大阪市役所への転職を成功させる全知識|キャリアのプロが解説

転職 大阪市役所

大阪市役所に転職したい」「採用されるのは難しい?」とお考えですね。

大阪市役所の採用ハードルは高めと言えます。大阪市職員の採用試験実施状況を見てみると、試験区分によって異なりますが、合格の倍率は数倍から数十倍になっています。

安定的に働くことができるということもあり、やはり人気が高いようです。

転職を成功させるには、入念な情報収集を行い、「どういった人材を求めているのか」をしっかり把握し、入念に対策を練る必要があります。

そこでこの記事では、キャリアコンサルタントとして数多くの転職をアドバイスしてきた私が、大阪市役所への転職にあたり知っておくべき知識を解説します。

  1. リアルな働き方
  2. 採用情報
  3. 職場情報

すべて読めば、大阪市役所への転職の第一歩を踏み出せるでしょう。

1.大阪市役所のリアルな働き方

年収
【 3.0/ 5 】
福利厚生
【 3.7 / 5 】
職員の平均年収は行政職635万円以上!基本的に年功給で、役職に応じた昇給がなされる。年休の完全消化を推奨する文化がある。出産・育児休暇が取りやすいことも魅力。
評価制度
【 2.7/ 5 】
やりがい・成長
【 2.9/ 5 】
部署により雰囲気が異なるが年功序列主義で、基本的には年齢でポストが決まる。「当たり前」を作り、維持し続けることが仕事。市民生活の基盤を支えていると感じている人が多数。
雰囲気・働きやすさ
【 3.1 / 5 】
将来性
【 3.2 / 5 】
昭和風な体育会系の風潮が強く、協調性が求められる。配属部署によって業務量が異なる。市役所の規模としては日本でもトップクラスで安定感がある。事業の展望は政治に左右される。

openwork / Lighthouse / 転職会議の評価をもとに算出

大阪市役所で求められる人物像

  • 主体的に意見やアイデアを提案し、行動できる
  • 仲間と一緒に成長しようという思いで業務に取り組む
  • 市民や事業者に対して丁寧かつ公正・公平、誠実な対応をする
  • 市民や周りの職員とのコミュニケーションを大事にする
  • 高い志と責任感を持ち、チャレンジ精神を持って業務に取り組む

本章では大阪市役所のリアルな働き方について詳しく解説します。

1-1.年収

大阪市役所の平均年収は行政職635万円・技能労務職554万円で、世間一般の大企業と比べても遜色ないと言えます。(出典:大阪市役所

大阪市ホームページで公開されている「大阪市職員のモデル年収」は以下の通りです。

モデル年収

  • 行政職 26歳(係員)
    月収20.9万円(地域手当含む)×12+「期末・勤勉手当」=年収345万円
  • 行政職 46歳(係長)
    月収40.9万円 (地域手当含む)×12+「期末・勤勉手当」=年収692万円

    ※詳しいモデル年収は大阪市ホームページで公開されています

1-2.福利厚生

大阪市役所は、柔軟な働き方の実現や職場実態に応じた働きやすい環境整備による
ワーク・ライフ・バランスを推進しています。(出典:大阪市

残業代はしっかり支給され、福利厚生も十分に完備されています。

また、産休や育休を取得しやすいという声が多数です。

1-3.評価制度

年に一度、号級表に基づいて昇給額が決まります。

評価制度は年功序列で定量評価にはなりにくいですが、毎年安定して昇給していくという特徴があります。

1-4. やりがい・成長

大阪市役所は、職員数3万6千人を超える巨大組織のため、配属される部署によって雰囲気や実感するやりがいも様々なようです。

市民生活の基盤を支えているという点で、やりがいを感じている人が多数です。

大きなプロジェクトにかかわった時や、幅広い経験を積むことができた時に成長を感じたという声も目立ちます。

数字を指標として評価が決定される人事評価(定量評価)の側面が薄いため、自分でモチベーションを維持し、やりがいを見つけている人が多いようです。

1-5. 雰囲気・働きやすさ

市民からの目線を意識して業務に携わることもあり、保守的な風土があるものの、職員同士は結束力が強く、働きやすいという声が多くあります。

また、穏やかな人も多く、コミュニケーションが取りやすいという声も目立ちます。

女性社員が多く、男女関係なく活躍できる環境で、産休育休も取得しやすいようです。

口コミなどを見る限り、大阪市役所の平均残業時間は【20~30時間程度】で、規模の大きい地方自治体としては標準的と言えます。

部署や時期によっては終電近くまで残業することもありますが、近年では残業を抑制する動きがあり、ワークライフバランスは調整しやすいという声が多数でした。

1-6.将来性

大阪市役所は官公庁であり、安定性があるという点では将来性が期待できます。

令和2年度大阪市一般会計等決算見込を見ると、歳入が2兆487億円に対し、歳出が2兆208億円で130億円剰余となり、実質収支は32年連続の黒字となっています。

また、市債残高については、全会計の5.4%にあたる1,800億円を減らし、16年連続のマイナスとなりました。

令和3年2月版の版財政収支概算では、試算期間の終盤には収支が悪化する見込みであり、財政状況は決して楽観視できるものではないことから、引き続き市政改革に取り組むことなどにより、持続可能な財政構造を構築する必要があるという状況のようです。(出典:大阪市

2.大阪市役所の採用情報

本章では、大阪市役所の採用・求人に関する情報をまとめました。

大阪市役所

出典:大阪市

2-1.中途採用での募集職種

大阪市役所の職員は、例年春から夏にかけて募集要項が発表されます。(出典:大阪市

主な採用区分と職種は以下の通りです。

採用区分主な職務主な配属先
事務職員一般行政事務(所管事業に関する企画・立案業務など)区役所、市長部局、各行政委員会事務局など
技術職員土木、建築、機械、電気、化学、造園都市計画局、建設力、港湾局、都市整備局、環境局、建設局など
福祉職員・社会福祉事業の企画・立案及びケースワークなど
・社会福祉施設等で、生活相談や就労支援など
区役所、福祉局、こども青少年局など
消防吏員消防、警防業務消防局、消防署
学校事務文書や公金の管理、給与業務など大阪市立の小・中学校や高校など
司書書籍の管理やカウンター業務大阪市立図書館など
保育士保育士業務市立保育所、こども相談センターなど

事務職員については、職務経験は不問で、年齢(長期勤続を前提としているため18〜34歳まで)によって「事務行政18〜21」「事務行政22〜25」「事務行政26〜34」と採用区分が異なります。

また、大阪市の幹部職員として、所属長(局長)や区長の公募は随時行われることもあります。

その場合、大阪市ホームページの幹部職員の公募というページに公募内容が掲載されます。

2-2.求められる人材

大阪市役所では、以下の条件に該当する人材を採用したいと考えているようです。

大阪市役所で求められる人物像

  • 主体的に意見やアイデアを提案し、行動できる
  • 仲間と一緒に成長しようという思いで業務に取り組む
  • 市民や事業者に対して丁寧かつ公正・公平、誠実な対応をする
  • 市民や周りの職員とのコミュニケーションを大事にする
  • 高い志と責任感を持ち、チャレンジ精神を持って業務に取り組む

また、大阪市役所のホームページでは、採用したい人材について、次のようなメッセージを掲載しています。

Q.大阪市ではどのような人材を求めていますか。

A.「高い志を持ち、多様な価値観を理解し、チャレンジ精神あふれる自律的な人材」

大阪市では、改革マインドを持って新しいことにチャレンジする人材を求めています。
職員となって、住民の皆さんのさまざまな意見を伺い、自ら考え、改革に向けチャレンジする方に受験していただきたいと考えています。

引用元:大阪市

市民生活を支えるための業務を遂行するにあたり、高い志を持ち、かつ改革マインドのある人物を採用したいと考えているようです。

3.大阪市役所の職場情報

大阪市役所は、大阪市の市政を担う地方自治体で、約270万人の市民の生活を支えています。

市役所の規模としては日本でもトップクラスで、一般会計だけでも2兆円近くで、職員数は約3.6万人にもおよびます。

出典:大阪市

3-1.事業内容

大阪市の運営に関する重要な内容(条例の制定・改廃、予算、決算など)は、「議会」で議論・決定され、以下の通り、分野ごとに所管組織が運営にあたっています。

分野所管
政策、財政政策企画室、経済戦略局、財政局、総務局、IR推進局
社会インフラ系都市計画局、都市交通局、建設局、港湾局、水道局、消防局
市民向けサービス系市民局、福祉局、健康局、こども青少年局
その他教育委員会、選挙管理委員会など

大阪市長の施政方針では、大きな方向性として『豊かな大阪をめざした政策推進』『市民の暮らしの満足度向上をめざした市政改革』『新たな自治の仕組みの構築』を挙げています。(出典:大阪市

少子高齢化が進む中で、特に子育てや子供の教育など現役世代への重点投資により、活気ある街づくりを推進すると共に、東京に並ぶような大都市への成長に向けて推進しています。

また、厳しい財政状況の中で、職員のボーナス引き下げ実施や無駄な支出削減などを通じて、財政の健全化にも取り組んでいます。

3-2.自治体概要

大阪市役所の自治体概要を以下にまとめました。

概要
所在地大阪府大阪市北区中之島1-3-20
代表者市長 松井 一郎
設置1889年
予算一般会計: 1兆8,301億円
特別会計: 1兆7,097億円(2021年度)
職員数36,117名(2021年4月時点)
事業内容地方自治体として大阪市の行政

さいごに

大阪市役所での働き方や転職について紹介しました。

大阪市役所への転職はやりがい・自己成長・安定性などの面でメリットが大きいですが、組織規模が大きく、配属される部署によって雰囲気や労働環境が大きく異なる点に注意しておきましょう。

転職成功のポイントは、徹底した事前準備にあります。

あなたが最高の転職をできることを陰ながら祈っております。