「40歳の転職は珍しい?」「35歳限界説は事実?」「ブランクがある40歳の女性は再就職できない?」などの不安を持っている人は多いです。
しかし実際には、2021年の40歳前後(35~44歳)の転職者は55万人にも上り、今後も景気に左右されない一定数の求人が期待されています。40歳だから転職が厳しいということはないのです。
むしろ、現場で求人者と企業を繋いできた私たち転職コンサルタントは、マイナスの思い込みだけが先行していることに危機感すら抱いています。
そこで、今回は、客観的データなどをお見せしながらあなたの先入観をリセットし、40歳が転職(再就職)に失敗しないためのポイントを解説していきます。
「40歳だから」と身構えてしまう気持ちもわかりますが、この記事を読むことで、希望どおりの転職を実現する具体的な手順や注意点がわかります。
転職を成功させる秘訣は「段取り8割」です。是非、参考にしてください。
- データから見る40歳の転職市場
- 40歳からの転職が厳しいと言われる5つの理由
- 迷っているなら慎重に!「転職活動前」の準備
- 情報収集は入念に!「転職活動前中」の注意点
- 40歳の転職は書類選考が肝!「職務経歴書」の注意点
- 【目的別】40歳におすすめの転職エージェント
- 40歳が必ず登録しておきたい定番の転職サイト2選
- まとめ
目次
1. データから見る40歳の転職市場
まず最初に、「40歳の転職は珍しい?」「35歳限界説は事実?」「ブランクがある40歳の女性は再就職できない?」という疑問に回答します。
本章では、客観的なデータを見せながら、40代の転職市場について解説していきます。負の先入観をリセットしましょう。
1-1. 40歳の転職は珍しくない
総務省統計局の労働力調査によれば、2021年における「35~44歳」の職者数は55万人でした。これは「25~34歳」に次いで多い結果となっており、40歳の転職は珍しくないことを裏付けています。
※ここで言う「転職者」は「離職後1年以内に就職した人」を指します。
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕総務省統計局:労働力調査,2021年を基に編集部作成
さらに、転職者数の増減(2017~21年)を年齢別に比較してみると、「35~44歳」は他の年代に比べて安定しています。(グラフの振れ幅が大きいほど前年からの増減が激しく、振れ幅が小さいほど安定している)
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕総務省統計局:労働力調査,2021年を基に編集部作成
40歳での転職は珍しくないだけでなく、景気の変動に左右されにくく、常に一定数の転職者がいることもわかります。
これで「40歳の転職は珍しい」という不安はなくなりましたね。
1-2. 35歳限界説は過去のもの
転職市場には「35歳限界説」という、35歳以降は転職難易度が上がり、成功率が下がるという通説がありますが、これは現状には当てはまりません。
35歳限界説が生まれた背景
この説が生まれた背景は定かではありませんが、厚生労働省の施策に、対象が35歳未満に限られているのものがあることが根拠として挙げられます。
―対象が35歳未満に限られる施策の例―
- 若年者雇用対策(若年労働者の定義が満15~34 歳)
- 若者雇用促進法(青少年の定義が15~35歳未満)
※現在は「おおむね45歳未満の者についても対象とする」と定義(青少年雇用対策基本方針)。
これら施策は単に、若者の職業能力を向上し、キャリア形成できるようにすることを目指しているにすぎませんが、見方によっては35歳までに社会人として自立することを推奨しているようにも捉えられるでしょう。
そこから転じて、34歳(35歳)が就職(転職)の限界という認識が広まったとも考えられています。
2010年以降は35歳以上の就職件数が逆転
公共職業安定所(ハローワーク)における就職件数によれば、2010年以降、35歳以上の就職件数が、35歳未満の就職件数を上回り始めています。
―35歳以上の就職件数が、35歳未満の就職件数を上回った経緯―
- 2010年より前は、35歳未満の就職件数が多く、35歳限界説にも一理あった。
- 2010年以降は、35歳以上の就職件数が徐々に上回り始めた。
- 現在も、(新型コロナウイルス感染症拡大の影響で全体的に就職件数は減ったが)若年層よりも中年層の方が就職件数が多い傾向は続いている。
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕厚生労働省:一般職業紹介状況(職業安定業務統計)を基に編集部作成
つまり、35歳限界説は過去のものであり、年齢だけで厳しさを判断してはならないのです。
これで「35歳限界説は事実?」という不安はなくなりましたね。
1-3. ブランクがある40歳の女性も再就職している
雇用動向調査によれば、2020年に就職した「ブランクのある40~44歳(女性)」は約7万3千人でした。
※ここで言う「ブランクがある」は「就業していない期間が1年以上の状態」を指します。
年齢別に見ると、25歳~44歳まではブランク後に再就職する人は多く、45歳を過ぎるとその数は明らかに減少していることがわかります。
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕厚生労働省:雇用動向調査,2020年を基に編集部作成
※24歳以下は、「学校卒業後に1年以上就業していない人」が多く含まれてしまうため除外しています。
つまり、「40歳だからブランクがあると就職できない」と年齢だけで厳しさを判断してはならないのです。
これで、「ブランクがある40歳の女性は再就職できない?」という不安はなくなりましたね。
1-4. 人材紹介市場にも景気回復の兆し
まずは40歳の転職市場に関する疑問に回答してきましたが、最後に、人材紹介市場の景気についても紹介しておきます。人材紹介会社や転職サイト、転職エージェントを活用するつもりの人にとっては安心材料になるはずです。
人材紹介大手3社(ジェイエイシーリクルートメント、パーソルキャリア、リクルート)の実績によれば、2021年度上期(4~9月)の転職紹介人数(入社実績)は37,968人(3社計)で、前年同期比108.5%となりました。
年齢別の前年同期比を見ても、36~40歳は103.8%、41歳以上は108.8%となり、すべての年代にとって転職しやすい状況になっています。
なお、2017年上期以降の転職紹介人数の推移をまとめたところ、コロナ禍の影響で2019年度下期から落ち込んでいた景気にも回復の兆しが見え始め、紹介実績最多の2019年上期に迫る勢いであることもわかります。
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕日本人材紹介事業協会:人材紹介大手3社 転職紹介実績の集計結果を基に編集部作成
2. 40歳の転職が厳しいと言われる5つの理由
転職市場のデータを紹介しても、「現実はもっと厳しいでしょ」「今、実際に厳しいと感じている」と、前向きな気持ちになれない人もいると思います。
もし、あなたが、「厳しい」と感じているなら、そもそもの現実を誤解しているのかもしれません。
「自分の想定」と「現実」の間にギャップ(相違)があるから、厳しいと感じてしまうのです。
本章では、現実を知ってもらうために、40歳の転職が厳しいと言われる5つの理由を解説していきます。
- 理由1. 暗に若年層のみを募集している場合があるから
- 理由2. 中年層は扱いづらいイメージを持たれているから
- 理由3. 40歳に求められるスキルを誤解しているから
- 理由4. 正社員にこだわりすぎているから
- 理由5. 給与が上がらないこともあるから
理由1. 暗に若年層のみを募集している場合があるから
意外と知られていないことですが、2007年10月以降、募集における年齢制限や、採用における年齢を理由とした採否の決定は禁止されています。つまり、求人は全年齢を対象にしているわけですから、本来は、年代ごとの求人件数に差が出ることはありません。
ですが、現実は、暗に若年層のみを募集している場合は少なくありません。
残念ながら、これについては対策のしようがありませんが、あなたを取り巻く状況として、もう少し詳しく解説します。
年齢制限の禁止とは?
募集・採用における年齢制限が禁止された目的は、一人一人により均等な働く機会が与えられるようにするためです。
法律(労働施策総合推進法)によって定められているため、年齢制限=違法です。ただし、違法な企業に対しても助言、指導、勧告のみで、制裁的な公表措置はありません。
(募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保)
第九条 事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。〔出典〕労働施策総合推進法 第9条
具体的には次のような制限があります。
―募集・採用における年齢制限の禁止による制限事項―
- 募集や採用の際には、年齢を不問としなければならない。
- 年齢を理由に応募を断ったり、採否を決定してはならない。
- 一定年齢以上はパートタイムにするなど、年齢を理由に雇用形態、職種などの求人条件の変更してはならない。
- パートタイム、アルバイト、派遣など、すべての雇用形態が対象。
一方で、年齢制限が認められるケース(違法ではない)もあります。
中でも、「長期勤続によるキャリア形成を図る場合」による年齢制限は比較的に多く用いられているため、これから目にする人も多いでしょう。
―募集・採用において年齢制限が認められる場合の例―
- 定年年齢を上限とする場合
例:60歳未満を募集(定年が60歳) - 労働基準法など法令による年齢制限がある場合
例:18歳以上を募集(労働基準法第62条の危険有害業務) - 長期勤続によるキャリア形成を図る場合
例:35歳未満を募集(職務経験不問)・ 40歳未満を募集(簿記2級以上)
※職業経験は不問としなければならないが、実務経験を有する資格でなければ条件にできる。 - 技能やノウハウの継承を図るために労働者数が少ない年齢層に限定する場合
例:○○社の電気通信技術者として30~39歳を募集 - 表現の真実性などが必要な場合
例:演劇の子役のため○歳以下を募集 - 国の施策を活用するために特定の年齢層に限定する場合
例:60歳以上を募集
若年層のみを募集しているような求人の例
年齢制限が禁止され、「年齢不問」としていても、実際は採用年齢を想定しているような求人を見かけることもあります。
例えば「若手募集」「スタッフ全員が20代のフリーター」「○○業務の経験○年以上」などの表示があるものです。
これらの表示は違法ではありませんが、「若手募集」や「スタッフ全員が20代のフリーター」と表示されている求人に、40歳が応募しても採用されるとは思えません(と言うより、応募すらしにくいですよね)。
もちろん、これらのような表示がなくても、採用担当者が採用年齢を想定している場合もあります。
このように、現実には、年齢を理由に採否が決定される場合もあり得ると言わざるを得ません。
理由2. 中年層は扱いづらいイメージを持たれているから
あなたが、20代や30代だった頃、「扱いづらい」「一緒に仕事がしづらい」と感じた上司はいませんでしたか?
中年層になったあなたは、当時の上司を反面教師にしながら20代や30代とうまく付き合い、扱いづらいとは思われていないはずです。
ですが、現実は、応募先企業から「扱いづらいかも…」という負のイメージを持たれしまっています。
そのため、少なくとも、そのイメージ(先入観)を覆すだけの努力は必要です。
人材紹介大手のエン・ジャパンが行った「転職先で活躍できるミドル、活躍できないミドル」の調査結果が参考になるので紹介します。
転職先で活躍できないミドルが行ってしまうことのトップ3は、「前職の会社と転職先企業を比較して悪く言ってしまう(59%)」「前職の仕事のやり方を持ち込む(55%)」「これまでの経験や実績をひけらかす(53%)」でした。
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕エン・ジャパン:「転職先で活躍できるミドル、活躍できないミドル」調査を基に編集部作成
転職先で活躍できるミドルが行っていることのトップ3は、「社内でのコミュニケーションを重視する(71%)」「転職先企業の企業文化理解に努める(58%)」「わからないことを素直に認めて教えを乞う(45%)」でした。
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕エン・ジャパン:「転職先で活躍できるミドル、活躍できないミドル」調査を基に編集部作成
これらは、企業が採用したくない(採用したい)中年層の条件と捉えることができますが、どちらの結果を見ても、業務上のスキル以前に、人間性を見られていることがわかります。
理由3. 40歳に求められるスキルを誤解しているから
プレーヤーとして活躍する30代までは「業種(業界)経験」が求められますが、マネージャーや課長など管理者としての活躍が期待される40代には「ポータブルスキル」も求められています。
業種経験だけではなく、ポータブルスキルのアピールもしなければならないということです。
ポータブルスキルとは「持ち運びできるスキル」のことで、業種が変わっても生かすことができるような汎用性の高いスキルを指し、社会人の素地(基礎力)とも言えます。
ポータブルスキルの例
- 職種の専門知識や経験
業界が変わっても即戦力になれる職を遂行する力 - マネジメント力
部下の育成や組織をまとめる力 - コミュニケーション力
発信する能力(自己主張、提案、支援など)と、受信する力(傾聴、受容、空気を読むなど) - 論理的思考力
物事を整理して矛盾や飛躍せずに筋道を立てて思考する力 - 交渉力
ビジネスシーンで互いが納得できる所に結論を持っていく力 - 問題解決能力
現状から課題を把握し、目標設定、計画立案、行動へと進んでいく力
事実、人材紹介大手のエン・ジャパンが行った調査によれば、異業種から転職する中年層に採用企業が期待するものの上位は、ポータブルスキルでもある「経験職種での専門知識・専門スキル」「マネジメント力」でした。
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕エン・ジャパン:「ミドル世代の異業種転職」調査を基に編集部作成
40歳前後の転職者数に安定した需要がある理由は、職務などで培ってきたポータブルスキルを持っているからです。
特定の業種に限定されない汎用性の高いスキルは多くの企業で必要とされていて、ポータブルスキルを持っている人は市場価値が高く、安定した需要があるのです。
理由4. 正社員にこだわりすぎているから
「転職(再就職)=正社員」という考えを持っている人もいると思いますが、正社員以外の選択肢もあります。
現実は、目的や環境によって、非正規雇用(パートタイム・アルバイト・派遣社員など)という雇用形態を選んでいる人もいます。
40~44歳の失業者が探している仕事の形態
労働力調査(2020年)を見ると、40~44歳の失業者(仕事があればすぐに働ける人)の中で、非正規雇用の仕事を探している人の割合は、男性では11.1%、女性では62.5%となっています。
←画像はスクロールできます→
〔出典〕総務省統計局:労働力調査,2020年を基に編集部作成
非正規雇用の仕事を選んだ理由
さらに、実際に非正規雇用の仕事を選んだ理由を見てみると、男女間には差があることもわかります。
特に大きな差に注目してみると、男性では「正規の職員・従業員の仕事がない」の割合が高いですが、女性では「家事・育児・介護等と両立しやすい」の割合が高くなっています。
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕総務省統計局:労働力調査,2021年を基に作成
理由5. 給与が上がらないこともあるから
転職理由として常に上位に挙がるのは「給与・待遇への不満」です。
40歳で転職した人の給与は上がるのか?下がるのか?、気になりますよね。
雇用動向調査によれば、40~44歳では、転職によって賃金(給与)が増加している人の方が多いことがわかります。また、他の年代と比べても増加する割合が高く、「増加」39.1%、「変わらない」31.0%、「減少」28.5%となっています。
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕厚生労働省:雇用動向調査,2020年を基に編集部作成
ただし、楽観しないでください。苦言を呈しますが、転職者全員の給与が増加しているわけではありません。
40~44歳においても、28.5%の人、つまり、10人に3人は給与が減少しているという現実があります。
「転職すれば給与が上がる」という楽観(先入観)は持たずに、「転職しても給与は下がるかもしれないから慎重に準備していこう」という心構えでいきましょう。
40歳の転職を取り巻く状況をイメージしてもらえたなら、次章から、転職の準備を始めていきましょう。
3. 迷っているなら慎重に!「転職活動前」の準備
本章からは実践編です。
まずは「転職活動前」の準備について解説します。
「転職は軸を決めることが大切」と聞いたことがある人もいると思いますが、軸が定まっていないと、転職後に「こんなはずじゃなかったのに…」と同じ理由で退職したり、数年後に「やっぱり○○のスキルが磨ける職場にすればよかった…」と後悔することになりかねません。
そうならないためにも、転職したい理由の再確認、条件の整理、キャリアの棚卸しなどから始めて、進路や方針を明確にしておきましょう。
- 3-1. 転職したい理由を深掘りする
- 3-2. 転職先の条件や優先順位を明確にする
- 3-3. キャリアの棚卸しをする
- 3-4. 家族の理解を得る
- 3-5. 転職先が決まるまで勤続する
- 【参考】役に立つ支援制度がないか調べる
3-1. 転職したい理由を深掘りする
転職(退職)したい理由を深掘りすることで、転職先の条件や転職先に伝える退職理由の整理ができます。
参考までに、40歳(40~44歳)に多かった転職理由は、「職場の人間関係が好ましくなかった」「労働時間、休日などの労働条件が悪かった」「給料など収入が少なかった」などですが、当てはまるものはありますでしょうか。
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕厚生労働省:雇用動向調査,2020年を基に作成
※「会社都合」「定年・契約期間の満了」「その他」は本人の意思ではない、または、理由を特定できないため除外しています。
ただし、当てはまるものがあったとしても、転職先の条件などを整理するにあたっては、具体的な解消策まで深掘りしておく必要があります。
深掘りすることで、条件を明確にできますし、もしかすると、転職せずに、今の会社で解決できる問題(理由)であることに気がつくかもしれません。
転職理由と解消策の例
- 人間関係が好ましくない
具体的)上司がいちいち細かく指示してくる
解消策)裁量を持つ - 労働条件が悪い
具体的)残業が月間40時間を超えることが多々ある
解消策)残業は月間20時間以下にする - 労働条件が悪い
具体的)シフト勤務で土日は絶対に休めない
解消策)完全週休2日制で土日に休む - 給料が少ない
具体的)年収400万円では生活が苦しい
解消策)年収500万円以上をもらう - 給料が少ない
具体的)勤続しても昇進(昇給)が見込めない
解消策)転職時に給与を上げる - 仕事の内容に興味がない
具体的)ルーティンワークばかりでやりがいがない
解消策)○○職(興味のある職種)につく - その他
具体的)通勤に片道90分かかる
解消策)通勤時間は片道40分以下にする
3-2. 転職先の条件や優先順位を明確にする
具体的な解消策まで深掘りできたら、それを基に、転職先の条件や優先順位を決めていきましょう。
思いつくままに挙げた、ばらばらに並んでいる転職理由を整理する手順を紹介します。
【手順1】3つのグループに分ける
転職したい理由を、3つのグループ(働き方・待遇・環境)に分類します。
理由をグループごとに整理することで抜け漏れがなくなり、また、重複しているものをまとめることができます。
【手順2】グループの中で優先順位をつける
3つのグループに分類されている転職理由を、もう一段階細かく分類します。
今度は、「MUST(必須条件)」と「WANT(譲歩できる条件)」に分けます。
条件が多ければ多いほど転職の難易度は高くなります。条件を削らなければならない場面や、程度を下げなければならない場面に直面することもあります。
そして、その場の雰囲気や勢いに流されて条件を緩和してしまい、後悔するというのがよくあるパターンです。
あらかじめ、条件を「MUST」と「WANT」に分けておくことで、条件がぶれることなく、常に一定の基準で転職活動ができるようになります。
また、「転職先の条件=求人の絞り込み条件」となりますから、求人検索が効率化されるというメリットもありますので、「WANT」の程度(どこまで譲歩できるか?)も決めておきましょう。
転職先の条件や優先順位を明確にした例
←表は左右にスクロールできます→
グループ | 転職理由 | 解消策と優先順位 |
働き方 |
|
MUST
|
待遇 |
|
MUST
|
WANT
|
||
環境 |
|
WANT
|
この例でいうと、転職先の条件は次のようになります。
整理した転職条件
- ○○職で裁量のあるポジション。年収は500万円以上で週休2日制(土日休み)。
- できれば、月間残業時間は20時間以下だが、月間35時間までは譲歩できる。
- できれば、通勤時間は40分以下だが、60分までは譲歩できる。
もちろん、転職したい理由に限らず、その他、思いつくものがあれば自由に加えておきましょう。
3-3. キャリアの棚卸しをする
転職先の条件など、応募先企業のことを整理してきましたが、次は、自分のことを整理してみましょう。
キャリアの棚卸しと言うと、「難しそう」「面倒そう」「棚卸しするほどのキャリアはない」と感じる人もいるようですが、なにか格好よいものを作らなければならないと誤解していませんか?
キャリアの棚卸しは、自分の頭の中を整理するためのものです。
そして、整理するためのコツは、まずは質より量を優先することです。
自分でも忘れていた隠れたスキルや、新しい価値観が見つかるかもしれませんから、むしろ、チャンスと捉えて気楽に取り組んでみましょう。
キャリアの棚卸しをする目的
キャリアの棚卸しをする目的は3つあります。
転職のミスマッチ(不一致)をなくすため
転職先の条件があるように、企業が応募者(あなた)に求める採用の条件(基準)もあります。
自分のキャリアやスキルを客観的に把握しておくことで、双方の条件にミスマッチがないか?を事前にチェックできるようになります。
アピールするポイントを整理するため
履歴書や職務経歴書は、企業が求める人物増(強み)に関するアピールをするものです。
キャリアの棚卸しをして自分の強みを知っておくことで、抜け漏れや矛盾のない、説得力のある書類が作成できるようになります。
転職先(求人)の幅を広げるため
キャリアの棚卸しをすると、自分でも忘れていた隠れたスキルや、新しい価値観を発見することがあります。
「そういえば、前々職で○○の業務に携わっていたな」「もしかすると、私は○○の業務が好きなのかもしれない」「将来的には○○のスキルを伸ばしたい」などです。
新たな発見をした場合には、「転職先の条件や優先順位」に追記しすることで、転職先(求人)の幅を広げることができます。
【手順1】仕事情報の整理
まずは、現在や直前の仕事について、大枠の情報を整理します。
◆大枠の情報
- 会社名
- 部署名
- 在籍期間
- 役職
- 担当業務やプロジェクト
- 担当業務の規模(人数や予算)
【手順2】業務の洗い出し
次に、日々の業務を洗い出します。
主要な業務はもちろん、業務開始前の準備、朝礼、メールチェック、ミーティング、電話応対など、付帯的な業務まですべて。
日ごとの次は、毎日ではないが、毎週行っている週ごとの業務を洗い出しをします。
週ごと業務の次は、月ごとの業務、年ごとの業務と単位を大きくして、抜け漏れがないようにします。
【手順3】実績や取り組みの追加
洗い出した業務一つ一つについて、実績や取り組みを追加します。
できるだけ数字を用いて定量的に評価する。
数字で表現することが難しい場合は、「上司に褒められた」「お客様から感謝の手紙をもらった」「常に誰よりも早かった」「自分のやり方が部署のスタンダードになった」などの定性的なものでも構わない。
目標達成に向けた工夫や、協調性を大切にする姿勢が好ましい。
例えば、「訪問営業では、一方的な説明ではなく、まずは先方の悩みを聴くことに注力した」や「ミーティングでは必ず1回は発言するようにして、プロジェクトに主体的に取り組んだ」など。
また、成功体験だけでなく、失敗体験もキャリアを彩る要素です。
「○○に失敗して悔しかった」ではなく、「○○に失敗し、△△を改善したところ、結果、□□の成功を収めた」のように、失敗から学び、成功に導いた工夫や姿勢に転換して追加しましょう。
この実績や取り組みの追加を軽視する人がいますが、40歳からの職務経歴書は、業務を列記するだけでは役不足です。
40歳を含むミドル層に求められるスキルは、単なる「業種経験」ではなく、「職種での専門知識や専門スキル」や「マネジメント力」ですから、業務を列記しただけでは伝わりません。
ここでしっかりとネタを掘り起こすことで、後に作成する職務経歴書などの質が高まります。
【手順4】すべての仕事に対して棚卸しを行う
現在や直前の仕事に関する棚卸しができたら、そのひとつ前、そのひとつ前とさかのぼり、就業したすべての仕事について、【手順1】~【手順3】を実施します。
【手順5】強みの発見
最後に、棚卸ししたすべてのキャリアの中から、自分の強みを探します。
ここまでに洗い出した内容の中に、多く出てくるもの(単語)です。
業種や業務内容、実績や取り組み、上司や周囲からの評価、モチベーションが上がった環境などの中に共通点がないか探してみましょう。
【強みの例】忍耐力・実行力・主体性・行動力・柔軟性・協調性・巻き込み力・調整力・育成力・課題発見力・提案力・分析力など
強みは、3~5つほど抜き出しましょう。
3~5つほど用意する理由は、企業によって求める人物像(強み)が異なるためです。メインとなる強みを複数用意し、応募企業によって使い分けるイメージを持ってください。
3-4. 家族の理解を得る
転職活動を始める前に家族の理解を得ることも忘れてはいけません。
家族の理解が必要な理由
特に、配偶者や子どもがいる場合、家族の理解や協力は不可欠です。
なぜなら、転職することで家族に大きな影響を与えるケースがあるからです。
―家族に大きな影響を与えるケース―
- 勤務地が変わる
→引っ越しが必要になるかもしれない - 労働時間(休日)が変わる
→生活サイクルが変わる(食事の時間、子供の送迎や土日の面倒など) - 給与が変わる(一時的にでも下がる)
→生活水準が変わり、配偶者の転職につながるかもしれない - 将来性が変わる
→毎月の貯蓄額を増やさなければならないかもしれない
結果的にこれらを回避したとしても、「家族のことを考えていない」という不信感を招き、家族不和を引き起こすこともあります。
事前に理解を得て、十分に話し合うことで、家族全員が納得できる転職をしましょう。
家族の理解を得る方法
ここでは、家族の理解を得る方法をいくつか紹介します。
変化と対策を説明する
家族が転職に反対する理由は、「○○が変わる」という、変化への不安や抵抗感です。
家族の理解を得るためには、この不安や抵抗感を取り除かなければなりません。
「転職による変化(小さなことでもすべて)」と、「対策(自分がどう考えているか)」を具体的に説明しましょう。
家族のメリットを説明する
転職による変化は悪いことばかりではないはずです。
例えば、「3年後には収入が上がり安定する」「土日休みになって子供と過ごせる」など、良い変化についても具体的に説明しましょう。
家族の「転職先の条件や優先順位」を確認する
配偶者や子どもにもそれぞれの日常やコミュニティがあります。
言い換えると、それぞれに「(あなたの)転職先の条件や優先順位」がある場合があります。
特に影響を受けやすいのは、仕事、学校(学区、受験、進学)、親の介護ですが、引っ越しを伴わない転職なら影響しないのか、タイミングをずらせば解決するのかなどを相談し、「転職先の条件や優先順位」に追加しましょう。
情報を逐一共有する
「○○だと思っていたら、じつは△△だった…」という後出しは絶対にやめましょう。
「年収500万円だと思っていたら、じつは800万円だった…」であればまだしも、「引っ越しはないと思っていたら、○○に引っ越さなければならなくなった…」のように、認識(期待)を裏切るような情報は逐一共有しましょう。
家族への情報共有が不十分であったために、内定直前で反対をされたら元も子もありません。
情報を共有し、家族が、検討や気持ちの整理をする時間を取ってあげてください。
3-5. 転職先が決まるまで在職する
「転職活動は、在職中と退職後、どっちがよい?」という質問をいただくことがありますが、転職活動は在職中に行いましょう。
つまり、転職先が決まるまでは在職(勤続)するべきということです。
在職中に転職活動をするメリットとデメリット
転職活動を退職後にするメリットもありますが、おすすめしません。
なぜなら、デメリット(リスク)が大きすぎるからです。
転職活動が長期化し経済面に不安が出てくると、転職活動に焦りが生まれ、「転職先の条件」が崩れ、結果、「こんなはずではなかったのに…」と後悔することになります。
また、退職後にブランク期間ができてしまうことも好ましくありません。
ブランク期間は、(正当な理由がない限り)転職にはマイナス要因ですから、自らブランク期間を作るような進め方はおすすめできません。
←表は左右にスクロールできます→
メリット | デメリット | |
在職中 |
|
|
退職後 |
|
|
40歳の転職活動期間
エン・ジャパンの調査によれば、40歳(40代)の転職活動期間は1~6か月程度です。
「1か月で転職する!」ではなく、「6か月以上かかるかもしれない」という心構えで準備していきましょう。
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕エン・ジャパン:ミドルに聞く「転職活動期間」実態調査を基に編集部作成
【参考】役に立つ支援制度がないか調べる
政府は、主に35~54歳を対象に、いくつかの就職支援(無料・求人紹介あり)を行っています。
すべての業種や職種に対して万能とは言えませんが、転職サイトや転職エージェントサービス以外の選択肢として紹介します。
下記は一例ですが、職業訓練受講給付金(月10万円)の対象となっているものもあるため、参考にしてください。
←表は左右にスクロールできます→
施策 | 概要 | 対象 | 支援内容 |
就職氷河期世代専門窓口 | 就職氷河期世代が相談できる (全国の主要なハローワーク) |
|
|
マザーズハローワーク | 子育て中の女性などが再就職の支援を受けられる (全国の主要なハローワーク) |
|
|
不安定就労者再チャレンジ支援 | 民間事業者の教育訓練などを受講できる (全国16地域で提供) |
|
|
短期資格等習得コース | 業界団体などの資格を取得できる (場所は取得する資格による) |
|
|
求職者支援制度のご案内 | 職業訓練を受講できる (場所は受講する訓練による) |
|
|
4. 情報収集は入念に!「転職活動前中」の注意点
実践編、次は「転職活動中」の注意点を解説します。
いよいよ転職先(応募先)を探す段階になりますが、ここで選択を間違えれば、整えてきた段取りが水の泡となってしまいます。
そうならないためにも、業種や職種の選定方法、求人情報や企業情報の効率的な収集方法などを知り、間違いのない選択をしていきましょう。
4-1. 業種にこだわらないで探す
現在や直前の業種など、ひとつの業種にこだわりすぎると、選択肢が狭くなり、転職のチャンスを逃してしまうかもしれません。
ポータブルスキルは市場価値が高い
ポータブルスキルとは「持ち運びできるスキル」のことで、業種が変わっても生かすことができるような汎用性の高いスキルを指します。
多くの企業で必要とされているスキルで、ポータブルスキルを持っている人は市場価値が高い傾向があります。
棚卸ししたキャリアの中にポータブルスキルがある人は、仮に未経験の業種であっても、転職を成功させることは不可能ではありません。異業種の求人も探してみると、条件に合致した求人を見つけることができるかもしれません。
ポータブルスキルの例
- コミュニケーション力
発信する能力(自己主張、提案、支援など)と、受信する力(傾聴、受容、空気を読むなど) - 職種の専門知識や経験
業界が変わっても即戦力になれる職を遂行する力 - マネジメント力
部下の育成や組織をまとめる力 - 論理的思考力
物事を整理して矛盾や飛躍せずに筋道を立てて思考する力 - 交渉力
ビジネスシーンで互いが納得できる所に結論を持っていく力 - 問題解決能力
現状から課題を把握し、目標設定、計画立案、行動へと進んでいく力
ここでは、ポータブルスキルの中でも、中年層が特に求められている「コミュニケーション力」「職種の専門知識や経験」「マネジメント力」について詳しく紹介します。
コミュニケーション力
エン・ジャパンが行った「転職先で活躍できるミドル、活躍できないミドル」の調査結果では、転職先で活躍できるミドルが行っていることの1位は「社内でのコミュニケーションを重視する」でした。
コミュニケーション能力が低いと、「前職の会社と転職先企業を比較して悪く言ってしまう」「前職の仕事のやり方を持ち込む」「これまでの経験や実績をひけらかす」など、社内で孤立し、仕事に悪影響を及ぼしかねないため、企業はコミュニケーション能力を重要視しています。
なお、コミュニケーション力というと、発信する能力(外交的、トークがうまいなど)を思い浮かべる人が多いですが、実は、受信する能力の方が重要です。
具体的には、相手の考えや感情を読み解く「傾聴力」や、タイミングを図るための「空気を読む力」などです。
職種の専門知識や経験
企業は即戦力を求めているため、「職種の専門知識や経験」を持っている人は重宝されます。
しかし仮に、同じ能力の30歳と40歳がいた場合、企業は30歳を採用します。
なぜなら、年齢が低い方が賃金が安く済みますし、10年後には管理職としての活躍に期待できる(育成コストを回収できる)からです。
中年層には、それを差し引いても余る即戦力性(職種の専門知識や経験)が求められているということです。
なお、ここでいう専門知識や経験は、「業種(業界)の~」ではなく、「職種の~」です。
例えば、人材紹介業界で経理担当として働いてきた人がいるとします。
人材紹介業界(業種)での経験は、人材紹介業界でしか生かせません。
ですが、経理担当(職種)での経験は、業界が変わっても生かすことができます。
もちろん、「業種の専門知識や経験」もアピールポイントになりますが、ポータブルスキルの観点からは「職種の専門知識や経験」の方が重宝されます。
マネジメント力
「マネジメント力」とは、管理能力のことです。
具体的には、「現状の課題を見出し目標を立てる力」「目標を現場で共有し達成に向けてチームを動かす力」「部下を育成し能力を引き出す力」「チームメンバーの状況を把握し仕事を調整する力」「状況を冷静に分析・判断する力」などを指します。
部下や組織、ひいては企業が成長できるかどうかはマネージャーにかかっているため、ヒト・モノ・カネを管理できる人材の需要は高いです、プレーヤーとして培ってきた「職種の専門知識や経験」と合わさることで、市場価値はより高まります。
異業種への転職が多い職種
参考として、ポータブルスキルなどを生かして異業種に転職した人がついている職種を紹介します。
エン・ジャパンが転職コンサルタント164人を対象に行った「ミドル世代の異業種転職」調査によれば、異業種転職を実現した中年層が就いている職種の上位は「営業・マーケティング系」「経営・経営企画・事務企画系」「管理部門系」です。
〔出典〕エン・ジャパン:「ミドル世代の異業種転職」調査を基に編集部作成
また、調査に回答した転職コンサルタントのコメントには、次のようなものがありました。
「営業・マーケティング系」と回答した理由
・ポジションが比較的多い。また、資格や経験でカバーできる職種のため。
・BtoBでもBtoCでも、営業を経験している方は対人スキルが高く、重宝される傾向がある。「経営・経営企画・事業企画系」と回答した理由
・異業種であってもコアスキルが業界固有ではなく、人物とスキルの総合判断で採用されやすいため。
・職種の実績、専門性を評価されるケースが多いため。「管理部門系」と回答した理由
・管理部門系の職種に業界は関係ないため。
・管理部門系の方は、異業種への転職の垣根が低いため。
4-2. 応募先企業の情報を注意深く調べる
希望の条件や業種、職種から、応募したい企業を見つけたら、次は企業研究をしましょう。
書類選考や面接になかなか通らない人は、企業研究が不十分である可能性があります。
企業研究の目的
企業研究の目的は3つあります。
内定を取りやすくするため
企業が求めている人物増(強み)を想定することで、内定に通りやすい履歴書や職務経歴書を書くことができ、また、面接では的を射た自己アピールができるようになります。
棚卸した強み(3~5つ)の中から、アピールすべきものを選ぶ判断基準にもなります。
転職のミスマッチ(不一致)をなくすため
企業風土や経営方針などの働き方も考慮することで、「こんなはずじゃなかった…」というミスマッチを減らし、働きやすい応募先を選定できるようになります。
給与や勤務時間などの待遇条件は求人票から読み取ることができますが、企業風土や経営方針についてはそうはいきません。
「なにをするかより誰とするか」という言葉があるとおり、風土や方針は、給与や勤務時間に優先されるくらい重要な要素になる場合もあります。
企業の安定性などを見極めるため
現在の経営状態や、今後の見通し、従業員の昇給率などを知ることで、より現実的な応募先を選定できるようになります。
40歳の転職は、人生最後の転職になる可能性もあります。
定年まで20年以上勤務することも考えた場合、安定性や将来性も気になるところです。
企業研究の方法
応募先企業については、最低限、次の情報を調べましょう。
入念な情報収集は、書類選考や面接の通過率を上げ、内定を取りやすくするだけでなく、希望どおりの転職を成功させることにもつながります。転職活動は情報戦と心得ましょう。
基本情報
各企業の公式Webサイトから収集できます。
- 代表取締役
- 経営・企業理念
- 事業内容(商品やサービス)
- 設立年
- 資本金額
- 本社や支店の所在地
最近の動向
公式ブログ、公式SNSなどから収集できます。
- 社長をはじめとした社員の人柄
- 新規事業の情報
業績・実績情報
就職四季報から収集できます。
業績の調査には「会社四季報」が有名ですが、就活生向けの「就職四季報」がおすすめです。
就活生のバイブルと呼称される「就職四季報」には、下記のような労働環境を知るための独自情報が掲載されているからです。なお、「会社四季報」は投資家のバイブルと呼称されています。
- 業績(売上高や営業利益)
- 平均年齢
- 平均年収
- 新卒の採用状況
- 昇給率
- 離職率
- 平均勤続年数
- 有給休暇取得日数
- 残業時間
先輩社員の声
いわゆる口コミサイトから収集できます。「○○(企業名) 口コミ」などで検索してみましょう。
ただし、すべてを鵜呑みにするべきではないことは言うまでもありませんね。
- 社員のやりがい
- 評判や口コミ
その他
転職エージェントから収集できます。
転職エージェントの中には、企業との間に独自のコネクションを持っている人もいるため、有益な情報を収集できることがあります。
- 採用状況
- 求められる人物像
- その他の非公開情報
4-3. 複数の転職サービス、複数の転職エージェントを併用する
40歳に限らず、転職に欠かせないものは求人情報の収集ですが、複数の転職サービスを利用し、かつ、複数のサイトやエージェントに登録し、できるだけ多くの情報を集めるようにしましょう。
複数の転職サービスを利用する
人材紹介大手のマイナビが行った「転職動向調査2021年版」によれば、2020年に転職した20~50代が利用した転職サービスの上位は、「転職サイト」、「転職エージェント」、「ハローワーク」です。
どの年代を見ても、男女ともに、「転職サイト」「転職エージェント」「ハローワーク」が求人情報収集の主な方法になっていることがわかります。
求人情報には、転職サイトにしか掲載されていないもの、転職エージェントしか扱っていないもの、ハローワークにしか登録されていないものがあります。
この3つの転職サービスに限りませんが、複数の転職サービスから情報を収集するようにしましょう。
〔出典〕マイナビ:転職動向調査2021年版を基に編集部作成
複数の転職サイトや転職エージェントに登録する
労働政策研究・研修機構が、転職経験のある人を対象に行った調査によれば、転職時に登録していた転職サイト・転職エージェントの数は、1~3個です。
40~44歳に注目してみても、男女ともに1~3個の割合が高く、複数登録している人も多いことがわかります。
転職サービスに求人情報の差があるように、転職サイトや転職エージェントにも差があります。
条件に合致する求人情報を見逃してしまわないように、複数の転職サービスを利用し、かつ、複数のサイトやエージェントに登録し、できるだけ多くの情報を集めることを意識しましょう。
←画像は左右にスクロールできます→
〔出典〕労働政策研究・研修機構:ミドルエイジ層の転職と能力開発・キャリア形成~転職者アンケート調査結果~を基に編集部作成
【補足】転職サイトと転職エージェントの違い
「転職サイト」と「転職エージェント」の違いを比較表にまとめましたので、参考にしてください。
なお、最大の違いは、転職の進め方です。
転職サイトは「自分のペースで気軽に進めたい人」向け、転職エージェントは「エージェント(担当者)と二人三脚で本腰を入れて進めたい人」向けです。
←表は左右にスクロールできます→
転職サイト | 転職エージェント | |||
気軽さ | ◎ | 自分の判断でマイペース に進めることができる |
△ | 専任アドバイザーと打ち合 わせをしながら進めるため 気軽さはない。 |
選択肢 | ◎ | 多いところでは10万件以上 の案件が常時掲載されてい て、選択肢は多い。 |
○ | 担当アドバイザーを通して 転職サイトにはない非公開 求人にも応募可能。 |
企業との調整 | △ | 応募から面談日程、入社条 件の交渉などはすべて自分 で行う。 |
◎ | 専任アドバイザーが面談日 程、給与交渉、入社時期ま で調整してくれる。 |
書類選考通過率 | ○ | 転職サイト経由での応募は 膨大なので、書類で落ちる 可能性は比較的に高い。 |
◎ | 書類の添削や、企業への推 薦などをしてくれるため、 成功率は比較的に高い。 |
転職アドバイス | △ | アドバイスを受けることは できない。 |
◎ | 自分では気づくことができ ない自分の市場価値やキャ リアの発見が可能。 |
面接対策 | △ | 求人情報や企業の公式Web サイトを見て自分で行わな ければならない。 |
◎ | エージェントによっては模 擬面接を実施してくれ、各 企業への対策ができる。 |
情報収集 | △ | 転職サイト上では特に情報 は収集できない。 |
○ | 転職アドバイザーが、独自 のコネクションから情報を 提供してくれる。 |
4-4. 転職エージェントを利用する
「転職しようかな…」「いまは、どんな求人があるのかな…」という段階の人には、転職サイトに登録して、自分のペースで求人情報を探すことをおすすめします。
ですが、さらに段階が進んで、「転職したい!」「多くの求人情報を集めたい!」となった人には、転職エージェントに登録することを強くおすすめしています。
転職エージェントの利用をおすすめする理由は4つあります。
理由1. 書類選考の通過率が高まるから
40歳の転職において、書類選考はひとつの鬼門と言えます。
なぜなら、業種経験などだけでなく、40歳に求められるポータブルスキルまで書面だけでアピールをしなければならないからです。
転職エージェントを利用すれば、エージェントが企業の採用担当者に対して、「こんな人(あなた)がいるのですが、○○の経験があり、△△のスキルが御社の□□に生かせそうなので、1度、会ってみませんか?」とプッシュしてくれる場合があります。
書類だけでは伝えることの難しい、「あなたを採用すべき理由」を営業してくれるので、書類選考はもちろん、面接についても有利に進めることができます。
理由2. 転職エージェントしか知らない情報を収集できるから
前提として、転職エージェントは、転職を成功させなければ商売になりません。だから、あなたが内定を獲得するために、様々な情報を提供してくれます。
転職エージェントの中には、企業との間に独自のコネクションを持っている人もいます。採用担当者の人柄や、好む人物像まで把握していることも少なくありません。
転職は情報戦ですから、これらの情報を知っている応募者は、知らない応募者に大きな差をつけることができます。
理由3. 自分の市場価値を知ることができるから
「市場価値」とは、企業からの需要です。どんなに優れたスキルを持っていても、企業の需要に合致していなければ市場価値は低くなります。需要の変化に伴い、市場価値も変化します。
市場価値とは、企業からの需要であり、「転職市場における、あなたの需要」と言えます。
企業が求めるスキルを持っている人の需要は高く、転職活動もスムーズです。このような人の「市場価値は高い」と言えます。
とは言っても、明確な市場価値を測る方法はありません。
一般的には、自分の年収を業界の平均年収と比較する、実際に転職活動をして企業の反応を見るなどによって、市場価値を体感するしかありません。
しかし、転職エージェントに登録すると、最初にキャリア面談というものがあります。
これは、転職の方向性や進め方を相談するためのものではありますが、キャリアを査定するためのものという側面も持っています。
転職市場に詳しいプロが、あなたのキャリアを客観的に査定し、市場価値を上げる方法などをアドバイスしてくれるため、転職に向けての明確なビジョンを持つことができます。
理由4. 面倒な手続きを代行してくれるから
エージェントを和訳すると「代理人」です。
転職エージェントは、あなたに代わって、あなたの転職を推し進める代理人であり、交渉人と言えます。
例えば、転職サイト経由で応募した場合には次のような作業が発生しますが、これらをエージェントが代行してくれます。
―転職エージェントが代行してくれる作業や手続きの例―
- 求人情報の収集
- 応募手続き
- 履歴書・職務経歴書の作成(添削)
- 面接日程の調整
- 給与、ポジション、配属先の交渉
- 雇用契約書の確認
- 入社関連手続き
結果、内定までに、企業と直接やり取りするのは、書類選考通過後の面接くらいです。
特に、在職しているなどの理由から時間が取れない人は、ストレスのないスムーズな転職活動をすることができます。
5. 40歳の転職は書類選考が肝!「職務経歴書」の注意点
実践編の最後は、「職務経歴書」の書き方です。
この章では、書類選考の通過率を上げるための書き方を解説しますので、納得のいく職務経歴書を作っていきましょう。
5-1. テンプレートを活用する
職務経歴書は、採用に直結する重要な書類ですが、困ったことに、決まった形式がありません。
「どうやって作成しよう…」と悩んでしまう人は、テンプレートを活用することで、時間を浪費せず、効率的に職務をまとめることができます。
テンプレートのダウンロード
当サイトCareerTheoryでは、現役の転職コンサルタントである編集部が制作した職務経歴書テンプレートを用意しています(下記のリンクから無料でダウンロードできます)。
※職務経歴書は、手書きではなくPC入力が前提です。
←画像は左右にスクロールできます→
【参考】職務経歴書の基本形式は3種類
職務経歴書には決まった形式がありませんが、基本的な形式は3種類です。
上記のテンプレートは「編年体形式」ですが、こだわりがある人は他も検討してみてください。
←表は左右にスクロールできます→
内容 | こんな人におすすめ | |
編年体形式 | 学歴や職歴と同じように、時系列順に キャリアを書く形式 |
|
逆編年体形式 | 最新のキャリアから時系列をさかのぼ ってキャリアを書く形式 (編年体形式とは時系列が逆になる) |
|
キャリア形式 | 時系列に関係なく、携わった業務やプ ロジェクトごとに書く形式 |
|
5-2. 5秒で興味をひく
「ほとんどの職務経歴書は最後まで読みません」、これが採用担当者の本音です。
多くの書類選考者を短期間(短時間)で判断する必要があるため、5秒程度で合否が決まってしまうことも少なくありません。
そこで重要になるのが、職務経歴書の最初にある「職務要約」です。
この欄の役割は、5秒で採用担当者の興味をひき、続きを読んでもらうことです。
次の3ステップに従って書き進めると、5秒で伝わる職務要約を作ることができます。
ステップ1. 経歴要約
すべて経歴について書く必要はありません。
アピールしたい経歴について、「何の職種(業務)を」「何年やっていた」が伝われば十分です。
ステップ2. 自己PR
キャリアの棚卸しで発見した強みの中から、その企業にアピールしたいものを書きます。
下記を意識すると、スッキリと読みやすい文章に仕上がります。
―自己PRのコツ―
- アピールしたい強みは1~2つに絞る。
- 客観的な数字や実績を入れる。
- 面接で質問してほしい内容をイメージする。
ステップ3. 意欲PR
「職務要約なのに意欲PRを書くの?」と疑問に思うかもしれませんが、職務要約欄の役割は、採用担当者の興味をひくことです。1文程度で構わないので、入社意欲も添えておきましょう。
5-3. レイアウトは「見てもらう」ことを意識する
職務経歴書で他の応募者に差をつけるレイアウトの工夫を紹介します。
なぜ、レイアウトに工夫が必要なのか?
エン・ジャパンが転職コンサルタント212人を対象に行った調査によれば、中年層が職務経歴書や履歴書の作成でやりがちな失敗例のトップは「レイアウトが見づらい」でした。
仕事の成果に数字を入れることや、自分をアピールすることばかり考えてしまい、「見やすいレイアウトにして、読みやすくする」まで意識している人はとても少ないです。
例えば、職務経歴欄が真っ黒(改行がなく、文字がびっしりと詰まっている状態)であったら、採用担当者は読む気をなくしてしまいますよね。
どんなに素晴らしい経歴を持っていたとしても、読んでもらえなければ(知ってもらえなければ)意味がありません。
〔出典〕エン・ジャパン:「ミドルの職務経歴書・履歴書のポイント」調査を基に編集部作成
工夫1. フォント(文字)の種類とサイズ
フォントの種類やサイズは、採用担当者になじみが深いものにしましょう。
フォントの種類
基本は「明朝体」です。
明朝体は多くのビジネスシーンで利用されるため、採用担当者にもなじみが深いです。「他と違う文字を使って差をつけようかな」という考えは適切ではありません。
また、職務経歴書の枚数を減らすためにフォントサイズを下げるのも避けましょう。
採用担当者には、年齢の高い人が多いため、「読みにくい」と思われては本末転倒です。枚数を減らしたい場合には、内容を精査し、文字数を減らしましょう。
フォントのサイズ
基本は、10.5~12ポイントです。
これも同じ理由で、ビジネスシーンでは同サイズが利用されることが多いため、採用担当者にもなじみが深いです。
ただし、項目の見出しなど目立たせる必要がある箇所は、1~2ポイントほどサイズを上げると読みやすくなります。
(本文は11ポイント、見出しは13ポイントと決めたら、全体で統一し、サイズがまちまちにならないように注意しましょう)
工夫2. 文の長さと改行
文の長さや、改行のタイミングに注意するだけで、ぱっと見の印象も大きく変わります。
文の長さ
文章では「一文一意」を意識します。あくまで目安ですが、一文が40文字以下になるようしましょう。
一文一意とは、「ひとつの文章に含める内容はひとつだけにする」という考え方です。読み手も理解しやすく、全体的にすっきりした印象になります。
改行
2~3行に1度のタイミングで改行しましょう。
印刷した職務経歴書を遠目で見て、真っ黒ではないか?、段落のかたまりを意識してチェックするとよいです。印刷する手間はかかりますが、このひと手間が合否を分けます。
工夫3. 情報量
職務経歴書は、A4用紙2枚にまとめましょう。
エン・ジャパンが行った調査によれば、中年層が職務経歴書や履歴書の作成でやりがちな失敗例の4位は、「情報を盛り込みすぎている」でした。
仕事の成果を具体的にしようと、冗長(無駄に長い)になってしまっている職務経歴書を目にすることがあります。具体性は、数字や実績で表現しましょう。
工夫4. 専門用語
専門用語は使わないようにしましょう。
「同業種への転職だから詳しい説明は要らないだろう」「このくらい伝わるだろう」と考えてしまう人がいるかもしれませんが、職務経歴書を読むのは専門知識のある人ばかりではありません。
応募企業が同業種でも、採用担当者は人事のプロであって、現場(事業部門)のプロではないかもしれません。
転職サイトや転職エージェントに登録している場合も同じです。
5-4. マイナスの第一印象を与えない
ここで挙げる注意点は、ビジネスマナーとして当たり前のことではありますが、書類作成の経験が少ない人も含めて、再度確認しておきましょう。
当たり前のことができていなければ、選考の対象から外されてしまう可能性もあります。
学生が、テストに名前を書き忘れたら採点してもらえないのと同じ論理です。
―マイナスの第一印象を与えてしまう例ー―
- 日付が記入していない
- 押印がない
- しわや折り目がついている(印刷しなおす)
- 宛名などに修正テープや二重線が使われている(新しい封筒に書き直す)
5-5. プロの添削やアドバイスを受ける
職務経歴書が完成したら、転職のプロである転職エージェントの添削を受けましょう。
転職エージェントによる添削や作成支援をおすすめする理由は2つあります。
理由1. 転職エージェントしか知らない情報があるから
職務経歴書は、企業が、「求める人物像」と「あなた」が合致しているか?を一次判断をするためのものです。
だから、企業のニーズを知るために企業研究をし、情報を収集することが重要になってくるわけです。
ですが、企業ごとに異なる人物像を効率的に把握することも、状況によってアピールする強みを選択することも、簡単ではありません。
(当然、同じ内容の職務経歴書を、他社の応募に使い回すことなどしてはいけません)
転職エージェントの中には、企業との間に独自のコネクションを持っている人が多いです。
担当企業の採用方針や採用状況、採用担当者の人柄や、好む人物像などの情報まで把握していることも珍しくありません。
このようなプロが、あなたの職務経歴書を、応募する企業仕様にカスタマイズしてくれるからです。
理由2. 転職の成功と失敗を見てきたノウハウがあるから
転職エージェントとて、全員を採用に導けるわけではありません。ですが、これが転職エージェントの最大の強みにもつながっています。
不採用になってしまった場合、その理由を企業から聞かされることになります。1日に複数件の不採用理由を聞くこともあります。
すると、合否の基準データ(○○だと不採用になる、△△だと採用になるというノウハウ)が、ものすごいスピードで集積されるのです。
このような、合否の基準やノウハウを持っているプロが、あなたの職務経歴書を、合格基準にカスタマイズしてくれるからです。
6. 【目的別】40歳におすすめの転職エージェント
ここまで転職(再就職)に失敗しないためのポイントを解説する中で、転職エージェントを活用するメリットについても触れてきました。
―転職エージェントを活用するメリット―
- 自分に合った求人情報を提案してもらえる
- 企業との独自コネクションから情報を教えてもらえる
- 職務経歴書などの書類を添削してもらえる
- 客観的な市場価値を教えてもらえる
- 応募手続きや面接日程の調整など面倒な手続きを代行してもらえる
転職エージェントとは、有料職業紹介事業において求職者と求人者を仲介する人のことですが、実は、全国には25,684か所の有料職業紹介事業所があります(2019年度時点)。
これは事業所の数ですから、事業者の数はこれ程ではないにしても、どの転職エージェントに登録すべきか悩んでしまう人は少なくありません。
この章では、転職エージェントと二人三脚で進みたいという人のために、どの転職エージェントに登録すべきか? 目的別におすすめの転職エージェントを紹介します。
6-1. 総合力の高いエージェント3社
どの転職エージェントに登録すべきか決めきれない場合、この3社に登録しておけば、まずは転職活動をスタートできます。
求人の業種や職種に大きな偏りはなく、公式Webサイトの使い勝手にもクセがないため、「転職エージェントってどんな感じだろう?」と体験したい場合にも適しています。
リクルートエージェント
『リクルートエージェント』は、人材紹介大手のリクルートが運営する転職エージェントです。
最大の魅力は、その求人件数です。
公開求人は175,547件、登録者のみ閲覧できる非公開求人は226,047件、合計401,594件もの求人を扱っています(2023年10月2日時点)。
転職エージェントを比較するにあたってのポイントはたくさんありますが、あなたのゴールは転職(就職)することです。
求人案件が多いということは、選択肢が多いということであり、それだけで転職できる可能性が高まります。
また、業種、職種、企業規模などにも偏りがなく、全年代に等しくおすすめできます。
「求人件数が多い=正義」とまでは言いませんが、希望に合致する転職先を逃してしまわないよう、最初に登録すべき転職エージェントです。
←表は左右にスクロールできます→
転職エージェント『リクルートエージェント』の概要 |
|
公開求人件数 | 175,547件 |
非公開求人件数 | 226,047件 |
求人の特徴 (他サイトとの比較) |
業種:偏りなし(IT・通信業界、人材業界の割合がやや高い) 職種:偏りなし(営業・販売の割合がやや高い) 年収:300~700万円の割合が高い 企業規模:偏りなし |
対応エリア | 全国 |
料金 | 無料 |
運営会社 | 株式会社リクルート |
※公開求人を対象に編集部調査(2023年10月2日時点)
dodaエージェント
『dodaエージェント』は、人材紹介大手のパーソルキャリアが運営する転職エージェントです。
求人件数は166,370件と多く、また、年収が高い傾向もあります。
求人件数最多の『リクルートエージェント』とは使い分けが必要で、収入アップを積極的に狙いたい人には併用をおすすめしたい転職エージェントです。
ただし、転職エージェント全般に言えることですが、ほとんどが正社員募集です。
非正規雇用を希望する場合には、パーソルキャリアのグループ会社であるパーソルテンプスタッフが運営する、人材派遣サイト『テンプスタッフ』などとの併用がおすすめです。
←表は左右にスクロールできます→
転職エージェント『dodaエージェント』の概要 |
|
公開求人件数 | 188,722件 |
非公開求人件数 | 非公開 |
求人の特徴 (他サイトとの比較) |
業種:偏りなし(メーカー(機械・電気)の割合がやや高い) 職種:偏りなし(企画・管理職の割合がやや高い) 年収:不明(年収検索の精度が低い) 企業規模:偏りなし |
対応エリア | 全国 |
料金 | 無料 |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
※公開求人を対象に編集部調査(2023年10月7日時点)
ワークポート
『ワークポート』は、人材紹介大手の株式会社ワークポートが運営する転職エージェントです。
最大の魅力は、転職決定人数です。
Webが広く普及し始めた2003年からIT分野での転職サポートに特化してきた実績があり、ワークポート経由でしか応募できないIT求人は少なくありません。
2014年から取り扱い分野を拡張し、総合人材紹介会社となりましたが、リクナビNEXTの「GOOD AGENT RANKING(グッド エージェント ランキング)」の決定人数部門で、2019年下期~21年下期(2019年10月~22年3月まで連続で第1位を獲得しています。
ただし、求人の非公開率が非常に高いため(70~95%が非公開求人)、IT業界に限らず、転職決定人数第1位のサポートを受けたい場合には登録が必須です。
←表は左右にスクロールできます→
転職エージェント『ワークポート』の概要 |
|
公開求人件数 | 54,000件 |
非公開求人件数 | 122,661件以上(公式Webサイトの情報から推定) |
求人の特徴 (他サイトとの比較) |
業種:偏りなし(システム開発・情報通信の割合がやや高い) 職種:偏りなし 年収:300~700万円の割合が高い 企業規模:偏りなし |
対応エリア | 全国 |
料金 | 無料 |
運営会社 | 株式会社ワークポート |
※公開求人を対象に編集部調査(2023年10月2日時点)
6-2. さらに収入アップしたい人向けの転職エージェント2社
さらに収入を上げて高年収を目指す人は、急がずに、ヘッドハンティング型の転職エージェントに登録し、スカウトを待つ方法をおすすめします。
ヘッドハンティング型であれば、レジュメ(プロフィール)の登録後は、待つだけです。
ただし、ある程度のキャリアが前提になります。
基準を満たしていない場合、登録できない、スカウトメールが届かないなどの可能性があります。
どのヘッドハンティング型転職エージェントも登録基準は開示していませんが、「年齢」×「経験年数」×「年収」によって総合的に判断されています。
あくまで目安ですが、年代ごとの年収基準は下記です。
―ヘッドハンティング型に登録すべき年収の目安―
- 20代:年収300万円以上
- 30代:年収400万円以上
- 40代:年収450万円以上
リクルートダイレクトスカウト
『リクルートダイレクトスカウト』は、人材紹介大手のリクルートが運営する転職エージェント(ヘッドハンティング型)です。
リクルートが運営する他の媒体と求人情報を共有していることもあり求人件数は非常に多く、登録しておくべき転職エージェントと言えます。
経営や管理職の求人割合は特筆するほど高くはなく、現場職で収入アップを狙いたい人の方が馴染むかもしれません。
また、年収800万円以上の求人もありますが、450~650万円の求人も多く、果報は寝て待つくらいの人におすすめします。
←表は左右にスクロールできます→
転職エージェント『リクルートダイレクトスカウト』の概要 |
|
公開求人件数 | 204,663件 |
非公開求人件数 | 非開示 |
求人比率 | 企業求人20%、ヘッドハンター求人80% |
求人の特徴 (他サイトとの比較) |
業種:偏りなし(建設の割合がやや高い) 職種:偏りなし 年収:450~650万円の割合が高い(800万円~も多少ある) 企業規模:偏りなし |
対応エリア | 全国 |
料金 | 無料 |
運営会社 | 株式会社リクルート |
※公開求人を対象に編集部調査(2023年10月4日時点)
ビズリーチ
『ビズリーチ』は、人材紹介大手のビズリーチが運営する転職エージェント(ヘッドハンティング型)です。
経営や管理職の求人割合が高く、また、新規事業関連の募集が非常に多い特徴もあります。
求人の年収額帯も600万円以上が多く、収入アップできる可能性は高いと言えるためおすすめです。
ただし、求人の入れ替わりが激しいため(調査をしている数十分の間にも件数が目まぐるしく変化していました)、チャンスを逃したくない人は、登録だけでも早めにしておきましょう。
←表は左右にスクロールできます→
転職エージェント『ビズリーチ』の概要 |
|
公開求人件数 | 72,692件 |
非公開求人件数 | 99,352件 |
求人比率 | 企業求人30%、ヘッドハンター求人70% |
求人の特徴 (他サイトとの比較) |
業種:偏りなし(コンサルティングの割合がやや高い) 職種:偏りなし(経営、プロジェクト管理の割合がやや高い) 年収:600万円~の割合が高い 企業規模:偏りなし(新規事業の割合が高い) |
対応エリア | 全国 |
料金 | 無料 |
運営会社 | 株式会社ビズリーチ |
※公開求人及び非公開求人を対象に編集部調査(2023年10月4日時点)
6-3. 女性向けの転職エージェント
転職や再就職(ブランクからの仕事復帰)を考えている女性におすすめしたいのは、女性専用の転職エージェントです。
女性専用ですから、100%女性目線に立ったサポートが期待でき、また、女性の転職支援実績を基にしたアドバイスは、あなたの仕事選びやキャリア形成の役に立つはずです。
マイナビエージェント 女性の転職
『マイナビエージェント 女性の転職』は、人材紹介大手のマイナビが運営する『マイナビエージェント』の女性版です。
女性の転職に特化した専門チームが編成されているため、女性特有の悩みへの理解度が高いです。
具体的には、女性の転職市場に精通したキャリアアドバイザーと、企業と太いパイプを持つリクルーティングアドバイザーがチームとなり、「ブランク」や「ワークライフバランス」などを考慮した転職をサポートしてくれます。
また、転職サイト『マイナビ』と求人情報を共有しているため、業種、職種ともに偏りがなく、いろいろな可能性を探りたい人にもおすすめできます。
←表は左右にスクロールできます→
転職エージェント『マイナビエージェント 女性の転職』の概要 |
|
公開求人件数 | 35,561件 |
非公開求人件数 | 34,624件 |
求人の特徴 (他サイトとの比較) |
業種:偏りなし(メーカー/製造業系が割合がやや高い) 職種:偏りなし 年収:500~900万円の割合が高い 企業規模:中小企業が多い |
対応エリア | 全国 |
料金 | 無料 |
運営会社 | 株式会社マイナビ |
※公開求人を対象に編集部調査(2023年10月4日時点)
※データは『マイナビエージェント』のもの。
7. 40歳が必ず登録しておきたい定番の転職サイト2選
40歳が転職を成功させるためには、できるだけ多くの求人情報を収集することが重要です。
転職エージェントだけでなく、転職サイトも合わせて登録しましょう。
あるいは、「いまは、どんな求人があるのかな…」「まだエージェントに依頼するほどではない…」という段階なら、自分のペースで求人情報を閲覧するだけでも十分です。
求人情報に触れるだけでも、求人の傾向をつかめたり、転職先の条件が明確になっていくため、転職サイトにだけ登録するのもひとつの選択肢です。
いずれにしても、転職サイトに登録する目的は、求人情報の収集(閲覧)ですね。
そこで、本章では、転職サイトの中で公開求人数の多いものを2つ紹介します。
求人情報の収集という目的を効率的に達成するためには、公開求人数の多い転職サイトへの登録が必須だからです。
doda
『doda』は、人材紹介大手のパーソルキャリアが運営する転職サイトです。
公開求人件数は18万件以上(会員登録後に閲覧できる非公開求人含む)で、業種、職種ともに豊富なため、求人情報収集には欠かせません。
また、比較的に大企業の求人が多く、年収も高い傾向があります。
「管理職・マネージャー」の求人が約3,000件あり、キャリアアップや収入アップを狙っている人にもおすすめできます。
←表は左右にスクロールできます→
転職サイト『doda』の概要 |
|
公開求人件数 | 188,722件 |
非公開求人 | 非公開 |
求人の特徴 (他サイトとの比較) |
業種:偏りなし(メーカー(機械・電気)の割合がやや高い) 職種:偏りなし(企画・管理職の割合がやや高い) 雇用形態:正社員募集が95%。 年収:不明(年収検索の精度が低い) 企業規模:大企業が多い。上場企業・株式公開企業の割合が24%と高い。 |
登録会員数 | 約629万人※2021年6月末時点 |
更新頻度 | 週2回更新(月曜・木曜) |
対応エリア | 全国 |
独自の機能 |
※いずれも利用や結果の閲覧には会員登録が必要です(dodaの会員登録はこちら)。 |
料金 | 無料 |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
※公開求人を対象に編集部調査(2023年10月7日時点)
リクナビNEXT
『リクナビNEXT』は、人材紹介大手のリクルートが運営する転職サイトです。
公開求人件数は約6万件と多く、業種、職種ともに偏りがないため、登録すべき定番サイトと言えます。
また、比較的に中小企業の求人が多く、標準的な年収額帯での転職活動が行えます。
サービス系の業種に強い傾向があり、販売や外食業界に転職したい人にもおすすめできます。
なお、ほとんどが正社員募集ですが、未経験歓迎の求人割合が非常に高いため、異業種への転職を検討している人は登録しておくと思わぬ出会いがあるかもしれません。
←表は左右にスクロールできます→
転職サイト『リクナビNEXT』の概要 |
|
公開求人件数 | 59,348件 |
非公開求人 | 非開示 |
求人の特徴 (他サイトとの比較) |
業種:偏りなし(サービス系の割合がやや高い) 職種:偏りなし(サービス・販売・外食の割合がやや高い) 雇用形態:正社員募集が95% 年収:300~700万円の割合が高い 企業規模:中小企業が多い 経験:業種、職種ともに未経験者歓迎の割合も高い |
登録会員数 | 1,043万人※2020年12月末時点 |
更新頻度 | 週2回更新(水曜・金曜) |
対応エリア | 全国 |
独自の機能 |
※利用には会員登録が必要です(グッドポイント診断はこちら)。 |
料金 | 無料 |
運営会社 | 株式会社リクルート |
※公開求人を対象に編集部調査(2023年10月1日時点)
8. まとめ
今回は、40歳の転職事情について解説しました。
- 40歳の転職は厳しいという思い込みがあるが、実際は、年間55万人が転職し、景気に左右されない安定した需要がある。
- 25~44歳ではブランク後に再就職する人も多い。
- 40歳では、社会人の基礎力とも言えるポータブルスキルが高く評価される。
- 40歳の転職を成功させるためには、転職活動前の準備や、転職活動中の注意を怠らない。
- 40歳の転職では、複数の転職サイト、複数の転職エージェント、ハローワークなどの転職サービスを使い分ける必要がある。
- 40歳の転職を効率化するには、転職エージェントに登録し、面倒な作業を代行してもらうとよい。
この記事でおすすめした転職エージェント・転職サイト
- 総合力の高い転職エージェント
リクルートエージェント
dodaエージェント
ワークポート - さらに収入アップしたい人向けの転職エージェント
リクルートダイレクトスカウト
ビズリーチ - 仕事に復帰する女性や、ワークライフバランスを優先したい女性向けの転職エージェント
マイナビエージェント/女性の転職 - 40歳が必ず登録しておきたい求人情報が多い転職サイト
doda
リクナビNEXT
現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。