公認会計士の年収はどれくらい?年収アップを叶えるコツとは

公認会計士の年収はどれくらい?

公認会計士の年収はどれくらい?
自分の職場は相場より低いのかな
と考えていませんか?

厚生労働省の調査によると、公認会計士の平均年収は945万円です厚生労働省:令和2年度賃金構造基本統計調査,2021.。他の職種に比べて高い傾向にありますが、年代や経験年数によって異なります。

そこで本記事では、公認会計士の年収相場や年収アップ方法を紹介します。

  1. 【全国平均945万円】公認会計士の年収相場を徹底分析
  2. 公認会計士の年収が高いと言われる理由
  3. 公認会計士の年収が低いと言われる理由
  4. 公認会計士が年収をアップさせる方法
  5. 年収の高い職場に転職したい公認会計士が注意すべきこと2選
  6. 公認会計士が年収3,000万円を実現するには
  7. 公認会計士で年収アップを目指すなら転職エージェントを使うべき
  8. 公認会計士の年収に関するQ&A
  9. 【まとめ】公認会計士は転職して高収入を目指そう

この記事を読めば、自分の年収が相場より低いのかがわかり、今後の身の振り方を検討しやすくなるでしょう。

それでは、公認会計士の年齢や経験年数別の年収相場について詳しく見ていきましょう。

1.【全国平均945万円】公認会計士の年収相場を徹底分析

公認会計士の平均年収は、2020年時点で約945万円です厚生労働省:令和2年度賃金構造基本統計調査,2021.)。

ただし、公認会計士の年収は、経験年数や年齢などの条件によって大きく異なります。

まずは、公認会計士の年収相場を様々な条件で見比べていきましょう。

1-1.【男女別】公認会計士年収ランキング

公認会計士の平均年収を男女別で見ると、男性は約1,018万円、女性は約729万円となっています。その差は289万円にもなり、男女差がやや大きいと言えるでしょう。

女性の場合、結婚や出産などのライフステージの変化が、年収に大きく影響しているのではないかと推測されます。

2020年における女性の平均初婚年齢は、29.4歳です厚生労働省:令和2年人口動態統計月報年計(概数)の概況,2020.。新卒で公認会計士になった女性が結婚・出産する場合、ちょうど経験年数が10年前後となる時期でしょう。

ところが、経験年数が10~14年となる公認会計士は、全公認会計士のうち男性が45.5%、女性が36.3%と、女性の割合が減っています。また、経験年数が15年以上となると男性が25.4%、女性が12.8%とおよそ倍近くの差があります。

女性の場合では、結婚や妊娠・出産を機に一度仕事を離れる人の数が、全産業的に少なくありません。
たとえば国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、結婚後における妻が就業を継続する割合は全体の約7割に留まり、第一子出産後における女性の就業継続率ともなると、継続者は4割を下回ります国立社会保障・人口問題研究所:第15回出生動向基本調査〔結婚と出産に関する全国調査〕,2017.)。

そして、次項で紹介するように、公認会計士では経験年数が長くなるほど年収が高くなります。
ライフステージの変化により退職する女性が多く、年収の高い中堅・ベテラン層に占める女性の割合が少ないことから、男女の平均年収に差が生まれていると考えられます。

区分平均年収
全体945万円
男性1,018万円
女性729万円

〔出典〕厚生労働省:令和2年度賃金構造基本統計調査,2021.

1-2.【経験年数別】公認会計士年収ランキング

公認会計士の平均年収は勤続10~14年目がもっとも高い

〔出典〕厚生労働省:令和2年度賃金構造基本統計調査,2021.

公認会計士の年収を経験年数別に見ると、10〜14年が最も高くなっています。
これは、勤続10年以上になると、より高収入が期待できる「マネージャー」や「シニアマネージャー」に昇格する公認会計士が増えるためでしょう。

ただし、経験年数15年以上では、定年が近づくことや上級管理職は数が限られることなどが影響し、平均年収は減少傾向にあります。

1-3.【年代別】公認会計士年収ランキング

公認会計士の平均年収は40代がピーク

〔出典〕厚生労働省:令和2年度賃金構造基本統計調査,2021.

公認会計士の年収を年代別に見ると、40代が最も高くなっています。20〜30代から公認会計士を始めれば、40代はちょうど経験年数が10〜14年のときです。
1-2でも述べたように、経験年数10年以上では「マネージャー」や「シニアマネージャー」など役職に就いていることが多く、これが平均年収を押し上げているものと考えられます。

また、40代前後ではある程度の経験を積んだことで、独立開業し年収アップする例も少なくありません。その場合は50代以降も高収入が期待でき、上記データよりもはるかに高い年収の公認会計士も多いでしょう。

2.公認会計士の年収が高いと言われる理由

公認会計士は、他の職種の方から見ると「年収が高い」と言われやすい職種です。では、なぜ公認会計士の年収は高いと言われるのでしょうか。

その理由を3つ紹介します。

2-1.理由①:資格取得が難しく参入障壁が高いから

公認会計士は、医師・弁護士に並ぶ3大国家資格のひとつです。業務の専門性が高く、試験の合格率は10%前後と非常に狭き門となっています。

令和3年度公認会計士試験結果

区分令和3年度試験
願書提出者(a)14,192人
短答式試験受験者数12,260人
短答式試験合格者数2,060人
論文式試験受験者数3,992人
最終合格者数(b)1,360人
合格率(b/a)9.6%

〔出典〕公認会計士・監査審査会:令和3年公認会計士試験の合格発表の概要について,2021.

この狭き門をくぐり抜けるためには、多くの勉強時間が必要です。具体的には、時間にして3,000時間以上、期間にすると2年以上の勉強期間が必要だと言われています。

このように、資格取得が難しく参入障壁が高いからこそ、その対価として公認会計士の年収は高いのだと納得する方が多いのです。

2-2.理由②:上場企業の会計監査ができる唯一の職種だから

先ほど紹介したように、公認会計士の資格取得は非常に難しいことから、実際に活躍する方はまだまだ少ない状況です。

試験合格者数こそ増えているものの、実際に合格後監査法人に就職する人材のうち、少なくはない人数が、公認会計士登録後わずかな期間の間に監査以外のキャリアへと転向する状況にあります日本公認会計士協会:ビジョンペーパー2022 日本公認会計士協会の進むべき方向性,2022.p. 10)。

しかし、上場企業の会計監査は、公認会計士にしかできない仕事であるため、上場企業が増えれば増えるほど公認会計士の需要は高まると考えられ、依然として人材ニーズの高い職業と言えるのです。

今後、公認会計士へのニーズは益々増大

もっと言えば、公認会計士に求められる役割・業務範囲は、今後ますます拡大していく見通しです。

近年、独立行政法人や国立大学法人といった新しいパブリックセクターや非営利法人の活動が盛んになる傍らで、これら法人の会計透明性・ガバナンス向上が課題となっています。
その課題解決に向けて、法人がまとめる財務情報の信頼性を担保する監査・保証業務に対して公認会計士が活躍することが求められています。

さらにはこうした公的性格を持つ団体については、財務情報だけでなく非財務の情報開示についてもニーズがあり、その信頼性を担保するにあたっても、公認会計士に活躍の場があると考えられています日本公認会計士協会:ビジョンペーパー2022 日本公認会計士協会の進むべき方向性,2022.p. 9)
また、公認会計士が専門的知見を存分に発揮し、中小企業の収益拡大や雇用創出に貢献することで、地方創生・地域活性化にポジティブな影響を与えることも期待されています日本公認会計士協会:ビジョンペーパー2022 日本公認会計士協会の進むべき方向性,2022.p. 9)

つまり、これからの時代は公認会計士の監査・業務領域も拡大する見通しで、避けがたくニーズが高騰していくと考えられているのです。

人材の需要が高まり続ける一方で、監査の担い手である公認会計士の人材供給は横ばいを続けています。

以上のことから、人材の供給量に対して需要が多く、需要は今後さらに大きくなっていくために、おのずと年収が高くなっているのです。

2-3.理由③:税理士としても働けるから

実は、公認会計士になれば税理士の登録ができます。公認会計士として業務に当たるかたわらで、税理士としても稼げる選択肢があるのです。

ちなみに、税理士の平均年収は2020年時点で約559万円となっています(出典:厚生労働省:令和2年度賃金構造基本統計調査,2021.。公認会計士の平均年収よりは少ないものの、こちらも十分高いと言えるでしょう。

公認会計士は税理士といった別の収入源の確保により、さらなる高年収が狙える職種なのです。

3.公認会計士の年収が低いと言われる理由

他の職種よりも平均年収が高い傾向にあるにもかかわらず、公認会計士の年収は低いと言う方もいます。

その理由としては、次の3つが挙げられるでしょう。

理由1:資格取得に必要な労力が年収に見合っていないから

先ほど紹介したように、公認会計士の資格を取得するためには多くの時間と労力を必要とします。公認会計士の年収は十分高いですが、実際の苦労に鑑みると「もっと高くてもいいのでは?」と感じる方も少なくありません。

特に、資格を取得したばかりの新卒公認会計士は、年収が約290万円〜330万円と全体の平均年収よりも低めです。

資格取得の苦労を味わった直後だからこそ、労力と年収が見合わないと感じやすいのでしょう。

理由2:年収が低い職場で働いているから

公認会計士の勤務先のひとつとして、監査法人があります。しかし、一口に監査法人と言っても、その規模や年収は場所によって大きく異なります。

BIG4(PwC、EY、KPMG、デロイト トーマツ)と呼ばれる大手監査法人に比べると、中小規模の監査法人の年収は低めです。年収が低い職場に長く勤めることで、公認会計士の年収は低いと思い込んでしまうケースも少なくありません。

理由3:理想の年収が高すぎたから

はじめに紹介した経験年数別・年齢別の年収を見ると、いきなり高収入を得るのは難しいとよく分かります。それにもかかわらず、理想の年収が高すぎると、実際の年収との間に大きなギャップを感じやすくなってしまうのです。

特に、2,000万円〜3,000万円といった夢のある年収は、必ずしもすべての公認会計士が実現できる額ではありません。

理想の年収を実現するためには、監査法人のパートナーになる、独立開業するなどの相応の努力や工夫が必要です。年収3,000万円を実現したい方は、第6章をご覧ください。

4.公認会計士が年収をアップさせる方法

自分の年収が平均に比べて低い、もっと高年収を狙いたいという方には、次のような年収アップ方法がおすすめです。

4-1. マネージャーなどの上級役職に就く

転職せずに年収をアップしたい方は、上級役職への就任を目指しましょう。公認会計士の場合、スタッフから始まり、最上級職のパートナーまで次のような役職があります。

  • スタッフ
  • シニアスタッフ
  • マネージャー
  • シニアマネージャー
  • パートナー

経験年数が長くなり、高い能力があると認められれば、上級役職への道が開けるでしょう。マネージャー以上になれば1,000万円、パートナーになれば1,500万円以上の年収も可能です。

4-2. 監査法人へ転職する

監査法人は初任給も含め、全体的に給料が高い傾向にあります。特に、大手監査法人は若いうちから年収1,000万円以上も夢ではありません。

その分、求められるスキルは非常に高くなります。ライバルとの差別化を図って採用確率を上げるためには、公認会計士としてのスキルアップはもちろん、英語など外国語の勉強も必要になってくるでしょう。

4-3. コンサルティングファームへ転職する

公認会計士の年収をアップさせたいなら、コンサルティングファームへの転職もおすすめです。

コンサルティング業は業界問わず、年収が高い傾向にあります。その業界に関する専門的な知識のほか、クライアントの希望を実現するためにさまざまなアイデアを生み出す創造性が必要だからです。

コンサルティングファームで経験を積むことで、コンサルタントとして独立する選択肢も生まれます。すると、さらなる年収アップできるでしょう。

人の役に立ちたいと強く思う方や、コミュニケーション能力に自信がある方は、セカンドキャリアとしてのコンサルティング会社への転職を検討してみてはいかがでしょうか。

5. 年収の高い職場に転職したい公認会計士が注意すべきこと2選

年収の高い職場は魅力的ですが、その分注意する点もあります。転職後に後悔しないように、次の2つには特に注意しましょう。

5-1. ライバルが多く競争が激しい

年収が高い職場は、ライバルが多く競争が激しい傾向にあります。特に、大手監査法人は年収を公開していることもあって、その高さに魅了されて応募する方は後を絶ちません。

そのような高倍率の職場への転職を成功させるためには、自身のスキルアップはもちろん、ライバルにはない付加価値をアピールできるようにする必要があります。

たとえば、弁護士や不動産鑑定士などとのダブルライセンスは、法律や不動産など業務の幅が広がります。1人で複数の役もこなせるため、企業からも重宝されやすいでしょう。

いずれも一朝一夕のうちに身につくものではないため、経験年数を重ねながら徐々に自身の強みを磨いていくことが大切です

5-2. 激務が多くワークライフバランスが崩れやすい

年収が高くなると、その分業務範囲が広くなり、仕事に割かれる時間・労力も大きくなっていきます。
特に支社や事業所を多く保有するような大企業を担当するようになってくると、全国への出張も多くなり、負担も大きくなっていくでしょう。

公認会計士は、ただでさえ専門性が高く難しい仕事です。年収がアップするとともに、激務が増える可能性も大いにあり得ます。

すると、肉体的・精神的負担が大きくなるだけでなく、プライベートの時間を確保しにくくなってしまうでしょう。特に、家族との時間を大切にしたい方にとって、プライベートの時間が取れないのは辛いところです。

このように、ワークライフバランスを大切にしたい方には、年収の高い職場への転職はあまりおすすめできません。

6. 公認会計士が年収3,000万円を実現するには

公認会計士になりたい方、あるいは現職としてすでに活躍している方の中には「年収3,000万円以上を目指したい」という方もいるでしょう。

結論から言うと、公認会計士が年収3,000万円を実現するのは厳しい道ではあるものの、実現可能です。

こちらでは、公認会計士が年収3,000万円を目指す方法を紹介します。

6-1. 公認会計士で年収3,000万円は厳しいけど実現可能!

日本で年収3,000万円を達成している方は、全職種の0.3%ほどと言われています(出典:国税庁:民間給与実態統計調査,2021.)。

一方、公認会計士の中には年商3,000万円や1億円の方もいるため、実現不可能ではありません。

相応の努力や工夫は必要となりますが、実現性がまったくのゼロではないと知るだけでも希望が持てる方も多いのではないでしょうか。

6-2. 年収3,000万円になるための3つの方法

実際に年収3,000万円を叶えたい方は、次の3つの方法を実践していきましょう。

方法①:監査法人のパートナーになる

監査法人のパートナーは、いわば一般企業における役員や社長にあたる職位です。監査法人全体の運営責任者であり、公認会計士の中でも最上級の役職となります。

パートナーの年収は、一般的に1,500万円以上と言われています。しかし、企業規模や取引先などの条件によっては、3,000万円以上の年収も実現可能です。

理事長へ就任すれば5,000万円以上の年収も狙えるため、公認会計士として誠心誠意働きながら、自身のスキルアップを図っていきましょう。

方法②:独立して自分の事務所を開業する

夢の年収3,000万円を叶えたい方には、ある程度経験を積んだのちに独立開業することをおすすめします。

会社に属す働き方は安定した給与が得られるメリットがありますが、裏を返せば給与が上がりにくいということになります。

しかし、独立開業後は自ら仕事を獲得する必要はあるものの、案件の数や報酬額は開業者次第です。公認会計士としての年収は青天井となり、働き方次第では年収3,000万円以上も容易に実現できます。

実際、独立開業した公認会計士には年収3,000万以上はもちろん、年商1億円という方もいます。会社に縛られずに稼げるだけ稼ぎたいという方は、独立して自分の事務所を開業するのもひとつの方法です。

方法③:転職エージェントを利用する

求職者と企業とを仲介してくれる転職エージェントでは、多種多様な求人の中から自分の希望に合った求人を探せるメリットがあります。

特に、非公開求人の中には、公開求人からは想像もつかないような高収入が狙えるものも少なくありません。

労働条件や報酬については専属の担当者が代理で交渉してくれるため、転職先探しの手間も省けます。転職エージェントの利用は、高収入の求人が見つかる上に転職活動が楽になる、まさに一石二鳥の方法です。

転職エージェントについては後述で詳しく解説するので、そちらもぜひ参考にしてみてください。

7.公認会計士で年収アップを目指すなら転職エージェントを使うべき

公認会計士の年収をアップさせたい方には、転職エージェントの利用がおすすめです。

転職エージェントであれば、自分の希望にマッチした求人探しや書類手続きなどを代行してくれます。選考対策も受けられるため、より効率的な転職活動が可能となるのです。

こちらではおすすめの転職エージェントや、転職エージェントの選び方を見ていきましょう。

7-1.公認会計士におすすめの転職エージェントベスト3

公認会計士におすすめの転職エージェントは、次の3つです。

それぞれのおすすめポイントを見ていきましょう。

1位:パソナキャリア|年収700万以上の士業パソナキャリアパソナキャリア【士業・管理】

パソナキャリア』は、年収700万以上の士業部門に特化した転職エージェントです。

公認会計士をはじめとした経理・財務系の職種にも、幅広く対応してくれます。

親切で丁寧なサポート体制は、オリコン顧客満足度1位を獲得するほどです。年収700万以上を目指したい方は、早速登録してみてはいかがでしょうか。

『パソナキャリア』公式サイト
https://www.pasonacareer.jp/

2位:リクルートエージェント|女性の求人数・実績ともにNo.1

リクルートエージェント

リクルートエージェント』は、女性の求人数・実績ともにNo.1の転職エージェントです。

公認会計士の求人も多く、年収1,000万円以上の求人も公開・非公開問わず多数取り揃えられています。休日数や転勤の有無など、女性のライフステージに合わせた求人を探しやすい点も大きなメリットでしょう。

女性の公認会計士なら、必ず登録しておきたい転職エージェントの1つと言えます。

『リクルートエージェント』公式サイト
https://www.r-agent.com/

3位:リクルートダイレクトスカウト|ヘッドハンティング型サイト

リクルートダイレクトスカウト トップ画面

リクルートダイレクトスカウト(by リクルート)』は、ハイキャリア向けのヘッドハンディング型転職サイトです。

求人数の多さはもちろん、転職決定年収の平均が950万円以上という点も大きな魅力でしょう。公認会計士の求人では、年収2,000万円以上を狙える求人も少なくありません。

気になる方は、ぜひ一度求人をチェックしてみてください。

『リクルートダイレクトスカウト』公式サイト
https://directscout.recruit.co.jp/

7-2.公認会計士が転職エージェント選びで気を付けるポイントは?

転職エージェントを選ぶときには、次の3つを意識していきましょう。

point1:求人数が多いかどうか

求人数の多さは、選択肢の多さに繋がります。賞与や年収などの給与面はもちろん、勤務日数や場所など、自分に合った転職先を探す上では選択肢が多いに越したことはありません。

先ほど紹介した転職エージェントはいずれも求人数が多いため、実際に登録して求人内容を確認してみることをおすすめします。

point2:利用者の口コミが良いかどうか

サービス内容や質を知る上では、利用者の口コミが何よりも参考になります。特に、求人の提案力や交渉力など目に見えない部分の評価は、口コミを見るとよく分かるでしょう。

転職エージェント選びに迷っている方は、利用者の口コミに一通り目を通して比較検討してみてください。

point3:公認会計士への支援実績があるかどうか

公認会計士自体が少ない分、支援実績も少なくなりがちです。支援実績がまったくない転職エージェントでは、公認会計士の業務内容に応じた労働条件の交渉が上手く進みません。

そのため、転職エージェントを選ぶときには、なるべく支援実績があり、かつ実績数がより多いところを選ぶようにしましょう。

なお、支援実績については公式サイトで公表されているデータや、利用者の口コミから情報収集することをおすすめします。

7-3.転職エージェントと求人サイトの違いは?

「転職エージェント」と「求人サイト」は一見すると似ていますが、実際は転職活動の進め方に大きな違いがあります。

転職エージェントは、専属の担当者とともに転職活動を進めるのに対し、求人サイトはすべて自分で準備する必要があるのです。

転職エージェント転職サイト
気軽さ
登録・相談のハードルが高いと感じる人も

自分で求人を検索するだけなので気楽
得られる情報
職場の内部情報なども教えてくれる

求人票の情報だけ
求人の選択肢
豊富(非公開求人や独占求人があることも)

豊富(サイトによっては少ないので注意)
転職アドバイス
転職のプロからのアドバイスが得られる
×
なし
選考対策
履歴書・職務経歴書の書き方や面接の答え方
×
なし
転職成功率
選考対策を入念に行うことができるので、採用率アップ

上手く活用できればスムーズに決まる
年収アップ率
年収交渉をしてくれるので良い待遇で転職しやすい

自分で交渉できれば問題ない

そのため、次のような方は転職エージェントの利用をおすすめします。

  • 履歴書や職務経歴書の書き方がよく分からない
  • 転職に失敗したくない
  • 労働条件などの交渉が苦手
  • 面倒な手続きは避けて仕事に集中したい

(1)転職エージェントとは

転職エージェントとは、求人探しから選考対策まで幅広いサポートを受けられる「人材紹介サービス」です。無料で登録でき、希望に合った求人を担当者が提案してくれます。

転職エージェントは全国に2万件以上あり、さまざまな職種を取り扱っているところもあれば、特定の職種に特化したところも少なくありません。

(2)公認会計士が転職エージェントを利用するメリット

公認会計士が転職エージェントを利用するメリットは、主に次の3つです。

メリット1:より希望に沿った求人を探してくれる

転職エージェントでは、はじめに担当者と面談を行います。その中でヒアリングされた希望(年収や勤務地など)をもとに、担当者が求人を探してくれます。

自分の希望に沿った求人探しを代行してくれる点は、転職活動に割く時間があまり取れない方にとって大きなメリットになるでしょう。

また、高待遇が期待できる非公開求人も紹介してくれる場合もあり、自分の希望以上の勤務地に転職できる可能性も高まります。転職エージェントを利用すれば、平均を大幅に超える年収も夢ではありません。

メリット2:選考対策を受けることで採用確率がアップする

転職エージェントでは、履歴書などの書類作成や面接練習などの選考対策を受けられます。

専門の担当者からサポートを受けられるため、説得力のある書類作成が可能です。また、面接対策では質問に対する答え方などを入念に準備するため、いざ本番というときも焦らずに臨むことができるでしょう。

これらの準備を万全にすることで、採用確率のアップも大いに期待できます。

メリット3:労働条件の交渉や書類上の手続きを代行してくれる

転職活動で苦手に感じる方が多いのが、労働条件の交渉や書類上の手続きです。

しかし、転職エージェントでは、次に挙げるようなさまざまなやり取りをプロが代行してくれます。

  • 希望企業への応募
  • 各種日程調整(面接、入社日など)
  • 採用担当者への連絡
  • 内定後の給与交渉

現職を続けながらの転職活動は時間も労力も多くかかり、途中で諦めてしまう方もいるでしょう。しかし、転職エージェントでは担当者が面倒なやり取りを代行してくれるため、転職前も後も仕事に集中できるメリットがあります。

8.公認会計士の年収に関するQ&A

最後に、公認会計士の年収に関する質問に答えていきます。

Q1.公認会計士の新卒年収はどれくらいですか?

公認会計士の新卒年収は、約290万円〜330万円です。20代後半の公認会計士における平均年収は約490万円であるため、数年ほどで150万円以上の年収アップが期待できます。

Q2.公認会計士の年収の中央値はいくらですか?

公認会計士の年収の中央値は、公表されていません。しかし、中央値が平均値よりも低くなることを考えると、年収の全国平均である945万円よりは低いでしょう。つまり、中央値としては900万円前後と推測されます。

Q3.独立開業した公認会計士の年収はどれくらいですか?

独立開業した公認会計士は、3,000万円以上の年収も夢ではありません。中には、1億円以上の年収を得る方もいます。これは、独立開業により獲得できる案件数に限りがなく、高単価案件への挑戦も自由に可能な点が影響していると言えるでしょう。

Q4.公認会計士の将来性が心配です。

公認会計士は将来性があり、長く続けられる職種です。実際、現状では公認会計士の数が少なく、売り手市場となっています。

2014〜2018年の超売り手市場よりは落ち着いているものの、中小監査法人による業務拡大や品質管理に応じた採用が増えている状況です。

9.【まとめ】公認会計士は転職して高収入を目指そう

公認会計士の平均年収は約945万円であり、特に男性や40代、経験年数が多い方の年収が高い傾向にあります。

しかし、年収が低い職場で働き続けていては、「夢の年収3,000万円以上」といった理想の高年収は実現できません。

公認会計士として年収アップしたい方は、当記事で紹介した下記の転職エージェントを利用しましょう。

あなたが希望する年収に手が届くことを祈っております。