「メルセデス・ベンツ日本に転職したい」「採用されるのは難しい?」とお考えですね。
中途採用は随時行われているものの、メルセデス・ベンツ日本の採用ハードルは高めと言えます。
中途採用の募集要項を見てみると、企業法務経験者や経理・財務のプロジェクトリーダー経験者、ITシステム開発におけるプロジェクトマネジメント経験者がメインとなっており、専門職として経験を持つ人材を募集しているようです。
転職を成功させるには、入念な情報収集を行い、「どういった人材を求めているのか」をしっかり把握し、入念に対策を練る必要があります。
そこでこの記事では、キャリアコンサルタントとして数多くの転職をアドバイスしてきた私が、メルセデス・ベンツ日本への転職にあたり知っておくべき知識を解説します。
すべて読めば、メルセデス・ベンツ日本への転職の第一歩を踏み出せるでしょう。
目次
1.メルセデス・ベンツ日本のリアルな働き方
年収 【 2.9/ 5 】 |
福利厚生 【 3.2/ 5 】 |
社員の平均年収は869万円!輸入車メーカーとしては平均的な水準。 | 家賃補助などの支援はない。年間7万円程度のカフェテリアプランが用意されている。 |
評価制度 【 3.0 / 5 】 |
やりがい・成長 【 3.4 / 5 】 |
外資系のため実力主義。目標設定と達成度に応じた評価制度が設けられている。 | グローバルな視点で考えることや、個人の業務範囲が多いことが成長につながると実感している人が多い。 |
雰囲気・働きやすさ 【 3.0 / 5 】 |
将来性 【 3.6 / 5 】 |
若手層の風通しは良い。仕事で結果を出せば、服装や髪型など個人の事情には寛容な社風。 | ブランドパワーが強く安定性が見込める。2021年上半期の販売台数は、4年ぶりに前年実績を上回った。 |
※openwork / Lighthouse / 転職会議の評価をもとに算出
メルセデス・ベンツ日本で求められる人物像
- 「哲学と卓越した技術力によって、世界の自動車の指標であり続ける」という意識を持つ
- 全国の正規販売店とともに、最高の製品を顧客に提供できるよう進化する
- 安全性追求を最重要テーマとし、事故無きクルマ社会の実現のため技術革新を推し進める
- 事業の長期的な成功を追求するだけではなく、社会的ニーズに対応することに努める
- コンプライアンス遵守、インテグリティ(誠実さ)を標準として業務に携わる
本章ではメルセデス・ベンツ日本のリアルな働き方について詳しく解説します。
1-1.年収
メルセデス・ベンツ日本の年収相場は、口コミ等による参考値で869万円(平均年齢45.1歳)となっています。役職によって平均年収に違いがあり、課長代理になると600万円以上、課長になると1,000万円を超えることもあるようです。
実際の求人募集要項では、以下のような年収が提示されていました。
中途採用者の年収
- ITプロジェクト&プロダクト管理 :年収:600万円 〜 800万円
- 企業法務:年収:600万円 〜 800万円
また、財務システム導入担当の求人募集要項では、以下のような待遇が提示されていました。
財務システム導入担当者の月給
- 月給:360,000円~
(別途残業手当、年3回の賞与あり)
給与水準については日系メーカーと同等という意見が多くありました。基本給+ボーナスとなっていて、ボーナスは年3回、平均で年間トータル基本給5か月分相当が支給されるようです。
ただし、日系企業のように職位が上がらずとも昇給することはなく、多くの社員が昇級できる課長代理職でストップすると、年収も約650万円程度で昇給が止まってしまい、転職を検討する若手、中堅社員も多いという意見が複数ありました。
1-2.福利厚生
福利厚生については、年間7万円程度のカフェテリアプランの他は、特に金銭面での補助は少ないようです。
年々、住宅ローン利子補助が減るなど福利厚生が削減されており、近年の口コミでは不満意見も目立ちました。
なお、有料ではあるものの、週末に車両を借りることができるという制度があります。
1-3.評価制度
メルセデス・ベンツ日本では、目標設定と達成度に応じた評価制度が設けられています。
外資系企業のため、実力のある人が昇格していくという側面はあるものの、意欲があれば若手社員でも手を挙げてプロジェクトを進めることができる風土のようです。
課長職にならなければ年収は約650万円程度で頭打ちというのが実情ですが、課長職への昇級は狭き門となっています。
1-4. やりがい・成長
メルセデス・ベンツ日本でのやりがいについては、やはり世界最高水準のブランドに携わっていることがモチベーションとなるという意見が複数ありました。
また、ドイツ本社とのコミュニケーションも多く、グローバルな視点でビジネスに携わることで成長につながるという声も見られます。基本的に人数が少なく、個人の業務範囲が多い点もポジティブに受け止めている社員が多いようです。
育成環境としては、新卒と中途入社社員で教育機会に大きな格差があるという意見が多くありました。新卒社員は海外研修等の機会もあり、結果として昇進スピードも早いようですが、中途入社の場合OJTと自己啓発でスキルアップを図る必要があるようです。
1-5. 雰囲気・働きやすさ
メルセデス・ベンツ日本は、会社の雰囲気についてもおおむね高評価で、自動車メーカーとしてはかなりの高水準です。
ドイツ本社、また日本法人社長の強いトップダウンによる意思決定が多いようですが、スピード感があり優れた施策も多いと好意的に受け止められています。社員の多くが高いブランド力に誇りを持っている点では、一丸となっているようです。
また、近年優秀で意識の高い新卒入社社員も増えており、社内の雰囲気が変わってきているという口コミも複数件ありました。
社員数がさほど多くないこともあり、チームよりも個で仕事を進める風土で、その分教育環境が整っていないというネガティブ意見はありました。結果として属人的な業務や意思決定も多々あるようですが、部門間の軋轢も見られるため、日系企業のような上手い立ち回りも重要になるという意見が多くありました。
1-6.将来性
メルセデス・ベンツ日本の売上高は、2016年から2018年まで右肩上がりだったものの、2019年には0.15%減の4383.6億円、コロナ禍になってからの2020年は41.62%減の3545.5億円となっています。
コロナ禍での売上高マイナスはありましたが、メルセデス・ベンツ日本だけでなく、外国メーカー車全体に販売台数の減少が起きています。
2020年度の外国メーカー車の販売台数は、前年度比12.5%減の25万5518台で、8年ぶりの低水準となりました。2020年春の緊急事態宣言の発令などで、年度前半の売れ行きが大きく下落したという実情があります。
とはいえ、外国メーカー車の価格帯別で見ると、1,000万円以上の高級車が2.7%増の2万3573台と6年連続でプラスとなり、価格帯の高い外国車はコロナ禍の影響をほとんど受けていません。
また、メルセデス・ベンツ日本の売上高は減少傾向にあるものの、販売台数は伸びています。2021年上半期、メルセデス・ベンツ日本は2万7546台を販売し、前年同期比は10.3%増と、2017年以来4年ぶりに前年実績を上回りました。
さらに、輸入車ブランドの販売台数では、メルセデス・ベンツ日本が首位を維持しており、電気自動車(EV)の本格普及に向けて体制を整えていることからも、将来性に期待できると言えます。
2.メルセデス・ベンツ日本の採用情報
メルセデス・ベンツ日本では、年間を通じて中途採用を行っています。
出典:メルセデス・ベンツ日本
本章では、メルセデス・ベンツ日本の採用・求人に関する情報をまとめました。
2-1.中途採用での募集職種
メルセデス・ベンツ日本では、2023年10月現在、以下の職種を募集しています。
募集職種(役職)
- 新規Eコマースプラットフォーム立ち上げのプロジェクトリーダー(スタッフ)
- IT-セールス&カスタマーサービスプロジェクト管理(スタッフ)
- 顧問弁護士(ゼネラルマネージャー)
- 法務担当(スタッフ)
- ITアプリケーションアーキテクト(スタッフ)
出典:メルセデス・ベンツ日本
それぞれの業務内容は以下の通りです。
新規Eコマースプラットフォーム立ち上げのプロジェクトリーダー(スタッフ)
・出店者である正規販売店との調整
・ユーザーインターフェース改善に向けた提案
・E コマース拡販に向けた企画およびプロモーション
・実績の分析およびKPIフォローアップIT-セールス&カスタマーサービスプロジェクト管理(スタッフ)
・プロジェクトおよび製品管理
・需要管理とソリューションの設計
・IT戦略と計画顧問弁護士(ゼネラルマネージャー)
・会社のすべての部門と子会社に包括的な法的サポートを提供
法務担当(スタッフ)
・契約の起草、検討、交渉、実行を行う
・日本の法律(民事/商業を含む)に基づく法的アドバイスを行う
・内部監査に対応する
・警察、裁判所等からの問い合わせに対応するITアプリケーションアーキテクト(スタッフ)
・プロジェクトおよび製品管理
・地域/グローバルロードマップに基づいて実装および展開アクティビティに合わせてITランドスケープを最適化する
・ビジネスの使命と戦略に沿ったエンタープライズアーキテクチャを計画、設計、維持する
出典:メルセデス・ベンツ日本
また、メルセデス・ベンツ日本採用ホームページでは、正規ディーラーでの各業務中途採用の募集が行われています。(出典:メルセデス・ベンツ日本)
2-2.求められる人材
メルセデス・ベンツ日本では、以下の条件に該当する人材を採用したいと考えているようです。
メルセデス・ベンツ日本で求められる人物像
- 「哲学と卓越した技術力によって、世界の自動車の指標であり続ける」という意識を持つ
- 全国の正規販売店とともに、最高の製品を顧客に提供できるよう進化する
- 安全性追求を最重要テーマとし、事故無きクルマ社会の実現のため技術革新を推し進める
- 事業の長期的な成功を追求するだけではなく、社会的ニーズに対応することに努める
- コンプライアンス遵守、インテグリティ(誠実さ)を標準として業務に携わる
メルセデス・ベンツ日本では、企業が継続的な成功を収めるためには、コンプライアンスとインテグリティ(誠実さ)の両方を兼ね備えた企業文化の中でビジネスを行う事が何よりも大切だと考え、その企業文化に合った人材を求めているようです。
公式サイトでは、インテグリティとコンプライアンスについて、下記3つのメッセージを発信しています。
1.インテグリティとは、自分が相手に望む態度で、人に接する事だと思います。
2.私達の顧客やビジネスパートナーは、公平な企業として私達を見ています。
3.長期的に企業のイメージを損失する事は、短期的に目標を達成できなかった事より重大な事です。
出典:メルセデス・ベンツ日本
自動車を取り巻く環境が年々変化していることから、サステナビリティ(持続可能性)の取り組みを重視し、目先の利益を追い求めるのではなく、自然環境や社会システムの維持にも目を向けるという考え方を持った人材を求めているようです。
そのことは、メルセデス・ベンツ日本CEOメッセージの中でも言及されています。
【CEOメッセージ】
自動車を取り巻く環境は常に変化しており、ダイムラー社は自動車のパイオニアとして、安全で持続可能なモビリティの未来を作り続けることに、誇りと自信をもっております。
特に安全性追求を最重要テーマとし、事故無きクルマ社会の実現のため技術革新を推し進めており、安全運転支援システム「レーダーセーフティ」は現在ほぼ全てのモデルに搭載され高い評価を頂いております。
環境適合性についても力を注いでおり、内燃機関エンジンの技術革新はもちろんのこと、電気自動車、プラグインハイブリッド、燃料電池車と、お客様のニーズにお応えする幅広いラインアップをご用意しております。
出典:メルセデス・ベンツ日本
3.メルセデス・ベンツ日本の企業情報
1986年に設立されたメルセデス・ベンツ日本は、ドイツ・ダイムラー社の「メルセデス」ブランド製品の輸入、販売を行う企業です。
日本では高級車としてのイメージが強いですが、実際にはトラック、大型バス等の商用車や特殊車両、軍用車両まで幅広く取り扱う総合自動車メーカーです。
出典:メルセデス・ベンツ日本
3-1.事業内容
メルセデス・ベンツ日本は、日本においては、輸入車新規登録台数は1位で、2021年11月現在で国内シェア14.13%とトップ輸入車メーカーの地位を築いています。
メルセデス・ベンツ日本では、『メルセデス・ベンツ、最も愛されるブランドへ』というカンパニービジョンを掲げています。
出典:メルセデス・ベンツ日本
安全性追求を最重要テーマとしてほぼ全モデルへの「レーダーセーフティ」機能の導入をはじめ、2015年に日本初のディーゼルハイブリッド車を導入するなど環境適合性にも力を入れています。
また、2021年にドイツのメルセデス・ベンツが「10年以内にすべて電気自動車(EV)へ移行する」という方針を発表しており、メルセデス・ベンツ日本においても、電気自動車の本格普及に向けて体制を整えています。
そのほか、日本では、世界各国で製造され輸入された整備完了直後の新車を直接お客様に納車、同時に納車式や構内見学を出来る施設を設立するなど、国内での高級車ブランドイメージへの期待に応える戦略を打ち出しています。
3-2.会社概要
メルセデス・ベンツ日本の会社概要を以下にまとめました。
本社所在地 | 東京都品川区東品川四丁目12番4号 品川シーサイドパークタワー |
代表者 | 代表取締役社長 上野 金太郎 |
設立 | 1986年1月21日 |
資本金 | 156億円 |
売上 | 3545.5億円(2020年12月期) |
従業員 | 約370名(2021年12月時点、派遣社員は除く) |
事業内容 | 自動車とその関連製品の輸入・販売およびサービス |
4.メルセデス・ベンツ日本への転職を成功させるコツ
志望転職を成功させるためには、以下3つのコツを押さえておきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
4-1.自己分析・キャリアの棚卸しを入念に行う
まずは自己分析・キャリアの棚卸しを徹底しましょう。
自らの長所やスキルを言語化したり、これまでの経歴を振り返ったりすることで、アピールポイントとなる強みを見つけ出すことができます。
自己分析の着眼点
- 振り返り
…これまでのキャリアを振り返る - 転職してどうなりたいのか
…「なぜ転職したいのか?」「どんな人生を歩みたいのか?」など自身の「なりたい状態」を考える - できること
…これまでの経験からどんなことを学んできたのか、どのようなスキルがあるのか
上記を重点的に考えることで、「魅力的な職務経歴書の作成」「面接での効果的なアピール」が可能となります。
4-2.情報収集を行い、企業の求める人物像を捉える
「自分はどのような強みがあるか」だけではなく、「企業はどのような人材を求めているのか」を考えることも重要です。
そのためにも、企業のコーポレートサイトや求人情報を徹底的に調べることが欠かせません。
また、採用条件だけでなく、以下の情報から求められる人物像を読み取ることも重要です。
求める人物像を読み取る観点
- 企業の成長ステージ
…創業期であれば即戦力や横断的なスキルを持つ人材が求められる。一方、成熟期はマーケティング人材や異業種人材が求められる傾向 - 理念・ビジョン
…企業が目指す事業の形から、どのような考え・姿勢で働く人材を求めているかを考える
企業情報を踏まえた志望動機・自己PRを行うことで、採用選考の確率を高めることができます。
4-3.頻出の質問を把握し、模擬面接を通して面接に慣れておく
「頻出の質問」に対する回答を、あらかじめ考えておくなど、事前に面接準備を行っておくことで、スムーズな対応が可能になり、的確に自分をアピールできます。
面接で頻出の質問
- 「あなたの強みは何ですか?」
- 「なぜ転職しようと思ったのですか?」
- 「弊社を志望した動機を教えてください」
- 「弊社に活かせるスキルや経験を教えてください」
また、面接特有の空気感に緊張してしまい、本番で思うように受け答えができないという方も少なくありません。
このような事態を防ぐためにも、模擬面接(面接の練習)を行っておくことが大切です。
選考・面接対策は転職エージェントの利用がおすすめ
採用確率を高める選考対策は、転職エージェントの利用をおすすめします。
転職エージェントを利用すれば、以下のサポートが受けられるからです。
- ヒアリングを通して強みやアピールポイントを客観的に見極めてくれる
- 応募書類の添削を行ってくれる
- 模擬面接など、事前の面接対策も可能
転職エージェントを利用することで、転職のプロから採用側の視点で、客観的なアドバイスをもらうことができるので、積極的に活用することをおすすめします。
5.メルセデス・ベンツ日本への転職におすすめのエージェント
メルセデス・ベンツ日本の求人については、リクルートダイレクトスカウトとリクルートエージェントで募集が行われていました。
転職エージェントでは企業の募集背景や頻出質問などに合わせた選考対策も実施してもらえるので、転職意欲の高い方はエージェント経由での応募もおすすめです。
リクルートダイレクトスカウト
『リクルートダイレクトスカウト』は国内最大手のリクルートが運営する、ハイクラス向けのヘッドハンティング型転職サイトです。
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レジュメを登録しておけば、それを見たヘッドハンターから好条件のスカウトをもらうことも可能です。
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レジュメ登録後はスカウトを待つだけで良いので、「時間をかけて高年収の仕事を見つけたい」という方におすすめです。
リクルートエージェント
『リクルートエージェント』は、求人数No.1の総合転職エージェントです。
公開求人は約37万件、登録者のみ閲覧できる「非公開求人」を合わせると約62万件以上の求人を扱っています(2023年4月7日時点)。
業界最大の転職支援実績があり(厚労省「人材サービス総合サイト」より2019年実績)、サポートも充実しているので、転職を検討しているなら必ず登録すべき1社です。
転職成功率を上げるには、『dodaエージェント』や、サポートへの評判が高い『パソナキャリア』や『マイナビエージェント』を併用すると良いでしょう。
◆補足:リクルートが運営している関連サービス
- リクルートダイレクトスカウト(年収700万円ある人向け)
- リクルートエージェントIT(エンジニア向け)
さいごに
メルセデス・ベンツ日本での働き方や転職について紹介しました。
メルセデス・ベンツ日本への転職はやりがい・自己成長・若手も活躍できるなどの面でメリットが大きいですが、外資系のため実力主義であることや、グローバルな視点で考える人物が求められている点に注意しておきましょう。
転職成功のポイントは、徹底した事前準備にあります。
より転職成功率を高めたいという方は、転職エージェントを利用して、選考対策を行うことをおすすめします。
あなたが最高の転職をできることを陰ながら祈っております。
現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。