6つのアイデア発想法|明日からアイデアマンとして大活躍!

アイデア 発想法

新規事業開発や新商品開発のブレスト会議や、普段からのアイデア出しの段階において先輩や同期をみて「なんであの人はあんなにアイデアを出せるんだ?」「自分ではそんなにいくつも思いつかないのに」と思うことはありませんか?

実はアイデアを出すのが得意な人の多くは、アイデア抽出をする為のフレームワークに沿って頭の中で考えており、普段から常にアイデアを整理する癖を持っているのです。

そこで、そんな彼らが利用している代表的なアイデア発想法6つのフレームワークを、実際に皆さんにも使えるように、具体例を交えてご紹介します。

  1. はじめに:アイデア発想する際に心がけること
  2. オズボーンのチェックリスト
  3. KJ法
  4. マインドマップ
  5. PMI法
  6. SCAMPER法
  7. シックス・ハット法

ここに挙げたフレームワーク自体は非常にありきたりですが、この記事内で、それぞれ順を追ってアイデア発想法を実践していくことで、皆さんにしっかりと身につけて頂くことを心がけております。

また、いずれも紙と鉛筆があればすぐに出来るものなので、普段何気なく過ごしている瞬間でも実施してみてください。

これをマスターすれば、ブレストや新規事業検討会議でもアイデアマンになることが出来るでしょう。

はじめに:アイデア発想する際に心がけること

早速アイデア発想を実践していく前に、チームでアイデアを考えるときを含めて、皆さんに絶対に心がけてほしい3点を先にお伝えします。

(1)他人のアイデアを否定しない

ブレスト会議中でどんなに他人のアイデアがありきたりであるとか、むしろ悪いものだとか思ったとしても、絶対にそれを否定しないでください。

そもそもブレストは可能な限りアイデアを出し尽くすための会議です。

そこでアイデアの良し悪しを判断するのは会議目的と反することになります。良し悪し判断はその後です。

そして何よりアイデアを出した本人が萎縮してしまう可能性もあります。

せっかくその人が他に思いついていた素晴らしいアイデアも陽の目を見ずに終わってしまうことすらありうるのです。

なので、他人のアイデアは絶対に否定してはいけません。

(2)斬新さにこだわらない

先にも述べたとおり、ブレストはアイデアを出し尽くす会議なので、いいアイデアも悪いアイデアも必ず両方あって当然です。

また、一見悪いように見えるアイデアでも、他のアイデアとの合わせることで、最高のアイデアに変身することだってありうるのです。

斬新なアイデア発想にばかりこだわっていたのでは、面白いアイデアも面白みが損なわれてしまい、平凡なアイデアでも恥ずかしがらずにとにかく出し切ることが重要です。

(3)他人に否定されても絶対にめげないこと

他人のアイデアを否定していなくても、他人からアイデアを否定されるという場面は出てくるでしょう。

特に、最終的に行き着いたアイデアを上司に説明するときなどがそれに当たります。

そもそも、新規事業開発とは自社に無いものを作ることなので、長年同じ会社に勤めている上司が1回説明を受けても納得をしないのは考えてみれば当たり前のことです。

仮に上司がOKと言えば、今度は上司が更なる上司に説明する必要があるため、上司には100%我々と同じ程度理解してもらう必要があります。

そのため上司も非常にシビアに我々の話を聞いてくるので、批判も否定も飛んできます。

ここはグッとこらえて、どうすれば100%理解・納得をしてもらえるかを考えましょう。

とにかくめげないことは非常に重要です。

1. オズボーンのチェックリスト

オズボーンのチェックリストとは、ブレーンストーミングの考案者でもあるアレックス・F・オズボーン氏がアイデアを新たな視点から見る上でまとめるためのチェックリストです。

このチェックリストでは、アイデアを発想する際にチェックする項目は次の9つと定義しています。

  • 転用(Put to other uses)
  • 応用(Adapt)
  • 変更(Modify)
  • 拡大(Magnify)
  • 縮小(Minify)
  • 代用(Substitute)
  • 置換(Rearrange)
  • 逆転(Reverse)
  • 結合(Combine)

1-1. 利用シチュエーション

オズボーンのチェックリストは新規事業の立案に向けたブレスト、及び新商品開発におけるブレスト等、新しくアイデアを抽出する際に使用出来ます。

オズボーンのチェックリスト

1-2.利用方法

(1)転用(Put to other uses)

例えば自社でと扱っている商品でも、自社で把握していること以外に使い道は無いだろうか、ということを考えてみることです。

例えば、今では使われなくなってしまっている音楽コンポについて考えてみると、基本的に自宅で自分専用にCDやMD等を使って音楽を再生する機器でした。

しかし、他に使いみちは無いのでしょうか。

「自分専用」というのが従来のコンポでしたが、「他人専用」にしてみるとすると、例えば飲食店のフロアにかける音楽機器としての活用ということも考えられるかもしれません。

だとすれば、コンポは今後飲食店に向けたB2B営業の可能性もあると言えるかもしれません(実際には権利処理等の事情で難しいかもしれませんが)。

(2)応用(Adapt)

自社が扱っている商品と似たものは他に無いだろうか、あるとすれば一部アイデアを自社に適用することは出来ないか、という発想が応用(Adapt)です。

先ほどの音楽コンポの例で言うと、パソコン、スマホ等が音楽を聴く機器としての代替品として確立していると言えますが、パソコン・スマホにはネット接続をしてのラジオ放送が出来てもコンポには出来ません。

一方音質に関してはコンポの方が良いため、音楽にこだわりを持っている一部の層をターゲットとした新型スマートコンポと言うのはニッチ商品として考えられるかもしれません。

(3)変更(Modify)

自社商品の色や、形、使い方等を「修正」することで、新しい何かを作れないか、という発想が変更(Modify)です。

音楽コンポの例で言えば、iPhone (iPod)と接続スピーカーとのセットがそれに当たります。

これに音楽コンポはまさに代替されてしまったのです。

(4)拡大 (Magnify)

既存の商品をサイズを大きくする、規模を大きくするなど出来ないか、という発想が拡大(Magnify)です。

音楽コンポはサイズで言えばスマホに比べると十分大きいと感じますが、一方で音楽コンポを制作しているメーカーがスマホを制作する、すなわち事業領域を拡大するということは出来ないか、とも考えられます。

iPhoneを除いて、メーカーによってスマホを厳密に選んでいるということはほとんど無いかと思いますが、音楽機器メーカーによるスマホでは、搭載する機能次第ではターゲットを絞って訴求出来るかもしれません。

(5)縮小(Minify)

上記の「拡大」とは逆で、小さくすることで新しいものが出来ないか、という発想が縮小(Minify)です。

例えば、財布に対するICカード(パスモ、スイカ等)は縮小版と言えると思います。

コンビニにものを買いに行く際に、重い財布を持っていかずとも、ICカード1枚だけで買い物が出来、身軽さをパスモによって獲得出来ます。

(6)代用(Substitute)

今扱っている商品がなかったとしても代替出来るものはあるだろうか、という発想が代用(Substitute)です。

例えば、スマホはパソコンの代替したものと言えるでしょう。

今やスマホの電話機能で電話をかける方もかなり減っているように感じますが、LINE等のネットアプリを通じた通話が多くなっていることからも、スマホは携帯よりもパソコンの代替版としてのイメージのほうがしっくりくると思います。

(7)置換(Rearrange)

配列、レイアウト、パターン等を変えてみることは出来ないか、という発想が置換(Rearrange)です。

例えば、iPhone の日本語入力に使うフリッカーは文字配列の置換によって生まれたものといえます。

従来パソコンで使用されていたようなQWERTY配列よりも「あかさたな」配列で指の移動により打つスピードを上げられることが可能となり、非常に成功したアイデアといえるかと思います。

(8)逆転(Reverse)

既にある商品を逆さにしてみてはどうか、逆の発想は出来ないか、という発想が逆転(Reverse)です。

例えば、アップルのコンピューターは一般的なユーザーに使いやすくすることを第一として開発されましたが、そもそもコンピューターの利用はプロフェッショナルに向けて作られた商品であり、アップルの発想は顧客ターゲットを従来とは逆転させた発想ということが出来ます。

(9)統合(Combine)

既にあるものを組み合わせて新しいモノが作れないか、という発想が統合(Combine)です。

これは業務提携等のアライアンスを前提として考えるといろいろ発想出来るかと思います。例えば、ソニーは自社のコンピューター技術をゲームの制作プラットフォームに活用することでプレイステーションが出来ました。

つまり、自社の「コンピューター技術」と他社ゲームメーカーの制作を通じた統合だったと言えます。

2. KJ法

KJ法とは文化人類学者である川喜田二郎氏が考案した発想法で、「KJ」とは同氏のイニシャルから取ったものです。

2-1. 利用シチュエーション

KJ法は、どちらかと言うと発想法それ自体と言うよりは発想をするための情報整理フレームワークといえます。

ポイントは、ブレスト参加者個々人がアイデアを出し合い、それぞれのアイデアを意図的にグルーピングすることで新しいアイデアを生み出すヒントができるというものです。

2-2. 利用方法

KJ法とは主に4ステップの手順で進めていきます。

KJ法ステップ

ステップ1: アイデア単位化

議論するべきテーマを設定します。例えば「新規開発した洗濯洗剤の販促アイデア」等

② 模造紙とカード(数十枚〜数百枚)を用意します。

③ そしてブレスト時に参加者ひとりずつにカード数十枚ずつ渡していきます。

④  次にひたすら一人一人がカードにアイデアを書いていきます。ポイントは1カードにつき1つのアイデアという点です。

⑤ 出てきたアイデアカードを大きい模造紙上に広げます。

ステップ2: アイデアのグループ化

⑥ それぞれのカードを大分類・中分類までグループ分けし、グループ化されたカードの一番上に別の色のカードでグループ名を記載します。

→ここまででアイデアとグルーピングは納得するまで何度も繰り返していくことがポイントです。

⑦ それぞれのグループを模造紙上において適当な間隔を開けておきます。

ステップ3: 図解化

⑧ それぞれのグループ間の関係性を模造紙上に記載していきます。

記載の仕方として例えば下記のとおりです。

  • A→B:AによってBがある(一方的因果関係)
  • A⇔B:AとBの相互的に成り立っている(双方的因果関係)
  • A>–<B:AとBは対立している(対立関係)
  • A-B:AとBには何かしらの関係性がある

ステップ4: 文書化

⑨ 上記により整理した内容を基にアウトプットをドラフトします。

例えば「①販促方法概要、②収益計画、③リスク認識と対応策、④スケジュール感、⑤Next Action」というところまで

作業としてはこれで終了ですが、肝心のアイデアは模造紙上の全体像を見たうえで、更に新たなアイデアを発想するか、もともとあったアイデアの気づかなかった良さを見つけることができます。

これによって新たなるアイデアのヒントを得ることができます。

2-3. ケーススタディー「新規開発した洗濯洗剤の販促アイデア」

生活消費財メーカーで、新規に開発した洗濯洗剤の販促アイデアをマーケティング部として考えることになった、と想像してみてください。

この洗濯洗剤の売りは、ワイシャツをたとえクリーニングに出さなくてもパリッと仕上がる点だとしましょう。

例えば、あるメンバー1人だけでも下図のように思考を整理することができるかと思います。

KJ法イメージ図

この図を見てみても、例えばさきにブランドイメージを消費者に植え付けることが、マスメディアである程度は可能かもしれません。

しかし、コストを削減しなければならないということも課題であるとすれば、先にワイシャツを必ず使用するイタリアンレストランを運営する会社に対してクリーニングと代替した商品として販売するという戦術も考えられます。

飽くまでも個人的な例ですので、賛否はあるかと思います。

しかし、ここで言いたいのはこれだけでアイデアを整理することができ、可視化することで新たなアイデアが生まれる可能性も出てくるということです。

ポストイット、模造紙、鉛筆さえあれば今からでもできるので、アイデアに詰まったら実践してみてください。

3. マインドマップ

マインドマップとは下記の図のように、一つのことから様々連想して発想を出していくものになります。

3-1. 利用シチュエーション

例えば、自分自身で新規事業の企画書をあげようと考えた際に、自分自身がやってみたいことは1つだけでは無いということが多いかと思います。

そこで、一旦自分がやりたいこと、ということを起点として自分自身の思考を可視化することがマインドマップでは可能となります。

例として、某総合商社への入社3年目社員の場合は下図の通りとなりました。

アイデア発想マインドマップ

3-2. 使用方法

まずは発想の基となる中心とする概念を決めます。

例えば、「志望企業に求めるもの」とした場合、そのまわりに企業に求めるものをキーワードとして書いていくことになるでしょう。

更にそれぞれに求める要素から発想するものを芋づる式にどんどん繋げていく作業になります。

基本的に作成する上でのルールはなく、作成者の任意になりますが、ポイントとしては綺麗に描く必要がないことです。

なぜならあくまで思考整理が目的であり、人に見せることがメインな目的では無いためです。

発想基となるテーマ設定を行い、自由に思いついたことをとにかく書きまくりましょう。

4. PMI法

PMI法とは、プラス(PLUS)、マイナス(MINUS)、興味(INTEREST)のそれぞれの頭文字を取ったもので、あるアイデアをそれぞれの視点から評価することで、新たな視点やアイデアを発見するものになります。

4-1. 利用シチュエーション

既にブレストや後のディスカッションを重ねた結果、出てきたアイデアなどを評価する際に主に利用されるフレームワークになります。

又、出てきたアイデアを評価していく過程において新たなアイデアが生まれてくることも期待でき、有効な発想法フレームワークであると言えます。

下記のPMIシートで記入してみましょう。

PMIシート

4-2. 利用方法

次の3要素を、自社にて考えたアイデア、商品について挙げていきます。

例えば、「スターバックスコーヒーの日本国内における店舗数増加の是非」をテーマとした場合、次の通り挙げられます。

(1)PLUS(良い点)

  • 更なる顧客増加を見込める
  • 日本全国へのブランドイメージの拡大を強化できる
  • 売上網の拡大が見込める

(2)MINUS

  • 設備投資拡大によりキャッシュアウトが増加する
  • 新店舗での従業員教育にかけるコスト拡大
  • 日本の都道府県はすべて展開済みであり、今後の拡大によるリターン獲得にリスクあり

(3)INTEREST

  • コーヒー以外の商品を専門に販売する店舗展開は行えないのか
  • ネットやTV等のメディアを活用した商品販売は行わないのか
  • 店舗展開以外の売上獲得の模索

5. SCAMPER法

SCAMPER法とはアイデア出しのテーマに基づき、48個の質問に答えていく中で新たなアイデアを発想する方法になります。

具体的には下記表にある通りの質問に答えていく形であり、先に紹介したオズボーンのチェックリストのさらなる詳細なバージョンと言えます。

5-1. 利用シチュエーション

これもオズボーンのチェックリストと同じく、新規事業立案や新商品開発に向けたブレストにて活用することが出来ます。

リストを手元に持っていれば、ホワイトボードもしくは紙と鉛筆だけで整理できるのでぜひ利用してみてください。

5-2. 利用方法

下記それぞれ7つの視点に基づく合計48の質問に対して、現状のアイデア発想テーマに関して回答していく形となります。

サンプルとして表を用意しましたので、ダウンロードの上ご活用ください。

(1)Substitute

オズボーンのチェックリストでのものと同じようにテーマにて挙げている商品、事業に対する代替品が無いかどうかを挙げていきます。

そのための質問が挙げられており、回答をしていきます。

(2)Combine

既存商品や事業とその他のものと結合することで新たな事業アイデアが出来るかどうかということについての質問が挙げられています。

(3)Adapt

他に似ているもので応用出来るものが無いかどうかを問う質問が挙げられております。

もし似た商品や事業があった場合、自社事業への応用の可能性があることになります。

(4)Modify

自社商品で変更出来る部分があるかどうか、もしくは新規商品開発をする際に、世の中に出回っているものの部分を変えることで新商品が出来ないか等を考える為の質問が挙げられております。

(5)Put to other uses

現状の商品で他の用途に使うことで新規事業が出来ないかどうかを検討するための質問が挙げられております。

(6)Eliminate

既存商品や事業で捨てられる部分があるかどうか、それによって新たな形にならないか、ということを検討するための質問が挙げられております。

例えば、iPhoneの様な現在のスマホは、従来携帯電話に当たり前にあった番号のボタンがなくなりました。

ジョブスいわく、ボタンは結局入力するのがそのボタンに書いてあるものしか反映出来ないため、タッチスクリーンでフレキシブルのボタンにしたと、iPhoneのプレゼンで述べていました。

これは、従来のものから部分をEliminateした好事例と言えます。

(7)Rearrange

あらゆる順序やプロセスを、今ある形から変えることで新しい事業や商品が考えられないか、ということを検討するための質問が挙げられております。

以上の通り、オズボーンのチェックリストでブレストをする際に更に細かく議論する上で、本フレームワークは非常に助けになると思います。

下記の通りチェックリスト表を作成したので是非ご活用ください。

6. シックス・ハット法

シックス・ハット法マルタの心理学者エドワード・デボノにより発案された発想法で、「平行思考」という思考法を利用した発想法になります。

議論のテーマを設定したあとの議論進行方法がこの発想法のカギになります。

6-1. 利用シチュエーション

ざっくりとした事業案(テーマ)が幾つかある中で、より深掘りをする際に利用できる発想法です。

主に議論の進行についての方法ですので、テーマを設定したうえできちんと深く議論をすることが出来るのが利点です。

中でも、よくアイデアはたくさん出る人が多いけど全体の進行役がいない、分析する人がいない、といったシチュエーションでも補ってくれる方法になります。

6-2. 利用方法

名前の「シックス・ハット」とは6色の色の帽子を人数分用意し、議論段階に応じて全員で同じ色の帽子をかぶっていきます。

それぞれの色にはそれぞれの議論する方向性が有り、これをメンバー間で揃えることで、議論の進行を統一することと、メンバーが普段考えていない発想を引き出す強制発想を促します。

具体的な色ごとの議論内容は次に書いている通りです。

ステップ1. テーマ設定

最初に議論するテーマを設定します。

議論進行方法がカギだと言いましたが、飽くまでもこれは発想法であり、テーマはざっくりしたものがいいです。

例えば「今後流行るお菓子の形」とか「スターバックスに勝てるコーヒーチェーンとは」等です。

ステップ2. 「白の帽子」の人

まずは「情報」や「データ」等の客観的事実を確認します。

例えば、「今後流行るお菓子の形」というテーマだった時に、事実として現状のお菓子の形態としてどういうものがあるか、又過去にどのような形態があったか、ということを確認して共有していきます。

従ってこの段階ではアイデアや提案、他アイデアの良し悪しの評価をしてはいけません。

飽くまでも他の人が発信した議論の客観的な視点を持つことに専念します。

ステップ2. 「赤の帽子」

アイデアやテーマに対する「気分」や「感情」を発信・確認します。

例えば、

「今後流行るお菓子の形」の議論の中で「お菓子に音楽CDをつけて、お菓子とともに音を味わう」というアイデアがあったとして、「キモい」とか「楽しそう」とか、本人が感じたことを発信・共有することが役割です。

従って、合理的な反論や批判(例えば「音楽的な著作権の問題やアーティストを雇うコスト増もあり実現に向けたハードルが高い等)は発信してはいけません。

飽くまでも直感的な感情を共有するのがこの段階に於いては大事です。

ステップ3. 「黄の帽子」

「楽観的見解」を発信する段階になります。

どんなにひどいアイデアでも長所や、アイデア実現後の利益等の便益を発信するのが役割になります。

例えば、「今後流行るお菓子の形」の先の議論で、

「実際にあるデータではお菓子を食べるときには味だけでなく、その場の雰囲気を楽しんでいる、という人も少なからずいるため、そういった人をターゲットにすれば利益獲得ができるのではないか」

といった調子です。

又メリットを出したあとには優先順位付けも行います。

ステップ4. 「黒の帽子」

翻って、「悲観的見解」を発信する段階で、アイデアの欠点や最悪のリスク等を発信することが役割になります。

例えば、先の議論では「特定ターゲットへの絞込は、かなり慎重に行う必要があり、ターゲットが合致しない、彼らが反応しない等のリスクは大いにある」といった発言がなされるでしょう。

また、デメリットを出しきったあとには重要度をそれぞれつけていきます。

ステップ5. 「緑の帽子」

この人はアイデアに対する「発展」「想像」「可能性」を見出し発信することが役割になります。

先に出た、メリットや強みを如何にして活かしていくか、それを最大化するか、ということを考えたり、デリットやリスクに対する備えをどのようにすればいいか、等を考えていきます。

例えば先の議論では、

ではまずはターゲットをスクリーニングするための施策を考えませんか?
確かにリスクは少なからずあるので、お菓子と音楽を楽しみたいというユーザーをこちらで教育していき、結果そぐわないユーザーはターゲットから外していく、
という様な施策が良いかと思いますがいかがでしょう?」

といった調子で発言します。

この例では議論がまた最初の「白の帽子」に戻っていく事になります。

つまり、全員が納得するまで議論を何度も何度も繰り返すことが可能であり、これによって本発想法のメリットである議論の深掘りが出来るようになります。

ステップ6. 「青の帽子」

これはすべての後に行うと言うよりは、議論の進行があっているかどうかを確かめるときにかぶります。

例えば議論に詰まってしまった時に、どこから話し合うべきか、ということなどを議論する時間として使えるでしょう。

以上が「シックス・ハット法」の説明ですが、ポイントとして帽子はいつ変えても構わないという点です。

議論の進行役を一人置くことで、「次にどの帽子をかぶるべきか」ということをファシリテートする人物がいればなお良しでしょう。

終わりに

いかがでしたでしょうか。

キャリアアップにアイデア発想は今後一層欠かせないものであると思われますので、こちらのアイデア発想を通じて皆さんがご活躍出来ることを切に願っております。