
「准看護師の転職ってどうやって進めればいいの?」とお悩みではないですか。
准看護師は看護師と比べて、病院で働く割合が少なく、その一方で介護施設・クリニックで働く割合が多いです。
介護施設は求人が多く引く手あまたな現状ですが、クリニックはその人気の高さから転職難易度が高くなりやすいのが現状です。病院の転職もしっかりとした戦略が欠かせません。
そこでこの記事では、これまで数多くの准看護師転職を支援してきた私が、「いつ・何をすれば良いのか」「どうやって求人を見つけるのか」など、転職活動に関わるあらゆる疑問をどこよりもわかりやすく解説します。
- 准看護師を取り巻く求人市場|人気職場の転職難易度は高い
- 准看護師の転職活動をスムーズに進める5ステップ
- 准看護師の求人探しは転職サイトの利用がおすすめ
- 転職サイトについてよくある疑問をまとめて解決!
- 准看護師さんからの評価が高い大手転職サイト5選
- 100人の調査から分かった転職に成功する人・失敗する人の違い
全て読めば転職活動の進め方が分かり、転職の成功率をグッと高められます。
1.准看護師を取り巻く求人市場|人気職場の転職難易度は高い
看護師転職ノウハウを解説しているサイトは多々ありますが、准看護師の場合、看護師転職ノウハウとはまた違った点を押さえておかなければなりません。
准看護師の就業先の傾向は、看護師のものと異なるからです。また採用ニーズも違っていて、データとして顕著に表れています。
1-1.准看護師に人気の就業先である「クリニック」は難易度が高い
前提として、准看護師に人気の転職先は「クリニック」です。
看護師は病院勤務が7割と言われていますが、准看護師は4割程度。その代わり、クリニックの就業数は、看護師の2倍ほどあります。
※厚生労働省『看護職員の状況と推移』(平成26年・2021年12月最新)をもとに作成
介護施設も看護師の3倍多いですが、介護施設は採用ニーズが高いのでスムーズに転職しやすいです。ですが、クリニックは難易度が高いため対策が必要です。
クリニックの転職難易度の高さは、数字としても表れています。ナースセンターの調査によると、クリニックの求人倍率は約1.13倍、全体平均の2.36倍を大きく下回る結果です。
就業先 | 求人数 |
全体平均 | 2.36 |
クリニック(無床) | 1.13 |
参考:ナースセンター
1人あたりにどれくらい応募可能な求人があるかを示す値。倍率が低いほど、転職市場に求人が出回っていない状態と言える
クリニックは施設数自体は多いですが、たいてい規模が小さいため、多くの人員を募集しているケースはあまりありません。市場に出回っている求人も少ないため、仮に条件の良い求人があっても、同時に複数の看護師・准看護師が応募しやすくなり、選考通過が難しくなることもあります。
2020年以降は感染を懸念した受診控えも増え、赤字に転じるクリニックも増加したため、採用活動に積極的なクリニックも少なくなっています。
1-2.准看護師の求人倍率自体も低め
准看護師は、求人倍率そのものが看護師より低い(=仕事が見つかりづらい)です。
事実、看護師2.70倍に対して、准看護師は1.45倍。分かりやすくいうと、准看護師1人あたりの求人は、看護師の半分くらいしかないということです。(参考:ナースセンター)
看護師は働き口に困らないと言われていますが、准看護師さんの場合はそれほど人手不足というほどではなく、競争率が若干高めです。
補足:30~40代の准看護師は転職厳しい?
結論からいうと、年代によってそれほど差はありません。「ブランク可」「育児支援あり」など、30~40代の層を対象にした求人は多いです。
事実、『ジョブメドレー看護』(求人広告サイト)で検索してみたところ、上記2条件が該当する求人は、全体の約半分もありました。
ただ、50代以降を歓迎している求人で絞り込み検索すると、全体の約10%ほどまでグッと落ち込むので、厳しくなるのが現実と言わざるを得ません。
1章のまとめ
まずは准看護師の求人市場を解説しました。「クリニックで働く准看護師さんは入念な対策が必要」「准看護師の求人倍率は低いので、病院・介護施設の場合でも油断は禁物」の2点を押さえておきましょう。
これを踏まえて、次章からは転職活動の具体的な方法(流れ・手順)を一つずつ説明します。
2.准看護師の転職活動をスムーズに進める5ステップ
准看護師の転職活動は、以下の5ステップに分かれます。スムーズにいけば早くて1ヶ月、遅くとも3ヶ月あれば次の職場が決まるでしょう。
それぞれの工程ですべきことを詳しく解説します。
転職活動は基本的に辞める前に行う
転職活動は基本的に辞める前に行いましょう。「仕事が見つからない」というリスクを避けるためです。
ただし「失業保険をもらいながら、しばらくは働かずにいたい」「とにかく精神的に限界」という方は先に辞めてしまっても構いません。
ステップ1.入念な転職準備からスタート!【いきなり求人探しはNG】
転職活動は、入念な準備から始まります。いきなり求人探しから始めるのは、失敗のもとなので注意しましょう。
とはいってもやるべきことは2つだけ。(1).転職の理由をはっきりさせること、(2)譲れない点・妥協できる点を決めることです。
(1).まずは転職の理由をはっきりと言葉にしてみる
まずは転職の理由をはっきりと言葉にしてみてください。次の職場を選ぶ判断基準となります。
もちろん結婚などライフステージの変化が理由の場合、この段階は飛ばして構いません。ただし、現職に対しての不満が理由の場合は、その理由をはっきりさせる必要があります。
このように理由を具体的にすれば、転職先探しの指針がはっきりします。この方の場合は、以下のような軸で仕事を探すと良いでしょう。
転職先探しの指針
- 慢性回復期の患者が多いなど、比較的に余裕を持って働ける職場
- 夜勤の回数が今より少ない、あるいはクリニックなど夜勤そのものがない
- 30~40代の子育て世代のスタッフが多い
不満の内容が曖昧なままだと、気づかないうちに同じような職場に転職する可能性があります。
転職に失敗する人ほど、転職理由が曖昧なことが多いです。
(2).譲れない点・妥協できる点を決める
次に、「絶対に譲れない点」を1つ決めましょう。できれば「これは最悪妥協しても良いと思える点」も考えておくと好ましいです。
転職に成功した准看護師さんは、「絶対に譲れない点」をはっきりさせており、複数ある場合は優先順位をつけているようでした。
実際に転職経験のある看護職の方の声を具体例として紹介します。
譲れない点:残業無し
妥協できる点:人間関係、譲れない点:給料
譲れない点:休みの多さ、妥協できる点:給料
なかなか求人が見つからないという事態になると転職期間が長引くので、妥協できる点も考えておくのがスピード転職の秘訣です。
ステップ2.求人探しを行う【いろんな手段を駆使して、好条件求人を見逃さないように】
転職理由と譲れない条件がはっきりしたら、その内容に沿って、求人探しを行います。
求人探しの手段は、転職サイトやハローワークなど多岐にわたります。一つの方法に固執してしまうと、好条件の求人を見逃す可能性があるので注意しましょう。
例えば、転職サイトには「非公開求人」というものがあります。これは、ハローワークや求人広告サイトでは公開していない珍しい求人のことです。(広く公開すると応募が殺到するような好待遇であることが多い)
また転職サイトを活用するにしても、その種類はたくさんあり、それぞれが「独占求人」と呼ばれるさらにレアな求人を扱っています。独占求人は、そのサイトでしか扱っていない求人です。
転職サイトと長い取引関係にある病院・施設であることが多く、転職サイト経由で応募した場合、選考にパスしやすい特徴があります。
「求人探し=ハローワーク」と考えがちですが、様々な転職サイトを駆使することで、他の准看護師さんが見つけられていない好条件求人に応募できるようになります。
求人探しの手段については、後述します。
准看護師だからといって差を付けられない職場を選ぶ!
病院やクリニックの中には、准看護師だからと対応に差を付けられてしまうところもあるようです。
このような不当な対応に合わないためにも、職場選びは入念に行いたいところ。
ポイントは、いくつかの職場の選考を受けてみて、条件(給与や待遇)・面接担当者の対応などを比較してみることです。
もちろん、看護師・准看護師資格は別の資格なので、ある程度の待遇差はあります。
ですが、明らかに不当とも思えるような給与の差がある職場は、他にも問題がある可能性が考えられるので注意が必要です。
目安として、月収ベースで6万円以上違う場合は要注意。
看護師の平均月収は33万4,000円、准看護師は28万2,000円と5万2,000円程の差があるため、それを大きく上回る場合は、待遇差が大きいと言えそうです。(参考:e-stat『政府統計の総合窓口』)
ステップ3.書類を作成し応募する
気になる病院があれば、次は履歴書を作成して応募します。
履歴書では、これまでのキャリアを形式的に書くのがメインですが、「志望動機」などのアピール要素を魅力的に記載することで、選考通過率を高められます。
一般職種の中途採用では職務経歴書が必要となりますが、看護師の採用で職務経歴書が必要なケースはそれほどありません。
ただし、企業や法人運営の施設の場合は、提出を求められることもあります。
詳しく解説:
看護師転職履歴書の書き方は?|志望動機や職歴の記入方法
ステップ4.採用面接を受ける
書類選考が通過したら、採用面接を受けます。面接回数は1回であることが多いです。
採用面接では、必ず聞かれる定型質問があるので、事前に応える内容を考えておくと、面接で慌てなくて済みます。
必ず聞かれる定型質問の例
- 転職理由を教えてください。
- 志望動機を教えてください
- 前の病院ではどんな経験をしましたか?
- 残業や夜勤はどの程度可能ですか?
また、面接では「何を答えるか」の内容よりも、その人の雰囲気や人柄、話し方、コミュニケーション能力などが採用可否を左右します。
そのため、「口角を上げ、常に明るい表情でいる」「背筋を伸ばし、顎を引くことを意識する」「相手の目を見て話す」なども必ず意識しておいてください。
詳しくは『看護師転職の面接マニュアル|頻出質問と回答例&好印象を与えるポイント』で解説しています。
ステップ5.内定&退職【余裕を持って引継ぎをするのが円満退職のコツ】
内定が決まったら、雇用条件などを最終確認し、問題なければ承諾しましょう。これで転職活動そのものは終わりです。
ただし働きながら転職活動をしている場合、その後円満退職に向けて行動する必要があります。
基本的に円満退職を実現するには、1ヶ月ほど前に辞意を伝え、余裕を持って引継ぎをするのが好ましいとされています。
そのため、転職先への入職日は、引継ぎのスケジュールとの兼ね合いで調整しましょう。
ここまでのまとめ
准看護師の転職活動の流れを紹介しました。
全ての工程の中で、一番重要なのが「求人探し」です。
どれだけ条件の良い職場を効率的に見つけられるかで、転職に成功するか失敗するかが決まります。特に求人倍率の低い准看護師こそ、ここが重要です。
結論として、転職探しの手段として最もおすすめなのが、転職サイトを使うことです。
3.准看護師の求人探しは転職サイトの利用がおすすめ
当サイトで看護師・准看護師100人を対象に、「職場探しはどのようにして行いましたか?」とアンケートを行いました。
回答を集計すると求人探しの手段は6つあり、その中で最も回答数が多かったのが転職サイト(人材紹介会社)でした。
転職経験者の半数以上は、転職サイトの利用経験があるようでした。求人探しの手段としては最も定番と言えるでしょう。
利用者の口コミを分析してみると、転職サイトは「求人が見つけやすい」「専門的なサポートが受けられる」という点が他の手段よりも優れていることが分かりました。他の手段との比較を以下にまとめます。
それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
3-1.転職サイト(人材紹介会社)
転職サイトは、登録すると転職相談に乗ってくれて、求人探しから選考対策まで、幅広いサポートをしてくれる人材紹介サービスです。サービスは全て無料で利用できます。
転職サイト利用のメリット
- 自分に合った転職先を提案してくれる
- 転職のプロにキャリア相談ができる
- 応募書類の添削、面接対策ができる
- 病院とのやり取りを代行してくれる
サービスの質は担当者次第で左右されますという面もありますが、担当者は変更可能なので、それほど懸念点ではありません。
全手段の中で転職サイトがおすすめな人
- 転職するのがはじめてで不安
- 給与や条件、人間関係などが良い職場情報を知りたい
- なるべく早く次の仕事を見つけたい
- 転職すべきかどうかまずは相談したい
ただ担当者と二人三脚で転職活動を進めていく転職サイトは、「マイペースに仕事探しをしたい」という方にとっては不向きなので、その場合はハローワークやナースセンターを活用すると良いでしょう。
3-2.ハローワーク
ハローワークは、無料で求人の紹介を受けられる行政機関です。
医療機関の8割が看護師の採用にハローワークを使っているという調査報告もあることから、より多くの選択肢から職場を選びたい方は利用すべきでしょう。(参考:日本看護協会調査研究報告)
また、ハローワークは国営の機関のため、どの医療機関とも金銭的な利害関係がなく、中立公正な立場で求人紹介や転職アドバイスをしてくれます。
求人の質に注意!ハローワークは補助的に使うのがおすすめ
ハローワークは転職活動に役に立つサービスですが、ハローワークだけしか使わないのはリスクが高いです。
ハローワークには質の低い求人が紛れ込んでいることがあり、ブラックな職場に転職してしまう危険があるからです。
実際に、雇用条件に関するトラブルは多発しており、「求人票の記載内容と実際の労働条件が異なる」という報告は6,811件(平成30年度)確認されています。(出典:厚生労働省)
そのため他の手段も活用しながら、あくまで補助的な役割として使用することをおすすめします
詳しく解説:
看護師の転職でハローワークは使うべき?利用の流れやメリット・デメリットを徹底解説
3-3.ナースセンター
ナースセンターは、看護人材確保を目的として設置された行政機関です。
求人紹介はもちろん、看護職の専門相談員による就業相談や、再就職に向けた研修の開催なども行っています。
最大の魅力は、情報の専門性です。ハローワークと異なり看護師の就業に特化した機関なので、より役立つ情報を効率的に得られることが期待できます。
専用サイト『eナースセンター』では、希望勤務地やライフスタイルから求人検索が可能です。
ただ掲載情報が少なく、サイト自体も使いにくいため、自分の条件に合った求人を探しづらい側面があります。また転職サイトと比較すると、サポートも手薄です。
3-4.求人広告サイト
求人広告サイトは、「看護師求人の情報を一括で検索できる」転職情報サービスです。
転職サイト(人材紹介会社)と違い、担当者のサポートはありません。自分で求人を検索して、気になったものがあれば応募するという形で転職活動を進めるため、「転職意欲はそれほど高くないが、良い求人が見つかれば転職したい」という方におすすめです。
3-5.知人の紹介
知人や友人、元同僚からの紹介で転職する看護師も少なくありません。
旧知の人からの紹介であれば、求人広告などからは分からないリアルな情報も事前に教えてもらえるので、ミスマッチを減らすことができます。
病院側にとっても、素性の知らない人を採用するよりは、紹介経由での採用の方が信頼できるので、他の手段経由の応募よりも採用されやすいというメリットもあります。
ただし、「面接や見学をしてイメージと違っていたとしても断りづらい」「退職を言い出しづらくなる(早期離職の場合は特に)」などのデメリットも大きいため、注意が必要です。
3-6.直接応募
求人探しではありませんが、気になる病院の公式ホームページから直接応募するという方法もあります。
直接応募は、他の応募手段と比べて採用確率が高くなります。人材紹介会社に仲介料を払ったりする必要がなくなりますし、大々的に募集していないため、競争率が低くなるからです。
応募したい病院・クリニックが決まっているという方は、直接連絡してみるのがベストです。
ここまでのまとめ
看護師の求人探し・応募の手段を再掲します。
- 転職サイト(人材紹介会社)
- ハローワーク
- ナースセンター
- 求人広告サイト
- 知人の紹介
- 直接応募
担当者とのやり取りが面倒という方は、求人広告サイトをメインに使うと良いでしょう。
ですが基本的には転職サイトをメインに使い、ハローワークやナースセンターも随時活用するというやり方がベストです。
4.転職サイトについてよくある疑問をまとめて解決!
転職が初めての方は、転職サイトがどういうものかイマイチよく分からないこともあるかと思いますので、本章でよくある質問をまとめておきます。
- 4-1.転職サイトはなぜ無料で使えるんですか?
- 4-2.転職サイトを使って不利になることはありますか?
- 4-3.非公開求人って何が良いのですか?
- 4-4.転職サイトを使って後悔することはないですか?
- 4-5.転職サイトはどうやって選べばいいですか?
利用を検討している方は、参考にしてください。
4-1.転職サイトはなぜ無料で使えるんですか?
転職サイトは、病院からの仲介手数料で収益を上げる仕組みのビジネスモデルだからです。
求職者が入職するごとに、転職サイトは病院から仲介料(年収の30%前後)を受けとっています。そのため、利用者側に料金は一切発生しません。
4-2.転職サイトを使って不利になることはありますか?
原則としてありません。基本的には、転職サイト経由の応募は有利に働くことが多いです。
転職サイト経由の応募が有利な理由
採用担当者は「雇った人がすぐに辞めた」「活躍しない」といったリスクを避けることを第一に考えるため、個人応募の素性のわからない方を採用するより、転職サイトのお墨付きがあって安全な方を採用したいと考えるからです。
もちろん仲介手数料はかかりますが、雇った人がすぐに辞めてしまうと、引き継ぎ・退職処理・次の採用・育成・人事調整など、サイト経由の仲介料とは比べものにならない膨大なコストがかかります。
また多くの場合、サイト経由で雇った人が短期間で辞めた場合、企業側に紹介料を返還する契約ですので、企業側も安心して採用が出来る仕組みになっています。
ただし、一部不利になるケースもあります。
例えば、同時に選考を受けている人が病院に直接応募しているケースです。
直接応募の場合、採用しても病院側にコストはかかりません。しかし前述の通り、転職サイト経由の採用は仲介手数料がかかります。
そのため、同時に選考を受けている人が直接応募の場合に限り、採用コストの観点から、転職サイト経由の応募は不採用となる可能性があります。ただこれは非常に珍しいケースなので、それほど懸念する必要はないでしょう。
4-3.非公開求人って何が良いのですか?
非公開求人は、一般のサイトで広く募集すると、人が殺到するような好待遇求人であることが多いです。
効率よく好待遇の職場を見つけるためには、非公開求人を多く保有しているサイトを選ぶのが近道です。後述するおすすめサイトでは、非公開求人を多く扱うサイトを厳選していますので、参考にしてください。
4-4.転職サイトを使って後悔することはないですか?
可能性はゼロではありません。実際に当サイトが実施したアンケートでは、転職サイト利用者の15%ほどが利用したサイトに不満を感じている(悪い点の方が多かった・他人に勧められないほど最悪)という結果になりました。
集計した口コミの内容を精査すると、不満の口コミは以下のパターンに分類されることが分かりました。
- 希望に合う求人を紹介してもらえなかった
- 連絡がしつこいので、自分のペースで転職活動できなかった
- 事前に聞いていた情報が事実と異なっていた
ただこれは転職サイトという手段を使ったことが原因ではなく、「評判の悪い転職サイトに登録してしまったこと」が原因と考えられます。
サービスのレベルが高いサイトであれば、求職者のペースに合わせて細やかな対応をしてくれますし、求人情報が正しいかどうかチェックする専門の部署を設置しています。
どの転職サイトを選ぶか、が何より重要なのです。
詳しく解説:
看護師転職サイトは使わない方がいい?紹介会社を使わず自分で探すべき人の特徴
4-5.転職サイトはどうやって選べばいいですか?
基本的には大手企業が運営しているサイトがおすすめです。大手サイトであれば、全国的に様々な病院と取引を行っているため、扱っている求人も多く、転職先の選択肢を増やせます。
また転職支援実績も豊富なので、「あなたに合った転職活動の進め方」や「書類作成のコツ」など具体的なアドバイスも期待できるでしょう。
地域はあまり気にしなくてOK
大手サイトであれば全国の求人を扱っているため、どこに住んでいても利用できます。
対面サポートができないという意見もありますが、2020年以降はほとんどのサポートが対面からオンラインに変わっているので、気にする必要はありません。
ただそうはいってもサイト規模の見極めは難しいと思いますので、次章では、看護師さんを対象にしたアンケートから、特に評価が高かった大手サイトを厳選して紹介します。
転職サイト選びの参考にしてください。
5.准看護師さんからの評価が高い大手転職サイト5選
数ある転職サイトの中から、以下を基準に「利用者からの満足度の高い看護師向け転職サイト」をピックアップしました。
転職サイト選定基準
- 求人の数
…総求人数が多いほど、理想の求人を見つけやすい - 利用者満足度(提案&サポート力)
…看護師さんを対象にしたアンケートをもとにサービスの質を評価。優秀なキャリアコンサルタントに担当してもらえれば、理想の職場を提案&手厚いサポートが期待できる
利用者の総合評価順にランキング形式でまとめると、おすすめの転職サイトは、以下の通りとなりました。
転職サイト | 求人数|総合満足度 |
1位 看護roo! | 60,000件|◎4.3 利用者満足度96.3%、看護師さんからの人気No1の転職サイト。細かい条件で求人が探しやすく、面接対策&サポートも手厚い。 |
2位 看護のお仕事 | 129,000件|○3.8 総求人数トップレベル!累計40万人以上の利用者がいる転職サイト。LINEで最新の求人情報が得られるなど、気軽に転職活動ができる |
3位 マイナビ看護師 | 55,000件|◎4.1 求職者のペースに合わせたサポートが強み。全国25箇所に相談会場があり、地方在住者も来社相談しやすい |
4位 ナースではたらこ | 12,000件|○3.9 気になる職場を指名して求人募集状況を確認してもらえる「逆指名求人」が魅力の転職サイト |
5位 ナース人材バンク | 34,000件|○3.8 地域専任のキャリアコンサルタントによるスピーディな対応が魅力。サイトの求人ページでは「施設の特徴」などの情報も豊富に掲載 |
※この記事では5サイトに厳選して簡潔に紹介します。より詳しく知りたい方は、『看護師723人が選ぶ転職サイトおすすめランキング』を参考にしてください。
1位.看護roo! | 看護師さん利用者満足度No.1

- 利用者満足度96.3%
- 公開求人55,907件+非公開求人も多数
- 面接同行や選考対策など手厚いサポート
- みんなが使っていて、実績豊富な人気のサイトを利用したい
- 給与や条件、人間関係などが良い職場情報を知りたい
- はじめての転職で不安なのでプロに相談したい
2位.看護のお仕事 | 求人多数で選択肢の幅が広い!

- 累計利用者数40万人以上
- 友だちに勧めたい転職サイトランキングNo.1
- 総求人数は135,763件と転職サイトトップレベル
- できるだけたくさん求人が見たい
- 職場の雰囲気や内部情報を知りたい
- 気軽に求人探しがしたい
3位.マイナビ看護師|ペースに合わせて転職できる

- 看護師認知度4年連続No1の定番転職サイト
- 求人数は5万件以上
- 大手マイナビならではの情報ネットワークも強み
数週間で内定を目指す「スピード転職」や、数ヶ月に渡ってゆっくりと職場を探す「じっくり転職」など、求職者の都合に合わせたスピード感でのサポートをしてくれます。
そのため、「ゆっくりと考えたいのに連絡が煩わしい」「早く転職したいのにサポートが遅い」といったミスマッチもなく、自分のペースで転職活動を進められるでしょう(面接の日程調整なども、キャリアアドバイザーが代行してくれます)。
- なるべく早く次の仕事を見つけたい
- 数ヶ月かけて余裕を持って転職活動したい
4位.ナースではたらこ | サポートは抜群、働きたい病院を指名できる!

- 気になる病院を指名して探せる
- 問い合わせのフリーダイヤルは24時間受付
逆指名求人とは、求職者が気になる病院を指名すれば、求人募集が行われていない場合でも、その都度キャリアアドバイザーが求人の状況や条件を確認してくれるという仕組みです。
求職者側から病院を指名できるため「以前から気になっている病院で働きたい」という方にとっては、役に立つサイトと言えるでしょう。
また、問い合わせのフリーダイヤルは24時間受付をしているので、夜勤が多く・勤務シフトが不規則という方でも安心です。
- 「この病院で働きたい」という希望がある
- 勤務シフトの都合上、なかなか転職活動をする時間がない
5位.ナース人材バンク | 満足度98.8%で求人豊富!

- 年間利用者10万人以上
- 地域に特化した専任のキャリアアドバイザーが在籍
同社のキャリアコンサルタントは地域専任の担当制となっており、各エリアの医療機関の看護師募集状況などの最新情報を熟知しているため、スピーディかつ詳細な情報収集が期待できます。
また、病院を病床数で絞り込んだり、介護施設を施設形態で検索できたりと、求人の探しやすさにも定評があります。
サイトの求人情報が「職場スタッフの口コミ」や「給与モデル」まで詳細に記載されている点も特徴的で、転職後の働き方を具体的にイメージできるでしょう。
- スピード感のある対応をしてほしい
- 応募に詳しい情報を集めておきたい
ここまでのまとめ
ここまでは、評価の高いおすすめ転職サイトを厳選して紹介しました。どのサイトも利用は無料なので、まずは1~2つ登録してみて、担当者との相性を見極めることをおすすめします。
次章では、転職に成功する人はどう行動しているのか、逆に失敗する人はどういったことをしてしまっているのか、転職成功に向けたノウハウを解説していきます。
6.100人の調査から分かった転職に成功する人・失敗する人の違い
成功する人 | 失敗する人 | |
計画 | スケジュールを立てている | 無計画 |
転職活動の時期 | 現職を辞める前に始める | 勢いで退職してしまう |
選択肢 | 多い | 少ない |
職場見学や口コミ等での情報収集 | 必ずしている | していない |
身だしなみ | TPOに合わせて整えている | 無頓着 |
内定後 | 業務内容や条件を確認 | 内定をすぐに承諾してしまう |
それぞれ詳しく解説します。
6-1.スケジュールを大まかに立てることが重要
転職活動の際は、大まかにで構いませんのでスケジュールを立てておきましょう。
スケジュールを立てるポイントは、「理想:できれば何月何日までに転職先を決める」「妥協:遅くとも何月何日までに転職先を決める」の2つを決めることです。
無計画に進めてしまうと、ズルズルと先延ばしになる可能性があります。期間が長引くほど負担も大きくなるので、なるべく早めに決めておきたいところです。
看護師・准看護師さん100人へのアンケートでは、過半数が「1~3ヶ月かけて転職活動を行った」という回答結果が得られました。
※2021年4月実施調査
看護師の求人倍率は近年やや低めに推移しつつあるので、転職活動が長引く可能性も想定して、3ヶ月目安で計画を立てておくとよいでしょう。
6-2.勢いで辞めてしまうのは避けるべき
転職活動は、在職中に行うのが望ましいです。勢いで辞めてしまうのはできるだけ避けましょう。
先に辞めてしまうと、収入が途絶える期間が発生します。なかなか転職先が見つからなかった場合、「早く決めなければ」と焦って判断してしまう可能性も考えられます。
もちろん、失業手当を受給しながら転職活動を進めるのも問題ありません。ただその場合も、しっかりとスケジュールを立てて、「何月から仕事探しを始める」と決めておきましょう。
6-3.選択肢の数を増やすことが転職成功のポイント
自分の希望にぴったりの求人を見つけるためには、なるべく多くの情報を集めることが重要です。
複数のサイトを使うなどして、選択肢を増やしましょう。求人がなかなか見つからないという悩みは、一つの手段に固執しているのが原因であることが多いです。
おすすめの併用パターン
- 失業保険受給中の方:転職サイトとハローワークの併用
…転職サイトから応募しつつ、ハローワークで月々の手続きを行う際に、窓口で相談。求人の応募は、失業保険受給要件である求職活動実績として認められる - 転職活動がはじめての方:転職サイトとナースセンターの併用
…どちらも看護師転職に特化したアドバイスなどが受けられるので、転職成功率を高めることができる。 - なるべくたくさん求人を見たい:複数の転職サイトの併用
…複数のサイトを利用すれば、数百~数千件の情報の中から、最適なものを選べる。ただ選択肢が増えすぎても判断に迷うことがあるため、転職サイトのキャリアコンサルタントと相談しながら決めるのがおすすめ
はじめのうちは、気になる求人を徹底的にピックアップすることを意識してください。
そしてある程度候補が見つかった段階で、「転職の目的」や「理想のキャリアプラン」と照らし合わせながら、絞り込んでいきましょう。
6-4.人間関係や雰囲気は職場見学でチェック
人間関係が良いかどうかは、事前の職場見学である程度判断できます。実際に病院を見学することで、求人情報からは分からない職場の雰囲気が見えてくるでしょう。
職場見学時のチェックポイント
- スタッフ同士の適度な雑談はあるか
- スタッフが明るく挨拶をしてくれるか
- 病院内はきれいな状態か
- スタッフの年代はバランスが良いか
- 整理整頓ができている環境か
- スタッフの身だしなみはきちんと整っているか
実際に、職場見学で人間関係の良さがうかがえたという意見もありました。
決め手は職場見学!スタッフや利用者の会話から雰囲気が分かった
ただ注意点として、近年は感染症対策の一環で、職場見学ができないというケースも増えています。そこで、看護師が病院の評判を投稿している口コミサイトを活用して情報を得ることも欠かせません。
例えば、『ナスコミ』や『ナース専科』、『medico』は、実際にその病院で働いた方が「人間関係」や「労働の実態」などのリアルな評価を投稿しているサイトです。
匿名サイトなので悪い評価に偏るという側面はありますが、気になる病院があれば検索しておくのも良いでしょう。
6-5.面接は身だしなみも大事
看護師転職の面接はたいていの場合1回で終わります。だからこそ、しっかりと好印象を与えておきたいところです。
人のイメージや好感度は、第一印象によって決定されます。第一印象の55%は見た目などの視覚情報で決まると言われています。(メラビアンの法則)
面接前に鏡を確認し、身だしなみを整えることが欠かせません。髪は整っているか、服や靴は汚れていないかなど、念入りにチェックしてください。
6-6.業務内容や条件を確認して、入職後のギャップをなくそう!
業務内容や条件を確認して、入職後のギャップをなくすのも忘れないようにしましょう。
転職に成功する人ほど、事前にしっかり確認して認識のズレがないようにしています。対して、失敗する人は漠然とした理解のまま入職してしまい、実際に働き始めて「こんなはずではなかった」と後悔していまうのです。
特に給与や残業時間などは必ず確認しておきましょう。「聞きづらい」という方は、転職サイトの担当者に代わりに聞いてもらうこともできます。積極的に活用しましょう。
さいごに
准看護師の転職活動の方法を解説しました。
手順に沿って正しく進めていけば、希望通りの職場に転職するのも難しくありません。まずは「希望条件をしっかりと決める」ことから始めてみましょう。
転職がうまくいくことを心から祈っています。