ニートの面接を成功させるには?よく聞かれる質問や回答の仕方を徹底解説

「ニートでも面接に受かるのかな?」
「就職したいけれど面接が怖い」

このように考えている方も多いのではないでしょうか。

ニートの方にとって、これまでの経歴やスキル、仕事への考え方について色々と質問される採用面接のハードルは非常に高いと言えます。事前に面接対策をしっかりと行っていないと、本番で緊張してしまい、思うように喋れないこともあるでしょう。

そこでこの記事では、元採用担当でニートの就活事情にも詳しい筆者が、「ニートの面接でよく聞かれる質問や回答の仕方」を分かりやすく解説していきます。面接に対して恐怖や不安を感じている方や、少しでも面接対策を進めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

  1. 【重要】面接では嘘はつかない
  2. ニートの面接でよく聞かれる質問と回答の仕方
  3. ニートの面接突破のカギは”緊張しないための事前準備”|面接対策を徹底しよう
  4. ニートの面接で意識すべき4つのポイント
  5. ニートの面接の体験談
  6. よくある質問

この記事を読めば、ニートの方でも安心して就職面接に臨めるようになるでしょう。

1. 【重要】面接では嘘はつかない

まず前提として、「面接では嘘をつかないこと」を意識しておくほど、面接で採用されやすくなります。

ニート期間が長くなるほど、「色々と質問されたらどうしよう」「どうやってごまかそうかな」と悩んでしまいますよね。「親の介護をしていたことにしよう」と考えたことがある人もいるのではないでしょうか。

しかし、プロの面接官相手に嘘をついても、たいていはバレてしまいます。面接官は採用ミスマッチが起きないよう、とにかく詳細にあなたの職歴やスキルを深掘りして質問するので、どれだけ嘘を作りこんでいても、些細な矛盾からバレてしまいます。

また、仮にバレなかったとしても、「違和感があるな」「話に信憑性がないな」と思われたら、その時点で採用は遠のきます。

そのため、ニート事情は変にごまかさない方が賢明です。むしろ、ありのままを正直に伝えた方が、素直さや誠実さという点で評価されやすいでしょう。

そもそも、職歴がなかったり空白期間が長かったりする履歴書で選考通過している時点で、「ある程度ニートに寛容な企業」「ニートでも採用する意欲がある企業」だと考えられるので、自信をもって面接に臨んでください。

2. ニートの面接でよく聞かれる質問と回答の仕方

それでは、「ニートの面接でよく聞かれる質問と回答の仕方」について解説していきます。

ニートの面接でよく聞かれる質問は、以下の3つです。

順に見ていきましょう。

2-1.前職を辞めた後、なぜすぐに再就職しなかったのか

1つ目は、「前職を辞めた後、なぜすぐに再就職しなかったのか」という質問です。

ニートの採用面接では、ほぼ100%で「空白期間に何をしていたのか」を聞かれます。面接官が知りたいのは、内容よりも「どういう経緯でニートになったのか」という理由です。「しっかりと考えた上で、自らの意思で選んだこと」が伝わる状態を目指しましょう。

代表的な回答パターンとしては、「夢を追っていた」「本当にやりたいことを探していた」というものが挙げられます。

【回答例:漫画家としての夢を追っていたため、すぐに再就職しなかった】

「前職は営業マンとして働いていましたが、昔からの漫画家という夢を諦めきれず、一旦退職し、実家にお世話になりながら漫画家を目指していました。しかし、20代も後半に差し掛かり、周りの友人も社会人として活躍している中、そろそろ自分も定職に就かなければという思いが強くなったため、この度再就職を決意しました。」

【回答例:本当にやりたいことを探していたため、すぐに再就職しなかった】

「前職を辞めた後、一度は転職活動を行ったのですが、自分が本当にやりたい仕事や就職したい企業が見つからず、すぐに再就職することはしませんでした。業界研究や企業研究を重ねていく中で、御社の○○事業に興味を持ち、○○な部分に惹かれ、ぜひここで働きたいと思い、この度応募させていただきました。」

なお、「すぐに再就職しなかった理由」を答える際に、「うつ病で療養する必要があった」「勇気が出なかった」という話をするのは避けた方が賢明です。面接官にマイナスな印象を与えてしまうからです。

もちろん嘘をつかないことは大切ですが、ネガティブな内容をこちらから積極的に伝える必要はありません。

2-2. 空白期間に何をしていたのか?

2つ目は、「空白期間に何をしていたのか?」という質問です。

ニート期間が長いほど、「どのように過ごしていたのか」を聞かれやすくなります。

空白期間中、何をして過ごしていたのか、どのような思いで過ごしていたのかを、正直に伝えましょう。そうすることで、あなたの価値観や性格が面接官にきちんと伝わり、印象に残りやすくなります。

【回答例】

「やりたい仕事を探すため、前職を辞めてからは一旦実家にお世話になっていました。毎日転職サイトで求人を探してはいましたが、正直実家での生活に慣れ、甘えてしまっている状態が続いていました。再就職したいという思いはあるものの、なかなか行動に移せなかったのです。しかし……」

もちろん、資格の勉強や家族の介護等をしていた人は、正直に伝えればよいです。しかし、「何もしていなかった」という人も多いのではないでしょうか。そのような方は、どのような気持ちで空白期間を過ごしていたのかを具体的に話しましょう。

そして、この後解説しますが、「なぜまた働こうと思ったのか」「働こうと思ったきっかけは何なのか」をしっかりと伝えてください。また、将来のキャリアプランや働きたい熱意を語ることで、積極性ややる気をアピールすることが大切です。

なぜまた働こうと思ったのか?

3つ目は、「なぜまた働こうと思ったのか?」という質問です。

もちろん人によって答えは様々でしょうが、例えば、以下の回答パターンを参考にしてみてください。

【回答例】

「再就職したいという思いはあるものの、なかなか行動に移せず、実家に甘えている状態が続いていました。そんな時、地元の友人の結婚式があり、社会人として活き活きと働いている友人たちの話を聞いたのです。自分のことを情けなく感じるとともに、「このままではダメだ」という強い思いが生まれました。自分も一社会人として活躍し、会社や世の中に貢献したいと考えています。また、これからは自分が家族を支えていきたいです。」

【回答例】

「やりたい仕事や興味のある仕事がなかったため、再就職へ一歩踏み出せない状態が続いていました。しかし、ある日、祖母が介護施設に入ることになったのをきっかけに、介護の仕事に興味を持つようになりました。身体的にも精神的にも辛いことは多いでしょうが、利用者やそのご家族の笑顔を直接見られたり、感謝の言葉をもらえたりと、非常にやりがいが大きい仕事だと思っています。御社で経験を積み、将来的には介護福祉士として、祖母のような高齢者を親身にサポートしていきたいと思います。」

自分の正直な気持ちを伝えながら、「働きたい」という意欲や熱意をアピールしましょう。

3. ニートの面接突破のカギは”緊張しないための事前準備”|面接対策を徹底しよう

ニートの面接で大切なのは、「緊張しないこと」です。緊張しない状態を作り出せれば、リラックスしながら、伝えたいことを頭の中で整理しながらしっかりと伝えられるからです。

逆に緊張した状態では、言葉に詰まったり、頭が真っ白になったり、声が震えてしまったりして、伝えたい内容を上手に伝えることが難しくなります。

職歴の空白期間を気にするあまり、自信のない振る舞いをしてしまっては、面接官にも自信のない印象を与えてしまうでしょう。当然、不採用になる可能性は高くなります。

やはりニート生活を送っていると、他人と接する機会が少ないため、人と会話することに抵抗を感じやすくなります。特に就職面接では、答えにくい質問をされることもあり、緊張状態に陥りやすいです。

そのため、事前に面接対策を徹底することが重要です。「想定される質問」や「それに対する回答」をあらかじめ考えたり、模擬面接を何回も行ったりすることで、面接に対する恐怖心や不安を解消しておきましょう。

面接対策は一人で行うのではなく、以下のようなサービスを活用するのがおすすめです。

3-1. わかものハローワーク

わかものハローワークは、正社員を目指す若者(おおむね35歳未満)を対象とした就職支援機関のこと。面接に関するセミナーや模擬面接を受けることができます。

また、面接対策以外にも、以下のようなサービスを受けられます。

  • 担当者制によるマンツーマンでの個別支援
  • 就職プランの作成、職業紹介
  • 正社員就職に向けたセミナーやグループワーク
  • 就職後の定着支援
  • 臨床心理士によるカウンセリング

どのように就職活動を進めればよいのか分からないニートの方も多いでしょう。わかものハローワークを利用すれば、担当者制の個別サポートを受けられるので、就活の進め方について手取り足取り教えてもらうことも可能です。

※通常のハローワークの場合は毎回違う担当者になりますが、わかものハローワークの場合はいつも同じ担当者に相談することができます。

→わかものハローワーク公式ページ

3-2. サポステ・ジョブカフェ

サポステ

サポステは、15歳~49歳の仕事をしていない方を対象とした、厚生労働省委託の就職支援機関のこと。正式名称は「地域若者サポートステーション」です。

→サポステ公式ページ

また、ジョブカフェは、15歳~34歳までを対象とした、各都道府県が設置する就職支援施設のこと。正式名称は「若年者のためのワンストップサービスセンター」です。

→ジョブカフェ公式ページ

サポステやジョブカフェでは、面接会場の入退場練習や模擬面接など、様々な面接対策を受けることができます。また、面接に関するセミナー・講座も豊富に用意されているので、積極的に活用しましょう。

さらに、面接対策以外にも、以下のようなサービスを受けられます。

  • 就職に関する相談
  • 職業紹介
  • 職場体験
  • 履歴書の指導
  • カウンセリング

就活に不安を感じているニートの方は、ぜひ利用してみてください。

3-3. 転職エージェント

転職エージェントは、求職者と求人企業を仲介してくれるような就職支援サービスのこと。面談やカウンセリングを行った後、就職のプロである専任アドバイザーが自分に適した求人を紹介してくれます。

もちろん、面接対策サービスも充実しています。「この企業ではこのような質問をされやすい」「このように回答すると面接官に好印象をもたれやすい」など、様々なアドバイスをくれるので、面接に対する恐怖心や不安が解消されるでしょう。

模擬面接を受けることもできます。自分の良かった点や悪かった点をフィードバックしてもらえる上に、本番と同様の緊張感を味わえるので、必ず受けておきましょう。

転職エージェントでは、困ったことがあればいつでも専任アドバイザーに相談することができます。さらに、企業側との条件交渉なども全てアドバイザーが行ってくれるので、安心して就職活動を進められるでしょう。

関連記事
ニート・無職からの就職に強い就職サイト・エージェントおすすめランキング

4. ニートの面接で意識すべき3つのポイント

この章では、「ニートの面接で意識すべきポイント」を3つ紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

4-1.誰よりも企業研究・業界研究をする

企業研究や業界研究を徹底することも大切です。

企業研究では、以下のような項目について入念にリサーチしておくと良いでしょう。

  • 企業理念
  • 事業内容
  • 設立年
  • 従業員数
  • 資本金

また、その企業が属する業界についてもしっかりと調べておきましょう。例えば、以下のような項目です。

  • 業界の概要
  • 業界の将来性
  • 業界における志望企業の位置付け
  • 業界他社と志望企業の違い

例えば、以下の2つの志望動機例を見てみましょう。

Aさん:
「介護職員としてお年寄りのサポートをしたいと思い、介護施設の求人を探していたところ、御社の求人を見つけ、応募させていただきました。」
Bさん:
「御社は介護業界でNo.3のシェアを誇っており、特に競合にはない「IT×介護」の独自サービスをいくつも展開されています。人材不足が叫ばれる中、業界に先駆けて新しいサービスを積極的に活用していく御社の姿勢に、将来性や魅力を感じました。御社の「まごころと優しさのこもったサービスの提供」という企業理念のもと、精一杯お年寄りのサポートをしていきたいと考えています。」

上記の2つの志望動機を比較すれば、Bさんの方が採用されやすいことは明白でしょう。より熱意が伝わりやすく、志望度が高いような印象を与えます。

このように、企業研究や業界研究をしっかりと行えば、志望動機や自己PRをより効果的なものにすることができます。

4-2.最低限の社会人マナーを守る

面接では、最低限の社会人マナーを守りましょう。

【初歩的な面接マナー】

  • 集合時間の5分、10分前に到着する。やむを得ず遅れる場合は必ず連絡を入れる
  • スマホの電源は切っておく
  • ドアをノックして、返事を聞いてから入室する
  • 挨拶をしっかりする
  • 背筋を伸ばして座る
  • 相手の目を見て話す

また、身だしなみにも気をつけてください。

特にニート生活が長くなってくると、身だしなみに気を遣わなくなる傾向があるので要注意です。

人の第一印象は、見た目に大きく左右されます。

  • 髪はボサボサになっていないか
  • 髭の剃り残しはないか
  • 服がしわしわになっていないか
  • シャツのボタンを閉め忘れていないか
  • ネクタイはズレていないか
  • 靴は汚れていないか

上記のような項目を事前にしっかりと確認し、「清潔感」を意識するようにしましょう。

4-3.「何を言うか」ではなく「どう言うか」を意識する

面接では、表情や姿勢などの非言語も意識するようにしましょう。

皆さんは、メラビアンの法則をご存知でしょうか。これは、コミュニケーションにおいて言語情報・聴覚情報・視覚情報に矛盾があったとき、聞き手は視覚情報を強く受け取るという法則です。

例えば、「楽しい」と言っているのに「暗い表情をしている」場合、聞き手側は、視覚情報(表情)を重点的に捉え、「楽しくないのでは?」と感じてしまうわけです。

それくらい、コミュニケーションにおいて表情や姿勢などの非言語は重要なのです。

もちろん話す内容も大切ですが、「視覚的にどう伝えるか」も意識してみてください。

特に意識したいのは、「視線」と「表情」です。

アイコンタクトをして面接官と視線を合わせることで、堂々とした自信のある雰囲気を作り出すことができます。熱意や誠意も感じてもらいやすくなるでしょう。

また、面接中はどうしても緊張により表情が乏しくなってしまいがちですが、暗くて元気のない印象を与えてしまうため、なるべく様々な表情を見せるようにしてください。真剣な表情や自然な笑顔を使い分けることで、面接官に好印象を与えましょう。

5. ニートの面接の体験談

以下のように、ニート生活が長くても面接に受かる人は多く存在します。

口コミ・評判

匿名 さん
面接の結果ですが、無事に合格しました‼️
おかげさまで2年6ヶ月にも及ぶ泥沼のニート生活から脱却する事が出来ました。
2021/9/24

出典:twitter

口コミ・評判

匿名 さん
面接も無事に受かってようやく4年ぶりのニートも卒業かぁ。私よく頑張った
2021/10/13

出典:twitter

ただし、当然ですが、全員が全員面接に合格できるわけではありません。残念ながら不採用になってしまうケースもあります。

口コミ・評判

匿名 さん
ニート歴3年オーバーの俺が面接行ったら余裕の不採用通知😱😱😱
ニートには折れる心すらねえんだよ
2021/10/13

出典:twitter

口コミ・評判

匿名 さん
面接落ちたのでまだニートを続けます(´・ω・`)
2021/9/21

出典:twitter

はじめのうちは緊張で上手く喋れないかもしれませんが、回数を重ねるごとに、徐々に面接にも慣れていくはずです。仮に不採用だったとしても、落ち込み過ぎず、次の面接に気持ちを切り替えましょう。

口コミ・評判

匿名 さん
自分もかなりのあがり症でしたが面接は慣れますよ!
最初の面接はボロボロでしたが(不安を煽るようですみません・・・)
面接は回を重ねるごとに目に見えて成長します
最初は玉砕覚悟で、あまり上手くいかなくても思い悩まずに
むしろそうやって気楽に行くことで最初の面接もなんだかんだ上手く行くかもしれませんしね
2019/3/14

出典:Yahoo!知恵袋

6. よくある質問

最後に、面接に関する疑問を、Q&A方式で簡単に解説します。

6-1. もしも圧迫面接を受けたら?

上述の通り、面接で怒られたり説教されたりすることは基本的にありません。しかし、ごく稀に、態度の悪い面接官が圧迫面接をしてくるケースがあります。

もしも圧迫面接に出くわした場合は、「はい。はい。」と受け流すことをおすすめします。

「あえて説教をすることでストレス耐性を試している」可能性もゼロではありませんが、「仕事が忙しくてイライラしているから説教をしている」可能性の方が高いです。

そのような面接官のいる会社は、十中八九ブラック企業なので、入社しない方がよいでしょう。

面接官と言い争っても仕方がないので、何を言われても受け流し、その企業のことは忘れましょう。

6-2. 服装はどうすればいい?

基本的にはスーツが望ましいです。

事前に「私服でお越しください」という連絡があった場合は、オフィスカジュアルな服装を選びましょう。例えば、シャツ・ジャケット・カーディガン・ブラウスなどです。

ジーンズやパーカーなどは面接にふさわしくないので、避けた方が無難です。

6-3. 面接会場には何分前に到着すべき?

集合時間の5分、10分前には到着するようにしましょう。

電車の遅延などによりやむを得ず遅れてしまう場合は、必ず電話を入れ、到着予想時刻を伝えてください。

ただし、30分前や1時間前に到着すると迷惑になってしまいます。そのため、あまりにも早く着きすぎるのはNGです。

8. まとめ

「空白期間があることを面接官に怒られるのではないか」「説教されたらどうしよう」と考えているニートの方もいるかもしれませんが、基本的に面接で空白期間について詰められることはないので、ご安心ください。嘘をつかず、誠実に対応していれば問題ありません。

もちろん志望動機やニートになった理由などを全く考えずに面接に臨めば、受け答えがスムーズにいかず、雰囲気が悪くなる可能性はあるでしょう。

ただし、しっかりと準備していれば、雰囲気が悪くなることはまずありません。面接官は、皆さんの素直な気持ちや考え方を知りたいだけです。過度に恐れることなく、できるだけリラックスした状態で面接に臨んでください。