2021年3月更新:有効求人倍率とは?コロナ後の推移をイラスト図解&グラフで解説

  • 有効求人倍率ってなんだっけ
  • コロナショック後の有効求人倍率を知りたい

と考えていませんか?

有効求人倍率は、「求職者1人あたりどのくらいの求人があるか」を示す値であり、2021年5月現在、厚生労働省が公開している最新情報は『1.09倍(2021年2月時点)』です。

令和3年2月の有効求人倍率は1.09倍で、前月に比べて0.01ポイント低下。。

出典:厚生労働省(2021年3月公開情報)

下落傾向には歯止めがかかっているものの、回復はしておらず、依然として低迷状態にあるというのが現状です。

この記事では、有効求人倍率の詳しい計算方法や、景気との関係性、最新データの見方について詳しく解説していきます。

  1. 有効求人倍率とは「求職者1人あたりどのくらいの求人があるか」を示す指標
  2. 【最新】有効求人倍率は1.09倍
  3. 過去20年間の有効求人倍率推移で、もっとも大きな下落幅
  4. 有効求人倍率を読み解く際の注意点

すべて読めば、有効求人倍率をもとにした景気の市況感が分かるでしょう。

1.有効求人倍率とは「求職者1人あたりどのくらいの求人があるか」を示す指標

有効求人倍率は、「求職者1人あたりどのくらいの求人があるか」を示す指標です。

「求人の数(有効求人数)を仕事を探す人の数(有効求職者数)で割った値」と定義され、以下の計算方法で導き出されます。

例えば、100人が仕事を探していて、労働市場に120件の求人があると、有効求人倍率は1.2倍となります。

この場合、「求職者1人に対し、1.2件の仕事がある状態」を意味します。


有効求人倍率は、厚生労働省により取りまとめられ、毎月の月初めに発表されます。

用語解説

  • 有効求人数
    …ハローワーク(公共職業安定所)に企業が出している求人数。前月からの繰り越し求人数と当月の新規求人数の合計
  • 有効求職者
    …ハローワーク(公共職業安定所)に登録している求職者数。前月からの繰り越し求職者数と当月の新規求職者数の合計

有効求人倍率は景気と連動して上下する

労働・転職市場の動きは、景気とほぼ連動するため、有効求人倍率は景気と連動して上下します。

そのため、景気の良し悪しを把握する指標として用いられることが多いです。

  • 景気が良くなると、有効求人倍率は高くなる
    …企業が事業拡大などを目的として、人材を募集するようになるため
  • 景気が悪くなると、有効求人倍率は低くなる
    …人件費を抑えるため企業が採用活動を控える一方、倒産や失業により転職市場に求職者が増えるため

特に、有効求人倍率が1倍を下回った場合、「就職難の状態にある」と言えます。

求人の数よりも仕事を探す人の方が多くなってしまうため、「仕事が見つからない」という人も現れるようになります。

2.【最新】有効求人倍率は1.09倍

2021年2月時点の有効求人倍率は、1.09倍です。

有効求人倍率は、2019年の12月以降、下落を続け、現在は低迷状態にあります。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う市況の悪化を、顕著に示していることがわかります。

新型コロナウイルスの影響がない2020年1月は1.5倍を超えていましたが、現状では1倍をようやく上回る程度にまで下がっています。

このことからも、直近1年の間で、景気が大きく減退したことがわかるでしょう。

都道府県別:有効求人倍率1倍を下回っている地域も多い

2020年10月時点の有効求人倍率を、都道府県別にみてみると、以下の通りです。

※1倍を下回る(人手余り)県は太字

北海道1.01
青森県0.96
岩手県1.07
宮城県1.22
秋田県1.31
山形県1.15
福島県1.21
茨城県1.26
栃木県1.06
群馬県1.16
埼玉県0.88
千葉県0.85
東京都1.23
神奈川県0.75
新潟県1.28
富山県1.24
石川県1.22
福井県1.57
山梨県0.99
長野県1.17
岐阜県1.37
静岡県0.98
愛知県1.03
三重県1.1
滋賀県0.86
京都府0.97
大阪府1.16
兵庫県0.95
奈良県1.06
和歌山県1
鳥取県1.22
島根県1.35
岡山県1.41
広島県1.2
山口県1.26
徳島県1.1
香川県1.37
愛媛県1.19
高知県1.06
福岡県1.01
佐賀県1.07
長崎県0.98
熊本県1.17
大分県1.07
宮崎県1.21
鹿児島県1.11
沖縄県0.71

参考:労働政策研究・研修機構

有効求人倍率がもっとも低い地域は沖縄県で0.71、もっとも高い地域でも福井県で1.57にとどまりました。

参考までに、2019年の夏ごろは、およそ38の都道府県で有効求人倍率1.5倍を上回っていましたが、現時点同水準に達している県は福井県しかありません。

このことから、全国的に景気が後退していると言えるでしょう。

3.過去20年間の有効求人倍率推移で、もっとも大きな下落幅

過去20年間の有効求人倍率の推移をグラフにまとめました。

年単位でみてみると、コロナショックによって有効求人倍率は過去20年間でもっとも勢いよく下落していることが分かります。

出典:e-stat『一般職業紹介状況(職業安定業務統計)』

なお、リーマンショック時の有効求人倍率は、2008年から2009年で「0.88→0.47(マイナス0.41)」まで下落しました。

現状、今回のコロナショックは、リーマンショック時の水準にまでは落ちていません。

しかし、前年比マイナス0.62と、リーマンショック時よりも急落していることから、景気への影響もその分大きいと考えられます。

3-1.リーマンショック時は景気回復まで4年かかった

リーマンショックが起きた2009年は、企業の倒産が相次ぎ、有効求人倍率は1倍を割り込みました。

その後、この有効求人倍率が1倍を超えたのは2013年、景気回復と言えるまでに4年もの歳月がかかったのです。

3-2.リーマンショック時以上に不況が長引く可能性もある

コロナショックは、リーマンショック時以上に不況が長引く可能性もあります。

リーマンショックはお金の流通が滞ることで、徐々に景気に影響を与えていましたが、今回のコロナショックは、あらゆる業界へ一気に打撃をもたらしているためです。

経済へのダメージは、リーマンショック以上のものになることも予想されます。

GoToトラベルキャンペーンなど、様々な経済施策により、景気減退に歯止めがかかる可能性はありますが、有効求人倍率が右肩上がりに戻るまでは、数年を要することになるでしょう。

4.有効求人倍率を読み解く際の注意点

有効求人倍率を読み解く際の注意点は、以下の通りです。

  1. 有効求人倍率は季節調整値を見る
  2. 新規求人倍率と有効求人倍率の違いを知っておく
  3. 求人サイトの情報は含まれていない

それぞれ詳しく解説します。

4-1.有効求人倍率は季節調整値を見る

有効求人倍率から景気動向を読み取る際には、実数値ではなく「季節調整値」を参照してください。

季節調整値とは、月による稼働日数や祝日の違いなど、季節による影響を除いて算出した値のことです。

これにより前月・前年とのより正確な比較が可能になります。

4-2.新規求人倍率と有効求人倍率の違いを知っておく

求人倍率は、厳密にいうと「有効求人倍率」と「新規求人倍率」の2種類の指標が存在します。

有効求人倍率と新規求人倍率の違い

  • 有効求人倍率
    …前月から繰り越された求人数と求職者数に、当月に受け付けた求人数と求職者数を加えて算出する
  • 新規求人倍率
    …「当月に新しく受け付けた求人数と求職者数」をもとに算出する

新規求人倍率の方がより直近情報ではあるものの、景気指標としては「有効求人倍率」が用いられるのが一般的です。

これは有効求人倍率が、景気動向指数の一致系列(景気に連動して反応する指標)に採用されているためです。

4-3.求人サイトの情報は含まれていない

有効求人倍率は、転職求人サイトなどに掲載されている情報は含まれていません。

ハローワークで扱う求人・求職者数をもとに算出されるためです。

そのため、仕事の探しやすさを見極める際には、あくまで目安の値であると考えておくべきでしょう。

さいごに

有効求人倍率の見方や最新のデータを紹介しました。

有効求人倍率は、景気や労働市場の動きをリアルに反映する値です。

「転職を考えている」「景気の先行きが不安」という方は、最新の有効求人倍率をチェックしておきましょう。