SEの転職完全ガイド |SEになりたい・SEから転職したい人必見

「SEに転職したい」
「未経験でもSEに転職できるの?」

と考えたことはありませんか。

SE(システムエンジニア)は、IT技術が日常生活に必要不可欠となった今、常に人手不足と言われています。

そのため、あらゆる業界の企業でSEの人材は募集されており、なかには未経験歓迎としているところまであります。

ただしその業務の幅は広く、IT知識を駆使する業務だけではなく、時には社内外への営業力や交渉力などが必要とされる場合も少なくありません。

そこでこの記事では、転職のプロとして多くのSE転職をサポートしてきた私が、SEの転職理由や職種ごとの有利な転職先を紹介していきます。

  1. SEの転職事情
  2. SEから他の仕事へ転職するのはアリ?ナシ?
  3. 他企業のSEへの転職はうまくいく?
  4. SE転職の注意点|後悔しないためのヒントを解説
  5. SEから別の仕事への転職を有利にする資格とは
  6. SEの転職には転職エージェントがおすすめ
  7. SEの年収に関するQ&A
  8. 【おわりに】SEからの転職は少ないものの、SEは求人が豊富で同業他社・異業種にも転職しやすい職種

それでは、SEの転職事情について、詳しくみていきましょう。

1. SEの転職事情

SEから転職する人には、他業種転職する人や他社のSEに転職する人がいます。

この章では、SEの転職事情についてまとめました。

1-1. 転職を決意するSEは少ない

転職するSEは比較的少ないと言えます。

厚生労働省が令和2年に調査したデータによると、IT業界(情報通信業)離職率は9.2%です厚生労働省:令和2年度雇用動向調査,2021.

全業界の平均は14.2%であることを踏まえると、IT業界の離職率はそれほど高いとはいえません厚生労働省:令和2年度雇用動向調査,2021.

ただし、SEの離職率はIT業界の中で高いと言われており、SEから他社SEへの転職、同じIT業界の別職種に転職していることも多いようです。

1-2. SEの転職理由

SEが転職する理由について、転職先別の転職理由をご紹介します。

(1)SEから別業界・別職種へ転職した人の転職理由

SEから別の仕事へ転職した人の転職理由の中で多いのは、主に下記の2つです。

① 残業が多い

SEは基本的に残業量が多い仕事と言われています。

特に納期前や、開発が遅れたりイレギュラーが発生したりするときは多くなる傾向にあります。

ひと月の平均残業時間は9時間程度です厚生労働省:令和3年度賃金構造基本統計調査,2022.

会社によって違いがあり、10時間に満たない人がいる一方で、40時間以上残業することが当たり前という人もいるのです。

② パソコンに向き合い続けて体に負担がかかっている

SEの仕事はパソコン作業が基本となるため、体に負担がかかって疲れてしまう、健康を害するという理由で転職を考える人も多いようです。

IT業界では1時間に1度、10分程度の休息をとるよう指示する職場もあります。しかし業務量が多い職場だと休憩をとる暇もないのが実状です。

(2)SEから他社SEへ転職した人の転職理由

現役のSEが他社のSEに転職を決めた理由は主に次の3つが挙げられます。

① 人間関係に不満がある

職場の人間関係がうまくいかず、他社のSEに転職する人は多いです。

SEに限ったことではありませんが、基本的には職場で一緒に働く人を選ぶことはできません。関係者と相性が良くない場合は仕事上の関係と割り切ったり、できるだけ距離を置いて様子を見るという選択肢もあります。

② 待遇面に不満がある

SEの給料や福利厚生などの待遇は、企業によって差があります

残業は多いのに給料にまったく反映されなかったり、土日定休であるにもかかわらず休日出勤が必要になったりする職場もあります。

業務内容が給料に見合わないなど、待遇面に不満を感じた場合は、他社に転職することで待遇面が改善される場合もあるでしょう。

③ 技術面で成長したい

IT業界は常に速いスピードで進化しており、次々と新技術が開発されています。当然SEもそれらを勉強して成長していく必要があり、そこに魅力を感じるSEも多いでしょう。

しかし、新しい技術を活用する機会が少なかったり、自身の求めるビジョンと仕事がマッチしない・成長が見込めない場合、同業他社への転職を検討することも多いようです。

2. SEから他の仕事へ転職するのはアリ?ナシ?

本章では、SEが他の仕事へ転職するメリットとデメリットについて解説します。

SEは技術職ということもあり、他の業界や職種で活かせるスキルが少ないと思われているかもしれません。

SEは他の業界でも活躍できるのか、見ていきましょう。

2-1. 【結論】SEから異職種への転職は有利!

結論として、SEから異職種への転職は有利です。

SEが異職種でも活かせる経験やスキルには、主に下記のようなものがあります。

  • 論理的な思考力
  • コミュニケーション能力
  • マネジメント能力
  • データ入力の経験
  • セキュリティ知識

近年では小学校でプログラミング科目が必修となったり、習い事としても人気です。

これは子どもたちにSEを目指してもらうためではなく、プログラミングを通して、論理的な思考力やITを積極的に活用できる能力を養えると考えられたためです。

それらを備えているSEは、さまざまな職種で活躍できるでしょう。

2-2. SEが他の業種・職種へ転職するメリット&デメリット

SEが他の業種や職種へ転職するメリットとデメリットを紹介します。

(1) SEから他の仕事へ転職するメリット

SEが他の仕事に転職するメリットは、主に下記の3つです。

① SEのスキルは他の職種で活かしやすい

前述したように、SEのスキルは他の職種でも活かしやすいです。

基本的なパソコンスキルやデータ入力などの技術面は、大半の一般企業でパソコンを使う現代で、非常に重宝されます。

また、自身の専門分野に関連する企業への転職も決まりやすいでしょう。たとえば医療系のシステムを担当していた経験があるなら、医療系の企業に転職しやすくなります。

② 同じIT業界でも活躍できる

SEの知識と経験は、同じIT業界の仕事に活かすことができます

IT業界の文化を体験していることで、営業や人事などでも十分に力を発揮できるでしょう。

なかでも自社のSEを他社に派遣するSES事業社であれば、SEの気持ちを理解できる営業や人事として活躍できるかもしれません。

③ IT経験者を求める仕事は多い

近年は多くの企業で作業効率を上げるためにIT技術を導入しています。

しかしながら業務効率化に便利なツールが多く利用されているにもかかわらず、そのツールを使いこなせる人材が社内で不足しているのが現状です。

そのため、SE業務でなくともIT経験者を求める会社は多くなってきています

(2) SEから他の仕事へ転職するデメリット

SEから他の仕事に転職したときのデメリットとしては、下記の2つが挙げられます。

① 営業スキルなど新しく覚えることが多い

多くの場合、SEは営業職のような一歩踏み込んだコミュニケーションをとることがありません。

他の仕事に転職した場合、これまでの業務では培ってこなかったスキルを新しく学ぶ必要があるでしょう。

② 給料が下がる可能性がある

SEは技術職のため、スキルを磨けば給料が上がる可能性はありますが、他の仕事に転職してそれらのスキルが活かせないと給料が下がる可能性はあります

前述したように新しく覚えるスキルも多い未経験での転職者となると、社会経験が浅く入社して間もない社員とほとんど変わらない給料になってしまうこともあります。

2-3. SEの経験が活かせる異業種・異職種の仕事3選

他の仕事でも、職場によってはSEの経験を活かせるのです。SEの経験を活かせる仕事を3つピックアップしてご紹介しましょう。

① 同じIT業界|親和性が高く、スキルや経験を活かせる

同じIT業界であれば、営業職や事務職でもSEのスキルや経験を活かせます

業界の文化や専門用語に慣れているので、新しく学ぶことが少なく、その職種へのスイッチもしやすいでしょう。

② 営業職|コミュニケーション力を活かせる

SEの仕事の中でも、営業担当と交渉したりクライアントとコミュニケーションをとることがあれば、その経験を営業職に活かせます。

営業職に特別な資格は不要であり、回数をこなして要領を得ていけるものなので、元SEが営業職として活躍する可能性は十分あるでしょう。

③ 一般職|Web経験者は重宝されるので有利

前述したように、IT化が加速して便利なツールが増えた一方、扱える人材が不足していることは多くの企業で課題となっています。

多くの企業は自社のホームページやECサイトを持つようになり、書類作成や顧客管理など、サイト運用ができる人材を欲しています

3. 他企業のSEへの転職はうまくいく?

本章では、他企業のSEへの転職について悩む方のために、他企業のSEへの転職のメリットとデメリットをお伝えします。

3-1. 【結論】現役SEが同業他社へ転職するなら今!

結論として、SEが他企業のSEとして転職するのであれば、今がチャンスです。

IT化が進み技術が進歩していくなかで、SEは慢性的に人手不足に陥っています。

2016年に発表された調査では、2015年時点で17万人ものIT人材が不足していたとされ、その数は2030年には約79万人まで達すると推計されました経済産業省:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果,2016.

3-2. 他社のSEへ転職するメリット&デメリット

他社の社内SEへ転職するときのメリットとデメリットは、下記の4つです。

メリット①: 社内SEなら納期のプレッシャーが少ない

社内SEは納期のプレッシャーが少ない傾向にあります。

社内SEの場合、関係者と近い距離感で業務にあたることができます。そのためスムーズに進行できたり、スケジュールの相談などもしやすい関係が築けているのです。

しかし、クライアントから依頼を受けた企業から業務委託されると異なる場合があります。自身とクライアントとの間に1社入ることでタイムラグが生じ、タイトスケジュールになる傾向があるからです。

また、クライアントとの関係性が構築しづらく、納期や作業内容などを気軽に相談しにくいかもしれません。

メリット②: キャリアアップが実現できる

社内SEはシステムの構築から運用・保守までSEの全工程を任されることが多いため、SEのスキルを高めたりキャリアアップにつなげられるのです。

スキルが上がれば、社内での評価が上がって昇給を実現することもできるでしょう。

デメリット①:社内SEの場合、業務が多岐にわたる

SEの業務全般を任せてもらえることはメリットである一方、業務が多岐にわたり激務になるという一面もあります。

他社に委託されているときはその業務をこなせば問題ありません。しかし社内SEは「企業の1社員として、業績を伸ばすためにできることは何でもやる」というマインドを求められることもあるでしょう。

デメリット②:企業規模が大きすぎると上流工程に参画できない可能性もある

大手企業だと社内SEでも複数の工程があり、上流工程に参画できない可能性もあります。

SE業務全般を担当することでスキルを磨きたい、と思って転職したのに、結局業務内容は変わらずキャリアアップにつながらないかもしれません。

3-3. SEの転職成功例

SEの転職で成功した例を3つご紹介します。他の仕事からSE、他企業のSEへの転職、SEから他の仕事に転職した例をまとめました。

口コミ・評判

30代・男性
【SIer→ベンチャー社内SE】面接の下準備を十分におこない、内定を勝ち取った

金融系のSIer(システムインテグレーター)に所属していましたが、保守的で新システムや最先端技術の導入に消極的な企業だったため、これ以上の成長が見込めないと転職を決意。ユーザーに近い立場で開発をし、手応えを得たいと思い、社内SEを志望しました。

〔出典〕doda:社内SEへの転職成功・失敗事例,2023年10月16日閲読.

求職者の社内SEを希望する想いと、成長フェーズにありベンチャーマインドを持った社内SEを求める企業がマッチした成功例です。転職エージェントの担当者による企業調査をふまえた選考対策を経て、企業が期待するプレゼンテーションを披露。内定を勝ち取ったそうです。

口コミ・評判

30代・男性
【中小企業の社内SE→大手企業の社内SE】資格とその取得過程の努力をアピールして実務不足を補った

案件ごとに担当が変わるためスキルが上積みされないことに危機感がありました。難関とされる資格を仕事と転職活動の合間にいくつも取得したものの、実務が伴っていないことに悩んでいたんです。

しかし、保有資格を高く評価してくれるうえに、高度なスキルアップが期待できる企業を担当キャリアアドバイザーが紹介してくれました。

〔出典〕リクルートエージェント:資格を活かし、憧れの企業に入社できました,2023年10月16日閲読.

多くの難関資格を取得した努力を評価され、理想の会社にSEとして転職することが決まったそうです。自身のスキルを自分で過小評価せず、その過程を含めてアピールすることでキャリアを飛躍させた成功例と言えます。

口コミ・評判

20代・女性
【大手企業SE→人材系サービス企業の営業】SEから未経験職種へ転職できた

SE職にやりがいはあったものの、もともと興味のあった人事系の仕事に転職を決意しました。未経験への求人は少なかったのですが、なぜ人事の仕事がしたいのか担当アドバイザーと分析。さらに先のキャリアパスを考慮しながら、人事・人材にかかわれる職種へ転職しました。

〔出典〕パソナキャリア:大手システムインテグレーターシステムエンジニアからの転職,2023年10月16日閲読.

志望動機が明確であったことや、メインの業務外でも人材にかかわる仕事を積極的に行っていた点を評価された成功例です。新しい業界・職種であっても、それに関連づけられるスキルや経験があれば、しっかりとアピールしていきましょう。

3-4. SEを続けるか別の仕事をするか悩んでいるときは?

SEはIT業界の最先端を自身で体感できたり、スキルを上げて高収入を狙っていくこともできるでしょう。しかしそれでも何かしらの理由でSEを続けるかどうか悩んだときに、参考にすべき点を下記の4つにまとめました。

(1) 今の職場を辞めたい理由を整理する

転職したいと思ったら、まずはなぜ今の職場を辞めたいのか、理由を客観的に整理してみましょう。

辞めたい理由が給与面や待遇にあるのならば、会社側にかけあってみるのもいいでしょう。人間関係に不満があるなら、周囲の力を借りて解決できるかもしれません。

転職はあくまでも最終手段です。転職する前に、解決できる方法を模索してみましょう。

(2) 転職するとして、スキル面は充分なのか

転職する前に、自身のスキルが十分か客観的に確認しましょう。

多くの場合、転職では即戦力が求められます。目に見える資格や結果だけでなく、これまでの仕事で培ったどのようなスキルが転職先で活かせるのか、正しくアピールすることで転職の成功率は高まります。

特に同じSEやIT業界の別職種に転職を考えるなら、転職先が求めるスキルの水準に達していないと転職では不利になるかもしれません。

(3) 転職エージェントに相談してみる

転職が未経験・経験ありにかかわらず、転職を成功させたいなら転職エージェントに相談してみましょう

転職活動では、前述したように自分自身を客観的に見てアドバイスしてくれる人がいると効率的に転職できます。

(4) SEにこだわらないなら、別の仕事の求人情報を見てみよう

SEの仕事にこだわりがないようであれば、他の業種や職種も検討してみましょう。

IT業界での経験を活かせる仕事もあれば、まったく未経験からチャレンジできる仕事もあります。求人の一覧を見ているだけでも、自分が知らなかった仕事に出会える可能性もあるでしょう。

4. SE転職の注意点|後悔しないためのヒントを解説

本章では、SE転職の注意点を下記の2パターンに分けて解説します。

4-1. SEから他の仕事に転職する場合

SEから他の仕事に転職するときの注意点は、下記の3つです。

point 1. 転職成功者の体験を聞く

実際にSEから他の仕事への転職を成功させた人の体験を聞いてみましょう。最近はインターネットでさまざまな口コミが見つかります。

転職を成功させた人の話を知ればイメージが沸くだけでなく、転職を成功させるためのコツなども知ることができます。

point 2. 情報収集を怠らない

SEから他の仕事に転職するのであれば、転職先の情報はきちんと集めましょう

何も知らないまま他の業界に転職してしまうと、右も左もわからなくなってしまいます。何より、業界のことをよく知らないと面接でも不利になるでしょう。

効果的に情報を得るには、会社四季報を購読したり、転職エージェントを通してリサーチする方法が一般的です。

point 3. 転職エージェントを活用する

SEから他の仕事へ転職するには、転職エージェントを効果的に活用しましょう。

前述したように、客観的な視点で自分の強みや応募できる求人の可能性を教えてくれます。

また、さまざまな手続きを代行してくれるため、働きながら転職する場合は積極的に利用することをおすすめします。

4-2. 他社へSEとして転職する場合

他社のSEに転職する場合の注意点について、大きく下記の2つに分けました。

1つずつ簡単に紹介していきます。

(1)未経験からの転職編

未経験からの転職で気を付ける点は、下記の2点です。

point 1. 年齢の若い人が優先的に採用されやすい

かつてSEは「定年35歳」と言われていたほどで、年齢の若いSEほど重宝されていました

実際の定年は一般企業と同等ですが、ずっとパソコンに向き合っている時間が長い仕事なので、運動不足に陥りがちです。

また、眼精疲労や頭痛、腰痛などから体を壊しやすくなります。

技術・経験に優位性をアピールできない場合、将来的に伸びしろがあって長く働けそうな若い人が優先的に採用されるでしょう。

point 2. 採用難易度は時代によって変化するので転職エージェントに相談すること

SEに限った話ではありませんが、採用の難易度は時代によって変化します。

これまでは売り手市場だと言われていたとしても、世界の情勢によって企業の方針が変わり、採用の基準や募集する人員を変更することもあるでしょう。

転職活動をより効果的に進めるためには、転職エージェントに登録して、担当のキャリアアドバイザーに採用難易度などを相談・確認してみましょう。

(2)30代以降からの転職編

30代以降からの転職で注意したいのは、下記の2つです。

point 1. スキルが重視される

中途採用では、即戦力となる人材が求められます。

特に30代はこれまで十分に経験を積んできていると思われるので、自分がどのようなスキルでアピールできるのか、アウトプットできるよう事前に把握しておきましょう。

point 2. マネジメント力を求められる

30代以降から転職すると、スキル面に加えてマネジメント力などが求められます。

30代以降は少なくとも5年以上は社会経験を積んでおり、20代には準備できない強みと言えるでしょう。

5. SEから別の仕事への転職を有利にする資格とは

本章では、SEから他の仕事に転職するときに有利になる資格を3つご紹介します。

5-1. ITコーディネータ|ITコンサルタントへの転職に有利

ITコーディネータは、ITコーディネータ協会が認定している資格です。

経営者の立場になってIT技術を活用するスキルを持つ人材の育成を目的とし、2001年から通商産業省のプロジェクトの一環として制度を設けましたITコーディネータ協会

企業の経営に役立つIT活用について経営陣に進言できるので、この資格を持っているITコンサルタントは多いようです。

受験資格はなく、試験と研修修了で取得できるため、知見を広げるためにも取得しておくと良いでしょう。

5-2. 中小企業診断士|コンサルティング業への転職に有利

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対して診断や助言をおこなうことができる国家資格です中小企業診断協会

企業と行政や金融機関のパイプ役を担うなど、業務が多岐にわたる経営コンサルタントの仕事に役立つ資格です。

転職を検討するのであれば、取得しておくといいでしょう。

5-3. ベンダー資格|SEとしての経験をアピールしやすい

ベンダー資格とは、IT関連製品を製造・販売する企業(ベンダー)が自社製品について適切な技術・運用ができると認証する認定資格です。

対象製品のスキルと実務能力を示せる資格ですが、認定する企業が中小規模だとアピールとしては弱いかもしれません。大手企業が認定するベンダー資格を選ぶと良いでしょう。

6. SEの転職には転職エージェントがおすすめ

SEの転職活動をスムーズに進めるには、転職エージェントの活用がおすすめです。本章では、SEの転職に向いている転職エージェントをご紹介します。

6-1. 【目的別】SEにおすすめの転職エージェント

転職エージェントは総合型から特化型まで幅広い種類があります。こちらではおすすめの転職エージェントを目的別にまとめました。

(1) SEから他の仕事を目指す人におすすめの転職エージェント2選

SEから他の仕事に転職する人におすすめの転職エージェントは下記の2つです。

① ASSIGN(アサイン)|SE・営業経験者向け転職エージェント

若手のハイエンドキャリア支援なら「アサイン」

ASSIGN(アサイン)』は、20~30代のハイエンドのキャリア支援に特化しています。SE・営業経験者向けの転職エージェントで、長期的なキャリア形成のサポートを受けられるのが強みです。

コンサルタント出身者による選考対策も受けられるので、SE・営業職からコンサルタント職へのキャリアアップ希望者にもマッチするでしょう。

「人材紹介コンサルティング会社100選」に選ばれたり、ビズリーチの「ヘッドハンター・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。新しいフィールドでのキャリアプランを明確にしたい人や、転職で年収を下げたくないという人におすすめです。

② ビズリーチ|ハイクラス求人が豊富でキャリアアップしたい人向け

ハイクラス求人が豊富でキャリアアップしたい人にはヘッドハンティング型のビズリーチ

ビズリーチ』はハイクラス求人が豊富な転職エージェントで、一部有料サービスがあるのが特徴です。

ヘッドハンディング型のため、登録して待っているだけで企業からオファーが来ます。特に利用者と企業とを繋ぐヘッドハンターは、2人に1人はIT系の求人に強いといわれているので、転職でキャリアアップしたいと考えているSEにおすすめです。

(2)他社のSEを目指す人におすすめの転職エージェント3選

他社のSEへの転職を考える人におすすめの転職エージェントをご紹介します。

① ワークポート|IT・Web・ゲーム業界の求人が豊富

手厚いサポートで未経験転職を支援するワークポート

ワークポート』はIT・Web・ゲーム業界の求人が中心の転職エージェントです。

SEの求人をIT・Web・ゲームと幅広い業界の中で探せるので、スキルを活かせる応募先の候補が増えます。経験が浅い人へのサポートに力を入れているため、スキル面に不安があっても転職が決まりやすいでしょう。

面談したその日の内におすすめの求人が送られてくるなど、対応の速さにも定評があります。

② レバテックキャリア|キャリアアップしたいITエンジニア・デザイナーを応援

キャリアアップしたいITエンジニア・デザイナーならレバテックキャリア

レバテックキャリア』は、IT・Web業界専門の転職エージェントです。

細かなヒアリングでマッチング率が高く、利用者の6割が転職によって年収がアップした(2020年9月実績)そうです。

アドバイザーがIT・Web業界専門で業界知識に詳しいため、IT・Web業界での転職に適した選考対策が受けられるのも強みです。

③ マイナビITエージェント|IT・Web業界の求人に特化したマイナビIT専門サイト

大企業をはじめとする豊富な求人数が魅力のマイナビのITサイト「マイナビITエージェント

マイナビITエージェント』は、大手企業の求人が多いのが特徴の転職エージェントです。

IT・Web業界の求人や非公開求人も多く保有しており、1人あたり15~20件のエンジニア求人紹介数を誇ります。他社SEへの転職を検討している人にとって理想の職場を見つけやすいでしょう。

6-2. SEが転職エージェント選びで気を付けるポイントは?

SEが転職エージェントを選ぶとき、気を付けるポイントが3つあります。

point 1. 求人数が多いかどうか

転職エージェントに登録するときは、求人数がどれくらいあるかを把握しておきましょう。

求人数の多さは非公開求人数にも比例するため、自分の条件に合う職場が見つかる可能性も高くなります。

point 2. 大手企業が運営しているかどうか

転職エージェントを選ぶときは、大手企業が運営している転職エージェントを利用するといいでしょう。

大手企業が運営している場合、求人を掲載している企業の人事と関係が良く、少し難しい交渉の際には転職エージェントが交渉してくれることがあります。

point 3. 利用者の口コミが良いかどうか

転職エージェントを利用する前に、そのエージェント利用者の口コミを確認しましょう。

転職エージェントの質は担当者のサービスや対応によって大きく左右されます。

担当者の質が良いという口コミが多ければ、転職エージェントの方針や指導内容も信用がおけるものと判断していいでしょう。

6-3. 転職エージェントと転職サイトの違いは?

本章では、転職エージェントと転職サイト(求人サイト)との違いをご紹介します。

転職エージェントと転職サイトとはよく似ていますが、転職エージェントは担当のエージェントがついてサポートしてくれます。対して転職サイトは求人探しから応募・面接日の調整など、基本的に自力でおこなう必要があります。

具体的な違いについては、下記の表にまとめました。

転職エージェント転職サイト
気軽さ
登録・相談のハードルが高いと感じる人も

自分で求人を検索するだけなので気楽
得られる情報
職場の内部情報なども教えてくれる

求人票の情報だけ
求人の選択肢
豊富(非公開求人や独占求人があることも)

豊富(サイトによっては少ないので注意)
転職アドバイス
転職のプロからのアドバイスが得られる
×
なし
選考対策
履歴書・職務経歴書の書き方や面接の答え方
×
なし
転職成功率
選考対策を入念に行うので、採用確率アップ

上手く活用できればスムーズに決まる
年収アップ率
年収交渉をしてくれるので良い待遇で転職しやすい

自分で交渉できれば問題ない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

  • (1) 転職エージェントとは
  • (2) SEが転職エージェントを利用するメリット

(1) 転職エージェントとは

転職エージェントは、求人探しから志望企業への応募・選考対策、なかには給与交渉まで担当のエージェントがサポートしてくれる転職支援サービスです。

登録は基本的に無料で、転職理由や希望条件、どのようなキャリアを歩みたいかなどをしっかりと確認したうえで、より条件に合った求人を提案してくれます。

(2) SEが転職エージェントを利用するメリット

SEが転職エージェントを利用して転職するメリットは、下記の3つです。

メリット1:希望条件に合った求人を代わりに探してくれる

転職エージェントは、希望条件に合った求人を代わりに探してくれます

膨大な数の求人票から自分のスキルを活かせる仕事を探すのは一苦労です。いざ転職活動を始めようにも、どこから始めたらいいのかわからないかもしれません。

転職エージェントでは、担当者がしっかりと希望条件をヒアリングしたうえで、希望条件にマッチした求人を探して提案してくれるので、効率的に理想の求人に出合えます

メリット2:応募書類の添削・面接練習などの選考対策が受けられる

転職エージェントに登録すると、応募する書類の添削や面接練習などの選考対策が受けられます

SEから転職する人の中には、転職経験が少なくて効果的な選考書類の書き方や面接の受け答えなどに不慣れという人も少なくありません。

担当者と一緒に選考対策を進めれば、初めてや未経験業界への転職でも内定を勝ち取りやすくなるでしょう。

メリット3:応募先とのやり取りを代行してくれる

転職エージェントでは、志望した企業への応募や書類の送付・面接の日程調整まで、主なやり取りをすべて代行してくれます

SEの仕事を続けながら転職活動をしようとしても、残業が多かったり急な案件対応が入ったりとうまく時間がとれないこともあるでしょう。SEに限らず、間を空けずに転職したい・効率よく転職活動したいという人にとって大きなメリットです

親身になってくれる担当者であれば、あなたの魅力を企業へもう一押ししてくれるでしょう。

また、自分からは言い出しづらい給与など処遇の交渉をしてくれることもあります。

7. SEの年収に関するQ&A

SEの年収についてよくある質問をまとめました。

7-1. SEの転職編

SEの年収や将来性についての質問をまとめました。SEからの転職を検討している人も、SEへの転職を検討している人も、参考にしてみてください。

Q1. SEの新卒年収はどれくらいですか?

SEの新卒年収は約200万円前後です。他の企業と比べると高いようですが、一般企業の大半と大きな差はありません厚生労働省:令和3年賃金構造基本統計調査,2022.

Q2. SEの年収はどれくらいですか?

令和3年度のSEの平均年収は約523万円です厚生労働省:令和3年賃金構造基本統計調査,2022.。ITスキルや業務成果は給与判断に直結するため、IT系資格を取得して活かすなどスキル向上精神で年収アップは目指せるでしょう経済産業省:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果,2017.

Q3. SEの将来性が心配です。

IT業界は常に進化し続け、SEは慢性的な人手不足に陥っています。今後もSEは必要とされ続けるでしょう。将来的に仕事がなくなる可能性は低いと言える職種です。

7-2. 転職エージェントの利用編

実際に転職エージェントを利用する上で、よくある質問をまとめました。

Q1.仕事をしているので電話での連絡は避けたいです

転職エージェントは、電話だけでなくメールでの対応をしてくれるケースがほとんどです。担当者に電話は避けたいと伝えれば、問題ありません。

Q2.転職エージェントの担当者と考え方が合わなかったら……と不安です。

担当者が合わない場合は、担当を変更してもらうことも可能です。気軽に申し出てみましょう。

Q3.勤務先・取引先にばれてしまいませんか?

転職エージェントを利用しても、転職活動が勤務先や取引先に知られることはほとんどありません企業側からのスカウト機能がある場合も、氏名や住所などの個人情報、現職の企業名などは公開されない場合がほとんどです。

そのため自身が現職企業に応募したり、会社アカウントメールで登録してしまったりしない限り、知られてしまう可能性は限りなく低いでしょう。

Q4.地方に住んでいるのですが、転職エージェントは利用できますか?

地方に住んでいる人でも、転職エージェントを利用可能です。それぞれの地方に特化した転職エージェントもあるので、自分の住む地域に特化した転職エージェントに登録すれば転職先を見つけやすくなるでしょう。

Q5.転職エージェントは本当に無料なんですか?

転職エージェントの利用料は無料です。転職エージェントは成果報酬型で、転職が決まったときに求人を掲載している企業から報酬をもらえるビジネスモデルのため、利用する側が料金を支払う必要はありません。

ビズリーチ』のみ、有料サービスも展開しているので注意しましょう。

8. 【おわりに】SEからの転職は少ないものの、SE向けの求人は豊富で同業他社・異業種にも転職しやすい

SEの転職事情についてまとめました。

SEは業界全体で人手不足であり、急速にIT化が進んでいるいま、IT業界経験者はさまざまな業界で重宝されています。きちんと対策すれば転職しやすいといえるでしょう。

とはいえ、転職を有利に進めるために客観的に自分のキャリアプランを組み立てることや、応募先企業に合わせた選考対策は必要です。

そのなかで自力で転職活動することに不安を感じることがあるかもしれません。

転職する際には、業界の知識も豊富で転職の成功実績もある、転職エージェントを活用することをおすすめします。

SEから他の仕事を目指す人におすすめの転職エージェント

他社のSEを目指す人におすすめの転職エージェント

あなたの転職が成功し、理想の職場で輝けることを願っています。