公務員薬剤師の働き方とメリット・デメリットの全て

公務員 薬剤師

「公務員薬剤師ってどんな仕事?自分は公務員薬剤師になれるの?」と考えていませんか?

公務員薬剤師は、薬剤師の中でも特殊な働き方であり人気も高いのですが、その実態はあまり知られておらず、「働き方や年収はどの程度なの?」「どうやったらなれるの?」と疑問に思う人はとても多いのです。

このページでは、転職コンサルタントとして数多くの薬剤師転職をアドバイスしてきた知見と経験をもとに、公務員薬剤師の働き方についてご紹介します。

  1. 公務員薬剤師とは
  2. 公務員薬剤師の仕事内容・勤務先
  3. 公務員薬剤師の平均年収・給与
  4. 公務員薬剤師になるメリットデメリット

このページを読めば、公務員薬剤師について理解が進み、「公務員薬剤師の仕事と職場」「気になる初任給や給与」がわかるでしょう。

<2019年8月:薬剤師転職の最新情報>

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1. 公務員薬剤師とは?

公務員薬剤師ってどんな働き方があるのですか?

このページをご覧の方は、「公務員薬剤師」という言葉を聞いた事のある方だと思いますが、公務員薬剤師には大きく3通りの働き方がある事をご存知でしょうか?まず初めに、公務員薬剤師の種類についてご説明します。

公務員薬剤師には3通りの働き方がある

  • 国家公務員薬剤師
  • 地方公務員薬剤師
  • 麻薬取締官

1-1. 国家公務員薬剤師

エリートと呼ばれる国家Ⅰ種(国Ⅰ)・国家Ⅱ種(国Ⅱ)の国家試験に合格した薬剤師

国家公務員薬剤師は、国家Ⅰ種(国Ⅰ)・国家Ⅱ種(国Ⅱ)の国家試験に合格した薬剤師です。この職では、薬の専門家ではなく、厚生労働省などの国の機関で国家の薬事行政に携わる事になります。例えば薬事法といった法令作りや、薬の管理法案などを担当します。

いわゆる「薬剤師」としてのキャリアを積むのではなく、文系寄りの仕事と言えるでしょう。異動も多くあり、国家公務員の一員として日本の薬事を広く支える仕事です。

1-2. 地方公務員薬剤師

地方公務員上級試験(薬学分野)に合格し、都道府県、政令指定都市、市町村等で採用される公務員

国家公務員とは違い、地方公務員薬剤師は、環境衛生評価や食品安全検査といった行政に近い仕事や、国立病院・国立研究所での業務といった薬学に近い仕事など、様々な業務に携わります。都道府県や政令指定都市、市町村等で採用され、地域に根ざした自治体内での仕事が中心です。

様々な仕事はあれど「薬剤師」としてのキャリアを積む理系寄りの仕事です。一般的に公務員薬剤師といえば「地方公務員薬剤師」の事を指しますので、このページの2章以降では地方公務員薬剤師についてご説明します。

1-3. 麻薬取締官

麻薬の取り締まりを主に行う専門職 公務員試験は無く、麻薬取締官職としての採用試験を受ける

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国家公務員・地方公務員といった枠組みでなく、薬学の専門職としての公務員の一つに「麻薬取締官」があります。テレビドラマなどで見かける仕事ですが、れっきとした公務員であり、薬剤師免許が求められます。(薬剤師免許を持っていなくとも、特定の国家公務員試験に通っていれば、面接資格があります。)

麻薬取締官になりたい方は、厚生労働省地方厚生局麻薬取締部HPをご覧下さい。

2. 公務員薬剤師の仕事内容・勤務先

では、地方公務員薬剤師はどんな仕事をするのでしょうか?

1章でお伝えした通り、地方公務員薬剤師の仕事は多岐に渡ります。2章では地方公務員薬剤師の仕事内容や勤務先についてご紹介します。

公務員薬剤師は下記のような職場に勤めることになります。基本的には3年単位のサイクルで異動し、公務員薬剤師としての仕事を幅広く経験していくことになります。

2-1. 県立・国立病院等の医療機関

公務員薬剤師を目指す人にとって最も華やかでキャリアに富んでいる仕事が、県立・国立病院等の医療機関でしょう。

基本的には通常の病院薬剤師と変わらず、医師の処方に沿った調剤や服薬指導を行います。また県立・国立病院の多くは急性期病院ですので、積める経験や病症の幅も広く、薬剤師としてキャリアを高めることが可能です。

病院薬剤師としての働き方やキャリアについて詳しく知りたい方は、「誰でもわかる病院薬剤師の全て|仕事・年収・転職のコツ」を参考にしてみてくださいね。

2-2. 保健所

保健所は、公務員薬剤師にとって、最もポピュラーな職場と言えるでしょう。

地方によって福祉保健所・保健福祉センター・健康福祉センター・保健福祉事務所などと呼ばれており、薬事だけでなく、食品や環境衛生など、多くの部署が存在します。市民にとって身近な部署であり、「地域の役に立っている」と実感できるやりがいのある職場です。

Ⅰ. 薬事衛生

主に地域の調剤薬局やドラッグストアに対して、新規開設許可を出したり、立入検査などを通じて問題がないかチェックしたりします。

Ⅱ. 環境衛生

上下水道・大衆浴場・プールといった水回りに関する公的機関や、旅館・ホテルなどの宿泊施設、理容室・美容室といったサービス業に対する環境衛生施設の新規開設許可や、立入検査を行います。

Ⅲ. 食品衛生

主に飲食店に対する新規開設許可や、立入検査を行います。特に食中毒に関わる対応は、他の薬事・環境と違って頻繁に発生し、地域市民への影響が大きいので、とても大切な業務です。

2-3. 都道府県庁

主に、企業に対する監視を行います。薬品に関連する企業には、製薬企業に代表される医薬以外にも、化粧品メーカーや医薬部外品メーカーなど様々な形態があり、新規で製造販売を行う際の許可や、許可施設・工場に対する立入調査を行います。

2-4. 衛生研究所

衛生研究所では、「衛生についての管理や検査」を行う保健所と違い、「衛生についての研究」を行う場所です。

主に食中毒を引き起こす細菌やウイルスについての研究や検査を行います。この結果を保健所等に通知し、地域の健康被害を未然に防ぐための対策を行っていく職場です。

2-5. 消費生活支援センター

保健所・都道府県庁・衛生研究所といった職場が、企業を中心としたサービス提供者に対しての職場であることに対して、消費者生活支援センターは、その名の通り消費者からの苦情を受け付ける職場です。

例えば食中毒などの苦情報告の一次対応を行い、その商品や店舗に対して原因究明を行っています。

3. 公務員薬剤師の平均年収・給与

では、公務員薬剤師の給与や平均年収はどの程度なのでしょうか?

薬剤師が公務員として働く場合の平均年収などはどのようになっているのでしょうか。気になる公務員薬剤師の懐事情についてこの章ではご説明します。

3-1. 初任給

公務員薬剤師 … 初任給:月20.8万円 年収:300万円程度

公務員薬剤師の初任給はどの程度でしょうか?公務員薬剤師の年収は、公務員の給与規定に準じており、一律20.8万円(+地域手当1.782万円や扶養手当・住宅手当など)です。(4年生大学卒の場合は、17.8万円です。)

この金額は、同じ理系の4年制大学や修士卒、医学部などの6年制大学と比較すると、低い金額と言えるでしょう。特に初任給が高いドラッグストアだと、初任給から30万円超の企業もざらにあります。

また「給与が低い」ことで有名な病院薬剤師(民間)でも、初任給は25万円程度です。公務員薬剤師の初任給は、相当低い部類だと言えるでしょう。

3-2. その後の年収

公務員薬剤師 … 年収:500万円〜800万円程度

公務員薬剤師の年収で、メリットと言えるのは「定期昇給」がきちんとある点です。平均年収は600万以上と言われており、最初は低くとも後から年収が上がります。厚生労働省の統計によると、薬剤師の平均年収はこの年収は553万円となっており、調剤薬局やドラッグストアと比べても高い部類に入ります。

また公務員は基本的に解雇される事が無く定期昇給があるため、年齢が上がれば上がるほど給与が上がっていきます。さらに退職金も民間より高額で確実に貰える保証がある点も大きなメリットです。

特に公務員薬剤師と比較されやすい病院薬剤師の年収について幅広く知りたい方は、「ひと目で分かる病院薬剤師の年収と年収アップのコツ2選」を参考にして下さいね。

4. 公務員薬剤師になるメリットデメリット

公務員薬剤師の働き方や年収については分かりました。メリットデメリットを一言でいうと何なんでしょう?

第4章では、公務員薬剤師になるメリットとデメリットを簡単に整理してご紹介します。

4-1. 公務員薬剤師になるメリットは「安定性」&「生涯年収」

公務員薬剤師のメリットは、何と言っても「安定性」でしょう。比較的、薬剤師としての仕事自体が資格職業でもあり、安定性の高い職場が多いと言えますが、その中でも公務員薬剤師の安定性は抜群です。

もう一つの大きなメリットは、3章でもご説明した通り「生涯年収の高さ」です。定期昇給がある上に安定している職業なので、長く働けば働くほど年収は上がっていきます。産休育休などの福利厚生や、住宅手当・扶養手当、さらには年金・退職金もばっちり揃っている事は大きなメリットと言えるでしょう。

4-2. 公務員薬剤師になるデメリットは「異動」&「薬剤師としてのキャリアの無さ」

万能に見える公務員薬剤師にもデメリットがあります。

まず初めに挙げられるデメリットは「異動の多さ」です。2章でご説明した通り、公務員薬剤師は「病院薬剤師」「保健所」といったメジャーな職場以外にも、多くの部署に3年周期で異動します。

もう1点、「異動」が原因のデメリットとして挙げられるものは「薬剤師としてのキャリアの無さ」です。様々な部署に異動するので、病院薬剤師や調剤薬局薬剤師のように、わかりやすく薬剤師としての専門キャリアを積むことができません。

「ジェネラリスト」としての公務員薬剤師か、「スペシャリスト」としての病院薬剤師や調剤薬局薬剤師か、あなた自身の志向から選んでみても良いかもしれませんね。

さいごに

公務員薬剤師について、その働き方や年収についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

お伝えした通り、公務員薬剤師は薬剤師の中でも特異な働き方であり、一般的な薬剤師とは大きく違ったキャリアを積むことになります。ポイントは「安定性/異動の多さというメリットデメリットを理解すること」

もし、あなたが今の職場環境に不満を持っていたとしても、公務員志望と盲目的になるのでなく、自分にあった働き方かどうなのか、しっかり吟味することをおすすめします!

※薬剤師が転職する時の注意点

薬剤師は転職率が高く、「年収アップ」などの理由で転職する人が多い業界ですが、職場雰囲気の悪さや長時間労働に後悔するケースが多いのも事実です。薬剤師の転職で失敗しない!体験談と転職ノウハウの全てを見て、後悔しない転職を実現してください。

特に初めて転職する人は、職場雰囲気のヒアリングや面接対策などのため、転職エージェントを活用することをお勧めします。薬剤師のための転職エージェント全知識|1から理解し徹底活用!を参考にすると良いでしょう。

転職活動は、将来のキャリアや待遇などに悩み、すぐに決められるものではありません。しっかり考えた上で、次の一歩を踏み出してくださいね。

あなたが最高の転職をできることを陰ながら祈っております。