2020年11月更新:有効求人倍率とは?コロナ後の推移をイラスト図解&グラフで解説

  • 有効求人倍率ってなんだっけ
  • コロナショック後の有効求人倍率を知りたい

と考えていませんか?

有効求人倍率は、「求職者1人あたりどのくらいの求人があるか」を示す値であり、2020年11月現在、厚生労働省が公開している最新情報は『1.04倍(2020年8月)』です。

令和2年8月の有効求人倍率は1.04倍で、前月に比べて0.04ポイント低下。(出典:厚生労働省(2020年11月公開情報)

また、今年の1月以降、コロナの影響で下降し続けているので、2020年11月時点の有効求人倍率は1を切っている可能性すらあります。

この記事では、有効求人倍率の詳しい計算方法や、景気との関係性、最新データの見方について詳しく解説していきます。

(目次)

  1. 有効求人倍率とは「求職者1人あたりどのくらいの求人があるか」を示す指標
  2. 【最新】有効求人倍率は1.04倍 | 東京など都市圏では既に1倍を下回っている
  3. 過去20年間の有効求人倍率推移で、もっとも大きな下落幅
  4. 有効求人倍率を読み解く際の注意点

すべて読めば、有効求人倍率をもとにした景気の市況感が分かるでしょう。

1.有効求人倍率とは「求職者1人あたりどのくらいの求人があるか」を示す指標

有効求人倍率は、「求職者1人あたりどのくらいの求人があるか」を示す指標です。

「求人の数(有効求人数)を仕事を探す人の数(有効求職者数)で割った値」と定義され、以下の計算方法で導き出されます。

例えば、100人が仕事を探していて、労働市場に120件の求人があると、有効求人倍率は1.2倍となります。

この場合、「求職者1人に対し、1.2件の仕事がある状態」を意味します。


有効求人倍率は、厚生労働省により取りまとめられ、毎月の月初めに発表されます。

用語解説

  • 有効求人数
    …ハローワーク(公共職業安定所)に企業が出している求人数。前月からの繰り越し求人数と当月の新規求人数の合計
  • 有効求職者
    …ハローワーク(公共職業安定所)に登録している求職者数。前月からの繰り越し求職者数と当月の新規求職者数の合計

有効求人倍率は景気と連動して上下する

労働・転職市場の動きは、景気とほぼ連動するため、有効求人倍率は景気と連動して上下します。

そのため、景気の良し悪しを把握する指標として用いられることが多いです。

  • 景気が良くなると、有効求人倍率は高くなる
    …企業が事業拡大などを目的として、人材を募集するようになるため
  • 景気が悪くなると、有効求人倍率は低くなる
    …人件費を抑えるため企業が採用活動を控える一方、倒産や失業により転職市場に求職者が増えるため

特に、有効求人倍率が1倍を下回った場合、「就職難の状態にある」と言えます。

求人の数よりも仕事を探す人の方が多くなってしまうため、「仕事が見つからない」という人も現れるようになります。

2.【最新】有効求人倍率は1.04倍 | 東京など都市圏では既に1倍を下回っている

2020年8月時点の有効求人倍率は、1.04倍です。

有効求人倍率は、2019年の12月以降、毎月下降を続けています。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う市況の悪化を、顕著に示していることがわかります。

参考:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和2年8月分)について』

なお、前年(2019年)の8月は1.59と高い水準を示していました。

このことからも、直近1年の間で、景気が大きく減退したことがわかるでしょう。

都道府県別:有効求人倍率1倍を下回っている地域も多い

2020年8月時点の有効求人倍率を、都道府県別にみてみると、以下の通りです。

東京・大阪・福岡などの都市圏では、有効求人倍率が既に1倍を下回っています。

北海道
青森県
岩手県
宮城県
秋田県
0.99
0.99
1.07
1.13
1.30
山形県
福島県
茨城県
栃木県
群馬県
1.12
1.31
1.27
1.03
1.18
埼玉県
千葉県
東京都
神奈川県
新潟県
0.96
1.00
0.91
0.88
1.11
富山県
石川県
福井県
山梨県
長野県
1.28
1.06
1.51
1.00
1.04
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
滋賀県
1.25
0.95
1.01
1.14
0.98
京都府
大阪府
兵庫県
奈良県
和歌山県
1.00
0.95
0.97
1.25
1.03
鳥取県
島根県
岡山県
広島県
山口県
1.29
1.43
1.44
1.16
1.35
徳島県
香川県
愛媛県
高知県
1.15
1.35
1.33
0.98
福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
鹿児島県
沖縄県
0.92
1.19
1.01
1.22
1.16
1.23
1.15
0.74

参考:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和2年8月分)について』

有効求人倍率がもっとも低い地域は沖縄県で0.74、もっとも高い地域でも秋田県で1.30にとどまりました。

なお、昨年同月(2019年8月時点)では、およそ38の都道府県で有効求人倍率1.5倍を上回っていましたが、2020年8月時点では同水準に達している県は一つもありません。

このことから、全国的に景気が後退していると言えるでしょう。

3.過去20年間の有効求人倍率推移で、もっとも大きな下落幅

過去20年間の有効求人倍率の推移をグラフにまとめました。

年単位でみてみると、コロナショックによって有効求人倍率は過去20年間でもっとも勢いよく下落していることが分かります。

出典:e-stat『一般職業紹介状況(職業安定業務統計)』

なお、リーマンショック時の有効求人倍率は、2008年から2009年で「0.88→0.47(マイナス0.41)」まで下落しました。

現状、今回のコロナショックは、リーマンショック時の水準にまでは落ちていません。

しかし、前年比マイナス0.62と、リーマンショック時よりも急落していることから、景気への影響もその分大きいと考えられます。

関連記事

今回のコロナショックは、転職市場にも大きな影響を与えています。詳しくは『【随時更新】コロナが転職活動に与える10の影響とは?| プロの目線で徹底解説』で解説していますので、転職を検討している方はぜひ参考にしてください。

3-1.リーマンショック時は景気回復まで4年かかった

リーマンショックが起きた2009年は、企業の倒産が相次ぎ、有効求人倍率は1倍を割り込みました。

その後、この有効求人倍率が1倍を超えたのは2013年、景気回復と言えるまでに4年もの歳月がかかったのです。

3-2.リーマンショック時以上に不況が長引く可能性もある

コロナショックは、リーマンショック時以上に不況が長引く可能性もあります。

リーマンショックはお金の流通が滞ることで、徐々に景気に影響を与えていましたが、今回のコロナショックは、あらゆる業界へ一気に打撃をもたらしているためです。

経済へのダメージは、リーマンショック以上のものになることも予想されます。

GoToトラベルキャンペーンなど、様々な経済施策により、景気減退に歯止めがかかる可能性はありますが、有効求人倍率が右肩上がりに戻るまでは、数年を要することになるでしょう。

4.有効求人倍率を読み解く際の注意点

有効求人倍率を読み解く際の注意点は、以下の通りです。

  1. 有効求人倍率は季節調整値を見る
  2. 新規求人倍率と有効求人倍率の違いを知っておく
  3. 求人サイトの情報は含まれていない

それぞれ詳しく解説します。

4-1.有効求人倍率は季節調整値を見る

有効求人倍率から景気動向を読み取る際には、実数値ではなく「季節調整値」を参照してください。

季節調整値とは、月による稼働日数や祝日の違いなど、季節による影響を除いて算出した値のことです。

これにより前月・前年とのより正確な比較が可能になります。

4-2.新規求人倍率と有効求人倍率の違いを知っておく

求人倍率は、厳密にいうと「有効求人倍率」と「新規求人倍率」の2種類の指標が存在します。

有効求人倍率と新規求人倍率の違い

  • 有効求人倍率
    …前月から繰り越された求人数と求職者数に、当月に受け付けた求人数と求職者数を加えて算出する
  • 新規求人倍率
    …「当月に新しく受け付けた求人数と求職者数」をもとに算出する

新規求人倍率の方がより直近情報ではあるものの、景気指標としては「有効求人倍率」が用いられるのが一般的です。

これは有効求人倍率が、景気動向指数の一致系列(景気に連動して反応する指標)に採用されているためです。

4-3.求人サイトの情報は含まれていない

有効求人倍率は、転職求人サイトなどに掲載されている情報は含まれていません。

ハローワークで扱う求人・求職者数をもとに算出されるためです。

そのため、仕事の探しやすさを見極める際には、あくまで目安の値であると考えておくべきでしょう。

さいごに

有効求人倍率の見方や最新のデータを紹介しました。

有効求人倍率は、景気や労働市場の動きをリアルに反映する値です。

「転職を考えている」「景気の先行きが不安」という方は、最新の有効求人倍率をチェックしておきましょう。