「ベイカレント・コンサルティングに転職したい」「採用されるのは難しい?」とお考えですね。
積極的な中途採用は行われているものの、ベイカレントの採用ハードルは高めと言えます。中途採用の募集要項を見てみると、コンサルティングファーム出身者や経験者採用がメインとなっており、既にコンサルティング能力が高い人材を募集しているようです。
転職を成功させるには、入念な情報収集を行い、「どういった人材を求めているのか」をしっかり把握した上で対策を練る必要があります。
そこでこの記事では、キャリアコンサルタントとして数多くの転職をアドバイスしてきた私が、ベイカレントへの転職にあたり知っておくべき知識を解説します。
すべて読めば、ベイカレント・コンサルティングへの転職の第一歩を踏み出せるでしょう。
目次
1.ベイカレント・コンサルティングのリアルな働き方
年収 【 4.2 / 5 】 |
福利厚生 【 3.9 / 5 】 |
社員の平均年収は1,000万円以上!実力主義で、スピード昇格・昇給も見込める | 社員の働きやすさを考えた「健康経営」など独自の制度が魅力 |
評価制度 【 3.6 / 5 】 |
やりがい・成長 【 3.8 / 5 】 |
上下関係はフラットで風通しが良く、社長との距離感も近く議論しやすい | 仕事のスピード感があり高いアウトプットが求められる環境。やりがいや自己成長を実感している人が多数 |
雰囲気・働きやすさ 【 3.6 / 5 】 |
将来性 【 3.5 / 5 】 |
外資系コンサルファームからの転職者も多い。コンサルタントの成長を長い目で見る風土がある | 外資系コンサルファームからの転職者も多い。コンサルタントの成長を長い目で見る風土がある |
※vorkers / Lighthouse / 転職会議の評価をもとに算出
ベイカレントで求められる人物像
- 自主性がある
- チャレンジする姿勢を持ち続ける
- 早いスピードの中で何事にも徹底的に取り組む
- 受け身の姿勢ではなく、自ら学びに行く
- ITに関する業務知見
本章ではベイカレントのリアルな働き方について詳しく解説します。
1-1.年収
ベイカレント・コンサルティングの平均年収は、1,031万円です。(出典:四季報)
これはコンサルティング業界の中でも、高い部類に入ります。
実際の求人募集要項では、以下のように記載されています。
コンサルタント職の月給
- コンサルタント(アナリスト):月給:357,200円~
- コンサルタント(シニアコンサルタント):月給:428,600円~
- コンサルタント(マネージャー・シニアマネージャー):基本給:529,354円~
※いずれも固定残業手当含む / 別途賞与支給あり
ベイカレント・コンサルティングは役職や年齢、勤続年数に関わらず、成果に応じたポジションや報酬を用意する「実力評価」の制度を整えています。
アシスタント全般を行うアナリストなどは、平均年収に比べると低いですが、能力・結果次第では、スピード感のある昇格・昇給が見込めるでしょう。
実際に、転職サイトマイナビ転職の求人では、以下のようなモデル年収例が提示されていました。
- 年収1,200万円 / 27歳 経験5年
- 年収1,700万円 / 32歳 経験4年
- 年収2,500万円 / 37歳 経験7年
1-2.福利厚生
ベイカレント・コンサルティングは、社員の健康を重視する「健康経営」を指針の一つとして挙げています。
- 子育て支援制度
…女性社員の産前・産後休暇、育児休暇の取得率は100%
…男性社員の育児休暇取得率は35%と高い - 健康維持
…シックリーブ(病気休暇、有給休暇とは別に付与)制度の導入
…業務フロアを完全禁煙化
このような取り組みにより、従業員が心身ともに健康でいられる会社作りを目指しているようです。
1-3.評価制度
通年のプロジェクト単価や継続率などによって、翌年の年俸や職位が決まります。
評価自体は、年間稼働利益や年間稼働率をベースとした定量評価と、リーダーによる定性評価の両軸で行われます。
1-4. やりがい・成長
ベイカレント・コンサルティングの業務は、ワンプール制を採用しています。
これはすべてのコンサルタントが同じ部門に所属するという仕組みです。
コンサルタントは1つにプールされ、様々な業種やコンサル領域を担当する機会があるため、ゼネラリスト・スペシャリストなどのキャリアも選べる他、幅広い経験ができると好評です。
多くのコンサルティングファームでは、区分された部門の中でプロジェクトをこなしキャリア形成を行うのが一般的ですが、ワンプール制により、多岐にわたる分野の中から自身の志向に合ったプロジェクトを選択することで、一人ひとりに合ったキャリア形成を実現しています。
大企業とのプロジェクトも多く、常に高いアウトプットが求められるため、やりがいや自己成長を実感している人が多数です。
1-5. 雰囲気・働きやすさ
ベイカレントは、外資系企業にありがちな「Up or Out (出世するか、転職するか)」の考え方ではなく、「Up or Stay(出世するか、会社に残るか)」という考え方が根付いていると言われています。
要するに、結果が出ないからといって居場所がなくなるようなシビアな環境ではなく、コンサルタントの成長を長い目で見る風土があるようです。
他のコンサル企業同様、上下関係は比較的フラットで風通しは良く、社長との距離感も近く議論しやすいという声もあります。
また、残業時間は、35.6時間と、大手コンサルティングファームの中では少なめです。
同社は働き方改革を進めており、マネジメント担当者は部下の残業時間が増えすぎないように調整することが求められているようです。
ベイカレントでも働き方を工夫しており、マネージャー陣はメンバーの残業時間が所定の時間を超えないようコントロールしています。
1-6.将来性
ベイカレントの業績を見る限り、将来性は期待できると言えます。
2016年以降、ベイカレントの売上収益は右肩上がりに伸びており、2020年2月期の売上高は330億円に達しています。
また、ベイカレントはIT分野に強みがあり、これまで以上の市場拡大も予想されます。
新卒採用や中途採用も積極的に行っており、2018年時点で1,528名だった従業員数は、わずか2年で2,058名(約500人増)となっていることから、会社自体も拡大傾向にあることが分かります。
2.ベイカレント・コンサルティングの採用情報
ベイカレント・コンサルティングでは、積極的な中途採用を行っています。
中期経営計画では2019~2021年度を『将来の持続的な事業拡大に向けた基盤固めの3年間』と位置付けて、業績を大きく左右する「優秀な人材確保」に取り組んでいるようです。
本章では、ベイカレント・コンサルティングの採用・求人に関する情報をまとめました。
2-1.中途採用での募集職種
ベイカレント・コンサルティングでは、積極的な中途採用を行っており、通年で以下の職種を募集しています。
募集職種(役職)
- コンサルタント(アナリスト)
- コンサルタント(シニアコンサルタント)
- コンサルタント(マネージャー・シニアマネージャー)
また、他にも「ITコンサルタント」職種の募集も行われています。
それぞれの業務内容は以下の通りです。
コンサルタント(アナリスト)
研修やOJT、実際のプロジェクトの経験を通じて、問題分析から課題抽出、解決策の立案から実行まで一連の高度なコンサルティングスキルを習得
・上司・先輩コンサルタントの補助ワークコンサルタント(シニアコンサルタント)
クライアントの戦略/業務/ITに関するソリューション提供と実行支援
・コンサルティング案件(戦略、業務、IT)のプロジェクトリード
・クライアントのリレーションシップマネジメントコンサルタント(マネージャー・シニアマネージャー)
プロジェクトならびに組織マネジメント
・新規ならびに既存クライアントに関する案件受注に向けた営業支援
・コンサルティング案件(戦略、業務、IT)のプロジェクトマネジメント
・クライアントならびに自社コンサルタントのマネジメント
2-2.求められる人材
ベイカレントでは、以下の条件に該当する人材を採用したいと考えているようです。
ベイカレントで求められる人物像
- 自主性がある
- チャレンジする姿勢を持ち続ける
- 早いスピードの中で何事にも徹底的に取り組む
- 受け身の姿勢ではなく、自ら学びに行く
- ITに関する業務知見
ベイカレント・コンサルティングの求人は、基本的にコンサルティングファーム出身や、関連業務の経験者が対象です。
例えば、ITコンサルタントの求人では、「エンジニアとして開発経験がある」or「コンサルティングファーム出身」が必須条件となっていました。
ポイント:未経験採用も行っている
ただ、ベイカレント・コンサルティングではコンサル業務未経験者の採用も行っています。
例えば、公式サイトの採用ページでは、以下のような記載がありました。
コンサルタント(アナリスト)
※コンサルティング経験や資格は不問
実際に、ベイカレント・コンサルティングの社員インタビューでは、以下のように述べられています。
まず新人の方向けの社内のトレーニングがありますが、そちらは複数のコンサルタント達と議論しながら設計しています。入社して来られる方々の特性を踏まえながら毎回練り直しているのが特徴的な点です。
出典:キープレイヤーズ
未経験者採用の背景
同社の売上収益は、2016年以降毎年右肩上がりとなっており、依頼内容も多様化しています。
急増する業務に対応できる人員を増やすことを目的として、未経験者の積極採用・育成も図っているようです。
3.ベイカレント・コンサルティングの企業情報
ベイカレント・コンサルティングは、日系の大手総合コンサルティングファームです。
1998年の創業以降、堅調に事業を拡大し、2018年には東証一部上場を果たしました。
3-1.事業内容
戦略・業務・ITのコンサルティングからシステムインテグレーション(システムの構築)まで、トータルで企業の事業をサポートしています。
支援実績からも、業務領域が多岐にわたることが分かります。
支援実績
- AI活用によるデジタルマーケティング推進
- データサイエンティストの育成
- ICTサービスプラットフォーム新事業企画・立ち上げ
- 5G・IoTを活用した新規事業立ち上げ
- 契約管理・顧客ポータルシステムの刷新
- サブスクリプションソリューションの立ち上げ・事業化推進
また、戦略立案のみにとどまらず、戦略実現のための組織改善やITの最適化なども行っています。
IT分野のコンサルティングに強い
ベイカレント・コンサルティングはもともとシステム開発を請け負う事業からスタートした背景があり、特にIT分野の支援実績が豊富です。
3-2.会社概要
ベイカレント・コンサルティングの会社概要を以下にまとめました。
本社所在地 | 東京都港区虎ノ門1丁目23-1 (虎ノ門ヒルズ森タワー9階) |
代表者 | 代表取締役社長 阿部義之 |
設立 | 1998年 |
資本金 | 282百万円 |
売上 | 330億円 (2020年2月期) |
従業員 | 2,058名 (2020年4月時点) |
事業内容 | 各種コンサルティング業務 (戦略、ITなど) |
4.ベイカレント・コンサルティングへの転職を成功させるコツ
志望転職を成功させるためには、以下3つのコツを押さえておきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
4-1.自己分析・キャリアの棚卸しを入念に行う
まずは自己分析・キャリアの棚卸しを徹底しましょう。
自らの長所やスキルを言語化したり、これまでの経歴を振り返ったりすることで、アピールポイントとなる強みを見つけ出すことができます。
自己分析の着眼点
- 振り返り
…これまでのキャリアを振り返る - 転職してどうなりたいのか
…「なぜ転職したいのか?」「どんな人生を歩みたいのか?」など自身の「なりたい状態」を考える - できること
…これまでの経験からどんなことを学んできたのか、どのようなスキルがあるのか
上記を重点的に考えることで、「魅力的な職務経歴書の作成」「面接での効果的なアピール」が可能となります。
4-2.情報収集を行い、企業の求める人物像を捉える
「自分はどのような強みがあるか」だけではなく、「企業はどのような人材を求めているのか」を考えることも重要です。
そのためにも、企業のコーポレートサイトや求人情報を徹底的に調べることが欠かせません。
また、採用条件だけでなく、以下の情報から求められる人物像を読み取ることも重要です。
求める人物像を読み取る観点
- 企業の成長ステージ
…創業期であれば即戦力や横断的なスキルを持つ人材が求められる。一方、成熟期はマーケティング人材や異業種人材が求められる傾向 - 理念・ビジョン
…企業が目指す事業の形から、どのような考え・姿勢で働く人材を求めているかを考える
企業情報を踏まえた志望動機・自己PRを行うことで、採用選考の確率を高めることができます。
4-3.頻出の質問を把握し、模擬面接を通して面接に慣れておく
「頻出の質問」に対する回答を、あらかじめ考えておくなど、事前に面接準備を行っておくことで、スムーズな対応が可能になり、的確に自分をアピールできます。
面接で頻出の質問
- 「あなたの強みは何ですか?」
- 「なぜ転職しようと思ったのですか?」
- 「弊社を志望した動機を教えてください」
- 「弊社に活かせるスキルや経験を教えてください」
また、面接特有の空気感に緊張してしまい、本番で思うように受け答えができないという方も少なくありません。
このような事態を防ぐためにも、模擬面接(面接の練習)を行っておくことが大切です。
選考・面接対策は転職エージェントの利用がおすすめ
採用確率を高める選考対策は、転職エージェントの利用をおすすめします。
転職エージェントを利用すれば、以下のサポートが受けられるからです。
- ヒアリングを通して強みやアピールポイントを客観的に見極めてくれる
- 応募書類の添削を行ってくれる
- 模擬面接など、事前の面接対策も可能
転職エージェントを利用することで、転職のプロから採用側の視点で、客観的なアドバイスをもらうことができるので、積極的に活用することをおすすめします。
5.ベイカレント・コンサルティングへの転職におすすめのエージェント
ベイカレントは、転職エージェント経由での採用も行っています。当サイトで調査したところスカウト型サイト『リクルートダイレクトスカウト』、大手エージェント『マイナビエージェント』で求人募集が行われていました。(2021年12月調査)
転職エージェントでは企業の募集背景や頻出質問などに合わせた選考対策も実施してもらえるので、転職意欲の高い方はエージェント経由での応募もおすすめです。
リクルートダイレクト
『リクルートダイレクトスカウト』は国内最大手のリクルートが運営する、ハイクラス向けのヘッドハンティング型転職サイトです。
ハイクラス求人の検索はもちろん、レベルの高いコンサルタント(ヘッドハンター)を選んで相談をすることもできます。
レジュメを登録しておけば、それを見たヘッドハンターから好条件のスカウトをもらうことも可能です。
また、総求人は118,653件と選択肢も多いので、高年収を狙う方であればすべての方におすすめできる転職サービスといえます。
レジュメ登録後はスカウトを待つだけで良いので、「時間をかけて高年収の仕事を見つけたい」という方におすすめです。
マイナビエージェント
『マイナビ IT AGENT』は、丁寧なサポートがウリの20代向け転職エージェントです。
求人数だけではリクルートやdodaといった大手ほどではありませんが、首都圏の20代に焦点を当てれば1番の満足度(4.2/5.0点)を誇ります。
そのため、求人数が豊富な大手(例えば、『リクルートエージェント』や『dodaエージェント』など)と併用することをおすすめします。
さいごに
ベイカレントでの働き方や転職について紹介しました。
ベイカレントへの転職はやりがい・自己成長・風通しの良さなどの面でメリットが大きいですが、多様なビジネスを行なっているためプロジェクトによって雰囲気や労働環境が大きく異なる点に注意しておきましょう。
転職成功のポイントは、徹底した事前準備にあります。
より転職成功率を高めたいという方は、転職エージェントを利用して、選考対策を行うことをおすすめします。
あなたが最高の転職をできることを陰ながら祈っております。
現役の転職コンサルタント集団。大手人材会社に在籍しているメンバーが多いため、執筆内容に制約がかからないように『匿名性』とし、裏事情やノウハウを包み隠さずにご紹介しています。