東京都庁への転職を成功させる全知識|キャリアのプロが解説

東京都庁に転職したい」「採用されるのは難しい?」とお考えですね。

中途採用は毎年行われているものの、東京都庁の採用ハードルは高めと言えます。

東京都職員の採用試験実施状況を見てみると、試験区分によって異なりますが、合格の倍率は、Ⅰ類A採用が7倍、Ⅰ類B採用が6倍、Ⅱ類採用が13倍となっています。

安定的に働くことができるということもあり、やはり人気が高いようです。

転職を成功させるには、入念な情報収集を行い、「どういった人材を求めているのか」をしっかり把握し、入念に対策を練る必要があります。

そこでこの記事では、キャリアコンサルタントとして数多くの転職をアドバイスしてきた私が、東京都庁への転職にあたり知っておくべき知識を解説します。

  1. リアルな働き方
  2. 採用情報
  3. 自治体情報

すべて読めば、東京都庁への転職の第一歩を踏み出せるでしょう。

1.東京都庁のリアルな働き方

年収
【 3.1/ 5 】
福利厚生
【-】
行政職の平均年収は752万円以上!上司の評価で昇給幅が変わるが、基本的には年功序列。
評価制度
【2.7/ 5 】
やりがい・成長
【3.0 / 5 】
人事評価は所属長が行う。選考試験を受験し合格すると昇任する。首都を支えているという実感や、大きなプロジェクトに携わることでの達成感を得ている人が多数。
雰囲気・働きやすさ
【 2.8/ 5 】
将来性
【 3.2/ 5 】
官公庁特有の保守的な文化。規模が大きい組織のため、人間関係・風通し・残業の多さは部署次第。東京の発展と連動しており、東京が成長する限り事業が減ることはない。高齢化社会への対応など課題はある。

openwork / Lighthouse / 転職会議の評価をもとに算出。福利厚生については有効回答なし。

東京都庁で求められる人物像

  • 高い志と豊かな感性を持った人材
  • 進取の気性に富み、自ら課題を見つけ、進んで行動する力を持った人材
  • 都民から信頼され、協力して仕事を進める力を持った人材
  • 困難な状況に立ち向かい、自ら道を切り拓く力を持った人材

本章では東京都庁のリアルな働き方について詳しく解説します。

1-1.年収

東京都庁の一般行政職平均年収は752万円で、世間一般の大企業とほぼ同程度の印象です。

また、口コミによる転職時の平均年収は、平均年齢が若いこともあり職員平均を下回っています。

東京都のホームページで公開されている「東京都職員のモデル年収」は以下の通りです。

※詳しいモデル年収は東京都ホームページで公開されています

東京都職員のモデル年収

  • 一般行政職(平均年齢:41.9歳):月収46.3万円×12+「期末・勤勉手当」=年収752万円
  • 警察職(平均年齢:39.4歳):月収49.8万円×12+「期末・勤勉手当」=年収824万円
  • 高等学校教育職(平均年齢:44.2歳):月収45.8万円×12+「期末・勤勉手当」=年収758万円
  • 技能労務職(平均年齢:50.4歳):月収39.3万円×12+「期末・勤勉手当」=年収651万円

毎年定期昇給があり、上司の評価によって昇給幅が変わるものの、その幅は大きくないという声が多数です。

基本的には年功序列のため、大幅な年収アップのためには選考試験に合格し、昇任することが必須となります。

1-2.福利厚生

東京都庁は、公務能率の向上やライフ・ワーク・バランスの実現等、職員が安心して職務に専念できるよう勤務条件の充実を図っています。(出典:東京都

給料のほか、家族の状況や仕事の実績、性質により、下記の手当が支給される場合があります。

東京都職員に支給される手当(状況により異なる)

  • 扶養手当
  • 住居手当
  • 通勤手当
  • 超過勤務手当や休日給
  • 特殊勤務手当

また、休暇制度は下記の通りです。

東京都の休暇制度

  • 年次有給休暇
    …1年間に20日(4月1日採用の場合は15日)
  • 妊娠・出産を支援する休暇
    …妊娠出産休暇、出産支援休暇ほか
  • 仕事と育児・介護の両立を支援する休暇
    …育児参加休暇、介護休暇、短期の介護休暇ほか
  • 慶弔休暇
  • 夏季休暇

激務の部署で働く場合は年次休暇を取得しにくいという声もありますが、基本的には休暇を取りやすく、ライフ・ワーク・バランスは良いという声が多数です。

また、東京都庁の平均残業時間は、20~30時間程度ですが、残業代はしっかり支給されます。

このような取り組みにより、職員が健康で安定的に勤務できる職場作りを目指しているようです。

1-3.評価制度

東京都庁は、職員の能力と意欲を引き出し、その成果に応える制度を用意しています。(出典:東京都

●主任選考

Ⅰ類A採用は3年目、Ⅰ類B採用は5年目、Ⅱ類採用は7年目、Ⅲ類採用は9年目から、主任選考を受験することができます。

出典:東京都

●管理職選考

管理職にチャレンジする機会は若手にも開かれており、職員の能力や経験に応じた多様な昇任ルートがあります。

出典:東京都

●各専門職選考

「行政」「研究」「医療福祉」「法務」など、特定の分野におけるスペシャリストを管理職として選抜する専門選考を実施しています。

出典:東京都

また、東京都のホームページを見ると、下記のように評価制度が設けられています。

評価制度

  • 昇給・手当(職員のあげた成果が給与等にも反映される)
    …職員が仕事を通じてあげた成果や職務遂行力、取組姿勢等を上司が評価する「業績評価制度」を導入しており、毎年1回実施しています。
    業績評価は昇給や勤勉手当等、様々な形で活用されており、給与面でも職員のやる気や成果に応えることに努めています。
  • 人事異動(職員の積極性・能力が人事異動にも活かされる)
    …職務経験を通じた人材育成(OJT)に努めており、職員は定期的な人事異動を通じて、様々な職務経験を積むこととなります。
    そのため自己申告制度や庁内公募制人事を設け、職務や異動について本人の積極性を重視し、適性や能力を引き出すことに努めています。
  • 人事考課(能力・業績主義の根幹をなす人事考課制度の実施)
    …職員一人ひとりの能力を最大限に活かし、努力し成果をあげた職員が報われる人事考課制度を一層推進するため、「業績評価制度」や「自己申告制度」等を内容とする人事考課制度を実施しており、昇任選考、昇給、人事異動、人材育成等に活用しています。

1-4. やりがい・成長

日本の首都東京を支える仕事に誇りを持っているという声が一番多く見受けられます。

また、東京都は予算規模が国内で最大の地方自治体で、大きなプロジェクトが多数あり、それらの事業に携わることで達成感を感じている人も多いようです。

窓口業務の場合は、都民からの厳しい声を耳にすることもある中で、感謝の言葉を直接聞くことで達成感を得られるという声が目立ちました。

そのほか、数年に一度異動があり、本庁から出先機関まで、広く浅く様々な経験をすることで自己成長を実感しているという人も多くいます。

1-5. 雰囲気・働きやすさ

本庁は仕事量が多くスピード感も求められるのに対して、現場事務所ではアットホーム感があり比較的のびのびした雰囲気という声もありました。

全体としては組織としてしっかりしていて真面目な人も多い印象でした。

また、公務員ということもあり、小さな意思決定にも何人もの管理職のハンコが必要で、社内手続に時間がかかるという声は多くあります。

加えて、縦割り組織で規模も大きいため、風通しはよくないという声が目立つほか、職場の雰囲気は部署によって大きく異なるという声も目立ちました。

1-6.将来性

東京都の一般会計や歳入の概要を見る限り、将来性は期待できると言えます。

東京都の2021年(令和3年)予算の全体像は、財政規模が前年度対比1.0%増の7兆4,250億円で、一般歳出は前年度対比1.4%増の5兆6,122億円、都税収入は前年度対比7.3%減の5兆450億円でした。

出典:東京都

都債発行額は5,876億円で、起債依存度は7.9%ですが、国や他の地方自治体と比べて健全な水準を維持することができています。

出典:東京都

予算を重点配分している項目は、下記のように時代のニーズや将来性を考慮したものとなっています。

予算を重点配分している項目

  • 未来を切り拓く戦略的な取組
  • 社会経済の早期回復に向けた取組
  • コロナ禍で浮き彫りになった課題への対応

出典:東京都

東京版ニューディール「TVA(Tokyo Value-up Action)作戦」では、コロナ禍で困難に直面する人々のため、2万人分の雇用創出を目指し、プロジェクトを展開しました。

出典:東京都

東京都は、2021年3月に策定した「『未来の東京』戦略」において、122の「推進プロジェクト」などを掲げ、「成長」と「成熟」が両立した持続可能な都市を創り上げることを目指して歩みを進めており、今後も安定的かつ戦略的に事業展開していくことが予想されます。

2.東京都庁の採用情報

東京都庁の中途採用では、東京以外の地方公務員からの転職はもちろん、「民間企業の経験者」も業界を問わず広く受け入れています(東京都HPでは「民間企業からの転職者インタビュー」も見ることができます)

出典:東京都

本章では、東京都庁の採用・求人に関する情報をまとめました。

2-1.中途採用での募集職種

東京都庁の採用HPで紹介されている採用職種は、以下の通りです。

採用区分採用職種
事務事務(東京都の行政全般における、運営管理業務など)
技術土木、建築、機械、電気
専門的な職種環境検査、林業、畜産、水産、造園、心理、福祉、衛生監視、薬剤、栄養士、獣医、司書など
その他の専門職種・福祉保健局:保健師、福祉技術など
・病院経営本部:看護師、助産師、臨床検査、診療放射線など
・産業労働局:職業訓練、農業技術など

また、東京都庁で働くためには、まず採用試験を受ける必要があり、その後面接に進みます。

採用区分ごとに試験は異なりますが、一般教養に加えて、法律や経済などの専門科目などが必須の場合もあります。

なお、試験・選考の詳細が気になる人は「東京都採用HP」で確認することができます。

2-2.求められる人材

東京都庁の採用HPでは、新卒・中途向けに『あなたの“想い”で新しい東京を』とメッセージしています。

出典:東京都

また、求める人物像」として以下4つを挙げています

東京都庁で求められる人物像

  • 高い志と豊かな感性を持った人材
  • 進取の気性に富み、自ら課題を見つけ、進んで行動する力を持った人材
  • 都民から信頼され、協力して仕事を進める力を持った人材
  • 困難な状況に立ち向かい、自ら道を切り拓く力を持った人材

上のように、東京都庁の職員は誰もが住みやすく、働きやすい都市の実現に向けて、「高い志」や「主体的な行動力」を兼ね備えた人材が求められています。

そのため、中途採用においては、上記を満たす人材であることはもちろん、前職までの経験を活かして、都民の生活や東京の経済などに貢献できる「即戦力」であることもしっかりアピールできると良いでしょう。

3.東京都庁の自治体情報

東京都庁は、1943年に設立された東京の行政を担う地方自治体です。約1,400万人の都民の暮らしを支えている他、一般行政職だけでも2万人の職員を抱える巨大な組織です。

出典:東京都

3-1.事業内容

東京都の運営に関する重要な内容(条例の制定・改廃、予算、決算など)は、「議会」で議論・決定されます。そして、行政の分野ごとに以下の所管組織が運営にあたっています。

分野所轄
福祉・保険医療福祉保健局、病院経営本部
産業・労働・経済産業労働局、中央卸売市場、労働委員会事務局
環境環境局、水道局、下水道局
教育・文化教育庁、生活文化局、オリンピック・パラリンピック準備局
都市づくり都市整備局、建設局、港湾局、交通局、収用委員会事務局
財政・税務財務局、主税局、会計管理局
その他政策企画局、都民安全推進本部、総務局、選挙管理委員会、人事委員会事務局、監査事務局、議会局

出典:東京都

東京都が2021年8月に発表した「『未来の東京』の実現に向けた重点政策方針2021」では、下記の3段階の枠組みを掲げています。

「未来の東京」戦略の全体像

  • 2040年代を念頭に、目指す「未来の東京」の姿として20の「ビジョン」を提示
  • 「ビジョン」の実現に向け、2030年に向けて取り組むべき「20+1の戦略」を提示
  • 戦略実行のために122の「推進プロジェクト」を組成

出典:東京都

東京都は、2021年度~2123年度を「推進プロジェクト」を実践する3か年と位置づけ、「成長」と成熟」が両立した持続可能な都市・東京の実現を目指しています。

3-2.自治体概要

東京都庁の自治体概要を以下にまとめました。

都庁所在地東京都新宿区西新宿二丁目8番1号
代表者知事 小池 百合子
設置1943年8月(東京都と東京市が統合して誕生)
予算一般会計 7兆4,250億円(2021年度予算)
職員一般行政職:20,351人
合計:約17万人(消防吏員・公営企業・行政委員会・学校教職員・警察官まで含む)
事業内容地方自治体として東京都の行政

さいごに

東京都庁での働き方や転職について紹介しました。

東京都庁への転職はやりがい・自己成長・安定性などの面でメリットが大きいですが、組織規模が大きく、配属される部署によって雰囲気や労働環境が大きく異なる点に注意しておきましょう。

転職成功のポイントは、徹底した事前準備にあります。

あなたが最高の転職をできることを陰ながら祈っております。