難しくなることが考えられます。
また、転職活動では多くの事業所に応募することもあるため、各企業とひとりで面接の調整や交渉を行うことはストレスになりかねません。
さらに、応募先の事業所からは日中に電話連絡が入るというパターンも多くあります。
このことは、特に日中就業していて電話も取りにくい看護職の人にとって、スムーズな転職活動を阻害する大きな要因となっています。
こうしたやり取りもキャリアアドバイザーに任せることで、ストレスなくスムーズに事を進められるのです。
応募手続きや調整・交渉はプロに任せ、面接本番の練習に時間を使い、内定率アップを目指しましょう。
(5)求人票だけではわからない応募先の内情に詳しい
転職サイトの中には、職場訪問を行い、その職場の医療方針や離職者が出てしまった理由などの情報収集を行なっているサイトがあります。
また、その地域に特化したキャリアアドバイザーが転職希望者の要望を病院と交渉するサービスを行なっている場合もあり、自分からは言い出しづらい条件の提示や質問を代行してくれるため、転職先に悪印象を与えてしまうかもしれないという不安を抱えることなく転職活動を行うことができます。
6-3. 看護師転職サイトを選ぶ時の3つのポイント
看護師転職サイトは、下記の3つのポイントに気をつけながら選ぶことをおすすめします。
- 求人数の多い転職サイトを選ぶ
- キャリアアドバイザーの質が高い転職サイトを選ぶ
- 看護師さんの口コミが高評価の転職サイトを選ぶ
転職サイトによって、キャリアアドバイザーの質が大きく異なるケースも少なくありません。実際に転職を成功させた方の口コミを参考に高評価の転職サイトを活用しましょう。
7. 保健師の転職におすすめの看護師転職サイト3選
数ある転職サイトの中から保健師の転職におすすめなサイトを3つピックアップしました。
これらのサイトを有効活用し、理想の働き方を手に入れましょう。
7-1. マイナビ看護師|医療業界転職の大定番!
『マイナビ看護師』は、日本最大級の医療業界に特化した転職支援サービスです。
看護師だけではなく、准看護師・保健師・助産師・ケアマネージャーの資格を持つ方の転職をサポートし、非公開求人を含む80,000件の求人(マイナビ看護師公式ホームページ.2023年10月6日閲読)の中から、希望する働き方にあわせてあなたにベストな転職先を紹介します。
全国に展開する拠点を活用し求人先への訪問を定期的に行い、常に院内の状況や最新情報を提供することを心がけています。
7-2. APOPLUS|産業保健専門のコンサルタントがサポート
『APOPLUS』は、コンサルタント全員が保健師転職に特化したプロフェショナルであることが特徴です。
丁寧なヒアリングを心がけ、転職希望者にとって最適な選択肢は何かを一緒に考えてくれます。
また、職務経歴書作成支援サービスが充実しており、「どう書いて良いかわからない」という方のために、産業保健師に特化した独自の職務経歴書テンプレートを提供しています。
転職活動初心者で初めて職務経歴書を作成する方や書類作成が苦手という方におすすめのサービスです。
7-3. M STAGE|産業保健師に特化した求人サイト
『M STAGE』の最大の特徴は、産業保健師の経験がない方でも安心できるサポート体制が整っている点です。
紹介される求人情報は『M STAGE』が企業から産業保健に関わる業務を直接委託された案件であるため一般的な転職サービスとは異なり、入職後も円滑な保健師業務をバックアップしてくれます。
大きな魅力は、経験豊富な現役保健師に業務の悩みを相談することができることです。
相談を行いながら実際に日常の業務で使える資料や書式フォーマットを提供し、能力向上をサポートしてくれるため、産業保健師の経験がない方も安心して転職することができます。
8. まとめ
この記事では保健師について詳しくご紹介しました。
保健師という仕事は、幼児からお年寄りまで地域住民や労働者の健康と幸せをサポートする仕事です。
大きな特徴としては、
- 保健師はさまざまな職場で活躍し、社会貢献を行なっている実感の得やすい魅力的な職である
- 保健師への転職は求人が少なくハードルが高いため転職のプロへの相談することで円滑に転職活動を行うことができる
実際に保健師になる上では、就業先に応じてそれぞれ次のようなことに留意する必要があります。
- 行政保健師
今後のライフプランを見据え、勤務地を慎重に考えましょう。
就職後、公務員ならではの悩みを抱えないためにも、再度自分らしい働き方を考える時間をとりましょう。 - 産業保健師
企業ごとに保健師に求める仕事が異なるため、事前に情報収集を行うことを心がけましょう。 - 病院保健師
保健師として採用されても病院によっては看護師に近い業務を任されることもあるため、事前に業務内容の確認を行いましょう。 - 学校保健師
保健師の中でも学校保健師は求人数が少ないと言われています。必ず学校という現場で保健指導に関わりたいという方は、養護教諭免許取得も視野に入れる必要があります。
失敗しないためにも情報収集に力を入れ、理想の働き方を手に入れましょう。
現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。
産業保健の在り方は企業によって様々。
ということを転職するたびに感じます。
まずは今いるところの在り方を理解するところからスタートしなきゃ。
〔出典〕Twitter,2023年10月12日付.